<ライブレポート>「こんぱるみ湯〜じっく」 銭湯×音楽=癒しと幸せの空間ーーZuttoiru/木村ケンシン/平岡優也/おだともあき

<ライブレポート>「こんぱるみ湯〜じっく」 銭湯×音楽=癒しと幸せの空間ーーZuttoiru/木村ケンシン/平岡優也/おだともあき

古き良き銭湯の文化や風情を守りつつ、活性化させるために企画された「こんぱるみ湯〜じっく」は2025年3月20日(木祝)に「こんぱる湯」にて行われた。

こんぱる湯の歴史は、遡ること95年前、1930年に木戸家が創業(当時は大正湯)し、その時代から銭湯専門の釜屋として携わっていた金子家の「金子清寛(二代目)」が1985年にビル型銭湯に改築。

その後は、金子清寛の息子である「金子哲也(現当主)」が2018年に引き継ぎ、2024年1月から現在のこんぱる湯となる。今年で95周年を迎え、今もなお、歴史が息づく銭湯だ。

昨今、衰退していく銭湯事業の中、本イベントでは銭湯と音楽という、誰しもが心躍るコラボレーションが実現した魅力的なイベントとなっていた。

マイクを通さずに聴く音は、銭湯ならではの反響も相まって、素晴らしい音響空間へと変貌しており、本記事では、その様子を余す事なく記している。

Zuttoiruのノーマイクライブは至高の時間となった

photo by (@高島よしお)

(左からRyo、田中龍志、大城貴史)

2022年10月1日に結成した男性 3人組ボーカルグループ「Zuttoiru(読み:ズットイル)」は、野球経験のある3人が、プロ野球選手として立てなかったドームに、音楽で立つことを目標に掲げ、ドームツアーをゴールとして活動している。

そんな Zuttoiru が本イベントのトップバッターとして、爽やかな挨拶と共に登場した。

「本気カバー」という彼らのYouTubeの企画の中から「松任谷由実」の『春よ、来い』を1曲目に披露。3人の見事な歌唱力で、序盤から観客を圧倒した。

2曲目も名曲『旅立ちの日に』のカバーを披露。完成された3人のハーモニーは、学生の時の合唱などで歌ったものとは違う感動を味わうことができ、銭湯ならではの音の反響が、心地よく身体を通過する感覚は銭湯ならではだろう。この体験が出来る幸運に早くも気付けた「本気カバー」シリーズであった。

2曲目の終盤、機材のトラブルに見舞われたが「機材がのぼせちゃってますね!調整しよう(笑)」と、すかさず、銭湯ならではのジョークで観客を和ませ、3曲目『鏡の雫』に続いた。

13ヶ月連続でシングルを発表してきた中の1曲である『鏡の雫』は、銭湯という空間を存分に利用した見事なリバーブが、心を晴れやかにする瞬間となった。

4曲目には、本イベントのトリでもあり、去年(2024年)の12月からツアーを共に回っている「おだともあき」が登場し「ずっとも」名義で発表されている『バディ』を披露。軽快なリズムと美しいコーラスが楽曲に花を添え、素敵な曲に仕上がっていた。

5曲目に『贈り物』をアカペラで披露。4人の歌声が男湯に素敵なハモリを生み、拍手の音圧が耳を気持ち良く、くすぐった。

最後に「ずっとそばにいる」を披露し、さっぱりした様子で男湯を後にした。

終始、穏やかな気持ちでいられたのは、彼らの音楽は勿論、銭湯という場所がそうさせてくれていたのだと思える至高の時間となった。

<セットリスト>

1.春よ、来い(Cover)

2.旅立ちの日に(Cover)

3.鏡の雫

4.バディ

5.贈り物(a cappella)

6.ずっとそばにいる

photo by (@高島よしお)

YouTube:https://youtube.com/@zuttoiru1001?

X:https://x.com/Zuttoiru_1001

Instagram:https://www.instagram.com/zuttoiru?

