2025.08.01
繊細なメロディと物語性溢れる映像的な歌詞で、多くのリスナーを惹きつけるスリーピースバンド「シナリオアート」
男女ツインボーカルが織りなす独自の世界観は、アニメ主題歌やCMソングとしても注目を集めてきた。
結成16周年を迎えた彼女らは、8月2日(土)に下北沢 近道で開催されるワンマンライブ「[Chapter #29]-natsu no sairai-」を既にソールドアウトにし、新曲『アイハソーダ』をリリースする等、今年初めの充電期間を経て心機一転、再始動させた姿をファンに魅せ続けている。
今回DigOut編集部は、これまでの歩みや音楽に込めた思い、9月7日(日)にUP BEAT MUSICとDigOutがW主催で開催する「UPBEAT MUSIC vol.4 × DigOut」への出演意気込み、そして今後の展望についてじっくり話を聞いた。
ーー改めて、シナリオアートの意味、由来を教えてください。
ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
最近他のバンドマンとも喋ってたんですけど、メジャーデビューしてる人はちゃんとバンド名の意味・由来くらい持っておくべきだと言われて、僕ら考え過ぎて分かんなくなってきちゃったんですよね(笑)
ハヤシコウスケ(Gt/Vo):
「シナリオアート」というバンド名を初めに思いついたのは僕ですね。“S”から始まるカッコ良いスタイリッシュなワードを組み合わせて考えてたんですけど、“シナリオ”+“アート”の組み合わせにビビッときてバンド名にしました。
バンドを続けるにあたって物語調のある“シナリオ”を書いて“アート”を添えるみたいなことも多くなってきました。
ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
シナリオアートというバンド名があったので、それに付随して音楽性が付いてきたところも大きいかな、と思います。
ーーHPのプロフィールでは結成初期の頃はローマ字で「Scenarioart」だったようですが、変えた理由があれば教えてください。
ハヤシコウスケ(Gt/Vo):
“Scenario”が難しくて読みにくいと言われることもあったので、デビューのタイミングで分かりやすいカタカナ表記に変えました。
ーーメンバー皆さんそれぞれのシナリオアートの中で一番好きor思い入れのある楽曲を教えてください。
ハットリクミコ(Dr/Vo):
『ハジメマシテ』というバンド初期の頃に作った曲があるんですけど、半年くらい長い時間かけて作った曲で、ドラムとベースのフレーズも細かく練って作ってあるし、男女ツインボーカルらしく男性と女性それぞれの視点で曲のストーリーが進んでいく感じや、詞の世界観も美しくてシナリオアートらしいなと思って気に入っています。
ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
すごい昔の曲なんですけど『ラブマゲドン』かなぁ。当時Audioleafというワンコーラスだけネットに音楽をあげられるサービスがあって、サビのインパクトが良い曲だなぁと思ってました。
ハヤシコウスケ(Gt/Vo):
割と最近の曲なんですけど『ブルースメル』という曲は勢いがあって好きですね。今までのシナリオアートの曲は美しい曲や繊細な曲が多かったんですけど、すごく解放されたような新たな自分になれたような気がする1曲です。
ーー2020年にリリースした5thミニ・アルバム『nuts a tea』を今年7月2日に5年越しにサブスクを解禁した理由を教えてください。
ハットリクミコ(Dr/Vo):
色んなところから再版してくれという声はいただいていたんですけど、最近リリースも空いていたし、ちょうど今年の夏にワンマンも控えていたので、タイミングが良いんじゃないかと思ってこのタイミングでサブスク解禁しました。
ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
ライブタイトルも併せて「[Chapter #29]-natsu no sairai-」にしていてシナリオアートの夏を感じられるようになっています。
ーー当時、なぜアルバムではなくてTシャツで販売しようとなったんですか?
