<インタビュー>“PURE POP PUNK”の先にあるもの――「まなつ」再始動の理由

<インタビュー>“PURE POP PUNK”の先にあるもの――「まなつ」再始動の理由

2026.01.03

“PURE POP PUNK”を掲げ、町田を拠点に活動を続ける3ピースバンド「まなつ」

活動休止を経て、10周年の節目を見据えて6ヶ月連続企画「UNTITLED TOUR」を来年(2026年)1月から予定している彼ら。

今回DigOut編集部は、“PURE・POP・PUNK”それぞれを体現するという独自のスタンス、6ヶ月連続企画「UNTITLED TOUR」を通してまなつが伝えたいメッセージ、そしてこれからの活動まで余すことなく語ってもらった。

「まなつ」の始まりについて

L→R アリー(Gt/Cho)、いたやボーイ(Ba/Vo)、ほたて(Dr/Cho)

ーー改めて「まなつ」はどのようなきっかけで結成されましたか?

いたやボーイ(Ba/Vo):

大学でバンドをやりたくてサークルでメンバーを探していたんですけど、なかなかピンとくる人がいなくて。そんなときに友達経由でラーメン屋でアリーさんと出会って、「ザ50回転ズが好き」って言っていたのが面白いなと思って、声をかけました。

ほたて(Dr/Cho):

私は、彼らが2年くらい活動したあとにネットで見つけて、そこから加入することになりました。

ーー「まなつ」という名前に決めた決め手はなんですか?

アリー(Gt/Cho):

実は、はっきり決めた理由はないんですよね。Wikipediaには「くるりが好きだったから」と書いてあるんですけど、たぶんどこかで話した内容を誰かが載せてくれたんだと思います。実際は、それだけじゃないんです。

いたやボーイ(Ba/Vo):

嘘ではないんですけど、ちょっと尾ひれが付いてますね(笑)

僕が好きなSEBASTIAN Xというバンドのボーカリスト・永原真夏さんの名前から「まなつ」を拝借した、というのが大きいです。

ーー“PURE POP PUNK”というキャッチフレーズに込めた想いを教えてください。

アリー(Gt/Cho):

もともとPOP PUNKが好きだったんですけど、「まなつ」はいわゆるすごく明るいイメージっていう感じでもないなと思っていて。

そんな中でPUREって、“素直”っていう意味もあるんですけど、実はちょっとマイナスなニュアンスも含まれているって知ったんです。

その二面性がいいなと思って、“PURE POP PUNK”にしました。

あとは、3ピースバンドなので、言葉も3つにしたという理由もあります。

いたやボーイ(Ba/Vo):

最近のPOP PUNK界隈って、ちょっと怖いイメージがあると思うんですよね。

でも、僕たちはPOP PUNKをそのまま掲げているわけではなくてPURE・POP・PUNKをそれぞれ一つずつ体現している感覚に近いのかなと思っています。

楽曲制作について

ーー楽曲制作のプロセスはどのように進めていますか?

いたやボーイ(Ba/Vo):

前までは皆PCが出来なかったので、スタジオでボイスメモを使いながら曲を作ってたんですけど、コロナ禍のタイミングで僕がDTMを覚えたんです。

それで一度デモを作って送って、スタジオで合わせる、みたいな流れになったんですが、ほたてから「デモで送られるとイメージが固まっちゃって、新しいアレンジが考えにくい」って意見をもらって。

そこからは、弾き語り音源で共有するようにしています。

アリー(Gt/Cho):

他のバンドは、作曲者がガチっと決めることが多いと思うんですけど、結構遊びがある状態で進めてもらっていますね。

ーー“PURE POP PUNK”らしい楽曲作りのポイントは?

いたやボーイ(Ba/Vo):

一番大切にしているのは「楽しむこと」ですね。

聴き馴染みはあるけど、新しさも感じられる、というところを意識しています。

あと、これはほたてが以前言っていたことなんですけど、「あくまでライブでできることを大切にしよう」という意見もあって、音源だけじゃなく、ライブでもしっかり再現できるアレンジを心がけています。

ほたて(Dr/Cho):

単純に、ややこしいことが苦手なだけなんですけど(笑)

2人が好きなPOP PUNKのバンドをたくさん聴いて、太陽のカラッとした光みたいなものを感じたので、すごく抽象的ですが、そのイメージをドラムとして曲の中に落とし込めたらいいなと思っています。

ーー曲のアイディアはどこから湧いてきますか?

