<ライブレポート>少年キッズボウイ 「祭りだ!少年キッズボウイだ!全員集合!〜極楽はここだ!〜」@中野heavysick ZERO(恒例のDJタイムも大ボリューム)

<ライブレポート>少年キッズボウイ 「祭りだ!少年キッズボウイだ!全員集合!〜極楽はここだ!〜」@中野heavysick ZERO(恒例のDJタイムも大ボリューム)

2026.07.11

桃園会館での昼の部を終え、中野heavysick ZEROでの夜の部。恒例のDJタイムは、ラウンジフロアをまるまる使って1時間という大ボリューム。お休み中のこーしくん(Vo)を除く全メンバーによるDJという特番のような内容で、きもす(Tp)と服部(Ba)もここでDJデビューを果たすこととなった。

服部がUNISON SQUARE GARDENの『ライドオンタイム』をかけた際には、何より本人がノリノリで楽しそうな姿が印象的だった。

あ、7月15日のチケット(UNISON SQUARE GARDENの休止ライブ)は取れてません。

文章:Kubo Yuya

昼から続いたお祭りも佳境へ

先ほどまでラウンジフロアを埋め尽くしていたファンたちが、次はメインフロアを埋め尽くす。

少年キッズボウイのライブでは定番の入場SE、『学園天国』が流れると、フロアのテンションが一気に上がる。曲に合わせてフロアの一体感が高まる中、少年キッズボウイが姿を現した。

きもすが軽やかにトランペットを鳴り響かせ、オープニングナンバーである『スラムドッグ・サリー』へと繋がる。明るさと切なさが同居するポップ・ロックだ。不思議と、お祭りが終わりに近づいているんだという実感が湧き上がる。

GB(Dr)の掛け声で始まる2曲目は『ダイムバッグ・ヒーロー』。もともとはコントユニット・ダウ90000のために書き下ろされた楽曲で、ダウ90000にちなんだ言葉遊びも含まれる歌詞が秀逸な楽曲だ。”戦争よりも恋をしようぜベイベ”というフレーズが最高すぎると筆者の中で有名な楽曲でもある。

『ダイムバッグ・ヒーロー』の切ないアウトロから、ドラムを起点に3曲目の『ぼくらのラプソディー』へと繋がる。様々な音楽ジャンルの要素を詰め込んだミックスフライ定食のような曲で、聴き応えがある。筆者のお気に入り楽曲の1つだ。

前曲の『ダイムバッグ・ヒーロー』もこの曲も反戦色のある歌詞に仕上がっている。少年キッズボウイの反戦ソングは押し付けがましくないのが良い。筆者も、戦争はもちろん悪いものだし無くなるべきものだと考えている。が、そのために高尚な考えを押し付けられるのも好きではない。そこまで意識も志も高くないのだ。そこへ来て、少年キッズボウイはちょうど良い。「戦争は嫌だ」。わかる。「余計なことするな」。わかる。「なくなって欲しい」。わかる。これで良いのだ。

 “今日この時間、この場所だけは何も考えずに”

MCは山岸(Gt)の感謝と挨拶から始まった。自分たちもファンのみんなも、社会人や学生、それぞれ考えることややることがたくさんある。それはみんな同じだ。

「でも、今日この時間、この場所だけは何も考えずに、音楽にノッて楽しみましょう!」

フロアから歓声があがり、『南池袋セントラルパーク』が披露される。シティポップ感のあるおしゃれな雰囲気から、5曲目『スペランカー』へ。一転してテンポが上がり、たった2曲で見事に緩急をつけていく。

『スペランカー』は昨年12月に発売されたメジャー1st EP『もっと少年キッズボウイ』に収録された楽曲だ。テレビ朝日系バラエティ番組「見取り図じゃん」の2025年12月度のエンディング曲にも採用され話題になった1曲。

初めて聴いた時は、’あの’スペランカーからインスパイアを受け、ここまで解釈を広げてかっこいい曲に仕上げたことに感嘆したのを覚えている。おすすめの1曲なので、まだ聴いたことのない人にもぜひ聴いてもらいたい。

