2026.05.08
4人組ロックバンド・osageがニューシングル『ヒトリゴト』をリリースする。TVアニメ『ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話』のオープニングテーマとして制作された表題曲「ヒトリゴト」は、個性豊かなキャラクターたちが繰り広げるラブとコメディを、それぞれピュアな言葉と駆け抜けるバンドサウンドに託したロックチューン。1月にリリースされたEP『歌えもしない恋ばっかだ』ではジャンルを跨ぎながら大人のリアルな恋を描いた彼らが、本作では改めてロックバンドとしての強度とロマンを証明している。制作秘話はもちろん、その振り幅の中で浮かび上がったosageというバンドの本質についても語ってもらった。
文:サイトウマサヒロ
ーー表題曲「ヒトリゴト」はTVアニメ『ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話』(『ポンスカ』)のOPテーマですが、楽曲制作はタイアップが決まってから始まったのでしょうか?
山口ケンタ(Vo/Gt):はい、お話をいただいて、原作のWEBコミックを全部読ませていただいた上で歌詞やメロディ、楽曲の土台を詰めていきました。『ポンスカ』は一言で言うとハチャメチャなラブコメ。統悟くんと微笑ちゃんをはじめとする登場人物たちがめちゃくちゃキャラが濃いのと、とにかくテンポ感が速いのが印象的だったんです。ハートフルになったかと思いきやコメディチックになったり、かと思いきや急に感傷的になったり、良い意味で感情が忙しくなるような作品で。だから、その切り替わりの多さを曲に取り入れられないか、サウンド感で表現できないかっていう発想から楽曲の骨組みを作っていきました。なので、とにかくテンポが速くて展開が多い(笑)。89秒という尺の中でどれだけ姿形を変えられるかを考えて、最後まで飽きないような楽曲になりました。楽しい制作でしたね。
ーー二人のドタバタ劇をそのまま音にしていったと。
田中優希(Dr):僕は、今回のタイアップが決まる前から『ポンスカ』を読んでいたし、横田卓馬先生の過去作にも昔から触れていたので、話をいただいた時には信じられなかったですね。『ポンスカ』は、ヒロインだけが可愛いと見せかけて、実は男の子たちがめちゃくちゃメロいところが魅力の作品だと思うんです。「ヒトリゴト」の歌詞にも、女の子を逆に振り回しちゃうような男の子たちの直球さが表れていて、作品の雰囲気に上手く寄り添った良い曲になったなと思っています。
ーー最も身近な原作ファンからのお墨付きがあるのは頼もしいですね(笑)。osageの楽曲はどんどん幅が広がっていて、最近ではJ-POP的なアプローチも目立つようになっていますけれど、このタイミングでストレートなロックチューンが生まれるのはタイアップだとしても大きな意味があるような気がします。
山口ケンタ(Vo/Gt):サウンドもテンポ感も歌詞も、奇気を衒わず、まっすぐ出てきたものでした。今までドラマやアニメのタイアップをやらせていただく時って、エンディングテーマを担当することが多かったんですよ。そうするとやっぱり、エンディング向けのアプローチになるじゃないですか。そういう意味では今回はオープニングなので、「待ってました!」ってアクセル全開で流れる楽曲ということを意識したので、こういう楽曲になったんだと思います。
ーー編曲を担当した花井諒さんとは、「ジオメトリック」に続いてのタッグとなります。花井さんのアプローチにはどのような印象を持っていますか?
