<ライブレポート>バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI 「やばい(^_^)vかわいいツアー‼ 青春のフォーエバーヤング♡今がナウジャストモーメント学園」@東京キネマ倶楽部

<ライブレポート>バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI 「やばい(^_^)vかわいいツアー‼ 青春のフォーエバーヤング♡今がナウジャストモーメント学園」@東京キネマ倶楽部

2025.05.30

今年の1月から5ヶ月に渡って全国各地を巡ったバンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHIによるツアー、「やばい(^_^)vかわいいツアー‼ 青春のフォーエバーヤング♡今がナウジャストモーメント学園」のファイナル公演が5月18日に「東京キネマ倶楽部」で行われた。北は北海道、南は九州、ファイナル公演後に追加された特別公演まで含めれば沖縄までを巡る全国ツアーだ。

今回はその様子をお届けする。

なお、MCのタイミングでいくつかの寸劇があったのだが、どうしても現地で見た小気味よさを伝えることができないと判断した。そのため、大部分を割愛させていただくことを許してほしい。

SEに合わせてサブステージからメンバーが登場する。観客がコールでそれを出迎える。

5ヶ月もの長期間続いた学園祭、その本祭が始まった。

 “カッコいい”も”個性的”もひっくるめて”可愛い”

オープニングナンバーは『デジタルデトックス』。今年3月にリリースされたミニアルバム『SIXTH SENSE』のリード曲だ。

鈴姫みさこ・大桃子サンライズの2名のメンバーが作詞に参加し独特の世界を作り上げているこの曲は、EDM調のサウンドに現代的な、しかし不思議と普遍的な歌詞を乗せたかっこいい1曲に仕上がっている。

上げては落とす楽曲構成の中で、鈴姫みさこの生ドラムによるフィルインが強めのアクセントとして効いている。

この曲はMVも公開されているので、未視聴の方はぜひ見てほしい。楽曲の世界観を、これまた独特の完成で色鮮やかに表現した作品になっている。

続く『青春カラダダダッシュ!』は打って変わってアップテンポな青春ソング。

曲も歌詞も勢いが良い “アイドルらしいアイドル曲” という印象の楽曲に、望月みゆによるベースソロパートという “バンもん!らしさ” が溶け込む。

3曲目は『マウンティングガール』。

この曲に関しては「可愛い」しか言えなくなる。恋する女の子がひたすらに可愛い。

やはり竹内サティフォの書き上げる女の子はとても可愛い。

ちょっとクセが強かったり、ちょっとめんどくさそうだったりする。勢いもすごい。そんなすべてを可愛く感じる。

そんな可愛い曲を、楽しそうに歌って踊るバンもん!メンバーたち。そんなのみんな可愛いに決まっている。

君が君を創るんだよ

MCで挨拶を済ませ、観客とサビを歌う形で『ゴッドソング』が始まる。

バンもん!の代表曲とされるのも納得だ。とにかく「バンもん!らしさ」を全身で浴びることができる。

ななせぐみの甘い声を、恋汐りんごの良く通る高音が受ける。大桃子サンライズの芯がある中高音域が一体感を与え、鈴姫みさこがドラムだけでなく声でも下支えし、望月みゆの中音域によってハリが生まれる。

メンバー全員の声が自分の役割を理解しているように互いを活かし合っている。

出せない声を出そうとしているようには見えない。それぞれが出せる、それぞれの得意な声で、それぞれの歌を楽しんでいる。

曲の構成も面白い。まるで電波ソングのような入りから、メッセージ性の高いサビまでがグラデーションのように進んでいく。1曲の中で複数の曲が共存しているような彩りを感じる。

「誰もが自分の人生を謳歌して良いんだ」と思える楽曲であり、バンもん!というグループを表現するに足る曲だと思う。

惜しむらくは、甘夏ゆずが休養に入り不在だったこと。

続く『ショコラ・ラブ』は90年代~00年代の声優ソングを彷彿とさせるミドルテンポなバラードロック。6曲目の『ぬこぬこ♡なでにゃん♡ETERNAL♡』は00年代以降のテクノポップを感じさせる楽曲だ。

