2026.05.08
千葉県柏発の3ピースロックバンド・ENEMY FLECKが、4月15日に最新曲『二人のままで』をリリースした。この楽曲は、5月にリリースとなるEP『二人のために』からの先行配信とのことで、DigOutではこの機会に彼らにとって初となるインタビューを敢行。
バンドの結成から、今、彼らが何を大事にしてバンドを進めているのかの話を中心に、ENEMY FLECKというバンドを紐解いていく。

──ENEMY FLECKの結成について教えてください。
川又 海斗(Vo/Gt):「ENEMY FLECKは千葉県柏市にある高校で組んだバンドです。最初はMy Hair is Badのコピーバンドだったんですけど、そこからオリジナルバンドを組みたいと思って結成しました。そこから東京のライブハウスに出るようになって、メンバーが脱退するなど紆余曲折ありながらも活動を進めていきました」
──和賀井さんはどのような流れで加入に至ったんですか?
川又 海斗(Vo/Gt):「新とは東京のサーキットイベントで出会いました。同い年ということもあって、メンバーが脱退するとなった時に声を掛けようと思っていたんです。そのタイミングで、僕が弾き語りで出演したイベントに新もバンドで出ていたので、サポートをお願いしました。といっても、正規メンバーになってもらうつもりだったんですけど(笑)」
和賀井 新(Dr/Cho):「同い年でバンドを頑張っている友達だったので、二つ返事でOKしましたね。そのタイミングで僕が元々やっていたバンドを抜けることになり、ENEMY FLECKにスッと入りました。自分の考えていた方向性が同じだったので、海斗と一緒にやりたいと思いましたし」
川又 海斗(Vo/Gt):「バンドって曲が良いだけで売れるとは思っていないんですよ。メンバーが揃っているからこそバンドとしての意味が深まると思っているし、そういう意味でも歳の近い新が入ってくれて嬉しかったですね。直情的で変なやつだな〜とは思っていたんですけど(笑)でも、バンドって変なやつしかやらないと思っていますし、普通じゃなくてなんぼだと思うので」
──正規メンバーが揃ったことで、EP『止まない雨はない』以降、リリースのタイミングも一気に上がっていますね。
川又 海斗(Vo/Gt):「それまでリリースのペースがゆっくりだったので、ENEMY FLECKを忘れてほしくないという気持ちもあってEP『止まない雨はない』以降、5ヶ月連続でリリースをしました。そこからまた色々あって、前任のベースメンバーが脱退し、今年2026年2月にらいどが加入しました」
──らいどさんはどのような経緯で加入に至ったんですか?
川又 海斗(Vo/Gt):「らいども変なやつなんですよ!可愛げのある変なやつ。らいどと一緒にやりたいと思ったのは、僕と喋りたいという理由だけで、当時住んでいた兵庫からわざわざ東京に来た時ですね。そうやって行動で愛を伝えようとする姿勢がいいなと思ったんですよね」
らいど(Ba):「僕も大阪でバンドをやっていたんですけど、そのバンドを抜けることになり、それでもバンドを続けたい気持ちがあったんです。その時に先輩であるENEMY FLECKのことを思い出して、ふたりが持つ価値観も同じだったので、直接東京に行って入りたいと申し出ました」
川又 海斗(Vo/Gt):「あほやな〜」
らいど(Ba):「でも、直接面と向かって伝えるのが大事だと思ったので、あの方法しかなったんですよね」
──ENEMY FLECKのどういう価値観に共鳴したんですか?
らいど(Ba):「最初はサポートメンバーとして一緒にやっていたんですけど、その時からライブ後にはちゃんと話し合いの場が設けられていたんです。今日のライブどうだったとか、ここがどうだったとか。そういう、バンドを良くしていくための意見を言い合える機会が多いことが、とてもいいなと思いましたね」
川又 海斗(Vo/Gt):「僕自身が真面目な話が好きなんですよね。僕は上手い冗談が言えるような人間ではないし、喋ること自体も苦手ではあるんです。でも、今後バンドをどうしていくかや、良くしていくためにはどうしたらいいかを真面目に話すのが単純に好きなんです。なので、わざわざやっているというよりは、必然的にしてしまうといった感覚ですね。それが良い方向に作用したら良いなと思ってます」

──音楽的な点では、元々はどういう音楽をやりたいと思っていたんですか?
