<ライブレポート>扉の鍵10th ANNIVERSARY〜ぼくらのギャラクシー〜カネヨリマサル×TETORA×AKAMONEの大阪スリーピーススリーマン!

<ライブレポート>扉の鍵10th ANNIVERSARY〜ぼくらのギャラクシー〜カネヨリマサル×TETORA×AKAMONEの大阪スリーピーススリーマン!

2026.10.05

「あなたの人生のターニングポイントになるアーティストと出会える日」をコンセプトにし、大阪北摂のライブハウス・ESAKA MUSEで育まれたイベント・扉の鍵が今年10周年を迎え、2026年5月〜2027年2月まで「ツーマン10番勝負。」と銘打ったアニバーサリーイベントを開催している。

その5本目が9月25日(金)、TETORAとカネヨリマサルの2組に、オープニングアクトとしてAKAMONEを迎えて行われた。

副題は“〜ぼくらのギャラクシー〜”。ガラガラのESAKA MUSEを経験してきたTETORAとカネヨリマサルがあの日夢見たパンパンのフロア。そこで光放ったスリーピースライブバンド3組のライブの様子をお届けする。

文:遊津場

写真:桃子

(O.A)AKAMONE

これがAKAMONEの作る“衝動”

この日のオープニングアクトに選ばれたAKAMONE。

定刻になると野元純太(Gt/Vo)にピンスポットが当たり、バラードナンバー『本音を言えば』を弾き語る。力強さだけでなく、言葉に付随する感情に合わせて時に優しく切なく、噛み締めるように歌い上げる。そこに板橋帆乃香(Ba/Cho)、東里優月(Dr/Cho)の演奏とコーラスが徐々に追加されていく。

日頃からライブが好きであろうTETORAやカネヨリマサルのファンが多く集まったフロアに、音数や勢いではなく、最後まで丁寧に強弱などバランスを付けて音楽を届ける。それはある種、集中力を切らさせてはいけない繊細な音の綱渡りではあるが、見事に渡り切ったのは演奏後の大きな拍手に現れていた。そこから『センチメンタルラジオ』で彩りあるセツナポップを、『恋をして』で一体感を作る軽快なサウンドを届け、彼らのリズムでESAKA MUSEを染めて、拳もしっかり上がる光景を作った。

MCで野元は感謝と今日の2組が好きだと言うのを伝え「今日がもう、一つの音楽を続ける理由になっていて。リハーサルをしているTETORAを聴いているだけで涙が止まらんくなった。音楽の力ってそれだけあるから。オープニングアクトだけどそんなの関係ないって思わせるくらい、今日は僕がここにいたことをしっかり残して帰りたいと思います。最後までよろしくお願いします」と伝え、『通り雨』を演奏。

フロアは降り注ぐ音楽をじっくり受け止めると、無意識に記憶を思い起こして、自然と体を揺らして聴いているように見え、それも1つの強い“衝動”だと感じた。最後もバラードナンバー『寂しくなるな』。時間や命は有限だからこそ分かる、命の輝きと日々の尊さ。それに改めて気付かせてくれた3人に、曲が終えるとフロアは溜まっていた感動が溢れ出すように拍手を鳴り響かせた。

<セットリスト>

1.本音を言えば

2.センチメンタルラジオ

3.恋をして

4.通り雨

5.寂しくなるな

カネヨリマサル

あの時見せたかった私達らしさが鳴った夜

笑顔で登場し、中央で拳を重ねて掲げた3人の1曲目は『ラクダ』。ちとせみな(Vo/Gt)のゆったりとした歌い出しから「よろしくお願いします」を合図に会場のテンションを上げていく。その音1つ1つに反応するように楽しく体を動かしながら演奏するいしはらめい(Ba/Cho)、安心感を保ちながら多彩なリズムをメイクするもりもとさな(Dr/Cho)。3人のシンプルに見えて、独特なバランス感覚を感じられる音は早速会場を掌握し、フロアをしっかりハンズアップさせていた。

『君の恋人になれますように』は知名度の高さを感じる反応。もちろんラブソングではあるのだけど、曲中の“私と君”の関係性が、“カネヨリマサルと今日のフロア”に感じられるのもライブならでは。終わる頃にはしっかり両思いの関係を作っていた。

MCではESAKA MUSEに帰ってこれて心から嬉しそうな3人。いしはらはイベント主催者でESAKA MUSE店長になった佐藤と同じ学校出身で年齢も近く、改めてイベント10周年を祝った。ちとせは「そもそもこの江坂という土地に思い入れがあって、まだライブハウスの出方も分からない時に、スタジオじゃなくてそこの神崎川の河川敷で曲を作っていました。この地がないと私たちはいないので、本当に本当に嬉しいです。自分に正直に私達らしくやって帰ります!」と伝え、「ESAKA MUSEに出だした頃に作った、人生で1番真っ暗、2年後死んでもいいやと思ったあの時にこの曲ができたから生きています」と『南十字星』を始める。

