<コラム>TikTokで2025年に流行った曲まとめ 

<コラム>TikTokで2025年に流行った曲まとめ 

2026.01.10

いよいよ幕を開けた2026年。新たな音楽との出会いに心を踊らせるのも良いけれど、2025年に見つけた作品たちも振り返っておきたいところ。そこで本記事では「TikTokで2025年に流行った楽曲」をピックアップ!

下記に記した1文が15秒の動画へ、3分半のイヤホン旅行へ、そして数時間のライブハウスへと繋がっていくことを願っています。

文:横堀つばさ

KANA-BOON『シルエット』

@kanaboon_official 「シルエット」を使用した動画をたくさん投稿していただき、ありがとうございます! ぜひ、フル音源も聴いてみてください! #みんなでシルエット #SilhouetteTogether #KANABOON #シルエット ♬ シルエット – KANA-BOON

バンドにとって初となるアニメ主題歌として『NARUTO-ナルト- 疾風伝』のオープニングに起用された同ナンバーが、忍術の動きにインスパイアを受けた振り付けと共に、2014年11月のリリースから10年超の時を経てリバイバルヒットを記録。

新品の荒野に足跡をスタンプする瞬間の高揚感を捉えた<いっせーのーせで踏み込むゴーライン>という始まりの1節だって、<大事にしたいもの持って大人になるんだ どんな時も離さずに守り続けよう>と両手からこぼれぬように握りしめた信念だって、数百字では言い表せないほどの困難にぶち当たる度に絶望し、各ツアーで「PHOENIX」を名乗るほどに幾度も立ち上がってきたKANA-BOONが歌えば、もはや格言並みの不動っぷりである。

ヨコイタカユキ(Gt)と関優梨子(Dr)を正式メンバーに迎えたこのタイミングでのリブートは、到底偶然とは思えない。

バンドの屋号を守り抜くためのみならず、常に格好良いロックバンドであり続けるために4歩進んでは3歩下がるみたいなデコボコ道を噛み締めてきた2人が、そして4人が至った新たな出発点。それが今だ。

セカンドバッカー『犬とバカ猫』

@secondbacker_ CDTVありがとうございました!#セカンドバッカー #バンド #newmusic #songofthesummer ♬ 犬とバカ猫 – セカンドバッカー

2023年結成のロックバンド・セカンドバッカーが2025年7月にリリースしたデジタルシングルであり、8月にドロップした1st EPにも収められた1曲。櫻井優衣(FRUITS ZIPPER)とのコラボをはじめ、肘打ちを取り入れた振りつけが反響を呼んだ同曲は、バンド初となる全国ツアーにて東京・恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンを成功させたセカンドバッカーの勢いに火を点ける起爆剤となった。

跳ねるように刻まれるハイハットに乗せ<不意に目配せ 今はねダメだね>と編まれていくのは、頬と頬が触れ合うほどの距離にいた甘えたがりな君との日々。言葉が溢れて止まないとばかりに、早口で恋に溺れた惨めな自身の姿をリフレクトしていく一方、冒頭では<愛するということ 認め合うこと 許し合うこと>と彼らが手を伸ばす愛の形がキラリと光っている。

オフィシャルインタビューにて「ロックバンドって、誰かを許す存在だと思っている」と語っていることからも窺える通り、許しは2人にとってのキーワード。だからこそ、醜く汚い部分を見て見ぬふりをした主人公の後悔が、空虚な部屋に響いていく。

PURPLE BUBBLE『ナツメグ』 

@purple.bubble_official 今年流行る音源はこれ!『ナツメグ』#邦ロック #インディーズバンド #ライブ映像 ♬ オリジナル楽曲 – PURPLE BUBBLE – PURPLE BUBBLE(パープルバブル)

2025年1月、当時まだ発表もされていなかったその歌い出しは、今や16万いいね(※2026年1月時点)を獲得し、大学のサークル部屋からメンバーをステージへと引っぱり出した。神奈川県日吉発の4人組・PURPLE BUBBLEが2025年1月に投下した『ナツメグ』は、バンドに転機をもたらしたのだ。

しかしながら、その幸運は降って湧いたものではない。開幕するや否や飛来する体温の高い穏やかな歌声然り、カントリーロックの血統を感じさせるマーチングビート的なアプローチ然り、そこにはただ実直に今日と明日を見つめ、ちっぽけな力で世界を変えようとする気取らない姿が刻まれており、それらがじんわりと伝播していったのである。

そんな彼らの佇まいが結実したのが、ボーカルと最小限のパーカッションだけ、つまりは自分の手で掬える範囲だけに全身全霊を注いで紡がれる<暗闇の中で1人もがき 負けてしまいそうな時もある だけどそんな時は僕がさ 寄り添い愛を歌うよ>のリリック。「あなたの憂鬱を吹き飛ばす」というバンドの命題とも深く結ばれる、PURPLE BUBBLEの決心は、人生を讃美するだけじゃない。

