2026.02.28
2月23日(祝・月)、大阪発ピアノポップバンド「声にならないよ」が全国6カ所を巡るワンマンツアー『いつか、ふたり おなじゆめをみて』のファイナル公演を大阪YogiboHOLYMOUNTAINにて開催した。
1月に弾き語り編として広島、大阪、福岡を、2月からバンド編として東京、名古屋と巡り、本人達もリスナーとの確かな繋がりを経ての地元でのファイナルは愛で溢れた日となった。その模様をレポートする。
文=遊津場
撮影=マスダ ユウタ

時間になり、SEで清らかでどこか深みのあるピアノが響き渡る。少し音色が変わったタイミングでHiRo(Key)、おーしゃん(Sup/Gt)、たかだしおり(Sup/Ba/Cho)、月刊少女のぞみ(Sup/Dr)の4人が登場。おーしゃんとのぞみのセッション的な生演奏が始まり、HiRoとしおりも加わって、壮大になっていくサウンド。
それは1曲目の『眠れない夜に君の前で』のイントロへと繋がり、既に感動が溢れたところで若宮めめ(Vo)が登場。切なく優しく歌うめめの歌声が、クリスマスバラードに相応しい雪のように降り注いでくる。サビではしおりのコーラスも加わり、さらに透明が会場に満ちていく。次第にステージ上のメンバーの動きが大きくなり、つられるようにフロアも揺れていく。おーしゃんの情感たっぷりのギターソロも決まる。最後は囁くようにめめがポエトリーをし、最後まで聴きいったフロアから拍手が起こった。
ここからのぞみがシンバルを鳴らすと、一転明るくポップな世界へ!『恋する』『やんわりポジティブ』とノリの良いナンバーを続け、会場も自然とクラップ。めめの「せーの!」に合わせてハンズアップも綺麗に上がった。
HiRoもこの景色にニコニコ。めめとおーしゃんが拳上げるタイミングがリンクしていたのも良かった。ちなみにこのタイミングで会場に入った方も、即笑顔になっていた。続いた『染愛』は先の2曲の暖色ではなく、洗練された白色の照明が映えるシンフォニックなロックナンバー。その勇ましい音と力強く手を広げて歌うめめによって、会場は確かに無垢な愛で染まっていった。

「大阪の皆さん。ただいま帰りました。大阪のバンド、声にならないよです!」とめめが挨拶して最初のMCへ。ツアーを振り返り「前は東京と名古屋は大阪に盛り上がりが負けてんなーと思ってたんですけど、この前のライブは「大阪超えたんちゃう⁉︎」と思ったんです。ただ超えたところを超えてきてます!今日だけは「やっぱり大阪やな!」と思ってます。ありがとうございます!」と感謝。
「初めて聴く人とかもいると思うんですけど、声にならないよのライブは笑いたい時に笑って、泣きそうになったら泣いてくれて大丈夫。そんなあなたの姿も全部肯定しに来ましたんで、どうか思いっきり楽しんで。ツアーファイナルよろしくお願いします!」と伝え、最新曲『やっかい』へ。
沼曲というだけあって、緩やかな中にも独特なリズムを感じるし、めめも後ろで手を組むなど少し悪戯っぽく歌っているように見えた。ラスサビではフロアも手を横に振り、その光景にめめも「良いね!」。ピュアなラブソング『ラブレター』の後の『ひと春』でもフロアは歌に合わせて手のひらを広げたり、人差し指を差したりと息ぴったり。HiRoのクラップの促しにもしっかり応えていた。
そこに抜けるようなギターのメロディが鳴り出して『いつかの話』へ。ミラーボールを使った演出が綺麗で、この時だけは天井もなく満天の星空だった。そこで1人1人を星間飛行に連れ出すように鳴らす彼らの頼もしい音。そのまま「まだまだいけそうですか!東京や名古屋に負けてられないっすよね!」と煽って、シンガロングのレクチャーをしてから『恋焦がれ』へ。前方の人はもちろん、後ろの方もはにかみながら歌っていたのがピースフル。キュートな楽曲はシンガロングやクラップ、各パートのソロ演奏もあって、終始“右肩上がり”で盛り上がった。

ここで2回目のMC。「1つ夢が叶ったんですよ」と話すめめ。それは声にならないよで結婚式で歌うことで、このライブの2日前に念願達成。「これからも呼んでください。駆けつけますので(めめ)」「音響機材、僕全部持ってますし、PAもするので(HiRo)」とのことなので、これを読んでいる結婚を控える方は是非。
ここから「折角のワンマンなので」と新しい試みでメドレーを披露。季節感も違いそうな楽曲でも綺麗に繋ぐし、どの曲にも印象的なフレーズがあって魅力的。アニメ主題歌でもある『はじめては全部君がいい』をメドレーに入れるところに楽曲の層の厚さも感じた。そこからのぞみのドラムを起点に『8760』に入る。
どこかご機嫌なナンバーで気持ちも楽しくなる。ナイスリカバリーもあった。『白い花』は落ち着いた入りからの激しい間奏と照明が記憶のフラッシュバックのよう。また最後は上質なハーモニーがあって染み入る。「溺れるほどの愛を歌います」と言って始まった『溺愛』はまたどこまでも引き摺り込むようなカオスで狂気性もあるパワー。めめも髪型が変わるくらい振り乱して歌っていた。
ここでHiRoのピアノソロへ。何ともエレガントで、重厚な映画のワンシーンで流れても遜色ない。力強いだけでなく、時間をも操るような魅せ方で、全員が息を呑むように聴きいった。