飾らないMCの後だから<あなたも私も変わらないまま 一緒に行こう>という歌詞が余計心に響く。3人の未来には星のように輝くミラーボール、それよりも美しい満員の拳が上がるフロアがその先にあったことが嬉しかったし、最後方に1人で見にきていたであろう女性がそれまで大人しく見ていたのに、体全身を揺らしながら声を出して歌っていたのが、“私らしさ”を曲で解放していていいなと思った。「感情を解放するのはSNSではできないけど、音楽ではしっかり出したい」というちとせも同じで、『はしる、夜』『ひらりとパーキー』は激しいフラッシュに負けない刺激的な演奏で、この日だけの衝動を残していた。

ちとせが息を切らし気味に「ありがとう」と伝えた後、新曲『あくび』を演奏。先ほどとは変わって自由に横ノリクラップする様子に「良い感じじゃん!」と伝える。そこから続いたのは「数えきれないくらい大阪でやった曲。めいに伝えた時に「涙が出るほどいい」と本当の言葉を言われて、そこからずっと大切にしている曲。今日も大阪の大切な箱で歌えて幸せです」という『もしも』。その頃がパッケージされたゆらめく感情も譲れない感情も現れた楽曲に、夕焼けも優しい月明かりも表してくれるESAKA MUSEの照明がピッタリ合っていた。

ここでいしはらが「初めてカネヨリマサルを見た人どれだけいる?」と尋ねると、ほとんど手が上がらず。そこに強い愛情や彼女達の足跡を感じ「バンドやってて良かった」と喜ぶ。もっとしゃべりたい気持ちを抑えて、ちとせにパスし「次は、サブスクでもやってないし、CDにもなってないし、リリースもまだ予定されてないけど、ライブハウスで育てている曲をやろうと思います。それはTETORAとAKAMONEに聴いてほしいから。ESAKA MUSEに来た人に聴いてほしいから。その気持ちだけで持ってきました。私は絶対来年も生きてるなんて確証もないけど、人生絶対なんかほぼないけど、絶対したいものがあって!私はそれはバンドです。音楽です。そんな曲やります。『ティーンエイジシンドローム』」。

歌詞にはある大阪のライブハウスの名前と消えない記憶が入っていたし、変わらず何かを追いかけるバンドマンのリアルをストレートに描いていた曲だった。そこに詰まったそれでもという気持ちと「絶対にしようね!TETORA、AKAMONE!」という叫び。ライブハウスの現場でしか得られない時間だった。そして「今日、ESAKA MUSEに立つと決まって、どんなライブにしようと思った時に、初めてESAKA MUSEに立った時は悔しい思いしかできなかったから、あの時できなかった、やりたかったカッコいいライブをちゃんとやろうと思いました!私たちらしく!私たちの音で!やって帰りたいと思います!」と伝え、推進力満点の『ガールズユースとディサポイントメント』を一心不乱に駆け抜けた。江坂の河川敷から始まった私たちのロックはこんなにもカッコよかった。

<セットリスト>

1.ラクダ

2.君の恋人になれますように

3.南十字星

4.はしる、夜

5.ひらりとパーキー

6.あくび

7.もしも

8.ティーンエイジシンドローム

9.ガールズユースとディサポイントメント

TETORA

またESAKA MUSEで会いましょう

「江坂で組んで、ESAKA MUSEで産まれたバンド。TETORA始めます!」

そう上野羽有音(Vo/Gt)は言って『ずるい人』からスタート。ここまでの2組の1曲目と同じ、ボーカルが弾き語るゆっくりとした歌い出し。偶然だが、トリとしてがっぷり四つで迎え撃つみたいだった。

しっかりと感情移入させ、どんどん開けていくようなアウトロを鳴らして「江坂で作った曲やります!」という『今日くらいは』へ。「恋を教えてくれてありがとうございました!」という上野の言葉と、この場所で鳴らされていることもあってか、大阪の騒がしい中心部ではない地方特有の落ち着いた生活感の中での恋愛模様を感じられた。

続く『出来ないよ』も「人生で初めてレコーディングした曲!そこ(ESAKA MUSEに併設されているスタジオ)で録った曲!」と江坂との思い出いっぱいの曲を続けて前半を終えた。

MCで上野は主催の佐藤店長は学校の1つ上の先輩と話し「放課後も一緒に遊んでたし、私はバンドを頑張る、俺は扉の鍵頑張るってよく話し合ってた。イベント10周年、そして今月でESAKA MUSE22周年おめでとうございます!」と拍手を贈る。

