2026.09.25
9月10日、渋谷発の4人組ロックバンド・Wash My Fridayが大阪初ワンマンライブを心斎橋Pangeaにて行った。
このイベントはWash My Friday初のワンマンツアーとして福岡と大阪で開催。大阪はフロアライブ形式で行われ、来場者もステージエリアやアンプのすぐ横で見られるなど、独特で特別な空間が出来上がっていた。その中でエンタメ性もロックバンドのカッコよさも見せたライブをレポートする。
文:遊津場

優雅なSEが鳴る中、360度お客さんに囲まれたフロアにメンバー4人が入っていく。お客さんのかざすスマホは普段見ることのできない距離で横顔やけんこうこつ(Dr)のつむじを捉えている。セッティングが終えると一転クラップを煽るSEに変わり、360度から大きなクラップが巻き起こる。そこに4人の演奏が追加されテンションが上がっていき「始めようぜ、大阪ー!」とシムラタクミ(Vo/Gt)が叫んでポップナンバー『Music!』からスタート。
この日はメロディがステージからフロアに向けて前へ向かうのではなく、会場全体に渦巻きながら上昇していく感覚があって新しいワクワク感に包まれていくのが分かった。サビではハンズアップも起こり、360度どこを見ても素敵な表情で、4人も良い意味でどこを見たらいいかという様子に見えた。「調子どうよ、大阪!」とシムラが繋いで始めた『レンアイシグナル』では全員が飛び跳ね、お客さんが歌詞に合わせて<いい!>と声を出す場面も。ほしか(Ba)自身も飛び跳ねながら鳴らし、全体で開放的な空間を作っていた。
MCに入りシムラは感謝を伝えた後「すごい光景だよね。ものすごく顔の近くに顔がある」とジェスチャーを交えて伝える。お客さんと間近で目が合い「あっ…」と思わず会釈してしまうメンバー。「気合いを入れて、かつちょっと面白いセットリストを用意してきたんで、最後まで一緒に楽しんでってください!」と伝え『じゃん‼︎』を演奏。ユーモアのある歌詞は日常生活のしんどさも内包しているが、それを吹っ飛ばすような軽やかなサウンドであり、散々な日々もこの歌をライブで楽しむためだったんだ!と思わせるエネルギーがあった。

終わるとシムラがギターを置いて『嫌になっちゃった』へ。サウンドに合わせて手拍子とサイドステップをするフロア。ただいつもと違いフロアが円となっているので、ライブハウス全体がゆらゆら揺れている感じがあって、“揺れ感”がいつもより大きく感じた。シムラ、ほしか、ita(Gt)も体を外に向け、お客さんと目を合わせながら歌ったり演奏したりしていた。<嫌んなっちゃんたもんだ>という合唱も起こって向かった終盤、突如けんこうこつが演奏を止め「俺が歌う!(シムラ)ドラム行け!」と、まさかの交代。
しかも曲の続きではなく、まさかの自己紹介ソング『おいらはけんこうこつ』を披露。非常にキャッチーな曲でノリノリに。少しけんこうこつの笑顔体操の時の顔は怖かったけど。
正直このけんこうこつタイムは30分尺のライブでも見るのだが、ほしかも「なんかやるわ」とワンマンならではの時間へ。大食いというほしかは大阪ということで1分の演奏の間(シムラはまた代わってベースを演奏)でたこ焼きを何個食べれるか挑戦。お客さんに時間を計ってもらって結果は…8個。
「もっといけるかと思ったけど、大阪のたこ焼きは粘度がすごかった」とのこと。すると普段寡黙なitaも「俺も…」とラップを披露。グルーヴィでフロアもハンズアップして応えていたが、「ちょちょちょ…まだこれ『嫌になっちゃった』の曲の途中って忘れてたでしょ?」とシムラが自由なメンバーにツッコみ、曲に戻って明るく終えた。「皆さん長らくお付き合いありがとうございました。ここから変なサプライズはないです!」と伝えて『感情記憶症候群』へ。ほしかの攻撃的なベースイントロで一気に引き締まり、耳馴染みが良く、かつタフなビートにフロアも拳を上げて楽しんだ。


