<ライブレポート>Good Grief『HOW TO START A FIRE TOUR 2026』@東京・代官山UNIT

<ライブレポート>Good Grief『HOW TO START A FIRE TOUR 2026』@東京・代官山UNIT

2026年4月19日(日)、UNMASK aLIVEとCrowsAlive、WHISPER OUT LOUD、Good Griefの4組によるスプリットツアー「HOW TO START A FIRE TOUR 2026」が東京・代官山UNITにてファイナルを迎えた。ラウドロック、ポップパンクシーンに新風を吹かせるべく、2025年に始動した同イベント。全国8都市を巡った昨年から1年を経て、再び顔を突き合わせた4組が示したもの。それは変化だけではなく、変わらない野心だった。

文=横堀つばさ

UNMASK aLIVE 

「俺にとっては人が場所みたいなもので、音が鳴ってて、仲間がいたら、それだけで最高!」と語った終盤戦、KD(Vo)の「最初は訳も分からずツアーを回ってたんですよ。でも、今はこの4バンドじゃないとって思うんです。俺にとって仲間はこういう場所」という言葉から捧げられた『故郷』。夕焼け色の会場に5人のシルエットを浮かべ、飛び出した地元と変容していくかもしれない自身への焦燥、決心を溶かしたこのナンバーは、京都府福知山市発の5人組・UNMASK aLIVEが今夜に託した思いを描出していた。たっぷりとビブラートをかけたTetsuya(Gt)に導かれ、〈住む町も音楽も何もかも変わっても 僕達は 僕達は 僕達は このままでいよう〉と紡いだ通り、彼らは青臭い夢を語り合える今のまま、さらにデカい舞台へと手をかけんとしていたのである。

そもそもUNMASK aLIVEは、2022年にスタートした自治とリスペクトを第一義とするDIYフェス「ONE & ONLY FESTIVAL」の主催からも読み取れるように、仲間とともに遊び尽くすことと酒を酌み交わすこと、そしてその輪を拡大することを信条としてきたバンドだと言えよう。それは、冒頭を飾った『9号線の果てに』の「狭い車の中で語り合った夢を死なせない」なんて咆哮や、「俺たちと夢見る準備はできてるか?」とYasu(Vo / Good Grief)と肩を組んでねじ込んだ『Satellite』からも明白だ。だからこそ、この4組を原点であるホームタウンと重ね合わせた事実に意義があるのではないだろうか。いつだってここが出発点。2度のツアーを経て、3組と真に盃を交わしたUNMASK aLIVEは、改めて自身の原点と確かめたい光景を掴み直したのだ。

<セットリスト>

01. 9号線の果てに

02. Focus

03. Klesha

04. 108

05. Satellite

06. クラクション

07. 丹波路快速

08. 故郷

09. Nagisa

CrowsAlive 

スペーシーなSEが会場に充満した頃、1つ、また1つとスポットライトが天から注ぐ。2番手・CrowsAliveが序曲に選択したのは『Sky』だ。ミドルハイのひりついた歌唱をシンボルマークとするKenta(Vo)は、気持ち良さそうに両手を広げ、歓声を真っ向から抱きしめていく。「足んねぇでしょ!」と点滅するフロアへKazuki(Dr)が連打をぶつけた『FeatherBloom』然り、深海へ潜り込むみたいな静けさを孕んだサウンドメイクを披露した『Platinum Future』然り、どこか神聖な手触りの作品たちはアリーナスケールの壮麗さを内包。「壁にぶち当たっていることを実感してます」と溢してはいたものの、その音楽にはセットリストを構築した2ndアルバム『Bri=dge』に対する自信が、何よりCrowsAliveに対するプライドが発現していたのである。

「まだまだ見たい景色がたくさんあるんです」「今は小さな灯火かもしれないけれど、確実に灯した光なんで。これをデカくしていきましょう」とラストを飾ったのは『Mr. Lonely』。セルフライナーノーツに「希望を抱くには、希望を探すしかない。暗い道を抜けるには、明るい方へ進むしかない」と綴った通り、さまよいながらも理想を追求する様子をレンズに収めたこの歌は、CrowsAliveの覚悟としてのみならず、今宵集った4組の行く末を照らすようだった。

