2026.03.12
3月7日(土)、オレンジスパイニクラブが結成14周年企画ライブ「ザ・ベスト20 Vol.3」を大阪・バナナホールにて開催した。
このザ・ベスト20は彼らの結成時期であるこの時期に開催され、リスナーから曲のリクエストを募り、その順位に沿ったセットリストでライブするというもの。今回は初の大阪での開催となり、見事ソールドアウトとなった。こういったイベントだからこそのファンとの繋がりやフェスなどのイベントでは見れないオレスパの魅力を大いに感じられた1日をレポートする。
文=遊津場
撮影=タカギユウスケ

定刻になり開演に向けてBGMが盛り上がったところで突然暗転。粋な演出で拍手が上がると、ステージ上にまずはスズキユウスケ(Vo/Gt)とスズキナオト(Gt/Cho)が登場し『hug.』の弾き語りでライブスタート。
ユウスケは<君>という歌詞のところでフロアを指差したり、<ハロー><手を振る>といった部分でも歌詞に合わせた仕草を見せて、相手への愛おしさ溢れる曲の世界観にギュッとフロアを引き込んだ。
最終盤に「よろしくね」と伝えると、ゆっきー(Ba/Cho)とゆりと(Dr)も登場。そして優しくナオトが弾き語り終えると「センキュー!」とユウスケが叫んで打って変わって轟音を鳴らして「マイベスト20ー!14周年だぜー!バナナホール、準備できてますかー!準備できてますかー!イエーイ!ついてこいよ!」と叫んで『反骨』を演奏。
フロアも一気に前に押し寄せて、まさに曲名意味通りのパンクロックでゴリゴリと会場の熱気を高める。ステージ上の4人も当然躍動感たっぷりでユウスケはもちろん、ナオトもゆっきーも力強く歌う。続く『またあとで』はそのエモーショナルさはどこか残しながら、彼ら特有のラフでラブが溢れた曲を届けて、心地よく自由に頭や体を揺らしながら聴くフロア。
そして緑色の照明も映える『タイムトラベルメロン』が始まれば、全員で<ファックミーライフ>と歌って、少しコミカルなリズムも贅沢に楽しむ。まだ4曲だが日常に寄り添う愛おしい歌詞と多様で独特かつライブバンドの骨太なグルーヴを味わった。

「こんばんは、オレンジスパイニクラブです。ちょっと待っててくださーい。こだわりのチューンニング、周年なんでこだわらせてください」というチューニングを経て、改めてソールドや14周年経ったことを伝え、感謝するスズキ兄弟。
「この企画は、ずっと東京ばっかでやってたんで、次は大阪ってことでやって参りました!」と大阪に愛を伝えるユウスケ。今回のイベントの流れも伝え「真面目なんで本当に20位から1位に向けてやっていきます。不正は許しません。最後までよろしくお願いします!」と『レイジーモーニング』から再開。
伸びやかさの中に気怠さもあるのが、サビで気持ちよく腕を伸ばせる要因になっている。ユウスケもそんなフロアを見て「良い感じよ!」と応える。続けて爽快なサウンドから「知ってる人歌ってちょうだい!」と『飽性彼女』へ。
前身のThe ドーテーズ時代らしい若々しい泥臭さのあるロックナンバーで、サビでは<飽性彼女バイバイバイ!>と、どこまでも歌い飛び跳ねながら楽しんだ。そこから『みょーじ』をじっくり弾き語りながら歌い出し、サビではこちらも放出するように腕上げて飛び跳ねた。
「ありがとうございます!後ろも見えてますよ」と感謝を伝えると、2022年以来のバナナホールだと振り返るユウスケ。「バナナジュース美味しいんですよ」と話したところ、終演後めちゃめちゃ売れたらしい。会場の3分の2のほどいらっしゃった花粉症の人も労った後、「なんか話したいことありますか?」とリズム隊の2人に話を振ると、ゆっきーが「楽しいです。良い感じですね。髪切ったんですよ」と言ってフロアと談笑。また偶然前回と同じ『hug.』始まりだったことや投票結果を振り返りつつ、「僕らも年に1回こうやってやりたい曲を皆さんの前でできるのは、お互いに嬉しいと思うんで、自由に楽しんでもらえたらと思います!最後までよろしくお願いしまーす!」と『ルージュ』を届ける。
ユウスケはスタンドマイクとなり、同期も使った色気のあるサウンドが上品にクラップを誘発する。サビは生々しい愛情の熱量も高くなり、ナオトのギターソロもさらに掻き立てた。そしてユウスケが再びギターを持ち、ゆっきーのベースイントロが鳴り響くと『まいでぃあ』へ。
「遠慮しないでくれよ、バナナホール!」と煽り、体だけでなく心もより接近戦になってギアを上げて楽しむフロア。そこに前回の1位『タルパ』を続け、他愛もないワンルームの生活感の匂いとその尊さをノスタルジックに響かせた。

