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エフェクターの基礎知識から接続方法まで!初心者が知っておきたい種類と最適な選び方

2024.03.28

ギターの音を作るうえで、多くのギタリストが使っているアイテムがエフェクターです。

今回は、エフェクターの種類と接続方法、初心者なら手に入れておきたいエフェクターについて解説していきます。

エフェクターの基礎知識を覚えよう

エフェクターを使うにあたって、おさえておきたい基礎知識について解説していきます。

エフェクターってなに?

エフェクターとは、ギターの音色や音量などを変化させたり、残響音などの効果を与えたりする機材のことです。

音に効果や影響(Effect/エフェクト)を与えることからエフェクターと呼ばれていますが、足で踏んでスイッチを操作するため、「ペダル」と呼ぶ人もいます。

「ギターソロだけ広がりのある音にしたい」「演奏途中で音量を変化させたい」というような要求に応えてくれ、今日のギタープレイには欠かせない機材です。

ギターとアンプの間に接続して使い、上面に取り付けられたスイッチを操作し、効果のON/OFFを切り替えます。

エフェクターは2つに分けられる

エフェクターは大きく分けて、「プリエフェクト」と「ポストエフェクト」の2種類に分けられます。

■プリエフェクト

プリエフェクトとは、基本的にアンプの前に接続して音の土台を作るエフェクトのことで、ギターの音のキャラクターを決めたり、整えたりするのが役割です。

プリエフェクトに分類されるエフェクターには、オーバードライブなどの歪み系やコンプレッサーなどの圧縮系、ワウペダルなどがあります。

■ポストエフェクト

ポストエフェクトとは、アンプの後に接続するエフェクト(エフェクター)のことで、音に彩りを与えたり、広がりをもたせたりしてくれます。

やまびこ効果のあるディレイや残響効果のあるリバーブ、ステレオサウンドのように音に広がりをもたらせてくれるコーラスなどがポストエフェクトです。

エフェクターの種類を知ろう

エフェクターはプリエフェクトとポストエフェクトに分かれますが、さらに歪み系や空間系など、細かい種類があります。

多くのギタリストが使っている一般的なエフェクターを、種類ごとに解説していきます。

歪み系

プリエフェクトの代表、歪み系エフェクターは音を歪ませ、倍音と広がりをもたせる役割があります。

なお、読み方はゆがみではなく「ひずみ」です。

オーバードライブ

真空管を搭載したアンプの音量を上げていくと、音が歪んでくる現象を再現したのがオーバードライブです。

ギターの音を残しつつ、自然に持ち上げたようなクセのない歪みが特徴で、音量によって歪む量も変化します。

ディストーション

荒々しく、高音を強調したような鋭い歪みを作り出すのがディストーションです。

オーバードライブは音量によって歪みの量も変化しますが、ディストーションは音量に関係なく歪むように設計されています。

ファズ

ファズは音が潰れたような歪みのエフェクターで、「毛羽立った」という意味からファズと名付けられました。

アンプをさらにドライブさせるために作られ、ディストーションよりもさらに過激な歪みを作り出せるエフェクターです。

ブースター

音を持ち上げる(ブーストする)効果のあるエフェクターが、ブースターです。

ブースターを使えば、歪みをより強くしたり、ギターの音量を上げたりもできます。

常にONにして歪みの量を増やしたり、歪みの質を変えたりできるほか、イントロやサビなど曲の途中でONにすれば、音を目立たせることもできます。

モジュレーション系

モジュレーション系は、音の位相や振幅などを変化させ、揺らぎ効果を出すエフェクターです。

音を揺らすため、「揺らし系」と呼ばれることもあります。

コーラス

コーラスは、原音のピッチ(音の高さ)をわずかにずらした音に、遅延させた音を合わせて鳴らし、ステレオのような広がりのある音を作り出すエフェクターです。

ギターだけでなくベースやボーカル、ドラムなどさまざまな楽器パートでも使え、歪み系の次に人気の高い定番のエフェクターです。

コーラスについて、より詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

フランジャー

フランジャーは、原音に0.5~5msecほど遅延させた音をミックスして鳴らし、ジェットサウンドと呼ばれる、独特なうねり音を作るエフェクターです。

フランジャーには大きく分けて、温かみがありマイルドな音のアナログフランジャーと、クリアできらびやかな音のデジタルフランジャーがあります。

フェイザー

原音に位相(フェイズ)をずらした音をミックスし、「シュワシュワ」といったうねり効果を作り出すエフェクターがフェイザーです。

フランジャーにも効果が似ていますが、遅延を利用するフランジャーに対し、フェイザーは位相をずらすことから、フェイズシフターとも呼ばれています。

トレモロ

トレモロは、周期的に音量を変化させ、「パッパッパッ」と断続的に音が鳴るエフェクターで、イタリア語で振動の意味があります。