いたやボーイ(Ba/Vo):

僕はシャワーを浴びている時とか、日常生活の中でふわっとメロディが浮かんでくることもありますし、いちばん多いのが「コード進行から作る」パターンですね。

この進行使いたいなとか、これいいなって思ったコード進行をループで鳴らし続けて、あとから無理やりメロディを出してくることもあります。

それから、バンドで合わせるまではあまりメロディを固めずに、とりあえずスタジオで「じゃあ弾いてみよう」ってお願いして、そこで初めて「よし、歌うぞ」みたいな気持ちになって、一気にメロディを生み出すことも多いです。

なので、僕の曲作りは結構いろんなパターンがありますね。

アリー(Gt/Cho):

僕は逆に、コードがあまり分からないので、歌詞から作ることが多いです。

まず「これだけは使いたい」という言葉や文章があって、それをどこで歌うか、どんなメロディで歌うかを考えます。そこを軸にしながら、あとからコードを肉付けしていく感じですね。

ーー歌詞はどういったところから思い付きますか?

アリー(Gt/Cho):

本を読んだ感想や、映画を観たときの感想、歩いているときに隣の人が話していたことだったりします。

あとは、本当にダジャレみたいなものもありますね。

言葉遊び的に「これ面白いな、次の曲で使ってみようかな」と思うこともあります。

ーー楽曲制作中のルーティンはありますか?

アリー(Gt/Cho):

原付にめちゃくちゃ乗りますね。

日常のルーティンでもあるんですけど、運転しているときが一番集中できるんです。ボイスメモも原付に乗っているときに録ることが多いです。

いたやボーイ(Ba/Vo):

ルーティンってほどでもないんですけど、楽曲制作中はちょっと変わったことをしていて。

やっぱりシラフのときと、シラフじゃないときの自分って、全然違うと思うんですよね。

すごく好きなバンドのTOMOVSKYに「我に返るスキマを埋めろ」という曲があるんですけど、たぶん昔のロックスターたちも同じようなことを思ってたんじゃないかなって。

なので、デモとか一回録った音源がちゃんと聴ける状態になったら、あえてベロベロなときを狙って聴いたりします。

そのとき自分が何を感じるのか、っていうのを大事にしていて「これ、あんまりかっこよくないな」って思うことも結構あるんですよ、ベロベロだと。

でも、そこからまた起きて、朝になって仕事に行く途中で聴き返したりすると、印象が変わったりもするので、全曲このルーティンはやるようにしています。

ーーシラフの時とシラフじゃない時はどっちが採用されることが多いですか?

いたやボーイ(Ba/Vo):

思い切りが必要なときと、冷静な判断が必要なときがあるので、どちらもありますね。

ーーレコーディングでこだわる部分は?

アリー(Gt/Cho):

一番は歌ですね。

歌に関しては、必ず立ち会って、「もっとこうしたほうが伝わりやすいんじゃない?」など、意見を出すようにしています。

いたやボーイ(Ba/Vo):

レコーディングの時もちゃんと身体を使って頭を振って全力でやるようにしています。

ほたて(Dr/Cho):

最近レコーディングを担当して下さっている方が「ロックは嘘をついちゃいけない」と言っているのを聞いて、まなつのそのままの音が曲になるように意識しています。

ーーメンバー同士で楽曲制作への意見が違う時はありますか?また、その時にどうやって意見をまとめていますか?

アリー(Gt/Cho):

基本は、民主主義で多数決で決めています。

どうしても譲れない場合は、それぞれしっかり意見を語ってもらうようにしています。

6ヶ月連続企画「UNTITLED TOUR」について

ーー「UNTITLED TOUR」をやろうと思ったきっかけは? 

いたやボーイ(Ba/Vo):

活動休止を経て、現時点では音源のリリースもなく、次の企画もかなり先に控えている状況の中で「何かやりたい」と僕から提案したことがきっかけで、今回のツアーが実現しました。

理由がないとライブをしてはいけないわけではないですし、休止期間を空けて戻ってきた今、お世話になっているライブハウスの方々に直接挨拶に行けたらいいな、という思いもあって企画しました。

ーー対バン相手の方はどうやって選びましたか?

アリー(Gt/Cho):

仲が良い方が多いですね。

ほたて(Dr/Cho):

色んな要素があるんですけど、これからも一緒にやっていきたいバンドやカッコ良いと思っているバンドに声をかけました。

いたやボーイ(Ba/Vo):

それこそ、ライブハウスの方とも相談したりもしていて、かなり自由にやらせてもらっています。

ーー6ヶ月連続という長い企画にした理由を教えてください。

いたやボーイ(Ba/Vo):

先ほども話したように、お世話になった方たちへの挨拶回りとして、行きたい場所を回れる形にしたかったことが1つあります。

それと、2027年6月に活動10周年という節目を迎えるので、そのちょうど1年前にあたるツアーファイナルの2026年6月で、ファンの皆さんにいろいろ発表できたらいいなと思って、6月を見据えた長い企画にしました。

ーー名古屋の栄や、大阪の心斎橋など地方展開もされると思いますが、関西・中部・関東で観るファンの違いを感じることはありますか?また、お客さんの言葉で印象に残っているものはありますか?