山口ケンタ(Vo/Gt):計算されてるよね。
ヒロクサマ(Ba):それにすごく遊び心があるなって思います。アレンジも構成も、「ここにブレイクを入れてくるか!」っていうところも。そこにはすごく感心しますし、尚且つ「ジオメトリック」で一度一緒にやったこともあって僕らのことをすごく分かってくれていたので、レコーディングもやりやすかったです。
金廣洸輝(Gt):花井さん自身がギタリストということもあって、ギターのアプローチは勉強になることばっかりで。歌詞の感情をフレーズに昇華させるのが本当に上手いんですよ。難易度が高いパートもあって、レコーディングはマンツーマンで見てくださってたので、成長できました。
山口ケンタ(Vo/Gt):もう、二人だけ別のグループみたいになってたよね(笑)。普段はデモの段階でイメージを固めた上でアレンジャーの方に投げることが多いんですけれど、花井さんには余計なことをせずとも伝わるだろうから信頼して任せようということで、補足説明を一切せずにお渡ししました。どう返ってくるかも含めて楽しもうっていう。実際に花井さんの手が加わったものはテンポが上がっていて、その結果、レコーディング当日にたなぴー(田中)が人間を辞めかけることになってしまったんですけど。
田中優希(Dr):花井さんはストイックで、この曲のド頭も怒涛で……。アレンジをいただいた後に少し僕が余白を作ったフレーズに調整したんですけれど、花井さんに「いや、元ので行こう」って言われて。スパルタで震え上がりましたね(笑)。
ーーとはいえ結果的に、アニメのオープニングにピッタリなインパクト抜群のドラムになりましたね。アニメ尺を終えた2コーラス目からの楽曲展開やフレージングにもそれこそ遊び心があります。2Aはクサマさんのスラップが印象的で。
ヒロクサマ(Ba):メロディに強さがある曲なので、サビに関してはできるだけシンプルにしようっていう考えがありました。それに対してどこで遊びを作ってあげるか。アニメの物語に合わせて、一筋縄じゃいかない楽曲にしたかったので、2番のAメロはああいう形になりました。花井さんのアレンジの段階ではスラップが入ってなかったんですけど、「こういうのもアリだな」っていうのがキャッチボールの中で浮かんできて。
ーーバンドの外からの視点が入ってくることで、自分の内側からも新しいアイデアが湧いてくると。
ヒロクサマ(Ba):はい、まさにそうだと思います。
ーー金廣さんのギターフレーズは引き出しが多彩で、楽曲全体を鮮やかに彩っています。
金廣洸輝(Gt):歌詞の感情とギターのフレージングをリンクさせたくて、装飾ではなくもう一つの歌のようなイメージでした。「ひとり言がふたりの言葉になればいいな」っていう歌詞の通り、ボーカルとギターで対話するような掛け合いを意識しましたね。

ーー歌詞に関してはいかがですか。作品から受けた着想をどう膨らませていったんでしょう?
山口ケンタ(Vo/Gt):ドキドキしているのにそれをごまかしちゃったり、目の前にいるのにまったく言葉が出てこなかったり、夜中に長文のメッセージを書いたのに取り消したりすることってあるじゃないですか。この曲では、気持ちをごまかしているヒロインの気持ちを言葉にできないかなと思って、心情を掘り下げていきました。
ーー1月にリリースされたEP『歌えもしない恋ばっかだ』の収録曲はどれも生々しいラブソングでしたけど、「ヒトリゴト」はそれと少し毛色が違うじゃないですか。制作時期とかモード的に、両作品はどんな関係にあるのでしょうか?
山口ケンタ(Vo/Gt):実は「ヒトリゴト」の方が先に出来ていて、その後にEPの収録曲を詰めていった感じですね。「ヒトリゴト」は、素直に喋ってるだけなのに逆に回りくどくなったり、伝わりづらくなっちゃったりする、ピュア故の不器用さを飾らずに歌っていて。片や『歌えもしない恋ばっかだ』はすごく建前的な要素が強い。「ヒトリゴト」が学生時代で、『歌えもしない恋ばっかだ』がより大人になった姿なのかな。
ーー『歌えもしない恋ばっかだ』の歌詞は山口さん自身から出てきたものだったけど、「ヒトリゴト」の歌詞は作品に引き寄せられた部分も強いですよね。
山口ケンタ(Vo/Gt):言い回しを寄せた部分もありますが、結構自分の体験や本心から生まれてる部分も多いです。昔ブログをやってて、真夜中に好きな子のことをめちゃめちゃ書いて、翌朝になって恥ずかしくなって消したりとか……ありましたよね?