ハットリクミコ(Dr/Vo):
Tシャツで販売するのって誰もやったことなかったのでレア感を出したかったという想いと『nuts a tea』の“tea”とTシャツの“T“を掛け合わせた形ですね。そもそも『nuts a tea』も“夏はアチィ”というダジャレみたいな部分から来ているんですよね。
ーー世間一般的には「夏」というとキラキラしたイメージがあると思うのですが『nuts a tea』に関しては退廃的な印象をEPを通して感じたのですが、何か意図があって生み出されたEPでしょうか?
ハヤシコウスケ(Gt/Vo):
作曲していたのがコロナ禍がちょうど始まった頃で閉塞感がある中だったので、そういった暗いところもあったかもしれません。音楽業界への風当たりも悪くて、バンドやっているってだけでバイ菌扱いされたりとかもあったんですけど、そういう憂鬱とした夏を閉じ込めた作品になっていたのかなと思います。
ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
当時は、周りの目が怖くて楽器を持って電車にも乗れなかったですね。
ーー『アイハソーダ』のタイトルに込めた想いを教えてください。
ハヤシコウスケ(Gt/Vo):
夏っぽい曲を作りたくて“ソーダ”という単語が思い浮かびました。タイトルの“アイ”は“AI”とも“愛”とも読めるんですけど、どちらとも一瞬ではじけてパチパチと無くなるイメージが“ソーダ”と重なる部分を感じたんですよね。曲調もシナリオアートの新境地として明るい1曲に仕上がっていると思います。
曲の作り手である僕的には最近AIの発達をすごく脅威に感じる一方で、仲間意識みたいな面白さも感じていて、AIを排除したいという思いは一切ないんですけど、どうなっていくんだろうという興味を歌にしました。
ーー“もしあの時青い薬を 選んでいたら幸せだった? モーフィアスはバツがわるそう”という歌詞は映画から取り入れてますか?
ハヤシコウスケ(Gt/Vo):
めちゃくちゃ『マトリックス』の影響ですね(笑)
真実を教えられて過酷な現実を見るか、何も知らずに偽りの安らぎの中で幸せを感じるかどっちが良いかという意味です。
ーー『アイハソーダ』はどんな人に届いて欲しいですか?
ハヤシコウスケ(Gt/Vo):
明るくて楽しい曲なので、ドライブやランニングの時に聴いて欲しいです。
ーー皆さんの夏の思い出を教えてください。
ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
僕とコウスケさんは一緒の高校で軽音楽部だったんですけど、部室がエアコンもないのに音漏れしないために窓を閉め切らなくちゃいけなかったので、めちゃくちゃ暑くて部活終わりに自転車で地元の琵琶湖に行って飛び込んで泳いでたのが、すごく思い出深いですね。
ハットリクミコ(Dr/Vo):
昔、私たちより先に上京していた友人の家に泊まらせてもらうことになった時に、ワンルームの狭い部屋で友達とメンバーの合わせて4人で床で寝たのが夏の思い出ですね。
ハヤシコウスケ(Gt/Vo):
僕も夏の思い出と言えば琵琶湖が1番ですね。
ーーライブ前のルーティンがあれば教えてください。
ハットリクミコ(Dr/Vo):
ヤマピーは絶対歯磨きしてるよね?
ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
スッキリするし、目も覚めるので歯磨きはしますね。
ハヤシコウスケ(Gt/Vo):
僕はいつもジャンプしてます。
ハットリクミコ(Dr/Vo)・ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
えー?!見たことない(笑)
ハヤシコウスケ(Gt/Vo):
実は、人目を避けて声出しながらジャンプしてたんです(笑)
ハットリクミコ(Dr/Vo):
私はガッツリご飯を食べてます。
マネージャー:
昔、サーキットフェスに出た時に転換リハでセッティングも終わった後に「カレーパン買ってきて」って言われた時は「今から?!」とさすがにビックリしましたね。
ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
僕が楽屋に何個か入ってるパンを置いてたら食べられてたこともありますね(笑)ライブ前でお腹空いちゃったんやな、と思ってその時は何も言わなかったですけど(笑)
ーーセトリは誰が決めていますか?また、決めるときに意識していることがあれば教えてください。
ハットリクミコ(Dr/Vo):
セトリはヤマピーがメインで決めてることが多いですね。
ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
僕が1人でセトリを考える時は、曲のストーリーを考えながら組むことが多かったんですけど、最近はボーカルが歌いたい曲、やりたい曲を取り入れて、より自然なテンションでライブができるように3人で話し合って決めることが増えました。
ハットリクミコ(Dr/Vo):
ワンマンライブはその時のタイトルやテーマがあったりするんですけど、対バンで他の人とやる時はイベントの雰囲気に合わせたり、お客さんが聴きやすいか等のバランスを考えることが多いですね。
ーーたくさん経験された過去のライブの中で、特に忘れられない出来事があれば教えてください。
ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
僕が印象に残っているのは北海道のワンマンライブの時ですね。クミコさんはいつもイヤモニをしてるんですけど、その時はイヤホンを忘れてたみたいで、ステージに上がってそのまま戻っていった時は状況が分からなくて「何かあったんかな?今日大丈夫なの?」と思って焦りました(笑)イヤホンを忘れただけと分かった時は安心しましたね。
ハットリクミコ(Dr/Vo):
滋賀県の「イナズマロック フェス」に出るってなった時に、車で向かってたんですけど、途中で車が故障しちゃって修理も間に合わないってなったので、急いで機材置いて最低限の荷物だけ持って取りあえず新幹線で会場に向かったんですよね。それで、出番直前に裏で準備してるギリギリのタイミングで機材車が到着して、セッティングも間に合った時は映画かと思うくらい感動しましたね。
あとは、全然別日なんですけど、MCする時にドラム椅子の上に立ったら、衣装のスカート踏んじゃって破ったこともありました(笑)
ーー今年の前半はライブをお休みされていたと思うのですが、差し支えなければお休みを挟んだ理由を教えてください。
ハットリクミコ(Dr/Vo):
「ちょっと疲れたし休もーぜー」って感じですね。
ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
個人の活動もそれぞれある中で、ふわっと続けているよりはちょっと休憩を挟んだ方が良いんじゃないかなと思った次第です。
ハットリクミコ(Dr/Vo):
昨年で結成15周年だったので、それを経て一旦考えてみてバンドを無くそうとはならなかったけど、ちょっと休憩を置いてみましょうという期間ですね。
ーーお休みを経て、音楽活動への心境の変化があれば教えてください。
ハヤシコウスケ(Gt/Vo):
ライブというのが自分にとってすごく重要だったんだなと改めて気付かされました。久しぶりにライブをした時は、本当に楽しくて音楽やってたんやなと再確認できました。
ハットリクミコ(Dr/Vo):
お休みを挟んだ影響もあって「曲を作りたいな」という想いは増しましたね。やってないとやりたいと思うようになるんやなというのは感じました。
ーー「UPBEAT MUSIC vol.4 × DigOut」でシナリオアートのライブを初めて見るよ、という方が覚えておいたらよりライブが楽しめる!というおすすめの楽曲を教えてください。
ハヤシコウスケ(Gt/Vo):
新曲の『アイハソーダ』をやる可能性は高いですね。
ハットリクミコ(Dr/Vo):
あとは『サヨナラムーンタウン』はやることが多いので覚えて来ていただけるとより楽しめるのかなと思います。
ーー当日来場される方に向けて意気込みをお聞かせください。
ハヤシコウスケ(Gt/Vo):
渋谷eggmanでライブするのは久しぶりなんですけど、出演組数も多いのでワイワイと夏のお祭りみたいに盛り上がれるよう、僕らなりに楽しいライブにしたいなと思います。
ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
僕らの楽曲って手をあげてノリやすいという訳ではないんですけど、自由に音楽を楽しんでいただけるように良い音を届けたいと思います!