音がリズミカルに上下して鳴るので、休符やブラッシングをまじえるカッティングの演奏には不向きです。

ビブラート

音程を細かく上下させて揺れを生み出すのがビブラートです。

トレモロにも似た効果ですが、音量を変化させて揺らすトレモロに対し、ビブラートは音程を変化させて震えさせます。

昔はトレモロ効果をビブラートと呼んでいたこともあり、古いエフェクターの中にはビブラート効果をトレモロと表現しているものもあります。

空間系

お風呂場やホールなど、空間で音が鳴り響いたり、反射したりするのを再現し、音に広がりを出すのが空間系です。

空間系の役割については、以下の記事で詳しく解説しています。

また、おすすめの空間系エフェクターを知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

リバーブ

「残響」の意味をもつリバーブは、周囲の壁などに音が跳ね返ってくる反響音や、減衰していく残響音を再現するエフェクターです。

大きなホールで演奏しているような残響を再現した「ホール」や、自宅などの部屋を再現する「ルーム」など、リバーブにはさまざまなものがあります。

リバーブについて、以下の記事でより詳しく解説しています。

ルーパー

ルーパーは、演奏のリアルタイム録音や、フレーズを繰り返し再生(ループ再生)ができるエフェクターです。

ワンフレーズのみの録音から、音を重ねていく多重録音まで対応でき、再生に合わせて演奏をすれば一人セッションもできます。

具体的な使用方法については、以下の記事にまとめてあります。

ディレイ

ディレイは、音に遅れて返ってくる、やまびこのような効果のエフェクターです。

ディレイには温かみやマイルドさが特徴の「アナログディレイ」と、音質の劣化がなく原音のままのクリアさが特徴の「デジタルディレイ」があります。

その他

エフェクターにはさまざまな種類があり、歪み系やモジュレーション系などの系統に該当しないものもあります。

コンプレッサー

コンプレッサーは音量や音の粒を揃えたり、音を圧縮して平準化させたりするエフェクターです。

大きな音はおさえ、逆に小さな音は持ち上げて音を平均化してくれるので、聴きやすい演奏になります。

コンプレッサーについてより詳しく知りたい方、おすすめのコンプレッサーを知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

パワーサプライ

パワーサプライとは、エフェクターに電気を供給する機材のことです。

1つのコンセントから複数台のエフェクターに電気の供給ができるので、何台もエフェクターを接続する方は重宝します。

以下の記事では、パワーサプライの選び方について解説しています。

エフェクターボード

エフェクターボードとは、使用するエフェクター同士を接続したまま持ち運びができるケースとボードのことです。

ボードにマジックテープなどでエフェクターを固定して使うのが一般的で、ケースからボードを取り出し、アンプとギターを接続するだけで演奏できます。

エフェクターボードに関してより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

エフェクターを接続する順番は?エフェクター接続の三大原則

複数台のエフェクターを接続する場合、接続順によって効果が変わります。

エフェクターの接続順に決まりはありませんが、個々の効果をしっかり出したい場合は、次の原則をおさえておきましょう。

①後に接続されたエフェクターの効果がより際立つ

エフェクターに入った電気信号に対してエフェクトがかかるため、後(アンプ側)に接続したエフェクターの効果がより強く出ます。

例えば、オーバードライブの後にコーラスを接続した場合、オーバードライブで作られた歪みにコーラスの効果が加わります。

②ケーブルの差しっぱなしはNG

電池で駆動させるエフェクターは、スイッチがOFF状態であっても、ケーブルを差し込むと電池を消耗します。

ケーブルの差しっぱなしは電池を消耗するので、使う時以外はケーブルを外しておきましょう。

③インプット→アウトプットの流れを覚える

電気信号はエフェクターのインプットから入り、効果を生む基板の中を通り抜けてアウトプットより出てきます。

インプットとアウトプットを逆にとらえていると、接続しているのに音が出ない事態も起こります。

エフェクターを接続し、電源も確保できているのに音が出ない場合は、インプットとアウトプットの接続に誤りがないか確認してみましょう。

■接続順のセオリー

エフェクターの接続順に答えはありませんが、個々の効果をしっかりと発揮させるためのセオリーは存在します。

接続順に迷ったら、以下の順を参考に接続してみてください。

フィルター系(ワウなど) → コンプ系(ダイナミクス系)→ 歪み系 → モジュレーション系 → ピッチ系 → 残響系

まとめ

■エフェクターはプリエフェクトとポストエフェクトに分かれる

■エフェクターには歪み系や空間系など、さまざまな種類がある

■数台のエフェクターを接続する場合は、接続する順番によって効果が変わる

基礎を身につけたうえで、エフェクターを入れ替えながら、自分らしい「個性」を探求していきましょう。