金廣洸輝(Gt):……ないかもしれない(笑)。
山口ケンタ(Vo/Gt):いやいや、中高生の時なんで(笑)。誰も見てないようなブログに書くことで気持ちを消化してたんですよ。顔から火が出るような恥ずかしいことを書いて。
ーーmixiとか、前略プロフィールとかね。
山口ケンタ(Vo/Gt):そうそう、mixiも。長い紹介文を書いたり(笑)。冷静になって思い返すと恥ずかしいけど、そのバタバタ感とか、「気付いてよ!」っていう、世代特有のむず痒さを抽出した曲になりました。
ーー作品を媒介にして10代の自分を蘇らせるような。
山口ケンタ(Vo/Gt):そうですね。『ポンスカ』をまだ見てない方でも楽しめるように、なおかつ原作やアニメに触れてくださった方ならわかる小ネタも散りばめられて、良い塩梅にできたんじゃないかなと思います。
ーーフィクショナルなものもリアルなものも書けて、山口さんはラブソング職人としての腕が磨かれているような気がします。
山口ケンタ(Vo/Gt):鮮やかなラブソングって年々書けなくなってしまうような気がしますけど、今、フレッシュでカラッとしたサウンド感の曲が作れたのは自信に繋がりましたね。
ーー幅のある作品を連続で出してきたからこそ、osageの核にあるものが浮かび上がってきたような感覚もあるんじゃないかと。
山口ケンタ(Vo/Gt):ちょうどこの一年間くらいは、改めて「osageってどんなものなんだろう?」っていうのを自問自答した期間でした。バンドとしても月一回は定例会のようなものを組んで、自分たちがどういう存在なのか、これからどうしていこうかっていうのを話し合って。そこで改めて、歌が真ん中にあることがosageの強みだし、何よりも曲にフォーカスを当てて、ライブでは一曲でも多くやろうっていうムードになっていったんです。だから、以前に比べてソリッドなバンドになってきた気がしていて。
ーーなるほど。
山口ケンタ(Vo/Gt):「ヒトリゴト」は、遊び心もあるんですけど、それ以上にそれぞれが歌を意識したサウンドを作ったので、良いバランスに仕上がったんだと思います。
ヒロクサマ(Ba):正直、osageっぽさっていうのは聴き手側が決めることだと思っていて、僕らはあくまでやりたい曲をやって、それをそれぞれの感覚で捉えてもらうのが一番健全な音楽の形だとは思うんです。その上で、歌を大事にしたいっていうことは以前から常々感じていたことだし、それに沿ったアレンジを意識していて。
ーーその精度が最近になって高まってきたような印象があります。
ヒロクサマ(Ba):そう言っていただけると嬉しいです。
金廣洸輝(Gt):戦略的なことではなく、ずっと歌は大切にしてきました。かつ、最近はライブの作り方をみんなで話し合ったりして、そのやり方がハマってきたような。
田中優希(Dr):今まで色んなジャンルを作ってきた上で、「ヒトリゴト」はosageの最初の状態に改めて戻ってきたような曲で。ただ、明らかに根の部分は太くなっていて、強くなった状態で自分たちの真ん中にもう一度戻ってきたみたいな感覚があります。

ーー『ヒトリゴト』のシングルに「残り香」「ごめんね。」のアコースティックバージョンが収録されているのも、ここまでの話を踏まえると納得感があります。この選曲はどういった理由で?
山口ケンタ(Vo/Gt):osageを初めて聴いていただく方にとって、これが入り口になるのかなっていう2曲ですね。
ーー既発曲を改めてレコーディングしてみて、感じたことはありますか?
山口ケンタ(Vo/Gt):「残り香」はアコースティックギターで、「ごめんね。」はピアノで、それぞれメンバーがいない状態でレコーディングしたので、好きにやらせてもらって新鮮で楽しかったですね。ソロでやってる人ならまだしも、バンドでこんなシンプルな歌とピアノだけって、人によってはちょっと恥ずかしいかもしれない。だけど「ヒトリゴト」がしっかりバンドサウンドの曲になってるから、そこでバンドとして腹が据わってるような感じもあって、作品としての構成も良いなと思ってます。ぜひ原曲と合わせて聴いてほしいですね。
ーー特に「ごめんね。」の、バンドサウンドの中だと気付きづらい繊細な歌唱が印象的でした。
山口ケンタ(Vo/Gt):バンドを始めた当初は歌を歌う人としての意識がほとんどなかったんですよね。弦とドラムが鳴ってれば、あとはとりあえず声が出せば良いと思ってた。ちゃんと歌について考えるようになったのは、作品が届くようになって、こうやってテレビで流れたりとか、ありがたい機会が増えてきたからだと思うんですよね。自分にしかできないことって言うとチープですけど、僕の歌はどちらかと言うと個性がある方だと思いますし、それを良いと思ってくれる人がいるから、それならもっと突き詰めていった方が面白いだろうって。最近はバンドでドンと合わせたらそれがosageの音になるっていう強さが出てきたこともあって、安心しながら歌を歌えています。
金廣洸輝(Gt):僕から見ると、芯は変わってないけど、歌で出来ることが増えてるような印象がありますね。表現が上手くなってる。
田中優希(Dr):あとは安定感。昔はダメな日と良い日があったけど、今は全然ダメっていう日はなくなりましたね。あとは自分の歌に対する自信が見えてくるようになったなって。こう聴かせたいっていう意思が出てる感じがあって、それはボーカリストとして良いなと思います。
ーーそれって、これからより大きいフィールドに進んでいく準備ができたっていうことなんじゃないですか?
