Interview
3人だからこそ可能性が広がる。結成15周年「シナリオアート」の曲作り
2024.07.04
機材ににじみ出るシナリオアートの個性
個性あふれるシナリオアートは、機材にも個性が表れていた。
常に新しい音を追求し続ける
ーーみなさんは音色や機材に関してのこだわりはありますか?
(ハットリ)「何か新しい機材を入れてきたら『えっ何それ?』と、2人(ハヤシ、ヤマシタ)が長い時間談義していますね」
(ヤマシタ)「いやもう機材を取っ替え引っ替えしていますね。だって、100%満足ってしなくないですか?『他にも何かいい音がありそう』と気になると止まらなくなるんですよね」
ーー「機材を導入することで曲ができる」というケースもあるんですか?
(ヤマシタ)「ありましたね。ベースでもディレイを入手したときに、ベースのディレイから始まる曲もありました」
ハヤシの音作りは「空間系」を取り入れる
ーー使っているギターはビンテージものですか。
(ハヤシ)「63年製のFender USAのジャズマスターです。ビンテージでいい音がしますよ」
ーーインプットからどう通っているのでしょうか?
(ハヤシ)「スイッチャーの『BOSSのES-5(Effects Switching System)』で分岐しています。エフェクターの残響が残せるんですよ」
ーー空間系が入っていますが、曲で使う場面は多いのでしょうか?
(ハヤシ)「曲によってはシンセ的な感じで使いますね。こっちはSTRYMONの『BigSky』で、使っているギタリストの多い美しいリバーブです。シナリオアートは曲の幅が広いので、日によって使い分けています」
ヤマシタのベースは「5弦」
ーーヤマシタさんは5弦ベースを使っているのですよね。
(ヤマシタ)「sugiの5弦で、最近購入しました。もともとはsugiの4弦を使っていたんですけど、思い切って変えたんです」
ーー4弦から5弦に変えるのに、苦労はなかったのでしょうか?
(ヤマシタ)「最初は全然慣れませんでしたね。買って2週間後にライブだったんですけど、集中力を要しましたよ。
曲が4弦ベース前提でのフレーズだったので、まだ5弦を使ったフレーズは意識しないと登場してこないんです。でも5弦にすることで4弦の音が太くなったんで、それだけでも自分の音が変わりましたね」
ハットリのセッティングは「距離の近さ」
ーーボーカルエフェクターを使用しているのですよね。
(ハットリ)「基本的に使っているのが普通のディレイ。ライブで使うと音が広がるピッチシフトも最近使っています。
マイクで気をつけているのが音量の高さ。ドラムの音の抜けがいいとマイクに乗ってしまうんですよね。他にも倍音やサスティーンが長くならないようにとか、気にするところはありますね」
ーー自分が歌いやすいようなドラムセッティングってあるんですか?
(ハットリ)「マイクに向かって歌いながらやってるんで、どうしても手が伸びきらない位置ってあるんですよ。だから基本的に自分の体に近いところに楽器をセッティングしてますね。でも近すぎると手が当たったり、スティックを落としたりことがかなり多いので、ギリギリの瀬戸際をいつも探しています(笑)」
シナリオアートの15年
結成から15年が経過したシナリオアート。
3人だからこそ積み上げられてきた歴史がある。
15年の軌跡は“奇跡”
ーー15周年ってよく考えたらすごく長いですよね。
(ハットリ)「誰よりも一緒に過ごしている3人なので、家族以上の存在ですね」
ーーメンバーの相性が合わないと、なかなか続かないことだと思います。
(ヤマシタ)「他のバンドから見たら、もしかしたらどうしようもない奴らかもしれないですよね(笑)。でも僕たち同士は相性が合っている。それは確かだと思っています」
「今の自分たち」を見せる1年に
ーー今後のビジョンや活動の目標を聞かせてください。
(ヤマシタ)「今年(2024年)で15周年。自分たちが15年続けてきたバンドが『今はこうだ!』というのを今年は見せていきたいなと思ってます」
(ハットリ)「6月19日には、7枚目のミニアルバム『sensitive sketch』をリリースしました。15周年という集大成を存分に入れ込んだ最高の作品ができましたので、ぜひみなさん各店で手に取ってみてくださいね。
また、7月6日からはワンマンツアーで全国5ヶ所(札幌、東京、名古屋、大阪、福岡)を回ります。みなさん各地に遊びに来ていただけたら嬉しいです!」
(3人)「お待ちしております!」
https://www.scenarioart.jp/
■15th anniversary & Release One-man Tour
LivePocket チケット販売ページ
https://t.livepocket.jp/t/scene11