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エフェクターボードって何?初心者にもわかりやすい選び方や組み方

2024.03.14

エレキギターを楽しむために欠かせない「エフェクター」。自分の好みに合わせてコレクションする楽しみも増えていくでしょう。種類が増えると持ち運びやセッティングが大変になりますが、そこで利用したいのがエフェクターボードです。

この記事では、エフェクターボードの役割や、初心者でもわかりやすい選び方・組み方を解説します。

エフェクターやエフェクターボードの役割

エフェクターやエフェクターボードは、そもそもどういう道具なのでしょうか。

エフェクターはエレキギターの音を加工する道具

ギターにはアコースティックギターとエレキギターがあります。

エレキギターは電気信号によって音が出る楽器で、「ギュイーン」というかっこいい音が特徴です。

テレビやライブなど、エレキギターを演奏する姿をどこかで見たことがあるという人は多いでしょう。

ギター本体とアンプ(音を出す装置)だけでも演奏することはできますが、エフェクターを使うことでさまざまな音色を出せます。

自分の好みや個性に合わせてギターの音色を変える道具、それがエフェクターなのです。

ギターの演奏中は両手が塞がっているため、エフェクターは足で踏んで操作します。

エフェクターはギターの音色を楽しむものとして1960年代から開発され、今やエレキギターに欠かせない存在となっています。

エフェクターボードとは?

エフェクターの効果は実にさまざまで、やまびこのように音を重ねるものや救急車のように音が近づいてくるものなどがあります。これらを切り替えたり、同時に使ったりしてギタリストは演奏を楽しんでいるのです。しかしここで大変になってくるのが、持ち運びやセッティングです。

あらかじめ演奏に使いたいエフェクターを組み合わせ、ボードに取り付けて専用のケースに収めたものを「エフェクターボード」と言います。

エフェクターボードを用意するメリット

「まだ初心者だしエフェクターボードなんて必要ない」と考える人もいるかもしれません。複数のエフェクターを扱うのであれば、エフェクターボードはおすすめです。エフェクターボードがあるとどんなメリットがあるのでしょうか?

準備にかける時間を短縮できる

エレキギターの演奏や練習をする前には、多くの準備が必要です。

・ギターとケーブルをつなぐ
・エフェクター同士を並べてつなぐ
・ケーブルをアンプにつなぐ

演奏後の片付けも考えれば、時間を要することは想像できますね。あらかじめエフェクターボードにエフェクターをセッティングしておけば、エフェクター同士を並べてつなぐというステップがなくなります。

忘れ物や紛失の心配を減らすことにもつながります。

自分の音をいつでも再現できる

エフェクターを個別に扱っていると、何かの拍子につまみが動くなどして音のセッティングが変わってしまうことがあります。

つまみの設定やエフェクターの接続の順番もエフェクターボードなら変わることがないため、いつでも自分の音を再現できるでしょう。

演奏やリハーサルの時に自分の理想の音が出せなかった・・・という心配が少なくなります。

演奏するときの操作に慣れやすい

自宅やスタジオなどどこで演奏するにしても、エフェクターやケーブルなどの配置や距離感を全く同じように再現するのは難しいものです。

楽器の演奏というのは体に覚えさせていくものですから、エフェクターがエフェクターボードに固定されていれば、足を踏む感覚や見え方などに慣れるのが早くなるでしょう。

エフェクターボードのサイズは小型がいい?初心者の選び方

エフェクターボードを使いたい!どんなことに気をつけて選べばいいのでしょうか?

エフェクターボードのサイズ

まず考えたいのが、エフェクターボードのサイズ感です。エフェクターがすでに手元にある場合、並べてみて寸法を測ると必要なエフェクターボードのサイズが分かってきます。おすすめしたいのが、少し余裕を持たせることです。

理由としては、

・エフェクターの配線の隙間を考える
・将来エフェクターを買い足したいときにスペースが必要

などが挙げられます。「大きすぎず、小さすぎず」を目指すといいでしょう。

使うシーンを考える

エフェクターボードにはハードケースとソフトケースがあります。

■ 頑丈さならハードケース

ハードケースのメリットは、とにかく頑丈で衝撃に強いことです。プロの現場でも多く使われているのがこちらのタイプで、ふたを開けて足元に置くだけでセッティングが完了するという手軽さもあります。

ただし頑丈な分だけ、重量があります。車で移動することの多い人は、ハードケースに向いているでしょう。

持ち運びやすさならソフトケース

ソフトケースのメリットは、なんと言っても軽くて持ち運びがしやすいのが特徴です。電車やバスといった公共交通機関での移動にも負担が少ないことは、大きな魅力です。

中にエフェクターを固定するボードが入っていて取り出して使えるので、セッティング時間の短縮という意味ではハードケースに劣らないでしょう。

すのこがついているかどうか

エフェクターボードのすのことは、エフェクターを乗せてシールドなどを裏側に収納できるようにする仕切りのことです。

すのこがあればエフェクターボードがシールドでごちゃごちゃすることがなく、すっきりさせることができます。すのこ自体は別売りされていたり、自作もできたりしますが、あらかじめついているものを選べばその手間も省けるでしょう。

エフェクターボードの組み方は?気をつけたいポイント

エフェクターボードを手に入れたら、いよいよ組み立てていきます。気をつけたいポイントを紹介します。

エフェクターボードの配置やつなぐ順番

エレキギターの音色は、エフェクターをつなぐ順番によって変わります。

例えば、音に広がりを持たせるエフェクターと音を歪ませるエフェクターがあったとします。広がりを持たせてから歪ませるのか、歪ませてから広がりを持たせるのかはエフェクターをつなぐ順番によって変わってくるのです。

基本的には、ダイナミクス系→補正系→歪み系→モジュレーション系→空間系と繋いでいくのがセオリーと言われています。ただし、音楽の世界に正解はありません。自分の理想を求めてセッティングするのがベストであり、エフェクターの楽しみです。

エフェクターボードの配線はきれいにする

配線をきれいにすると、ライブなどの人目につくようなシーンでも見た目をすっきりさせることができます。また、配線を整理することでケーブル同士の接触を減らせるメリットもあります。

エフェクターを詰め込みすぎると、端子やスイッチ同士が干渉してしまい、演奏のクオリティに影響が出る可能性があるからです。

エフェクターの数が多くなってしまう場合はすのこを利用したり、柔らかいケーブルを選ぶなどして配線がきれいになるように工夫しましょう。

エフェクターをボードにしっかり固定する

せっかくエフェクターボードを組んでも、移動中に中でエフェクターが移動してしまえば、つまみが動いたりケーブルにダメージを与えたりする可能性があります。エフェクターはボードにしっかり固定するのがおすすめです。

中でもポピュラーな固定方法は、面ファスナー(マジックテープ)です。エフェクターボード側にあらかじめ面ファスナーの片側が貼り付けられているものも多く、エフェクターの裏面に面ファスナーを貼るだけで固定することができます。

エフェクターの付け外しが簡単にできるのが面ファスナーのメリットと言えるでしょう。

まとめ

エフェクターボードにはギタリストの「好き」が詰まっています。自分の理想に合わせて、お気に入りの一台を作り上げていきましょう。(画像はイメージです)