「いろんな思い出が詰まりすぎている場所なんですけど、今日ここで新しい感情をいっぱい知りに来ました!初めて見てくれた人も一緒に今日しかできないような初々しい感情を体感できたら嬉しいです。最後までよろしくお願いします!」と話し、弾き語りながらESAKA MUSEでお客さんを1人しか呼べなかった日と、そこから<変わりたい>と思いながらやってきたことを回顧する。「けど、ちょっと遠くに変わらないものがいて、そういう存在にずっと守られてかったです。ESAKA MUSEみたいな存在に。そしたらこれからTETORAはどんなところでも挑戦し続けられます。変わらないライブハウスの匂いでいてくれてありがとうございます」というホームのありがたみを噛み締めるように『とおい』を歌った。だからこそ「最新のTETORAを見せます!」という今年リリースされた『夢中霧中』のスイッチの入り方は強く、いのり(Ba/Cho)も力強いベースラインでフロアと強固な一体感を生む。『もう立派な大人』ではミユキ(Dr/Cho)も頭を使ってクラップを煽り、上野もいのりもジャンプして今出せるありったけを次々とぶつけていく。『日常』もずっとのものはない中で何を残せるかを示すように、今日も全力で鳴らしていた。

「江坂のTSUTAYA、潰れちゃった!」とも途中叫び、ずっとのものはない中で何を残せるか、今日も全力で鳴らしていた。

「絶対なんてない!それでも絶対をやろう!明日も見たいと思っちゃうような今日がないと未来はないから!今日をやるだけ!ずっとずっとやりたいことは何も変わってない!ロックなんて分かってたまるか!いつもそう思ってます!カッコいいものほど言葉で説明なんて出来ないです!説明できないものをこれからもずっと一緒にやっていきましょう!」。

その上野の感情溢れる叫びで始まった『イーストヒルズ』と『言葉のレントゲン』はジャンルではなく、TETORAがTETORAをTETORA自身がライブハウスを選び続けてやっているという事実だけがそこにあったから、俺も俺の、私は私のと、お客さん1人1人も本気でワクワクしながら拳を上げていた。

最後に「今ここにいる人全員、TETORAをここまで生かしてくれてありがとうございます!今日カッコいいと思ったら、これからもよろしくお願いします!TETORAがもっともっとカッコよくなれたら、またESAKA MUSEに出させてください!そういう御守りみたいな関係値でいてください。そしてまたお互いやってきたことの答え合わせがみんなともここで一緒にできたら嬉しいです。今日はありがとうございました。ESAKA MUSEで夢を教えてもらって、心斎橋BRONZEで“カッコいい”を教えてもらって、大阪の街で本気を教えてもらった、全国各地でライブをしている、夢中になりまくりのTETORAでした!」と伝え、このステージの上で最初に鳴らした曲という『ワンダーランド』と、『レイリー』を届けた。いつまでも初心のような全力さと、成長したからこそ芽生えた覚悟を、口付けより熱く、銃より強い音楽で示しながら鳴らしたTETORAの50分だった。

熱烈なアンコールに「しゃあないな〜」と登場した3人。「10代の頃、ESAKA MUSEでお客さん10人くらいのライブでのトリの時は、気遣いでワンモアって言ってくれる感じだったけど、今日は本気のワンモアをしてくれたように思います。ここでの初めてのワンモア、ありがとうございます!」と感謝を伝える。「カネヨリマサルとパンパンなESAKA MUSEでライブしたの初めてやなと、めちゃくちゃハラハラワクワクしながら話してました。3バンド目撃してくれてありがとうございます。2月に東京でホールワンマンするので、今日カッコよかったと思ったら来てください!アンコールやらしていただきます!」と万感の思いで『息をしている』と「せっかくセキュリティさんいてくれるんで、飛んできたらどうですか?」とダイバーが飛び出した『10月』でライブは終了した。

『息をしている』ではミスで歌い直すシーンも。実はカネヨリマサルも歌い直すシーンがあったので、この2組がまたESAKA MUSEでカッコよくライブしなきゃいけない理由ができたなと思った。それがまた扉の鍵だといいな。

<セットリスト>

1.ずるい人

2.今日くらいは

3.出来ないよ

4.とおい

5.夢中霧中

6.もう立派な大人

7.日常

8.イーストヒルズ

9.言葉のレントゲン

10.ワンダーランド

11.レイリー

En1.息をしている

En2.10月

扉の鍵は10周年企画は2月まで続いていく。

今後また魅力的な組み合わせがどんどん解禁されていくので要チェックだ。

そして大阪の北摂を大切にしながら鳴らしているロックバンドは沢山いる。

彼らが音楽の未来の扉を開けていく様子にも注目しよう。

告知

🗓️2026.10/9(金)

📍ESAKAMUSE

扉の鍵10th ANNIVERSARY

〜wanna be a hero〜

Lenny code fiction

13.3g

(O.A) kohamo

⏳18:30 / 19:15

🎫 ADV ¥3,500 / 店頭¥3,000(+1D¥600)

https://eplus.jp/sf/detail/4581680001-P0030001

各種リンク

扉の鍵_10TH ANNIVERSARY_公式X:https://x.com/tobiranokagi

ESAKA MUSE_公式HP:http://muse-live.com/esaka/
ESAKA MUSE_公式X:https://x.com/ESAKAMUSE