音楽の楽しさは木村ケンシンの歌に詰まっていた

photo by (@高島よしお)

穏やかな情景を等身大の生活に投影しつつ、時には泥臭く感じるような楽曲を作り続ける「木村ケンシン」が、こんぱる湯のオリジナルTシャツを着て、笑顔で登場した。

ギターのチューニングをしながらハミングをし、流れるように1曲目『The Dawn』を披露した。力強くも伸びやかな歌声が銭湯のタイルに反響し、見事な音響空間を実現していた。

続けて『漂流者』を披露。マイクを通さずに聴く彼の歌とギターの音色が、銭湯と観客の心に響き渡っているのを感じられた。

MCでは「元気ですか?瓶の飲み物も飲んでて良いですね。フルーツ牛乳?良いですね(笑)」といい、観客の穏やかな笑顔を集めた。

続けて「銭湯ということで“いい湯だな”をやります!みんな準備はいいですか?いい湯だなって歌ったら、皆さん、ハハハンですよ」といい、3曲目「ドリフターズ」の『いい湯だな』をカバーした。

“いい湯だな”と歌う彼と共に、観客は手拍子と“ハハハン”で応えた。観客の心がサッパリとした所で、4曲目『グリーンマイル』を披露した。

5曲目には「今週末から暖かくなるらしいので、春の曲やります」といい、『桜舞う季節に贈る詩』を披露。

日本の四季である春を見事に表現したこの楽曲は、銭湯で聴く事により、叙情的な歌詞が、更に美しく感じられ、ポカポカと心を暖かくした。

6曲目には、昨年(2024年10月)発表した『ヨイドレ』を披露。単調ながらも味のあるコードを弾きながら歌う彼の目線は、どこか遠くを見つめていた。

「明日は明日の風が吹く」と歌う彼の言葉には、どこか安らぎを感じられ、今日はゆっくりと湯船に浸かろうと心の中で決めた。

「最後の曲の前に、これ!こんぱる湯のTシャツ!番台にあるらしいので一緒におそろっちしましょう」といい、最後の曲『旅人のしるし』を披露し、サッパリできた彼のライブは幕を閉じた。

そんな彼は、今年(2025年)10月11日(土)には下北沢シャングリラにて、自身初の500人動員の単独ライブ「PROVE」が決定している。

<セットリスト>

1.The Dawn

2.漂流者

3.いい湯だな(Cover)

4.グリーンマイル

5.桜舞う季節に贈る詩

6.ヨイドレ

7.旅人のしるし

photo by (@高島よしお)

チケット購入:https://kenshin-song.stores.jp/items/

YouTube:https://youtube.com/@_kkenshin?

X:https://x.com/_kkenshin?

Instagram:https://www.instagram.com/_kkenshin?

透き通った平岡優也の歌声は心を綺麗にする

photo by (@高島よしお)

19歳の時に秋田県から上京した「平岡優也」は20歳からピアノを始め、全国各地の路上での弾き語りによるストリートライブを続けており、その様子が動画配信サイトなどにアップされると、瞬く間に900万回再生に到達した。

日本以外でも、様々な動画サイトに彼のLIVE動画は次々と拡散され、それらの再生数は累積4000万を超え、現在も大きく伸び続けている。

純粋な彼のキャラクターと、澄んだ歌声が”通行人が足を止める歌声”と話題になり、地上波や、メディア出演のオファーも集まり、現在再注目のアーティストだ。

そんな彼のライブは『4064』により始まった。キーボードから聴こえる音色と、彼の歌声は心地よく胸を通り、観客の心を掴んで離さなかった。

「今日はよろしくお願いします!楽屋として使わせてもらっている場所が女湯という事で、胸を張って暖簾をくぐりました(笑)無いからねこんな機会!」と冗談を交えつつ、2曲目『聞かせて』に続いた。女性目線で歌った、この楽曲は平岡優也の声色も相まって、切なくも健気な楽曲に仕上がっていた。

「ライブ前にこんぱる湯のスタッフの方に銭湯はお好きですか?って聞かれました。大好きです!小さい頃、母が漕ぐ自転車の後ろに乗りながら銭湯に向かったりしてました。次の曲は、そんな自転車について歌った曲です。」といい、『オンボロ自転車』を披露した。

4曲目に『アルメリア』を披露。今ある悲しい話が、いつか誰かに話した時に、クスッと笑える話になれるように取っておこう、と歌う彼の表情はとても明るく観客を照らしていた。

最後の曲には、母を思い書いた楽曲『僕が君を選んだ理由』を披露し、丁寧に音を紡いだ彼のライブは終了した。

<セットリスト>

1.4046

2.聞かせて

3.オンボロ自転車

4.アルメリア

5.虹色ライン

6.僕が君を選んだ理由

photo by (@高島よしお)

Youtube:https://youtube.com/@hiraoka_yuya?

X:https://x.com/hiraoka_yuya?