アリー(Gt/Cho):

割と僕たちのファンはどこに行っても優しい人が多くて、ちゃんと音楽を聴いてくれている人が多い印象です。

いたやボーイ(Ba/Vo):

ダイブが起こるライブも良いですけど、やっぱり僕たちのファンは歌をしっかり聴いてくれているのが伝わってきます。過去のライブを思い返しても揉め事とか一度もなくて。

ほたて(Dr/Cho):

「もっと上手くならなきゃいけない、売れなきゃいけない」と思い詰めていた時に、お客さんが「ロックはハートだよ!」と言ってくれたことが心に残っています。

しんどい日もありますが、その言葉を思い出して「まずはハートだ!」と、奮い立たせています。

ーー拠点にしている町田での公演にはどんな思いがありますか?

アリー(Gt/Cho):

町田をホームと言い続けているので「帰ってきたよ!ただいま!」という思いが強いですね。町田SDRというライブハウスはお世話になりすぎていて、本当にお家みたいな感覚です。

いたやボーイ(Ba/Vo):

地元の先輩バンドと一緒にライブに出て育ててもらったり、自主企画で上手くいかなかった過去の経験も糧にして、今では自信を持って町田SDRのステージに立てるので、それも込みで町田でのライブは楽しみですね。

ほたて(Dr/Cho):

安心感もありつつ、1番頑張らないといけない、という思いもあります。

「まなつは、町田のバンドだ!」と推している分、転けた姿なんて見せられないので、身が引き締まる日でもあります。

ーーこの企画で自分たちが一番伝えたいことは?

いたやボーイ(Ba/Vo):

6月のファイナルで全ての謎が解けると思っていてください!

3人で選んだバンドとライブハウスでやるので、お客さんも好きに楽しんでいただけたらと思います。

プライベートについて

ーー趣味やハマっていることがあれば教えてください。

アリー(Gt/Cho):

僕は、野球とお笑いが大好きです。

野球は横浜DeNAベイスターズが好きで、年に何回か球場にも足を運んでいて、シーズン中はずっと選手のこと考えていますね(笑)シーズンオフは「つまんないなぁ」と待ち遠しいので、MLBとかも観ちゃってます。

お笑いは、漫才も大喜利も好きでダウンタウンが特に好きです。

いたやボーイ(Ba/Vo):

趣味と言われると無いんですけど、結局、活動休止中もライブハウスにめっちゃ通ってましたね。お酒飲んでライブを観てるのが趣味なんだと思います。

ほたて(Dr/Cho):

私も最近お笑いが好きです。

詳しい訳じゃないのですが、理由なく観れるのが気楽で「お客さんもそういう風に音楽を楽しんでくれているのかな?」という気づきにも繋がりました。

ーー家でのリラックス方法は何ですか?

アリー(Gt/Cho):

家ではYouTubeかTverで見逃し配信を観ていることが多いです。

好きな芸人さんが出ている番組を追っかけてます。

いたやボーイ(Ba/Vo):

風呂ですね。

異常な程風呂が好きで、夏は3回くらいお風呂入るんですよ。

汗かくとすぐ風呂に入りたくなるし、外出中だと銭湯に行きたくなるし、帰ってきても風呂に入っています(笑)家の近くの銭湯にも親父と一緒に週3,4回行っています。

ほたて(Dr/Cho):

最近、寝具にこだわってます。シーツを変えるだけでも睡眠の質が変わるんですよ。

この前は、電気毛布を買ってすごく深く眠ることができるようになりました。

ーー好きな映画やアニメは?

アリー(Gt/Cho):

テレビ番組になっちゃうんですけど、
M-1とかキングオブコントとかIPPONグランプリですね。

いたやボーイ(Ba/Vo):

まほろ駅前多田便利軒』は町田に拠点を置くきっかけになったくらい大好きなんですけど、他だと『ショーシャンクの空に』のラストを観た時の衝撃を越えた映画にはまだ出会えてないですね。

あとは『ブラック・ミラー』とかもすごく面白かったです。

ほたて(Dr/Cho):

好きな映画は『タイタニック』で、アニメは『宇宙兄弟』ですね。

ーー町田でのおすすめスポットは?