<セットリスト>

01. Sky

02. Neo Romancers

03. FeatherBloom

04. Platinum Future

05. Emotion Sickness

06. Mr. Lonely

WHISPER OUT LOUD 

踊る。踊る。踊る。3番手・WHISPER OUT LOUDが見せつけたのは、肉体の躍動によって生の喜びをマキシマムに謳歌させるアプローチであり、旗印としてきた”CITY ROCK”の確かな実態だった。

「かますなら、ここだぜ」「UNIT、生き様を見してくれよ!」とアジテートしながら『Save Me』『Alive』を連打する中、Motokichi(Vo)は目を見開いて客席を眺めては、巻き起こる合唱に「まだまだでしょ?」なんて表情で首を振る。クランチサウンドを主軸に据えたカッティングをはじめ、WHISPER OUT LOUDの中核に鎮座しているアダルトかつダンサブルな作風に隙はない。しかし、何より肝要なのは、彼らがそのスタイリッシュな音像とサディスティックなまでの煽りによって、我々の心を解放せんとしていることだろう。

その証拠に、軽やかにクラップが弾けるイントロに快哉が叫ばれた『24hours』の最中、Motokichiは「綺麗な音とか、歌とかはどうでも良いんで!皆と踊らんと気に食わない性分です」と口にする。この日最も澄んだトラックを響かせていたバンドが、美しさを捨て去り、汗まみれの濃密なコミュニケーションを希求する。その情熱たるや。

4人がここまで熱情を氾濫させるステージを繰り広げた理由。それは単に疾駆する2ビートや煮えたぎるスクリームに対抗するためだけではなかった。「ライブが好きになったキッカケが、このツアーなんですよ」と打ち明けたように、WHISPER OUT LOUDは耳へとするする入り込む”CITY”の一面だけじゃない、心臓を互いに鷲掴み合うような”ROCK”の側面にフィーチャーするライブの楽しさを教えてくれた3組へと感謝を伝えようとしていたのである。

<セットリスト>

01. BEAUTIFUL PARADOX

02. Save Me

03. Alive

04. Magic

05. One More Time

06. 24hours

07. Memories

08. Sunrise

Good Grief  

前回のスプリットツアー以降、メンバー脱退によって1枚の翼を失い、編成を変えながらも、「DEAD POP FESTiVAL」をはじめとする大舞台を経験してきたGood Grief。言ってしまえば、最も大きな環境変化に見舞われた1組であるわけで、本ツアーを締めくくるステージはここ1年の集大成になると思っていた。

しかし、深青の会場に一筋の白い光を降ろして「一緒に燃えてくれ」と歌い出した『July』でその予想は裏切られる。勇壮なRyuto(Dr)のタムがクラップを牽引した『GOOD TIMES』だって、〈独りの夜だって〉の1ラインでYasu(Gt/Vo)がグッと拳を掲げた『Feather』だって、4人が轟かせていたのは、今日を糧に捲土重来を果たさんとする、ひたむきに未来を見つめる楽曲群だったのだ。

「大好きな音楽が世の中に伝わらなくて悔しいって思った時間の分だけ、ここにいるヤツには音楽を大好きでいてほしいんですよ。誰も否定できねぇ所まで、この音楽が伝わった先で会いましょう」

もしかすると、追い風が吹き始めているのかもしれない。それでも、目指すフィールドには全く届いちゃいない。だからこそ、まだまだ音を鳴らし抜かなくてはならないのだと、その悔しさを露わにすると『Contempt』へ。眼前のリアルと対峙する彼らのアティチュードは、〈不完全な日々 嘘なんかつかずに 向き合っていたい〉という1節とオーバーラップを果たし、これから先も満たされない感傷をメロディーに変換していくための誓いをぶっ立てていく。Good Griefの根幹に存在し続ける”SAD”を放ち続けるための指切りを交わしていく。

「聞こえるように歌ってくれ!」と託された願いに応答するかのごとく、オーディエンスから贈られた特大のチャント。彼らの現在地を指し示したそれは、「いつも愛してくれるヤツ、振り解かれんなよ、ずっと着いてこいよ」と問いかけたGood Griefに対するこれ以上ないほどの返信だった。4組の灯火はとっくのとうに着火済み。あとはこの火をどこまでも大きくしていくだけだ。

<セットリスト>

01. July

02. GOOD TIMES

03. Feather

04. VICES

05. Contempt

06. GRAYSCALE

07. Forever

<アンコール>

08. Blue Ink

告知

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2026/06/28 (Sun) 会場:shibjya clubasia

OPEN 17:30 / START 18:00

Ticket Free(+ 1D)

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