<ライブレポート>三四少女「我等友情永久不滅ツアー」大阪公演。クジラ夜の街とフロアとで作り上げたずっと忘れない1日

<ライブレポート>三四少女「我等友情永久不滅ツアー」大阪公演。クジラ夜の街とフロアとで作り上げたずっと忘れない1日

2026.05.08

5月2日、三四少女メジャー1st EPリリースツアー「我等友情永久不滅ツアー」のツアーファイナル大阪編がLIVE SQUARE 2nd LINEにて開催された。

このツアーは4月8日にメジャーデビューを記念して行われた東名阪ツーマンツアーとなっており、最終日となるこの日はクジラ夜の街を地元大阪に迎えた。

2組がフロアに永遠の愛をこめて届けたライブの様子をレポートする。

文:遊津場

写真:石倉風輝

クジラ夜の街

「あなたが子供の頃に救われた絵本の中から飛び出してきました。クジラ夜の街です」

まずは“ファンタジーを創るバンド”クジラ夜の街の音楽から幕を開ける。

汽笛が響き、宮崎一晴(Vo/Gt)が優しく曲名を告げた『Memory』は非常に温かみを感じて、それはツアーを回ってきた三四少女と2nd LINEに集まった人達を祝福しているかのようだった。彼らを丁寧にファンタジー行きの夜行列車の中へ案内すると、早速スーパードラマー・秦愛翔のドラムソロ。そして宮崎が「夜空へ。夜空へ。遠く行きましょう」と伝えて『夜間飛行〜夜間飛行少年』のキラーリレーを浴びせる。フロアは会場に生まれた夜空に向けてどこまでも真っ直ぐ手を伸ばすし、三四少女の川田もノリノリだった。

その夜空は『雨の魔女』によって雷雨に変わったり、『夕霊』では物憂げの夕焼け空に変わったりと様々な表情を見せる。しかしこの表情を作っているのは、発信しているバンド側だけでなく、雨粒の音のようなクラップをしたり、物語を染み入るように聴くフロアの反応もあってこそと感じる。宮崎は『Saisei』で「ライブハウスで一番偉いのは、あなた達だ」と伝えていたが、こういう素敵で不滅な関係性は、受け取り手を信頼しながら1つずつ共に創ってきたのだと思った。

目の前に見える光景だけでなく、心の中にもカラフルな光が充満したタイミングでの『スターダスト・ジャーニー』は、やはり圧巻の推進力。夜風を切るような山本薫(Gt)の爽やかで煌びやかなメロディ、ちょっとやそっとでは揺るがない佐伯隼也(Ba)と秦のリズム隊の力強い音に乗せて、宮崎の「行こう!」を合図に上昇していく空飛ぶ列車のエンジンの正体は、紛れもなくフロア全体から生まれる“光”だった。

「顔合わせの時に「ずっと好きだった人と対バンできて嬉しいです」と愛をいただいた。その愛に全霊の愛を持ってお返しする所存です。そして何より集まってくれたあなた達がこの中で一番偉い。あなたの心の深い傷や、(ライブハウスの上を通る電車の音を聞いて)電車に乗っていて心がキュッとなる心にスッと入り込んで、少しでもそれを癒せたらと思っております」と宮崎が話してからの『ヨエツアルカイハ1番街の時計塔』の間奏もクライマックスの1つだった。一度照明を全て落としてから、徐々に目潰しとなる強い光の照明をバックに、言葉通り全身全霊の4人の演奏は、既に深い没入感にいたフロアをさらに圧倒した。

最後は新曲『初恋』。「個人的な思いや私生活は歌にしてこなかったけど、少し踏み込んでみようと思った」というこの曲は、本当に飾らないギターロックという感じで、東京のワンルームの生活の匂いがした。今後この曲がどういった立ち位置で、どのようなエッセンスを加えるのか。この先の“旅”の楽しみを生んで、彼らの出番は終了した。

【セットリスト】

Prelude.海馬を泳いで

1.Memory

2.夜間飛行

3.夜間飛行少年

4.雨の魔女

5.憑依

6夕霊

7.出戻

8.Saisei

9.ハッピーエンド

10.スターダスト・ジャーニー

11.再会の街

12.ヨエツアルカイハ1番街の時計塔

13.初恋

Postlude.花信風

写真:マスダユウタ

三四少女

辛くなったら、三四少女の音楽を

そして三四少女の出番へ。お馴染みの岡村靖幸『だいすき』をSEに登場。出てきてあんどりゅー(Dr)はピース。

1曲目を飾ったのは、TVアニメ「オタクに優しいギャルはいない⁉︎」エンディングテーマで話題となった『一生仲仔』。<君と好きなものが同じだったんだ!>と川田羽撫子(Vo.Gt)と歌い出すと、早速勢いよくお立ち台に乗ってギターを鳴らすおーしゃん(Sup.Gt)。クジラ夜の街のファンタジーを受けて、早く私たちも届けたいという逸る気持ちを感じる姿勢が、よりフロアをワクワクさせ、サビでは大量のハンズアップ。既に彼らの新しい代表曲として成長していることが伝わる盛り上がりだった。

永遠に無敵な予感を引き継ぐように、さっちゅー(Ba)がベースを響き渡らせる中「本日は『我等友情永久不滅ツアー』に起こしいただき、ありがとうございまーす!楽しんでいきましょー」と川田が挨拶し、あんどりゅーが笛を吹いて、「イー、アル、サン、スー!」の合図で『たのしいさんすう』へ。友達と休日に中華街へ行く時のような空気を作る楽曲で、フロアもリラックスしてクラップしたり、手を上げて楽しんでいた。私はちゃんと小籠包が食べたくなった。ここに続いたのは『青い春』。一転硬派なギターロックとなり、心を燃やし続けながら真っ直ぐに歌い続ける川田を、フロアも真剣に受け止める。曲が終わって「ありがとう」と川田が言うと、大きな拍手が起こった。

