<ライブレポート>おもかげpresents「あの頃の夢の話 Vol.2」

<ライブレポート>おもかげpresents「あの頃の夢の話 Vol.2」

2025.11.01

10月25日に  Spotify O-Crest にて、神奈川県横浜のロックバンド・おもかげ主催「あの頃の夢の話 Vol.2」が行われた。

8月に続くおもかげ主催のツーマン企画で、今回は対バンにYUTORI-SEDAIを招いた。

おもかげ・ひぐまかんた(Vo/Gt)はライブ前「POP でキャッチーでロックで楽しい日に!」と話し、2組とも気合十分。その言葉通り、ロックバンドのライブの楽しさに溢れた1日となった、その様子をお送りする。

Curated by 遊津場

(Eggs公式キュレーター、AWA公式ユーザー、音楽ライター。若手邦ロックの分野に強く、RADIO CRAZYのANTENNA STAGE、閃光ライオット、十代白書などの公式レポを担当)

YUTORI-SEDAI

photo by 小野秀梧

“この 3 組”だから生まれた愛しかないライブ!

登場すると、まず金原遼希(Vo/Gt)がおもかげの『ラベンダー』を歌い始め、静かにも会場のテンションを確実にグッと上げる。そして「よろしく!」と叫んで開放的な音を鳴らして盛り上げると、「よっしゃあ!YUTORI-SEDAI とおもかげとあなたのスリーマンです。よろしくどうぞ!」と『恋しちゃったんだ』でライブがスタート。

恋のときめきと、それによって少し理性を失うことで生まれる焦燥感を含んだ歌を、赤や紫の照明も盛り立てて会場の温度を上げる。

キャッチーなサウンドにフロアもすぐにクラップで対応して、金原も「いいね!」。そんな心と体の拍動を優しく確実に包み込む櫻井直道(Dr)のドラムと、時にセンターでドシンとした音も響かせた上原駿(Ba)のベースも必要不可欠なファクター。

そこから「さぁ渋谷の皆さん楽しむ準備できてますか!」と繋いで代表曲『ぎゅっとして、』と、最新曲『YURU FUWA』をプレイ。タイプの違う楽しくキュートな2曲。

特に『YURU FUWA』は金原も「飛べ飛べ!」、櫻井も「ジャンプ!ジャンプ!」と伝え、上原も軽快にサイドステップ。それに合わせてフロアも弾むし、見ていたおもかげもノリノリ。金原と上原はステージを大きく使って、会場をゆるふわ中毒にしていた。

MCに入り、おもかげに感謝を伝える3人。事前にコラボインスタライブで「陽気な子たち」「おからドーナツの差し入れがあった」とおもかげの感想や裏話をし「良い奴らの良いイベントに呼ばれて嬉しいし、今日のライブが終わって、あなたの心の中に“面影”が残るようなライブをします!」と伝えた。

そんな中盤戦スタートは「苦しい、叶わない、戻れない、そんな恋の歌を」と、冷えてきた季節にマッチして染みるバラード『メープル』

そして「おもかげからやってほしいと言われた曲があったんで、久しぶりにやります」という『君と音楽』

『君と音楽』はイントロが流れた時点で、その雰囲気の違いに刺さったお客さんの様子も確認できたし、思わず笑みが溢れる方もいた。終始ロックバンドとしての強さと幅広いサウンドメイカーとしての姿を見せ続けた。

最後のMCでは「最初にYUTORI-SEDAI とおもかげとあなたのスリーマンと叫んだけど、本当にそうだと思っているから。ライブを作るのもメンバーだけじゃなくて、あなたがいるからだって伝えたいと思います。そういう意味で今日のフロアの表情はすごく素敵だと思うし、おもかげもパワーをもらうと思います。そんな表情をこれからも自信を持って、沢山ステージに向かってぶつけてほしいと思います。僕らも来年1月に大阪と東京でワンマンライブがあります。今日のフロアは率直にこれからも音楽を作っていきたいなと思ったので、今日の続きをまたできたらと思うので、良かったら会いに来てください」と伝えた。

photo by 小野秀梧

そしてギターをひと鳴らしし「本当にめちゃくちゃ最高だからさ。その調子でさ、この音楽がある空間にずっといてほしいなと思う表情でした!またその表情を見れる日を楽しみにしております!」という言葉と共におもかげとあなたに向けて『すき。』を最上級の愛を込めて届けた。

そしてラストスパート!「一瞬たりとも遅れを取るなよ、いいかい?」とアップテンポな『アイラブユーベイビー』が始まる。金原も「いけるかい!」と煽り、上原のアクションも大きくなる。櫻井もしっかり1人1人を見ている。

爽快なまま曲が終わってピースをした金原は「よっしゃあ!もっともっとおもかげに今日のフロアはヤベー最強だわって思わせたいからさ!楽しむことにブレーキなんか必要ねぇからな!アクセルだけ!    Are you Ready?」と『足りないくらいがちょうどいい』でヒートアップ!コールアンドレスポンスでは<  LOVE LOVE LOVE LOVE おもかげ!>と、この日バージョンで盛り上がった。