川又 海斗(Vo/Gt):「音楽性としては、音やメロディはMy Hair is Badから影響を受けている部分が大きいですね。3ピースという編成もそうですし、ENEMY FLECKの軸になっていると思います。あとは、嘘をつかない、ですね。嘘をつかずに自分の本音を歌うことを大事にして、カッコつけることをしない。これは最近より強く感じていることですし、それが今のENEMY FLECKらしさになっていると思っています」
和賀井 新(Dr/Cho):「その時々の感情に応じての変化はありつつも、その芯はずっとあるなと思います。3ピースのギターロックバンドで、歌も大事にして、ライブでのMCでも人の心を掴むという点は、僕が加入してからも一貫していると思います」
──これまでの作品を拝聴していくと、歌詞のテーマとして恋愛事情が多い印象ではあるのですが、第一作目の『ヤメ』は、恋愛とも捉えられるけれど、聴く人を鼓舞するような強さのある曲だと感じました。なので、活動最初期は少し違った方向も見えていたのかなと思ったのですがいかがでしょう。
川又 海斗(Vo/Gt):「正直題材はなんでも良かったんですが、自分の感情を最も表現しやすいテーマが恋愛だったんですよね。確かに歌詞だけを読んだら恋愛のことだけを歌っているように思われるかもしれないんですけど、例えばライブで聴いてもらえれば、ただ恋愛についてを歌っているのではなく、ひとりの人間について歌っているんだなと感じてもらえるとも思うんです。そういった感じ方が多角的なのがENEMY FLECKの良さだと思います」
らいど(Ba):「海斗くんの言葉選びが良いんですよね。MCで話すことやライブの進め方も含めて、海斗くんは放つ言葉は誰かを引っ張る力があると思います」
川又 海斗(Vo/Gt):「そんな風に思ってたの?今まで一言も言ってくれたことなかったじゃん!(笑)」
全員:「(笑)」

──互いの本音も見えてきたところで、4月15日にリリースされた最新曲『二人のままで』についてお伺いしていきます。この曲は、5月にリリースされるEP『二人のために』からの先行リリースとのことですが、EPを見据えて生まれた楽曲なんですか?
川又 海斗(Vo/Gt):「いえ、全くそんなことはないんです。僕自身、これのためにこれを作ろう!とするのが苦手なタイプで、その時その時の気持ちを表現している上で出来た曲です。こういった作り方はずっと変わらないですね。メロディ、語感、歌詞、の順に仕上げていくことが多いです」
──では、EPは後付けだったんですね。
川又 海斗(Vo/Gt):「そうですね。企画も控えているタイミングだったので、ここで良い曲たちをまとめて作品として出そうとなりました。なので、何かテーマを持って作品を作るという方法はこれまでもやってきてないんですよ」
和賀井 新(Dr/Cho):「前回のEP作品『捨て犬』と今作の比較でいうと、『捨て犬』は、バンドとしてここでこういう曲があったらいいよね、といった、バンドの経歴を鑑みた上で作った曲が多かったんです。でも今作は、自分たちが今やりたいことをきちんと表現できていると思います」
川又 海斗(Vo/Gt):「どこかいなたさがあるよね。今まで色々なことをやってみた上で、何かに媚びることをせず、自分たちが良いと思えたものに真正面から表現した作品になっていると思います」
和賀井「ライブの回数も増えてきて、先輩のバンドのライブを観たり話を聞いたりして行く中で“自分たちはこうなりたい”と思えた部分を音楽表現できた手応えがありますね」
──どうなりたいと思ったんですか?
川又 海斗(Vo/Gt):「本音で在る、ですね。音楽性を問わず、本音でバンドをすることがブレないバンドでいたいと強く思っています。それが揺らがなければ、どんなことをやってもENEMY FLECKで在れると思うので」
和賀井 新(Dr/Cho):「色んなジャンルのバンドが増えてきた中で、ENEMY FLECKを確立するためのキーワードとして“本音”はとても重要な言葉になってる感覚がします」
川又 海斗(Vo/Gt):「とはいえ自分たちは分かりやすく秀でた何かがある訳ではないとも思っているんです。じゃあその中で自分らしさを見出せるとしたら、音楽性はもちろんだけど、自分たちが信じたものや嘘をつかずに真正面から向き合っていき続ければ、それがいつかENEMY FLECKらしさに繋がるんじゃないかと思えているんです。なので、本音で勝負していきたい。その気持ちが今は特に強くあります」
──本音を出すことを恐れないようになったのは、全員が正規メンバーという体制が整ったことも大きな理由なのでしょうか?