「ビール、美味しい飲み方がありまして」

MCでは山岸が桃園会館での昼の部から来てくれてるフロアのファン、そして中野区へあらためて感謝を伝える。ロックバンドが出店や盆踊りのあるお祭りをやるという、そうそう聞くことのないイベントが成功した要因のひとつに、楽しいことならなんでも受け入れてくれる中野区の土壌があったのは間違いないだろう。

その中でも、特に助力してくれた中野のビアバー・麦酒大学の学長さんも紹介される。低音イケボと特徴的な語り口で有名な名物学長で、少年キッズボウイとは縁が深い人物だ。山岸に呼ばれステージに上がった学長とともに、6曲目『中野シャンゼリゼ -麦酒大学のテーマ-』が披露される。

コーラスとセリフで同楽曲のレコーディングにも参加した学長の貴重なライブステージを堪能できた。

ユーモラスな人物像が有名だが、ビールは注ぎ方ひとつで味が全然変わるんだということを感じさせる腕前も一級品だ。味わったことのない人はぜひ足を運んでみてほしい。

麦酒大学

極楽はここにあった

麦酒大学のテーマが終われば、『海を見に行く』でビールからシャンディガフへの繋がれる。少年キッズボウイの曲の中でも、かなりおしゃれなシティポップ色の強い1曲だ。インディーズ時代のEPから評価が高く、メジャーEPでも再録された人気曲だ。

8曲目は『下北沢ターミナル』。程よいポップ感とセンチメンタルな雰囲気が同居する、少年キッズボウイらしいミドルバラードが続く。

MCでは10月と11月に開催される自主企画イベント『少年キッズボウイのひるはライブハウス、よるは酒』の告知が行われた。

10月は新代田編として新代田FEVERでのツーマンライブ、11月は下北沢編としてBASEMENTBARとTHREEの往来自由ライブとなっている。

どちらも先行チケットの絶賛受付中となっている。先行当記事の最後にも詳細情報を掲載するのでチェックしてほしい。

告知を終え、演奏が再開される。祭りの終わりが近づく中、披露されたのは『桜の木の下には』。『ダイムバッグ・ヒーロー』と同じく、もともとダウ90000のために書き下ろされた曲だ。おしゃれなイントロから、短いながらも聴き応えのある展開が素晴らしい曲だ。

続く10曲目は『ムーンライト・レビュー』。こちらもメジャー1st EP『​もっと少年キッズボウイ』に収録された楽曲だ。『スペランカー』と同じタイミングでテレビ朝日系バラエティ番組「深夜のダイアン」の2025年12月度のエンディングにも選ばれた。いわゆる今どきのシティポップらしくない、チルすぎないシティポップで聞き飽きない。音源版ではファンキーなギターソロが耳に残っていたが、今回のライブではきもすによるトランペットソロが輝いた。生演奏ならではの音圧を感じ取れて、これだけで足を運ぶ理由になるかっこよさだと感じる。

夕焼けこやけが来てバイバイ

MCで山岸が「まだまだ俺ら、でも、バンドは続けます。バンドは続いていきます」と、ライブ終わりか引退かというような語りを始めると、すかさずGBから「極楽になりすぎてない?大丈夫?」とツッコミが入り、会場の笑いを誘う。

残り4曲と宣言されて始まった最終ブロックは『告別式では泣かない』から始まった。こーしくんがメインボーカルを務める曲を、全員で歌いながらライブで披露する。どのジャンルでも、休止中のメンバーが主軸の曲はライブでのセトリ採用が見送られることも多いと思うが、少年キッズボウイはやる。メンバーもファンもみんなが好きな曲を、みんなで楽しむ。全員が社会人で、それぞれの事情もあるということを受け入れているからこそ、こういうアレンジができるのだと思う。

メンバーの誰かが不在でもライブの楽しさはまったく失われない。むしろ、その時でしか楽しめないアレンジが披露される。少年キッズボウイの活動スタイルの良いところが詰まったパフォーマンスだった。

