2025.03.15
2025年3月8日(土)・9日(日)に福岡の中心地である天神地区で行われたサーキットフェス「TENJIN ONTAQ(読み:テンジンオンタク)」は、今年で開催10年目を迎えた。
「LIVEHOUSE CB」「LIVE HOUSE Queblick」「LIVE HOUSE OP`s」「public space 四次元」「Keith Flack」「graf」「The Voodoo Lounge」「public bar Bassic.」の8会場で行われた本イベントは地域の活性化やインディーズバンドの後援など、様々な要素を担う重要なイベントである。
全国から集まった135組のアーティストによる熱いライブに加え「下北沢にて」とのコラボステージが開催されるなど規模感も例年以上に拡大。
本稿では、8日(土)に出演した7組のアーティストを紹介していく。なお数多くのアーティストが本イベントに出演していた都合上、全てのライブを網羅することは叶えられなかったが、今回来られなかった方々に「来年のONTAQに行きたい」と思うようなレポートであれば幸いである。
この日のトップバッターとして public space 四次元 のステージに登場したのは、大分を中心に活動する4人組ロックバンドの「My Peace」だ。
爽快なロックナンバー『ステアーズ』からパフォーマンスがスタート。透き通る山本航(Vo/Gt)の歌声とリードギターのサウンドに、ドラムのキックとベースラインが重なり心地良いグルーヴを生み出していく。「始まりました!ONTAQ2025!早い時間に見にきてくれて本当に嬉しいし、1日の始まりを作る為しっかり歌わんといけんなって早起きして来ました!」と意気込みを語り、『ハイライトの住人』『ティアグリーン』を立て続けに披露。一気に加速する演奏に、フロアも全力で盛り上がりを見せた。
「楽しそうっすね!俺も今日めっちゃ楽しいっすわ!残り数曲だけど、俺たちの伝えたいこと、良い時間にするため最後一生懸命歌います」と告げ『グッバイ』では、”必ずまた会えるから”とファンと一緒に歌い上げ、ステージを後にした。
2025年3月29日(土)には、LIVE HOUSE OP`sでのライブイベントが予定されている。福岡の方は、ぜひ足を運んでほしい。
今イベントで最大の収容数を誇る LIVEHOUSE CB の ステージに、ONTAQ初出場となる東京都のスリーピースロックバンド「anewhite(読み:アンホワイト)」が登場した。
「anewhiteです。最後までよろしく!」と告げ、代表曲である『カヤ』からライブをスタートさせると、早くも会場は手拍子の嵐に包まれ、一気に盛り上がりを見せた。続く2曲目では、2月19日(水)にリリースしたばかりの新曲『オンガク』を披露。感情を揺さぶる佐藤佑樹(Gt/Vo)のハイトーンボイスが響き渡り、「音楽は人を救わないけど、人を変えるきっかけになる」、「ひっそりと楽しんでもいいし誰かと分かち合っても良い」と本人が以前語っていた通り、フロアの観客も思い思いに揺れた。
フェスらしく、ライブの定番曲である『ソワレの街で』では観客も一緒に歌い、大合唱が広がった。続くラストナンバー『ソフト』では、会場全体がひとつになり、熱気に包まれるままライブを締めくくった。
grafでは仙台を拠点に活動する「鉄風東京」が福岡の地でも圧巻のパフォーマンスを遺憾なく発揮した。
1曲目の『TEARS』から拳を上げて応えるオーディエンスに呼応するように、大黒崚吾(Vo/Gt)の煽りが止まらず会場のボルテージは早くもMAX。「いつだってこの瞬間は一度しかないんで!そのために仙台からやってきました!手加減なしでよろしくお願いします!」と放ち『Dazzling!!』を披露。「自分が好きな遊び方で楽しんでいってください!Sing Alone!!!」という合図でダイブが始まり、観客たちはこの一瞬を全力で楽しむ姿が広がった。
MCでは「ここ福岡って本当に温かい人が多いけど、東北って意外と暗い一面もあって自分との戦いをする人が多い。今日は皆さんの顔を見て僕の街じゃ見られないもの見させてもらったんで、俺らの故郷の歌をやります」と語り、『Remember my snow?』へ。
「音楽の向こう側に行きましょう」と『Not end, now I run.』を最後に歌い上げステージを降りた。
続いて The Voodoo Lounge のステージに上がったのは、昨年に引き続きONTAQ2回目の出場となる、愛媛県松山市を拠点に活動するミュージックパンクバンドの「PRAY FOR ME」だ。
「ONTAQーーー!!最高の空間を愛媛松山から!」という掛け声とともに登場し、無心で楽器を掻き鳴らすイントロを経て『Alright』でライブがスタート。「クソでかい声で頼むわ」と観客を煽り、『Liberty』の歌い出しである “I want to be freedom Raise your voice” を一斉にシンガロングし、会場の熱気も一気に高まる。