和賀井 新(Dr/Cho):「それは確かにあると思います。でも、さっきらいどが言ってくれたみたいに、メンバー内でのコミュニケーションが多いバンドだからこそ、思考の末に出てきたひとつの答えなんだと思います」
川又「そうだね、もっと楽にバンドをやれたらなぁと思いますもん」
らいど(Ba):「二人が真面目すぎるんですよ」
川又 海斗(Vo/Gt):「それはそう!(笑)生きるのが下手くそすぎるんですよね。そんな自分たちが、その時々に思い至った“こうすべきだろう”をただひたすらやってきた結果、行き着いた答えが本音だった感覚ですね。売れたい気持ちはもちろんありますけど、これをすることが正解なのかも分からない状態でも、ただ必死にやり続けることに意味があると思っています」
──そんな悶々としたバンド事情を聞いた後だと逆の印象に近いんですけど、今作『二人のままで』の歌詞は、これまでの反省や後悔が色濃かった恋愛事情よりは、もっと幸せで明るいものになっているように思いました。
川又 海斗(Vo/Gt):「そうなんですよ!幸せな情景を歌えるようになった感覚はめっちゃあります。これまでも幸せな曲を書こうと試みたことは何度もあるんですけど、やっぱりどこか嘘っぽくなってしまって、上手く書けなかったんです。でもこの曲は、全部ちゃんと自分の言葉だなと思えたので、基本的にマイナス思考な自分にとってはまさに革命的です」
和賀井 新(Dr/Cho):「この曲は、前任のベースメンバーが抜けてしまったタイミングにも動いていたんです。その頃はかなり根詰めていた時期ではあったんですが、弾き語りやデモを聴いて本当にいいなと思ったし、僕自身結構アレンジやダメ出しをする方なんですけど、これはデフォルトで良い感じに人間性が出ている楽曲だったので、すんなり通した曲です。それもあって、今回のEPを引っ張ってもらうリード曲にしましたし、この作品はこれまでよりも大人になって、一歩進めた感覚がありますね」
──制作や演奏面で挑戦したことはありますか?
川又 海斗(Vo/Gt):「具体的な挑戦はないんですけど、本音の角度を磨き続けている過程を詰め込めた印象はあります。言葉の出し方や伝わりやすさを試行錯誤した上で、本音の純度が高い楽曲を出せたと思います。曲の中にでしか言えないことや感情を一曲一曲にしっかり落とし込められた実感がありますね」
和賀井 新(Dr/Cho):「この曲に関しては、デモ全般を海斗が作ってきたものなので、自分にない手癖のリズムも含まれていたことで、それが挑戦の一つになりましたね」
川又 海斗(Vo/Gt):「基本的には自分がいいと思えるメロディを採用するんですけど、この曲は、これまでのENEMY FLECKにはない歌詞やテンポ感、雰囲気だなと思います。そういう新鮮さを楽しめる楽曲になっていると思いますし、親しみやすさがあるなと感じています」
──ライブのセットリストを考える上でも、『二人のままで』があることで雰囲気も変わりそうですしね。ライブについては、皆さんが大事にしていることや、重ねていくことで変わった意識はありますか?
らいど(Ba):「海斗くんのテンション感に合わせつつ、引き立てるような存在でいることに重きを置いています」
和賀井 新(Dr/Cho):「らいどが加入したことで演奏面での意識や空気感が変わった感覚はありますが、僕も基本的にはボーカルとの共鳴を大事にしている点はずっと変わらないですね。海斗がフロントにいることでENEMY FLECKが成り立っていると思っているので、それを引き立てつつも、自分を引っ込めすぎないといった塩梅についてを考える機会が増えました」
──5月24日には、下北沢DaisyBarにて自主企画が開催されますが、先輩であるOrganic Callとのツーマンですね。
川又 海斗(Vo/Gt):「絶対に負けたくないです。Organic Callとのツーマンは、ENEMY FLECKとして越えなければならないステップの一つだと思っているので、気合十分です。この日にEPもリリースされるので、どちらも楽しみにしていてほしいです!」

ENEMY FLECK 「さがしもの」
2026年5月24日(日)
下北沢DaisyBar
チケット ADV ¥2500(+1D)
open 18:30 start 19:00
GURST:OrganicCall
https://livepocket.jp/e/enemyfleck0524
IInstagram:https://www.instagram.com/enemyfleck/
YouTube:https://www.youtube.com/@enemyfleck