ーーシナリオアートとして成し遂げたい目標があれば教えて欲しいです。
ハットリクミコ(Dr/Vo):
昨年、SHIBUYA CLUB QUATTROでワンマンをさせてもらったんですけど、その時頑張ってお客さんを集めたいなと思って活動していたので、もう一度QUATTROでやりたいなと思います。
ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
初めてワンマンのツアーファイナルをLIQUIDROOMでやった時の思い出がすごく残っているので、またLIQUIDROOMでやりたいですね。バンドを長いこと続けていると、それぞれバンドに対する向き合い方も変わってくるので3人の目標が重なる夢があれば良いなと思います。
ハットリクミコ(Dr/Vo):
大きい夢を掲げた時に、そこに向けてどう道筋を立てるのかとかすごく大変だったので、近い目標を1つずつ達成していくことが大事かなと思っています。
ーー昨年15周年を迎えたシナリオアートですが、さらに15年後はシナリオアートはどうなっていたいですか?
ハットリクミコ(Dr/Vo):
QUATTROだったり、LIQUIDROOMをソールドアウトさせて、ずっと来てくれるお客さんを大事にしていくことを続けていきたいなと思います。爆売れしたい思いもありますけど(笑)
まずは、仲良く3人で続けていけたら良いなと思います。
ーープライベートなことでも音楽のことでも構わないのですが、個人的な目標はありますか?
ハヤシコウスケ(Gt/Vo):
まずは、ほんまに痩せたいなと思います(笑)最近ジムも行ってるし、スクワットも毎日していますね(笑)あとは、ピアノ弾けるようになりたいです。料理もできるようになりたいですね。あとは早寝早起きも目標ですね。あとスキンケアも調べて使っています(笑)とにかく一歩ずつ鍛練で挑戦していきたいなと思っています。
ハットリクミコ(Dr/Vo):
私も10kg痩せたいです(笑)
もう一つバンドをやっていて、そっちでもドラムボーカルをしているんですけど、音楽を演奏したり表現することが自分は1番好きなんやなということをこの1年感じているので、ずっと続けられる人間でありたいですね。あとはオーラを持って私という人間に憧れを持ってもらえるようなドラマーであり、ボーカリストである二面性をしっかり確立させたいという目標があります。
ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
お金を稼ぎたいです(笑)生活やバンドを続けていく上でお金は絶対必要なので(笑)
あとは、バンドをより良い状態に保つ為にカッコ良いライブや曲を作り続けるという目標があります。メンバー皆個人でも活動をしているので、シナリオアート+個人の活動でも集まれるスタジオのような場所を一個作りたいな、と思います。その為にはお金が必要です(笑)!
ーー最後にファンの人へメッセージをお願いします。
ハヤシコウスケ(Gt/Vo):
本当にいつもお世話になっています!精神的にも経済的にもお世話になっているし、ファンの方がよりワクワクしたり生活の糧になれるような曲をこれからも書いていきたいし、ライブで共有できたら良いなと思っています。
ヤマシタタカヒサ(Ba/Cho):
ファンの方も結婚したり家庭があったりで一度離れていた人が、また環境が変わってもライブに来てくれてる人も増えているので、面白いことを続けている姿をお見せできたら良いなと思っています。
8/2(土) 下北沢 近道
シナリオアート Summer One-man Show
[Chapter #29]-natsu no sairai-
ソールドアウト!
◾️8/31(日)横浜ReNY beta
Fm Yokohama「四畳半エメラルド」pre.
『よんえめフェス』
-act-
POP ART TOWN
スキップカウズ
シナリオアート
Luov
おもかげ
Empty Black Box
ダイナマイト⭐︎ナオキ
and more…
一般チケット
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学生チケット
https://eplus.jp/sf/detail/4343150001-P0030001
◽️『UPBEAT MUSIC vol.4 × DigOut』
◽️ 日付:2025年9月7日(日)
◽️ 時間:OPEN12:30 START 13:00
◽️ 場所:渋谷eggman (東京都)
◽️ 出演者:Utakata , ハイドアウト , Hello Sleepwalkers , パキルカ , anewhite , asayake no ato , シナリオアート , Heavenstamp
🎫 チケット販売:https://t.livepocket.jp/e/v-uq2
(販売元:UP BEAT MUSIC制作事務局)
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