「ここでメンバーそれぞれの声を聞いてみよう」とシムラがメンバーに振る。itaは初めての景色に「ありがたい」と感謝し、ほしかも「どこ見ても人!大阪にもこんなに来てくれる方がいてくれてありがたい。また大阪に来るので顔を合わせられたら嬉しいです!」と伝え、けんこうこつは感慨深げに「タクミとは前のバンドでフロアライブをやったことあるけど、大阪でできる日が来るとは。
僕らも最後までこの空間を味わい尽くしたいと思います!」と話した。シムラは「より生の音や動きを感じてもらえていると思います。なかなかない機会だと思うので、耳と目に焼き付けて帰ってほしいなと思います!」と伝え、後半戦へ。先ほどまでのゆるいエンタメコーナーやMCが嘘みたいに、タイトに曲をノンストップで続けていく。
『HIMAWARI』は切なさの入ったエモーショナルな楽曲。『夏の日の2人』もイントロからじっくり染み渡り、雄大なメロディは海に沈む夕日のような煌びやかで、お客さんも体を揺らしながら聴き、サビでワイパーする景色が美しかった。少し哀愁も残る中で続けたから『Friends』は、より誰かのことを脳裏に思い浮かべながら聴けたし、隣同士と頷きながらノっているお客さんもいて、この空間にしかない絆が強くなっていくことを感じた。
そこからけんこうこつのパワフルなドラム繋ぎに、ほしかのベースと全体のクラップが加わってグルーヴを高めながら『花が振る時には』へ。シムラのボーカルも色気を増すし、<僕の目に映るすべて溢れるほど愛しい想い>という歌詞もこの日は360度見られるフロアライブだからこそ、その気持ちがよりストレートに伝わったし、itaのギターソロからも同様の感謝の思いが伝わってきた。

勢いをまだまだ加速させるようにけんこうこつが速いビートを鳴らしながら「まだまだ行けますか!」とシムラが煽り「今日は木曜だから明日もあるけど、今日を活力に明日も乗り切って!大阪の皆さんの素敵な声を聴かせてもらってもいいですか!」と大きなコールアンドレスポンスでさらにギアを上げて『Your Smile』へ。
シムラのボーカルとしてフロアを先導していく様子はより強まり、<山あり谷ありの大阪で やっと見つけた僕のオアシス>と歌詞も変えて届ける姿は、君の笑顔を原動力に更なる笑顔を作る使命を持ったロックスターの姿だった。
どんどんボルテージが上がるシンガロングで終え、そのまま代表曲『Week!』へ…という場面で少しミスがあったが、スムーズにシムラが再びシンガロングやクラップを促してリカバリーしたところに46都道府県ライブもしたライブバンドの強さを見た。そして最後は疾走感のあるサウンドとシンガロングの合わさりが一瞬で無敵感を生む『Tomoki』。そこには最後に勝つのはこの声と、音と、そして笑顔という事実は揺るがないから大丈夫!という強い意志が感じ取れた。お客さんも含め、フロア全員でアグレッシブに曲を作り、ライブを締めた。

そのまま一旦下がることなくアンコールのパートへ。シムラは「メンバーの普段見れない演奏する姿を見ながらできてボルテージが上がった」とのこと。けんこうこつも「いつも背中しか見てないからさ」と共感。そしてシムラは「これからも更新していきます!初の大阪ワンマンライブということで、どうせならお土産を持って帰ってほしい」とメンバーの顔が印刷されたうちわを全体に配り始める4人。メンバーの顔だらけになったフロアに「ヤバいなぁ」とテンションが上がるシムラ。
そこからダンスレクチャー、4人とお客さんの謝罪エピソードをリズムに合わせて発表した後(間食やめられないですよね)(シムラは来ていたFM802DJのハタノユウスケに本気で謝罪する場面も)、最新曲『マジでごめんなさい!』でファンキー&ピースフルに終了。終始ゆるさでもカッコよさでもお客さんを巻き込んだWMF。これから反省する時も、嫌になっちゃった時も、感傷に浸る時も、いつも心にWMFがいるあなたは笑顔の多い日々となるだろう。

<セットリスト>
1.Music!
2.レンアイシグナル
3.じゃん!!
4.嫌になっちゃった
間奏:おいらはけんこうこつ→ほしかのたこ焼き早食いチャレンジ→itaラップ
5.感情記憶症候群
6.HIMAWARI
7.夏の日の2人
8.Friends
9.花が降る時には
10.Your Smile
11.Week!
12.Tomoki
En.マジでごめんなさい!

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