アキラ(Vo)のタイトルコールで『君が生きる理由』が始まるとフロアから歓声が上がる。インディーズ時代の1stアルバム『少年キッズボウイ 1』のリードトラックにして、少年キッズボウイの代表曲のひとつだ。GBの”ミラーボールよろしいでしょうか~!”でフロアのミラーボールが回り始め、『最終兵器ディスコ』が始まる。”愛とラヴを永遠にフォーエバー”のフレーズを筆頭にメンバーとフロアの大合唱が鳴り響く。

ひたすたに楽しい。仕事で来たことはとっくに忘れていたし、手に持っていた記録用のレコーダーもいつの間にか荷物と一緒に置いていた。14曲目、最後の曲は先日リリースされたばかりの新曲『Kids in the Park』。この曲はRHYMESTERの同名曲から強くインスパイアを受けている曲で、実際にサンプリングとしても曲中に使用している。

個人的には “平和の輪、永遠にKids in the Park” が元ネタ曲へのリスペクトも感じるパンチラインに仕上がっていて、初めて聴いたときは家の中で1人で声を出して笑いながら拍手してしまった。

RHYMESTERのみならず、他のJ-HIPHOPやHIPPOPへのリスペクトも感じる楽曲になっており、アキラの声や歌い方もあるのかmihimaru GTっぽさや、ケツメイシっぽさも感じる。

平成のJ-HIPHOPを彷彿とさせながらも、少年キッズボウイの楽曲にしっかりと落とし込んでいる完成度の高い曲だ。

各種配信サイトで配信中なので、ぜひこちらもチェックして欲しい。

曲の持つ寂しさのような雰囲気もあってか、お祭りが終わってしまうことを実感させられて物悲しい気持ちになる。少しセンチな気分に浸りはじめると、”はける場所がない”という理由でステージ上に居残ったままアンコールを受けるというシュールな事件が発生した。

少年キッズボウイらしいゆるい空気で『キスをしようよ』を歌い上げ、フロアを埋め尽くすファンたちの隙間を縫うように少年キッズボウイはフロアをあとにした。

セットリスト

01.スラムドッグ・サリー

02.ダイムバッグ・ヒーロー

03.ぼくらのラプソディー

04.南池袋セントラルパーク

05.スペランカー

06.中野シャンゼリゼ -麦酒大学のテーマ-

07.海を見に行く

08.下北沢ターミナル

09.桜の木の下には

10.ムーンライト・レビュー

11.告別式では泣かない

12.君が生きる理由

13.最終兵器ディスコ

14.Kids in the Park

en.キスをしようよ

告知

少年キッズボウイのひるはライブハウス、よるは酒 -新代田編-
日程:10/10(土)
会場:新代田FEVER
時間:12:00op / 12:30st
出演:少年キッズボウイ, ポップしなないで※ツーマンイベント
チケット料金:
一般:前売り¥4,000 / 当日¥4,500
学割:前売り¥2,000 / 当日¥2,500
※ドリンク代別

少年キッズボウイのひるはライブハウス、よるは酒 〜下北沢編〜
日程:11/23(月祝)
会場:下北沢BASEMENTBAR&THREE往来自由イベント
時間:11:30op / 12:00st
出演:少年キッズボウイ, アマイワナ, カラコルムの山々※全6組出演予定
チケット料金:
一般:前売り¥4,500 / 当日¥5,000
学割:前売り¥2,000 / 当日¥2,500
※ドリンク代別

チケット先行
発売期間:7/4(土)22:00〜7/31(金)23:59
チケット販売URL:https://eplus.jp/shonenkidsboy/

各種SNS

X:https://x.com/shonenkidsboy

Instagram:https://www.instagram.com/shonenkidsboy/

TikTok:https://www.tiktok.com/@shonenkidsboy

YouTube:https://www.youtube.com/@shonenkidsboy_official

関連リンク

📕新曲『Kids in the Park』や夏祭りについて語っていただいているインタビューはこちら↓

この記事を書いた人

執筆
Kubo Yuya
北海道出身 音楽はオールジャンルを広く浅く 競馬で負けるとパチ屋に行く習性があります