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【徹底解説】ギターコンプレッサーをマスターしよう!選び方や効果を解説

2024.04.25

ギターの音作りを一段と向上させる鍵、それが「コンプレッサー」です。

本記事では、コンプレッサーの基本的な効果や各機能の役割、さらに選び方のポイントをわかりやすく解説。

お気に入りの1台を見つけて、音作りの幅を広げましょう!

コンプレッサーとは?

コンプレッサーの効果や、各調整機能について解説していきます。

調整機能の役割がわかれば、コンプレッサーの効果もわかってきます。

コンプレッサーについて

コンプレッサー(略してコンプとも呼ばれる)は、ギターの音の粒を揃えるエフェクターです。

ギターの1音1音の音量差をなくし、ピッキングによる強弱も平均化して、全体の音量バランスを整えます。

また、最大音を圧縮(コンプレッション)して音量を整え、音の減衰を緩やかにしてサスティーン(音の伸び)を長くすることもできます。

おもなコンプレッサーについている調整機能は以下の通りです。

SUSTAIN(サスティーン)

サスティーンとは音の伸び(余韻)のことで、「持続する」という意味です。

コンプレッサーでは減衰していく音を持ち上げて、余韻が長く続くようにします。

音が圧縮され始めるときの音量や圧縮時間などを調整し、サスティーンの長さを調整します。

ATTACK(アタック)

スレッショルド(効き始めるレベル)を超えたときに、圧縮が始まる時間を調整します。

単位は「msec」で、大きくするとアタック音が柔らかい音になり、逆に小さくすると、アタック音がハッキリでる音になります。

大きくすればするほど、コンプレッサーがかかり始めるまでの時間が遅くなるのが、アタックです。

RELEASE(リリース)

アタックとは反対に、圧縮された音が解除されるまでの時間がリリースです。

音がコンプレッサーのスレッショルドを下回ったときに、どれだけ時間をかけて減衰させていくのかを設定します。

設定を大きくすればするほど小さな音量でも効果が得られますが、自動でリリース時間調整を行う、オートリリースが備わったエフェクターも数多くあります。

GAIN(ゲイン)

圧縮によって小さくなった音量を補うための設定です。

コンプレッサーの設定によっては、全体的な音量が下がることがあります。

その場合に全体的に音を持ち上げ、音量変化をなくすのがゲインです。

KNEE(ニー)

ニーは、圧縮時のカーブを変化させる役割です。

極端に圧縮がかかると、音の波形が角張って不自然な形になりますが、ニーによって滑らかで自然な波形にします。

RATIO(レシオ)

