2025.10.22
2021年に北海道釧路市をルーツに持つメンバーで結成し、現在は東京を中心に活動をしているロックバンド「ジュウ」
どこか不安定で人間味のあるボーカルが交錯するその音は“生々しいリアル”を放ち、ライブでの圧倒的爆発力と、静と動を自在に行き来するステージパフォーマンスで観客を魅了している。
そんな彼らは、11月7日(金)に「ジュウ」のホームでもある下北沢BASEMENT BARでのワンマンライブ「自由声 -I’ll be back-」の開催を控えている。
今回、DigOut編集部はバンド結成の経緯や楽曲制作について、ワンマンライブへの意気込みやプライベートな一面までメンバー全員を深堀りした。
ーー 結成のきっかけを教えてください。
髙浪 凌(Vo/Gt):
メンバー全員、北海道の釧路にルーツを持ってるんですけど、上京したタイミングはバラバラで、地元の先輩から東京でメンバーを紹介してもらったのをきっかけに「バンドでライブやってみない?」と僕から誘って結成に至りました。
「結成しよう」と目的を持って集まった訳ではなくて、地元の繋がりで会って呑んでってしているうちにライブすることになったんですよね。
ーーバンド名にもなっている「ジュウ」の由来を教えてください。
髙浪 凌(Vo/Gt):
“銃”と“自由”のダブルミーニングなんですけど「銃じゃなくて音楽で自由を勝ち取りにいきたいよね」という意味を込めて「ジュウ」というバンド名にしました。
岩浅 圭哲(Ba):
最初「“鉄砲”とか”火縄銃”が良い」って案もあったんですよね(笑)
伊藤 和人(Gt):
バンド名はダサければダサいほど良いって浪ちゃんが言ってて「ザ鉄砲にしようよ」って案を出された時は一瞬時間が止まりました(笑)
僕は、横文字でカッコ良いバンド名にしたかったんですけど採用されなくて「ザ鉄砲はさすがに勘弁してくれ」となって「ジュウ」に落ち着きました。
岩浅 圭哲(Ba):
それくらい、最初は温度感も方向性もバラバラでしたね。
ーー上京しようと思ったきっかけ等はあったんですか?
岩浅 圭哲(Ba):
僕は、大学卒業のタイミングでこのままなんとなく働くのも嫌だなと思っていたので、大学の同期だった和人をバンドやる為に誘って上京しました。最初の1年は和人とシェアハウスして一緒に住んでました。
伊藤 和人(Gt):
僕と圭哲は、大学の頃は別々でバンドをしてたんですけど、釧路で精力的に活動している彼を見て「あぁー、良いなぁ」と思ってたんですよ。当時、しっかりとしたバンド活動は出来てなかったので「このまま大学卒業して仕事をするのは嫌だな、上京しよう!」と決意して東京にきました。
さっき圭哲が僕を誘ったって言ってましたけど、僕が圭哲を誘ったつもりだったので、お互い同時に誘ってたみたいですね(笑)
岩浅 圭哲(Ba):
僕たち、教育系の大学に通ってたので99%の同期が教員になってる中、ここ2人だけが進路不明だったので卒業後に学校から電話かかってきました(笑)
髙浪 凌(Vo/Gt):
実は、圭哲とは実家が近くて徒歩10分くらいの距離なんですけど、当時は全然出会ってなくて。僕は、ギターを弾きたくて上京してビッグになろうと思ってたんですけど中々上手くいかなくて…そこから紆余曲折あって地元の先輩の紹介で2人に出会いました。
ーー楽曲制作でこだわっている点、一貫している点を教えてください。
髙浪 凌(Vo/Gt):
歌詞は、当事者であることを大切にしていて、自分たちの経験を書いてます。
僕たちの曲には恋愛に関する歌詞が無いんですけど、恋愛で今まで特に困ったことないので分からないから書かないし、女性目線の曲も気持ちが分からないから書かないです。
ーー曲作りはどの様に行なっていますか?