山口ケンタ(Vo/Gt):そうですね。今回はタイアップという形でお話をいただいてから曲を作るという感じでしたけど、元々そういうのがめちゃくちゃ好きだし、どちらかというと得意なんですよ。作家気質というか……子どもの時から読書感想文を書くのが好きで、作品を受け取って自分なりに表現したり消化したりするのが楽しかった。今はそれに加えて、自分が主体になってステージに立つこと、ボーカリストとして表現することもより楽しくなってきているので、我ながらすごく良い状態だなと思います。作って満足するだけじゃなく、それをちゃんと届けるっていうところまで目線を伸ばせているのかな。
ーー素晴らしいですね。……やっぱり、読書感想文が得意だった子どもは長文でブログを書くようになるんだなと(笑)。
山口ケンタ(Vo/Gt):ほんと、そうなんですよ(笑)。
ーーさて、6月からは東名阪を巡るツーマンツアー『AGE AGEトゥナイト2026』が開催されます。Half time Old、the paddles、Broken my toyboxを迎えますが、意気込みはいかがですか?
ヒロクサマ(Ba):燃えてますね。対バン相手も切磋琢磨、お互い高め合ってきたバンドたちですし。ツーマンライブは全力でぶつかるのが筋というか、誠意だと思う。向こうもそういうつもりで来ると思うので。そういうところを楽しんでもらえたら嬉しいです。
ーーツアーも含めて、これから先のライブで「ヒトリゴト」を鳴らすイメージはできていますか?
山口ケンタ(Vo/Gt):曲の中の色んなギミックがライブで映えそうだなと感じていて。ライブに来てくれたお客さんと一緒にやる意味がある曲になったかなと。これはいつも言ってることなんですけど、手を挙げるのがすべてじゃないと思ってるので、歌えるならどんどん歌ってほしいですね。CD以上の魅力があるのがこのバンドだと思ってます。


<『ヒトリゴト』情報>
タイトル:『ヒトリゴト』
発売日:2026年5月27日(水)
【期間生産限定盤(CD only)】 SRCL-13692 \1,870(税込)
CDご予約はこちら:https://smr.lnk.to/UgXLJp
「ヒトリゴト」先行配信はこちら:https://osage-official.lnk.to/Hitorigoto
【収録内容】
01. ヒトリゴト
02. 残り香 -Acoustic Ver-
03. ごめんね。 -Acoustic Ver-
04. ヒトリゴト -TV Size-
■楽天ブックス ・・・ オリジナルスマホサイズブロマイド
■セブンネットショッピング ・・・ オリジナルピック
■Amazon.co.jp ・・・ メガジャケ
■全国アニメイト(通販含む) ・・・ オリジナルましかくブロマイド
■osage応援店特典 ・・・ オリジナルポストカード ※対象店舗は追って発表

<ライブツアー情報:AGE AGEトゥナイト2026>
■6/13(土) 名古屋 ell.FITS ALL
(OPEN 17:30 / START 18:00)【GUEST】Half time Old
■6/14(日) 大阪 Live House ANIMA
(OPEN 17:30 / START 18:00)【GUEST】the paddles
■6/27(土) 渋谷 Spotify O-WEST
(OPEN 17:15 / START 18:00) 【GUEST】Broken my toybox
チケット情報:https://eplus.jp/osage/
Web Site:https://osage-official.com/
YouTube:https://youtube.com/@osageofficial
TikTok:https://www.tiktok.com/@osage.official
X(旧Twitter): https://twitter.com/osage_band
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