スレッショルドを超えた音声信号に対し、どれだけの割合で圧縮をするのかを決めるのがレシオです。

割合は「4:1」や「6:1」などで表され、比率が高いほど強い圧縮になります。

コンプレッサーの効果

コンプレッサーには、音を圧縮してサスティーンを長くしたり、音の粒を揃えて全体を平均化したりする効果があります。

以下で、コンプレッサーのおもな効果について解説していきます。

なお、歪み系などと違い、コンプレッサーは効果がわかりづらいエフェクターです。

以下のBOSSのデモンストレーション動画では、コンプレッサーの効果が確認できます。

BOSS CP-1X Compressor Sound Examples featuring Tim Pierce – YouTube

余韻(サスティーン)を長くする

コンプレッサーには、音を圧縮してサスティーンを長くする「ロングサスティーン」効果があります。

大きな音を圧縮して音量を揃え、さらに持ち上げることで減衰がなだらかになり、サスティーンも長くなります。

ブースターとして

大きな音は小さくし、小さな音は持ち上げて全体の音量バランスを整えることから、ブースターとしても使えます。

原音への味付けもほとんどないためクリーンブースターとして使えるほか、イントロやソロ時だけONにして、音量をアップさせる使い方もできます。

トーン(音質)を調整できるコンプレッサーもあり、よりこだわった音作りが可能です。

音量を整える

音量やピッキングの強弱を揃え、音の粒を平均化してくれるのが、コンプレッサーのおもな効果です。

特にクリーントーンはピッキングの強弱や、音量差がハッキリでやすいため、コンプレッサーの効果もハッキリでます。

アルペジオやカッティングで使えば、音の粒が揃った聴きやすい音になります。

ミュートした音を際立たせる

コンプレッサーの小さな音を持ち上げてくれる効果により、ミュート音を際立たせることができます。

ミュートした音は小さくなるため、ほかの音に紛れて目立たなくなりがちです。

コンプレッサーを使えば、ミュートの音も持ち上げて際立たせてくれるので、鳴らす音とミュート音のバランスもよくなります。

コンプレッサーの名機6選

多くのギタリストに愛される、コンプレッサーの名機を6モデル紹介していきます。

どのコンプレッサーにしようか迷った場合は、参考にしてみてください。

Compression Sustainer CS-3 / BOSS

プロ・アマ問わず、世界中のギタリストに愛用されている定番のコンプレッサーです。

ローノイズ設計で抜けがよく、原音を歪ませることなく圧縮するので、クリアな音が得られます。

高域成分の調整ができるTONEもついているので、音がこもりにくいほか、ブースター使用時の音質調整もできます。

ノブはどの位置にしても使える音がでるので、初心者でも安心して使えるコンプレッサーです。

M102 Dynacomp / MXR

BOSSのCS-3と並んで、世界中で愛用されている超定番のコンプレッサーが、MXR「M102 Dynacomp」です。

ツマミは音量を調整する「OUTPUT」と、コンプレッサーのかかり具合を調整する「SENSITIVITY」の2つだけなので、簡単にセッティングができます。

独特なパコパコ音と言われる、パーカッシブな音がでるので、カッティングに最適です。

イングヴェイ・マルムスティーンや、オアシスのノエル・ギャラガーが使用しているコンプレッサーとしても有名です。

SP Compressor /  Xotic

最高のコンプレッサーとも言われる「Ross Compressor 」をベースに、幅広い音作りができる高性能なコンプレッサーです。

温かみのあるヴィンテージサウンドから、ハイファイな現代のサウンドまで作れます。

HI・MID・LOの3種類から選べる「モードスイッチ」や、内部にはアタックを調整できるDIPスイッチもあり、状況に合わせた細かなセッティングに対応。

幅がBOSSなどの一般的なエフェクターの半分程度なので、ペダルボードに組み込む場合でも場所を取りません。

COMPADRE / strymon

strymon「COMPADRE(コンパドレ)」は、キャラクターの異なる2種類のコンプレッサーを搭載した高機能モデルです。

スタジオで使用されるレベルの高音質なコンプレッサーと、ブースターが同時に使えます。

TREBLE・MID・FLATから選択できる、3つのEQモードが備わったクリーン&ダーティーブーストを搭載し、必要な周波数域をブーストできるほか、ブースター使用時は歪みも得られます。

好みや機材環境に合わせ、トゥルーバイパスとバッファードバイパスの選択も可能です。

HYPERGRAVITY COMPRESSOR / TC Electronic

スタジオで使われる高品質なコンプレッサーを、コンパクトエフェクターで再現したモデルです。

周波数域ごとにエフェクトのかかり具合が調整できる「マルチバンド」を採用。

中央のスイッチを切り替えれば、シングルバンドのような使い方もできます。

TC Electronic独自の「TonePrint」にも対応しており、スマホを介してネットに接続すれば、さまざまなセッティングがダウンロード可能です。

VELVET COMP/Providence

アルペジオからロングサスティーンのリードまで、幅広い演奏環境で使えるコンプレッサーです。

ツマミは「LEVEL」「ATTACK」「SUSTAIN」の3つで、ATTACKの調整により、立ち上がりの速い音から、滑らかでクリアな音まで作り出せます。

クリーントーンはもちろん、歪み系との相性もよく、エフェクトがOFFのときのトゥルーバイパスにもこだわっています。

中古のコンプレッサーならシェアリングサービス「TryOut」で

「コンプレッサーの効果を知りたい」「自分の演奏環境に合うのか試奏して試してみたい」という方にオススメのサービスが、エフェクターのシェアリングサービスです。

2023年に始動したTryOutは、エフェクターを貸したい人と借りたい人をマッチさせるシェアリングサービスを行っており、専用のアプリで簡単に取り引きできます。

週当たり1,000円台からコンプレッサーのレンタルができるので、試奏してみたい方はぜひチェックしてみてください。

まとめ

■コンプレッサーは音の粒を揃えるエフェクター
■サスティーンも長くでき、ブースターとしても使用できる
■アルペジオやカッティングに最適

コンプレッサーがあれば音の粒が揃い、聴きやすい演奏になります。

より安定した演奏を求める方は、コンプレッサーを試してみてください。