そして「優しい人間に、誰のことも傷つけない人間になりたいと、そう思って僕は今まで何十文字も何万文字も歌詞を書いてきました。だけど歌詞を書いているだけでは、なかなかそういう人間になれない。そもそも誰のことも傷つけないのは難しいと思ったりもするけど、せめて自分の隣にいる大切な人たちを守れるような人間になりたいと思った時に書いた曲を歌わせてください」というめめの言葉から『言葉の棘』へ。
歌詞中の優しい言葉は優しく届くし、<刃物>や<暴力>という言葉はどこか刺激的に届く。言葉の持つありのままを、そのまま届けていて、この感触は今の時代に必要だと思わせたし、若宮めめというソングライターが魂を込めて歌い上げることで生まれる感動があった。
そして最後のMCへ。「声にならないよは、6年になったんですよ。沢山曲を書いてきたし、何個ボツになったか分からないです。Dropboxにめっちゃあります。「この曲があればもっと声にならないよが大きくなる!」と思った曲が思うような結果が出なかったこともある。そのたびに自分の才能に絶望する。僕は負けばっかりの人生やったし、今も勝ってないと思ってます。でもこうやってツアーやってあなたの顔を見れたら、もっと頑張ろうって思えるんですよね。声ならのファンって、自己肯定感低い人が多い気がするんですよね。物販やメッセージで、学校が、会社がしんどい。友達や恋人と上手くいってないって。なんで生きてるのかってみんな言うんですよ。でも僕はみんながいなくなったら僕が頑張れる理由がなくなるんですよ。あなたがいるから僕は頑張れる。僕はまだまだ逆転ホームラン打てるって今でも思ってる。だからあなたと一緒にこれからも頑張っていきたいって本気で思ってます。何で自分ばかりこんなに辛いって人に次の曲を捧げます」と『生きる理由になったから』へ。
代表曲の1つだが、こうやって出会いが増えるたび、大切が増えるたび、この曲は進化していることが分かる。そこからの『死にたい夜のBGM』。「あなたが前を向いて生きられますように!」との願いを込めて届けられた結果、曲中での優しいクラップは叩く自分の心の方に響いてきて、その分自分に優しくなれた気がした。
闇が晴れるような解放感に包まれ、最後は『インターネットの海を越えて』。いろんな道程を経て“会いに来た”のはバンドもファンも一緒。全員の気持ちが完全に一緒の方向を向いて生まれたこの音の打球の力強さは、まだまだ多くの人の心に必ずスタンドインする。「あなたの幸せを願うバンド!声にならないよでした!」とめめが叫んで、ライブは終了した。
すぐにアンコールが起き、バンTに着替えて5人が登場。
ここで事前に予告していた解禁として、
・3月4日に新曲『おなじゆめをみて』をリリース
・全国7ヶ所巡るワンマンツアー『会う、それは愛の証明』を開催
を発表した。神戸での弾き語り編や福岡でのバンド編が新たに追加されている。
そして『おなじゆめをみて』を披露の前に、曲中の「ヘイ!」コールを練習。おーしゃんのギターソロの後にコールを行うので、本番もそのソロをじっくり見てタイミングを見計らっていたフロア。それも含めてハッピーでカラフルな楽曲でまた会場を染めるナンバーが生まれていた。コールにも「よくできました!」と伝え、最後は『愛ふれる』。バンドとフロアのラブが交信され、計り知れない愛と明るい未来を示したまま、ツアーは終了した。
途中にも書いたが、声ならの楽曲は時を重ねるたびに楽曲自体が進化しているし、バンドも増えていく愛をどれだけでも受け止める懐の大きさが、私が前にワンマンライブを見た時よりも一段と大きくなっていると感じた。あなたが幸せを忘れてしまいそうな時、そしてこの幸せをずっと守りたいと思った時、声にならないよを頼ろう。

<セットリスト>
1.眠れない夜に君の前で
2.恋する
3.やんわりポジティブ
4.染愛
5.やっかい
6.ラブレター
7.ひと春
8.いつかの話
9.恋焦がれ
10.メドレー(sumire・いらない・はじめては全部君がいい・特別。)
11.8760
12.白い花
13.溺愛
14.言葉の棘
15.生きる理由になったから
16.死にたい夜のBGM
17.インターネットの海を越えて
<アンコール>
1.おなじゆめをみて(新曲)
2.愛ふれる

ワンマンツアー「会う、それは愛の証明」
7/5(日)東京 御茶ノ水KAKADO
7/11(土)広島 ヲルガン座
7/19(日)神戸 カフェドジェーム
7/26(日)名古屋 鑪ら場
8/2(日)東京 TOKIO TOKYO
8/11(火・祝)福岡 OP`s
8/15(土)大阪 ANIMA
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