最初から最後まで愛が所狭しと跳ね返り合った。YUTORI-SEDAI というロックバンドが今、必要とされている理由がよく分かる40分だった。

photo by 小野秀梧

<セットリスト>

1.恋しちゃったんだ

2.ぎゅっとして、

3.YURU FUWA

4.メープル

5.君と音楽

6.すき。

7.アイラブユーベイビー

8.足りないくらいがちょうどいい

公式HP:https://yutori-sedai.main.jp

おもかげ

photo by 小野秀梧

<大丈夫>を担うロックバンドの姿

SE『言の葉にのせて』で登場し『海の見える街』でスタート。その歌い出しは海岸線から朝日が昇るように、徐々におもかげの音楽で染め上げていき、ひぐまかんた(Vo/Gt)が「お待たせしました!おもかげです!よろしくお願いします!」と挨拶すると、一気にクリアなロックサウンドが押し寄せる。それは時に優しく、時に強く、これも海の波や風のよう。

駆け出す勇気を与える展開は、続く『ミライ』でさらに加速。ひぐまの言葉だけでなく、えいと(Gt)、悠星(Ba)、左近航介(Dr)の演奏でも煽られたフロアはハンズアップしてジャンプ。ひぐまの「えいと、行って来い!」から始まったえいとのギターソロでも熱量を上げるし、その後ろでリズム隊もアグレッシブに演奏。見所しかないステージングだ。

3曲目『微熱』でも「おいクレスト、やれんのか  ⁉︎ (ひぐま)」とバトルモード継続。間奏では悠星vsえいとの演奏対決でも沸かし、ひぐまも思わず参戦。そして「スーパードラマー!航介!」の紹介でドラムソロも見せた。そのステージの盛り上がりに負けないようにフロアも反応。なんたって今日はスリーマンですから。

MCに入ると、コソコソ声でライブ中の歓声の少なさにご不満のひぐま。それだけ圧倒していたということだと思うが、挨拶すると大きな歓声が起こった。えいとも気合十分で「フロア全員の生命力を集めても、俺の方が上」とのこと。

その後ひぐまが「この大切な日に集まった皆さんにもっと楽しんでほしいと思うので最後までよろしくお願いします。大切な1曲を」と『ラベンダー』へ。

何度も美しい余韻の味わいと“あの頃の匂い”を思い起こさせる時間に。<大丈夫>というシンプルかつ難しい言葉を届ける覚悟も強く伝わった。センチメンタルな空気になるかと思いきや「まだまだいこうぜ!」とひぐまが叫んで始まった『閃光』でさらに強いエネルギーが放出!これは前の曲の繋がりもあってこそだと思うし、やはりひぐまの紡ぐ言葉にはリーダーシップがある。それを後押しする演奏、サビでの悠星のコーラス、そこにフロアの反応が合わさると、ここまでダイナミックになるのだ。

photo by 小野秀梧
photo by 小野秀梧

そこからゆったりと繋げたのは新曲バラード『こころ』

非常に体重があって大きな愛を真剣に受け止めるフロア。演奏が終わると堪えきれないように拳が上がり、拍手が起こった。

あと2曲。MCで再びコソコソ声で会場を和らげた後、左近は「まだ遊び足りない」、悠星は「もっとみんなとコミュニケーション取りたい」と言い、ひぐまも「皆さんもまだまだ遊び足りないですか !?」と尋ねると元気な反応。

そんなフロアに『青空メモリー』をぶつけたもんだから、この日が雨天だったことを忘れるフロアの乾いたクラップと空気を爽やかにするワイパーとコーラスでフロアも青空の一部に。

ひぐまもその青空に吸い込まれるようにハンドマイクで歌ったりもした。より開放的な気分になった中、ラストは『ボクの文学』

<ワン、ツー!>と始まりの掛け声も決まり、ひぐまは「あの頃掲げた夢、その途中であなたに出会えたこと、とても嬉しく思う!これからの約束の歌!真っ直ぐ届けます」と伝えた。

僕らは文字に、声に、旋律に囲まれながら生きていて、そこから選んで自分にしかないストーリーを創っている。そんな当然のようで大切なことを、しっかり肯定して、共に楽しんでくれるこのおもかげのライブという空間。その喜びと感謝を伝えるようにシンガロングも起こり、ひぐまもそれに「あなたの笑顔が、僕らの歌う理由です!」と答えてライブは終了した。

photo by 小野秀梧

さらに遊びたいフロアから即アンコール。本編の感想を聞かれた悠星は「良い雰囲気を作れたと思っている。ちゃんとスリーマンになったと思います。ありがとうございます」と感謝。そんな悠星に友達を作るアドバイスを考える3人だったが、どこまでいっても音楽が好きということが分かっただけだった。

そして各メンバーを模したアニマルステッカーの発売と「重大発表が…できる準備をすごくしておりまして、本当に曲をめっちゃ作ってて、そこからどこでもやってない新曲を」と『ふたりの話』を披露。

待ち望んでいた休日のように心を軽くするナンバーで、日常にそっとボーナスをくれるピースフルな曲だった。

ラストは始まりの曲『18歳』

まさにこの“今”を笑顔にするために、ただひたすらに輝いた。メンバーもより衝動的なプレイを見せ、左近は立ち上がったりもした。全員で作った最高な景色の中、ひぐまは「明日も、夢の先でも、あなたのその笑顔があれば!きっと大丈夫!」と叫んで、アンコールも終了した。

photo by 小野秀梧

<セットリスト>

0.言の葉にのせて

1.海の見える街

2.ミライ

3.微熱

4.ラベンダー

5.閃光

6.こころ

7.青空メモリー

8.ボクの文学

<アンコール>

1.ふたりの話

2.18 歳

おもかげ/『青空メモリー』

Listen & DL : https://lnk.to/Aozora_MemoryYT

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