Instagram:https://www.instagram.com/yuya__hiraoka?

おだともあきが語りかけた言葉たちは消えずに残り続ける

photo by (@高島よしお)

石川県出身のシンガーソングライター「おだともあき」

2017年4月から2021年5月までボーカルグループ「aoiro」のメンバーとして活動し、コロナ期間中に動画配信サイトに投稿した『おつかれさまのうた』は、270万回再生(2025年3月現在)を突破する。

グループの無期限活動休止から2021年6月より、シンガーソングライター「おだともあき 」として再出発し、現在はアコースティックギターとピアノで作詞作曲を自身で行い、舞台楽曲の提供や、舞台への出演、テレビドラマの主題歌・挿入歌を担当し、出演も果たす。

“まあるい心と音楽で聴いてくれたあなたの背もたれになる歌を” をテーマに全国各地に歌を届けている。

銭湯に差していた陽の光が落ちる中、おだともあきが本イベントのトリとして登場。

ライブを始める前に、観客との挨拶を交わし、我々に「銭湯って1週間に1店舗は閉じてしまっているらしいんですね。すごく寂しいと感じました。思い出せる場所があるって幸せな事だな、と思います。そんな曲です」といい、1曲目『シオン』を披露した。

柔らかく、我々に問いかけるように歌う彼の言葉には、真っ直ぐな気持ちと、目一杯の優しさが感じられた。2曲目には『スマイル』を披露。観客の手拍子と共に揺れる、おだともあきのスマイルは我々の笑顔も引き出した。

「次の曲をやったらうるさい3人組を、お呼びするので(笑)笑ってる人、同罪ですからね(笑)」と観客の笑いを集め、3曲目に『だんらん』を披露。

曲が終わり「Zuttoiru」が再度登場した。大城貴史が「皆さん疲れてませんか?一旦笑いますか!!」といい、Zuttoiruが一斉に大笑いし始め、観客の笑いを集めた。すかさずおだともあきが「壊れちゃったー!!ほんとうるさい3人ですね(笑)」といいながら、友情ソングである『芽ねぎのお寿司』を披露した。

最後に『トライアゲイン』を披露。観客の手拍子と、キャッチーなサビを合唱し、素敵な空間で行われたこんぱるみ湯〜じっくは幕を閉じた。

<セットリスト>

1.シオン

2.スマイル

3.だんらん

4.芽ねぎのお寿司

5.おつかれさまのうた

6.トライアゲイン

YouTube:https://youtube.com/@oda_tomoaki?

X:https://x.com/odtmak?

Instagram:https://www.instagram.com/oda_tomoaki?

こんぱる湯を後にして

入浴はしてないが、サッパリとした感覚が、終始続いたこんぱるみ湯〜じっく。

こんぱる湯を後にし、木場の街並みを、少し冷たい風を浴びながら歩くと至る所に昔ながらの桟橋や、戸建てが並んでおり、少しばかりノスタルジックな気持ちで帰路についた。

昔ながらの銭湯が軒並み閉店していってしまう昨今、こういったレトロな文化を、現代の需要と掛け合わすことで守っていく人々がいる事実を、我々がこういった形で広めることができるのを誇りに思う。

こんぱる湯では、こんぱるみ湯〜じっく以外にも、ビールかけを銭湯で行うといった斬新なイベントも開催されており、他にも、こんぱる新聞などを発行し、地域の活性化などにも貢献している。

ゆったりと銭湯を満喫するのはもちろん、こういったイベントにも参加してみてはいかがだろうか。

〜こんぱる湯について〜

公式サイト:https://yuyaconparu.wixsite.com/

X:https://x.com/konparuyu1010?

Instagram:https://www.instagram.com/konparuyu1010?

住  所 〒135-0016 東京都江東区東陽1−6−9

アクセス 東京メトロ東西線「木場」駅 2番出口徒歩5分

電話番号 080-3387-3940

定休日  毎週木曜日

営業時間 15:00 〜 23:00

料金(税込)

​大人[12才以上]          550円
中人[6才以上12才未満(小学生)]   200円
小人[6才未満(未就学児)]      100円

この記事を書いた人

カメラ 執筆
高島よしお
1997年生まれ/東京都出身 趣味は「フィクション」と「散歩」 年間通して平均400本映画を観ます 音楽は平均1200時間聴きます X:https://x.com/kanan_ty instagram:https://www.instagram.com/kanan_ty/