4人が音楽の持つ力を、ロックバンドの持つエネルギーを信じている事実の裏付けでもあるだろう。そしてその妄信にも近い確信は、必ずやリアルになるはずだ。

かずき山盛り『めっちゃパイレーツ』

@kazukiyamamori みんな声デカすぎる#かずき山盛り #メロコア #tiktok #live ♬ オリジナル楽曲 – かずき山盛り

かやゆー(ヤングスキニー・Vo&Gt)の投稿を火付け役にスカダンスで踊る動画がブームとなった、かずき山盛りが2023年1月にドロップした2ndミニアルバムの収録曲。 

パイレーツとパンパースの2語を使った言葉遊びも、〈めっちゃパイレーツ!〉なんて思わずツッコミたくなること請け合いのキラーフレーズも、『カラフルおしり』や『二次会NINJA』など、最高速度で突き抜けるフレーズたちを生み出し続けてきた3人が誇る伝家の宝刀と言えよう。 

とはいえ、彼らの作品は、おちゃらけだけ、ファーストインパクトだけでは到底終わらない。戦艦がゆっくりと侵攻してくる様子を彷彿とさせるローの効いたギターリフや海賊の歌をシンガロングに変換したサビ、〈仲間になりたきゃ手を上げな ヨーホー うたうのさ〉とバンド街道ともオーバーラップする1行。

自身のnoteに「俺らはただでっかい音を鳴らしてバカみたいにやるだけ」と記しているように、全力でバカを貫き通しているかずき山盛りの面構えには、自らのアイデンティティと対峙する真剣な表情が覗く。

ねぐせ。『織姫とBABY feat. 汐れいら』

@neguse__official 怒って泣いてぎゅして! #織姫とBABY #七夕 #汐れいら #ねぐせ#neguse ♬ 織姫とBABY – ねぐせ。

ねぐせ。にとって初めてゲストヴォーカリストを迎えたシングルは、恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。』で注目を集めた長浜広奈や多田梨音の投稿をはじめ、3.6万件(※2026年1月時点)の動画で使用された楽曲に。

相手の気持ちを探り合うもどかしさと鼻をくすぐる幸福を七夕伝説と照らし合わせる手法は、捨てきれない期待を抱きつつもこの瞬間だけはハッピーに浸らせてくれと叫ぶ『愛してみてよ減るもんじゃないし」や、<君を愛していたいけど 君を愛していたい>と好きすぎるあまりのジレンマを吐露する『独占愛』を先頭に、これまでねぐせ。が培ってきた重なりそうで重ならない2人の機微を映し出す筋力の上に成立しているものだろう。

彼らのディスコグラフィーの中では珍しいR&Bをコアに据え、スローテンポで掛け合いが続く中、ガッチリと両者の声が重なるのは<怒って泣いてぎゅして!><揺らいでないで尽くして>とそれぞれの本音が表れる部分というのも見事。かそけきズレから生じる切なさと、少しばかりでも手を取り合えた幸福、そしてその瞬間が包含するロマンチシズムが凝固したナンバーだ。

カネヨリマサル『君の恋人になれますように』

@kaneyorimasaru_official MV10万回再生ありがとうございます! #カネヨリマサル #君の恋人になれますように #MusicVideo #邦ロック ♬ 君の恋人になれますように – カネヨリマサル

2025年8月にTikTok音楽チャート人気曲ランキングへのランクインを果たし、BMSG発のダンス&ボーカルグループ・STARGLOWとのコラボ動画も投稿された、2025年1月に世へ放たれた5thミニアルバムからの1曲だ。

そこらじゅうを動き回るベースラインや一打ごとに加速していくビート、そこへ乗っかるスッと軸の通ったちとせみな(Vo&Gt)の力唱は、スリーピースバンドならではのミニマムな美しさを宿しているが、この均衡は当然血の滲むような試行錯誤の末に獲得したもの。

ストリングスを採用した『シャッターチャンス』を一例に、音色の拡張とライブハウスシーンに留まらないエリアへの挑戦を繰り返してきたカネヨリマサルが、改めて3人の音で勝負した結果がこの歌なのだ。「アルバムの顔になるようなリード曲を作ろう」と凄まじいスピード感で制作が進んだというエピソードも、過度な理論武装もなく同曲が生まれ落ちたことを裏付けている。

そんな演奏につられるがごとく歌詞もド直球で、<明日は目が合いますように 明日は話せますように>と密かに思いを寄せる人への小さく切実な願望が連ねられていく。取材にて「他の人にも通ずるように親和性の高い言葉を使いたいし、難しい言葉でかっこつけたくない」と語ったことを体現しつつ、泣きじゃくった恋模様と涙を手の甲で拭う背中をしたためた『かけがえなくなりたい』や『ガールズユースとディサポイントメント』の延長線上にも位置づく作品。