「もう残りベストテンですか」とユウスケが話すと、そのあっという間さに驚くフロア。ナオトは「4人が寿司屋の大将になって、どんどんネタを出している感じ」と例える。ゆっきーの作った限定グッズの紹介を経て、「本当にありがたいです。ここから結構…良いかもしれない。去年もだけど10曲目辺りから雰囲気が変わってくるイメージがあります。いきまーす!」とユウスケがアムロみたく宣言し「ゆりとカモン!」から『9分間』へ。
徐々に感情が大きくなる様子が現れていて、同時にどこか切ない。『十人十色』では弾むようなドラムビートが炸裂。そして何度も繰り返される<I love you!>があの頃の自分を代弁してくれているようで、会場の熱気も上がった。
そのままゆりとのドラムの繋ぎから『ガマズミ』をじっくり堪能。このセットリストは順位通りのため、流れは偶然でもあるのだが、青くて柔らかい本音みたいものの繋がりというか、いくつ季節を超えても変わらない染み付いた気持ちがあり、そこがオレスパの魅力だと再認識できた流れだった。
少しセンチメンタルな気持ちも束の間で『死ぬほど好き』『おっぱいパラリラ』のパワフルなリレー。特に『おっぱいパラリラ』はフロアのテンションを上げて、ダイバーも出て、もみくちゃに。その胸いっぱいのエネルギーにゆっきーも前に出て、ベースを高々掲げて応えていた。
「(ユウスケ)なんですか、おっぱいパラリラって」「(ナオト)ドーテーズの時の曲ですからね」「(ゆっきー)でもみんなが入れたんだから引くのはなしよ」「(ユウスケ)なんで知ってんだろ?もっと良い曲あるでしょ(笑)」と話した後、「今日が終わったら明日から15年目と言っていいのかな。周年企画は大きな企画だし、クサいこと言うと本当に皆様のおかげです。色々あったからね。さっきナオトが恥ずかしそうに言ってたんですけど、あの曲も言ってしまえば僕らの持ち曲ですから。昔の曲みたいにしたくないですから。変に塗り替えばっかりだと面白くないじゃないですか。昔のバックボーンというか、始まる前からの歴史があって、それをどんどん超えて、すごく楽しいバンドになる。10代の頃はイキってたし、20代になってから本気でバンドやろうと思って、3月で31歳になります。まぁでも辞めらんないね、バンドは。止められないです。かっぱえびせんです。これからもお願いしますよ。15年、20年も。歩みは止めないですから。皆さんと僕たちの曲です」と『パピコ』を演奏。

じっくりと聴き、そして最後のアウトロでは仮に心が空っぽになっても残っているような愛を、そしてこれからもやり合っていきたいという愛を、この大阪という地でも確かにこれだけあることを示す素敵な関係性が空間に見えていた。そこから『ノーバイブ』で熱烈にキス!<夢じゃないあなた達の幸せをオレンジスパイニクラブは叶えてやるから>とフロアへ愛を持って伝えた。
そしてベスト3。「懐かしいラブソング」という『ハッピーバラード』を届ける。曲名通りバラードだが、2人でいることへの思いが詰まっていて衝動性に負けない強さがあった。そしてユウスケのピンスポットで歌い出したのは2年連続2位の『イージーゴーイング』
気楽にも駆け出したくなるようなパンクなメロディは永遠に若々しく<このまましばらくバカを見よう>という歌詞に楽しく全力でノリノリに乗っかった。力強いシャウトを見せたユウスケが「ありがとうございました!オレンジスパイニクラブでした」と伝えた後、鳴り出したゆっきーのベース。1位は「地元の曲です!」という『三膳』。短くも大らかなスケールを楽しみ尽くし、大きな拍手に包まれながらベスト20は終了した。
アンコールにも応えて登場。そこで対バンツアー「混ゼルナキケンVol.5」の各地の対バン相手を発表し盛り上がるフロア。そして「本当に今日は楽しかった。皆さんに祝っていただいて嬉しいです。幸せですよ。一緒にね、行きましょうよ、どこまでも…」と伝え、新曲を披露。その約束をこれからも守ったら未来は楽しくなると思えるようなオレスパらしい生活感とミディアムにもライブバンドのパワーが詰まった楽曲だった。
そして最後は「最高の夜でした!」と『Last Night』。怪しげなピアノも入った攻撃的なバンドサウンドにハンドマイクに変わったユウスケ始めステージを広く使うメンバーのステージングも相まって、全員でクレイジーにネジを外し「アイラブユー、オレンジスパイニクラブでした!」と伝えて終了した。
曲が始まると良い意味でお客さんによって反応が違っていたのが面白かったし、The ドーテーズの尖った感性も、メジャーのオレスパの少し大人になった感性も、自分の忘れかけてた愛おしい記憶の引き出しを思い出してくれるようで楽しかった。騙してはいけない自分の等身大の気持ちを再確認したいなら、オレスパのライブに行ってほしいし、もっと彼らの深みにハマりたいなら、今日のセットリストの曲を聴いてみよう。

<セットリスト>
1.hug.
2.反骨
3.またあとで
4.タイムトラベルメロン
5.レイジーモーニング
6.飽性彼女
7.みょーじ
8.ルージュ
9.まいでぃあ
10.タルパ
11.9分間
12.十人十色
13.ガマズミ
14.死ぬほど好き
15.おっぱいパラリラ
16.パピコ
17.ノーバイブ
18.ハッピーバラード
19.イージーゴーイング
20.三膳
<アンコール>
1.新曲
2.Last Night

【ツアー情報】
対バンツアー「混ゼルナキケンVol.5」
▪5/9(土) @ 福島 club SONIC iwaki
w / KiNGONS
▪5/20(水) @ 福岡 DRUM Be-1
w / PK shampoo
▪5/22(金) @ 大阪 バナナホール
w / Blue Mash
▪6/12(金) @ 名古屋 SPADE BOX
w / reGretGirl
▪6/24(水) @ 東京 WWW X
w / OKAMOTO’S
オフィシャル2次先行受付開始!
受付期間:3/7(土)20:00〜3/15(日)23:59
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