MCに入り、川田はフロアとクジラ夜の街に感謝。川田は中学生の頃に、当時高校軽音の大会に出ていたクジラ夜の街を聴いて「高校生になったら、こんなバンドがやりたいと思って三四少女を組みました。今日ここで一緒に私たちの大事な日を作ってくれていることが本当に嬉しくて、幸せなことだと思っております」と話した。そしてギターを弾きながら「次の曲は、ちょうど中学生の頃を思い出して書いた曲です。あの日の思い出の話をしましょう」と『夏の思い出』を始める。ピュアな鬱屈さが確実に混じっているメロディには蒼い哀愁がある。外での誰かとの大切な思い出も見えるが、それをエアコンの音だけが鳴る涼しい部屋で1人虚しく思い出している情景も見える。川田はつとめて淡々と歌うが、そこには強いエモーショナルが秘められていると感じた。少しセンチになった空気に届けたのは『さよならトランジスタ』。16歳の川田はラジオと音楽に頼って生きていたそうだが、この曲もそんな存在になればという思いが込められている。この2曲のリレーは川田の14〜16歳の感情を丸裸に伝えているようで、そこにはあなたの心を落ち着かせる周波数を出したいという強い気持ちを感じた。さっちゅーも横揺れしながらフロアを見渡し、この音波がしっかり受け止められていることを微笑みながら見ていた。

そんな気持ちの強さが良い意味で抜けるようなベースにカウベルの音も入ったイントロが流れ出すと「後半戦まだまだいけますか?」と川田が尋ねて、大きな歓声が上がってから始まったのは『大丈夫』。緩やかでクセのあるサウンドは、フロアのクラップや「あーあ」というシンガロングがあって完成する。どこかひねくれて足りないけど、なんとか大丈夫な僕らのテーマソングのように聴こえた。

「残り3曲となってしまいました」と川田が伝えると「えー」とフロアから声が出る。「悲しいよね。生きてたら悲しいこととか辛いこととか、いっぱいあるじゃないですか。そんな辛い時にどうするかと言うと、占いに行きまーす!」と言って『占いたいっ!』を演奏。小気味よいビートと歌詞がリズムよく進むたびに体が弾んでいき、サビの最後の<はい!>で開けた手の平から、たしかに悩みが1個は飛んでった気がした。そんな少し軽くなった体に「まだまだ疲れてないよなー?」と続けて繰り出したのは『激烈!シビカラ殺法』。<ウー!ハー!>という、さっちゅーとあんどりゅーの掛け声コーラスと激しい演奏によって、どんどん会場の気温が上がっていく。特にあんどりゅーはここからが見せ場と言わんばかりのラストスパートを感じるタフな演奏。川田の捲し立てるボーカルも、さっちゅーのベースソロも炸裂。フロアも手だけでなく頭まで振ってきた。

さぁさぁ刺激的になってまいりましたなタイミングでラストは『シュガースーサイド』。狂い踊るギターの音色をおーしゃんが響かせると、もうここからは三四少女と心中。1秒1秒熱狂を更新していき、川田もこの日初めてお立ち台に上がる。途中、川田がギターのストラップが取れて、ハンドマイクになったならば、もう完全覚醒して歌い狂う。最後に「歌えー!!!」とフロアに投げかけるシーンはインパクト抜群。ここまで等身大の姿をしっかり見せてからの、この刺激的な光景に「俺らの代わりに狂ってくれてありがとう」というような拍手が鳴り響くまま、ライブは終了した。

アンコールもすぐ起こる。さっちゅーのグッズ紹介コーナーを届けた後、「ツアーが終わるー」と惜しみながら、改めてメジャーデビューを伝えて拍手が起こる。そしてあんどりゅーのドラムロールの後、「爆裂開運ワンマンツアー」を発表した。爆裂に開運するのはマジとのこと。

最後に「地元大阪でツアーファイナルを迎えられて本当に嬉しく思っているし、本当にみんながここにいることは当たり前じゃないと思っているし、また悲しいことや辛いことがあったら、こうやって三四少女のライブに来てくれたらと思います。私たちもみんなの顔を見れたら嬉しいです。これからも本当によろしくお願いします」と伝えて『愛をこめて』を届けた。曲名通り、不器用ながらも「本気でバンドを続けたいと思います!」と真っ直ぐな愛が伝わってきた。そして最後まで残っていたのは、あの解放音。あんどりゅーの「恋しましょう!」の合図で『ユートピア』へ。あなたの心が仮にどこまで落ちていこうが、三四少女の音楽は会いにいく。なんたって我等友情永久不滅なのだから。それを示すように全てを出し切って、三四少女のツアーは終了した。

中華料理のように、占いのように、ラジオのように、三四少女の音楽は生活を豊かにする。そしてライブバンドとしても、どんどんカッコよくなっていっている。これからも三四少女と思い出を残していこう。

【セットリスト】

1.一生仲仔

2.たのしいさんすう

3.青い春

4.夏の思い出

5.さよならトランジスタ

6.大丈夫

7.占いたいっ!

8.激烈!シビカラ殺法

9.シュガースーサイド

En 1.愛をこめて

En 2.ユートピア

告知

『爆裂開運ワンマンツアー』

日程:2026年12月18日(金)

会場:心斎橋Pangea

開場18:30 / 開演19:00

日程:2027年1月17日(日)

会場:渋谷O-Crest

開場18:00 / 開演18:30

チケット代:3,700円(D代別)

チケット1次先行

〆6/13(土)23:59まで

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