アリー(Gt/Cho):

リッチなカレーの店 アサノとかは、すごく美味しいです。

いたやボーイ(Ba/Vo):

僕は、8周くらいして町田家がやっぱ好きですね。勝てるところは無いです。

ほたて(Dr/Cho):

景色になっちゃうんですけど、町田東急ツインズという商業施設の西館と東館を繋ぐ通路から見下ろす、町田駅が好きです。

町田の代表のオブジェぐるぐるが上から見れます。

ーー自分の性格を一言で表すと?

アリー(Gt/Cho):

“慎重”で“堅実”ですね。

ほたて(Dr/Cho):

そうかなあ?(笑)

アリーさんは、こだわりが強いけど大雑把でもあります。

アリー(Gt/Cho):

一言でまとめると“天真爛漫”です(笑)!

いたやボーイ(Ba/Vo):

友人に言われるのは、良く言えば“ロマンチスト”ですね。

過去のことを引きずるタイプで引っ越した後に、過去住んでいた家を見に行ったりしますね…感傷に浸りやす過ぎるところがあります。

ほたて(Dr/Cho):

どうなんだろう…自分じゃ分からないんですよ。

メンバーからは”几帳面”と言われるのでデリケートな一面はあるかな、と思います。

ただ、気は強いです(笑)

いたやボーイ(Ba/Vo):

ほたては周りから見ていても、本番前とかちゃんと準備したという実績がないと、ソワソワしているので自分のルーティンをこなさないと気が済まない人なんだな、と思います。

今後の目標について

ーー2026年に成し遂げたい目標を教えてください。

ほたて(Dr/Cho):

まずは、1月から始まる「UNTITLED TOUR」の成功と、ツアーラストの下北沢SHELTERをsoldさせることですね。

あとは、10周年に向けた弾みになるような最高の1曲を作りたいです。

アリー(Gt/Cho):

僕も、下北沢SHELTERのsoldが目標です。

いたやボーイ(Ba/Vo):

2026年は制作の年になると思うので、その分1月からの「UNTITLED TOUR」で面白い企画をたくさんしたいです。

「まなつって良いイベントしているし、いつもsoldしているよね」という地盤を作り、色んなライブハウスで演奏していきたいです。

ーー個人的な目標を教えてください。

いたやボーイ(Ba/Vo):

弾き語りにも力を入れていきたく、いつか弾き語りの音源をリリースできたらと思っていたんですけど、まさか1月の公演でLONG PARTY RECORDSという CDショップ屋さんが手伝ってくれることになって。1月に叶っちゃうことになりました!

ほたて(Dr/Cho):

8年くらい同じ髪型なので、ヘアアレンジが出来るようになりたいです。

先日プレゼントでもらったヘアピンがすごく可愛かったのでヘアアレンジして使いたくて!

アリー(Gt/Cho):

横浜DeNAベイスターズの優勝とエバースのM-1優勝です!

ーー最後にファンの方にメッセージをお願いします。

アリー(Gt/Cho):

2026年ツアーをやりますけど、6月のファイナル下北沢SHELTERで刺激的な発表があると思うので乞うご期待ください!今後とも応援よろしくお願いします!

ほたて(Dr/Cho):

ファンの皆様へ。

まずは、いつも応援して下さってありがとうございます。

まなつに関わってくれた人には全員幸せになって欲しい、と思っています。

私は、広く愛を注ぐことが苦手ですが、近くのものにグッと愛を注ぐのは得意だと思っています。これからもメンバー2人を支えていきますので、2人を通して皆に幸せを届けられたらいいな、と思っています。

いたやボーイ(Ba/Vo):

今までは音楽をしない期間というものを作るのが嫌だったんですけど、今回の活動休止を経て、気持ちも切り替わりました。ここからの僕たちは負けないし、一生カッコ良い姿を皆様にお見せすることができると思います。活動休止の時はお騒がせしてしまったんですが、信じて今も待ってくれていることに感謝しています。

これから先、10周年も控えていますし「信じて間違いないな」という姿をお見せするので、ライブハウスに遊びに来ていただけると嬉しいです。

告知

まなつpre.『UNTITLED TOUR』

1月 八王子RIPS

2月   新宿Marble

3月   町田SDR

4月   栄R.A.D

5月   心斎橋Pangea

6月   下北沢SHELTER

各種リンク

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この記事を書いた人

インタビュー
高島よしお
1997年生まれ/東京都出身 趣味は「フィクション」と「散歩」 年間通して映画を平均400本観ます 音楽は平均1200時間聴きます
執筆
okada
福岡県生まれ/ 音楽はジャンルレスで色々聴きます/ アーティスト様に寄り添ったメディアでありたい、という気持ちで情報を発信していきます!