2026.10.13
DigOut連載とはー?
数多くの若手アーティストをサポートしてきたDigOutが、今知ってほしいと思う若手アーティストやイベントなどを、全国各地から見つけて紹介していきます!
Curated by 遊津場
(Eggs公式キュレーター、AWA公式ユーザー、音楽ライター。若手邦ロックの分野に強く、RADIO CRAZYのANTENNA STAGE、閃光ライオット、十代白書などの公式レポを担当)
自ら作詞・作曲を手掛けるボーカル・liaによるバンドプロジェクト・shallmが9月23日にコンセプトEP『ANTI AFTER SCHOOL』をリリースし、全国4ヶ所を巡るリリースツアーを行い、初日となった8日東京は良いスタートを切れたとのこと。ここから22日名古屋、23日大阪、30日福岡と巡ります。
『ANTI AFTER SCHOOL』のコンセプトですが、shallmの学生時代をテーマにした全曲新曲の5曲入りとなっており、1曲目〜4曲目は学生時代、そして5曲目は今を歌っています。彼女が最近髪をバッサリ切ったのも、学生時代の頃を歌うので、当時と同じように髪も短くして、その頃と近い姿で戻ってみたかったからとのことです。
加えて今回はロック色が強く、髪の毛を気にせず振り回したかったというのもあるそうです。
その言葉通り1曲目『チャイムは鳴らない』からギターが唸りを上げています。当時のどこに向けたらいいか分からない、やるとしたら音楽しかないのに誰も分かってくれない、でも大人の言ってることも分かるんだよな……という鬱屈をまさに今解き放っています。しかし今となってはどこかあの頃の記憶はなぜか美しいものにも見えてきて、ゆえに現状への焦燥感も増し、さらに音を強く鳴らす理由になっています。
3曲目『おやすみ』もサウンドこそ穏やかですが、この平和に包まれていると〈心の声〉が聴こえてきて、焦燥の原因になったりするんですよね。そしてロックサウンドにロマンを託す表題曲『アンチ・アフター・スクール』。物事の有限さを知ったからこそ、聴いてくれる人への感謝と〈はやくこっちに来いよ〉と誘う姿はライブハウスで戦うアーティストとして、誰にも負ける気のない姿勢を示しています。アニメタイアップも多いですし、ポップな曲も多い彼女ですが、そのイメージを変えるには十分なライブを期待できる作品です。
ここまで僕が太鼓判を押せるのは、7月に主催イベントに出演していただき、良いライブをしてくれたからです。多彩な情景を見せながらも、シンプルに想像しやすい言葉がリズムよくリスナーのツボを押していて、ただ歌唱力が良いだけでは説明できない言葉の入り込みやすさがありました。そこにメジャーシーンにいるアーティストたる姿を感じました。そんな彼女がインディーズバンド以上の泥臭さを増してバンドセットで挑むツアーが面白くないわけないです。「名前だけ知ってるわ〜」という西のバンド好き、ぜひお越しください。
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