時代やジャンルにとらわれない、バンもん!らしい表現力で次々と歌い上げていく。

次のMCでは怪談話をまじえた寸劇を繰り広げた。こっくりさんならぬ、ひゃっくりさんなるものから曲振りにつなげる。

『気持ちだけ参加します。』を鈴姫みさこ・大桃子サンライズ・望月みゆの3人で、

『ボディーだけレディー』をななせぐみ・望月みゆの2名、

『RAVE RAVE RAVE』を恋汐りんご・大桃子サンライズの2名でそれぞれ歌い上げる。

バンもん!は全体で歌唱力の調和が取れているが、デュオやトリオでのバランスも非常に良い。

今回見ることができた3パターン以外の組み合わせも気になる。

甘夏ゆずがいれば更に多くの彩りを見ることができたのだろう。6人でのステージが楽しみになる。

青春とLOVE&PEACEをおとどけするポスト・アイドル

10曲目は新曲『すかいふりー!』を初披露。鈴姫みさこ・甘夏ゆずが作詞として参加した曲だ。

メンバーの呼びかけに応じて、会場のペンラが甘夏ゆずの担当カラーである黄色に変わる。

スカロック調の爽快感が特徴的で、明るくキャッチーなメロディーに、前向きに頑張ろうとする歌詞がマッチしている。

その後も『UP↑ぷらいむ』、『NaMiDa』と疾走感のある応援ソングが続く。

ステージ上で楽しそうにしているバンもん!を見ていると、前向きな応援ソングが説得力を持つ。

特に『UP↑ぷらいむ』ではサビでの会場の一体感も相まって、自然と前向きな気持ちになっていくのを感じる。

人生賛歌のような曲を歌うアーティストは多いが、そこに説得力を持たせることができるアーティストは意外と少ないと筆者は考えている。

歌っている人間が人生を200%楽しんでいないと、聴く人間に100%が伝わることはないからだと思う。

バンもん!は、全員が人生を200%楽しんでいる稀有なグループだと感じた。

良かったことも悪かったこともひっくるめて、人生を肯定できているのだろう。

MCではライブグッズを紹介。ライブタオルが完売しメンバーの分も残っていないエピソードや、ブラインド商品のアンブレラマーカーの開封式をしたところ5分の3が望月みゆとなるなど、会場の笑いを誘った。

続く曲は『そーにゃん節』。ソーラン節を取り入れたメタルな1曲。

ところで、筆者は生まれも育ちも北海道なので運動会や文化祭でソーラン節(YOSAKOI)を踊ることに違和感はないのだが、本州以南ではどうなのだろうか?

全国共通でピンとくるものなのか、気になったので後ほど調べてみようと思う。

自分自身を心から愛し抜くということ

14曲目は『Q.人生それでいいのかい?』。メンバーそれぞれのパーソナルな部分も含めて、歌詞に山と谷をふんだんに盛り込んだ人生ソングだ。

うまくいかないことも、泣きたくなるようなこともある。むしろ、そういうことの方が多いかもしれない。

それでも腐らずに、ときに腐ってしまったとしても、前を向いて生きるしかない。そんなロック精神が溢れる曲を、力強い演奏と歌で会場に響かせる。

現体制で10年以上も活動を続けているバンもん!だからこそ込めることのできる想いを感じとれる。

先に『ゴッドソング』をバンもん!らしい曲と書いたが、こちらは「バンもん!にしか歌えない曲」とでも言おうか。バンもん!というグループに具体性を持たせる、テーマソングのように感じた。

15曲目の『White Youth』、そして最後の曲となった『HAPPY JOURNEY!!!!!!!』でも一貫して「自分自身を大切にする」ことの大切さを歌い上げた。

それこそが、鈴姫みさこが、そしてもちろん他のメンバー全員も、バンもん!という媒体を通して世界に届けたいLOVE&PEACEの根本なのだろう。

その後、アンコールでは『今がナウジャストモーメント学園校歌』と『ビバ★ロック』を披露し、長い学園祭は閉幕した。

バンもん!のライブは初めての参加だったが、非常に楽しい時間を与えてもらえた。

『キメマスター!』と『NINJA NAKAYOSHI』が回収できていないので、次はプライベートで参戦しようと思う。

プレイリスト:
https://banmon.lnk.to/0518setlist

セットリスト:

1.デジタルデトックス
2.青春カラダダダッシュ!
3.マウンティングガール
4.ゴッドソング
5.ショコラ・ラブ
6.ぬこぬこ♡なでにゃん♡ETERNAL♡
7.気持ちだけ参加します。(みさみゆももshort ver.)
8.ボディーだけレディー(ぐみみゆshort ver.)
9.RAVE RAVE RAVE(しおももshort ver.)
10.すかいふりー!
11.UP↑ぷらいむ
12.NaMiDa
13.そーにゃん節
14.Q.人生それでいいのかい?
15.White Youth(Intro long)
16.HAPPY JOURNEY!!!!!!!
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