『Falling in April』ではステージとフロアの境目を取り払うかのように、観客にも照明が当たり、それぞれが思い思いにエネルギーを爆発させる。「どんどん輪を広げていきたいし、いつも以上に遊んで行って欲しいし、一緒に良い時間を作っていきましょう!」と語り、昨年リリースされた1stミニアルバム『The leaves in Sept.』に収録されている『Autumn Latte』『Pressure』を立て続けに披露。最後まで全身全霊のパフォーマンスでステージを締めた。
3月12日(水)から『The leaves in Sept.』の配信が開始されている。ぜひチェックしてほしい。
公式:https://pray-for-me.wixsite.com/pray-for-me
4月25日(金)に恵比寿リキッドルームで行われるワンマンライブがすでにソールドアウトとなり、更に人気に勢いを増している山梨県富士吉田発の「Laughing Hick(読み:ラフィング ヒック)」が、ONTAQ2回目の出場となる LIVEHOUSE CB のステージに立った。
SEが流れるとフロアは拍手に包まれメンバーが登場。観客が待ってましたと言わんばかりの大歓声で迎え、『愛してるって』で堰を切ってライブがスタート。バンドの演奏と歌声によって生まれるグルーヴと暖かさを感じさせるサウンドが会場を包み、会場はボーカルに合わせながらハンズアップとクラップで応えていく。
「ONTAQで今日一番熱い空間を作りたいんだけど、ついて来れるやつどんぐらいいますか!全員で最高の空間作ろうぜ!」とホリウチコウタ(Vo/Gt)が口にし、『休憩と宿泊』『愛なんて嘘は置いといて』を続けて披露。「クラップは頭の上でくれよ!」と観客を煽ると、会場一体となって躍動感を増していく。「ラスト、たくさんの出会いをくれた大切な曲を」と語り、『カシスオレンジ』でステージを締めた。
公式:https://lit.link/LaughingHick
続いて LIVEHOUSE CB では福岡県久留米市を拠点に精力的に活動を行っている「ジ・エンプティ」が登場。地元開催ということもあり、リハーサル中から会場は入場規制がかかる程のファンの熱気と興奮で包まれる。
時間になると「ONTAQやらかして帰ろうぜー!!CB飛び跳ねろ!!!」というハルモトヒナ(Vo)の合図で『革命』がスタートし、観客たちは拳を突き上げ、ジャンプで応戦する。サビになると“愛している 革命を起こすのだ 鉄砲が小さく見えるほど”という大合唱が巻き起こり1曲目とは思えないほどの熱量を見せた。
2曲目の『さよなら涙』では早くも盛り上がりは最高潮に達し、爆音と同時に観客たちは一斉にダイブを始める。「皆と一緒に歌いたい歌がある」と告げ、『テイクミーアウト』が始まると会場全体でもみくちゃになりながら、そこにある音楽を存分に受け止める。
「ここに来てくれた皆に愛を込めて。無茶苦茶になって帰ろう!!」と告げ『神様からの贈物』を歌いあげ、30分間の圧巻のパフォーマンスに幕を閉じた。
イベント1日目のトリを LIVEHOUSE OP’s で飾ったのは、ONTAQ4回目の出場を誇る静岡の4人組ロックバンド「Atomic Skipper(読み:アトミックスキッパー)」
メンバーが登場すると会場からは拍手が湧き上がり「福岡2025OP’sトリーー!!!トドメを刺しに来ました!」と中野未悠(Vo)が叫び、『幸福論』でステージを勢いよく駆け出した。
『星降る夜』のサビではメンバーとフロアが一体となり“星降る夜の中 何を願えば 君は笑うの” と活力溢れるシンガロングが巻き起こる。MCでは「鼓動の早さとかも揃っちゃうくらい、心の結びつきを強いものにしたいです!今日はAtomic SkipperのONTAQ史上一番密度の濃い時間にしていきます!!」と語り、2025年2月にリリースされたばかりの『2度とない瞬間を』を披露。
続く『メイビー』では観客のクラップとともに大きなグルーヴを生み出していく。「心で聞け!心に訴えかけてる!」と放ち最後は『ロックバンドなら』でメンバーと観客がエネルギーの交換をしているような最高の熱気に包まれる。
勢いそのままにアンコールの『動物的生活』で4人全員がリミッターのないパフォーマンスを見せ、熱いステージングはフィナーレを迎えた。
公式:https://atomicskipper2014.com/
主催:TENJIN ONTAQ 実行委員会
企画/制作/運営:株式会社PROJECT FAMIRY
協力:TOWER RECORDS福岡パルコ店 アミュプラザ博多店 / LOVE FM / 六本松 蔦屋書店
▼ DigOut編集部より
イベント2日目のライブレポートでは12組のアーティスト様をレポートしています!2日目も魅力の詰まったライブにたくさん潜入してきたので、ぜひ、併せてチェックしてみてください!