髙浪 凌(Vo/Gt):
基本的に僕の弾き語りから作ることが多いです。
たまに圭哲が作ってきたトラックに僕が詞を入れてみるってこともあります。
ーー世界観を構築するうえで、音楽以外に影響を受けているものはありますか?
髙浪 凌(Vo/Gt):
なんだろう…でもカッコ良い先輩の影響はあるかもしれないですね。
岩浅 圭哲(Ba):
兄がバンドをやっていたことがきっかけで音楽を好きになったので、兄の存在はすごく大きかったです。僕も人から受ける影響が大きいですね。
伊藤 和人(Gt):
僕は、映画ですね。今じゃなくて過去の歴史とか偉人への憧れがあって、映画も戦争系の映画が好きですし、音楽も古いロックンロールが好きです。
ーーメンバーそれぞれの「ジュウ」での思い入れのある楽曲を教えてください。
岩浅 圭哲(Ba):
『暴力』という楽曲は、今は辞めちゃったドラムメンバーも居る時に作った1番最初の曲なんですけど、音合わせした時の瞬間とかMV撮影とかすごく記憶に残っています。MV撮影の際に、彼(高浪)と当時のドラマーが撮影外で喧嘩を始めたこととか、曲名が『剛田武ジャパン』になろうとしてたこととか、色々と印象深い曲です。
伊藤 和人(Gt):
たくさんあるんですけど、ライブで毎回やる『平成、この夜に』ですね。初めて自分でギターのフレーズを作って音当てまでしたので「これからギターをやっていくんだな」と改めて感じたすごく思い入れ深い曲になります。
髙浪 凌(Vo/Gt):
最近作ったばかりでまだリリースしてないんですけど『LiFE』という曲ですね。この曲で大きくバンドが変わるような気がしているので、将来的に思い入れのある楽曲になるんじゃないかなと思っています。早く皆さんに届けたいです。
ーーワンマンライブのタイトルに込めた思いを教えてください。
髙浪 凌(Vo/Gt):
下北沢BASEMENT BARは初ライブや初ワンマンをした場所ですし、フライヤーも『ターミネーター』の”I’ll be back”の名シーンっぽくなってるんですけど、映画の最新作を見る前に過去作から見返したくなるような気持ちと似ていて、大事な話がある時は原点回帰して次にいこうよという意味があります。
あとは、ライブ自体も自由なフロアに出来たら良いな思ってますし、銃声ともかけて「自由声 -I’ll be back-」というライブタイトルになりました。
ーー初めてのワンマンを行った場所とXで拝見したのですが、下北沢BASEMENT BARでの思い出があれば教えてください。
岩浅 圭哲(Ba):
初ライブもですし、5年くらい前に12ヶ月連続で毎月企画ライブをしていた時もずっと下北沢BASEMENT BARでやってたんですよ。最初の頃はライブハウスの人にも認められてない感じがして怖かったんですけど、だんだんと回を重ねるごとに認められていって今は仲良く二人三脚でやっていけてるのかな、と思います。
ーー11月7日(金)に迫ったワンマンライブ、今のお気持ちを聞かせてください。
髙浪 凌(Vo/Gt):
今までで1番良いライブが出来るんだろうな、という変な安心感があります。今のジュウに対してすごく自信があるので、調子も上がってるこの状態でホームのライブハウスでやるとなるとどんだけ良いライブが出来るのかワクワクしています。
ーー当日来られる方に一言お願いします!
伊藤 和人(Gt):
下北沢BASEMENT BARでライブするのも久しぶりで、自分たちも楽しみにしてるし、フロアの人たちにもそのワクワクが少しでも伝えられたら良いな、と思います。皆を元気にしたいぜ、Babyって感じです(笑)!
岩浅 圭哲(Ba):
間違いなく今までで1番良いライブをします!直接聴いてその場で皆と共有したいので是非ライブハウスに来て欲しいです。
ーーライブ前のルーティンがあれば教えてください。
伊藤 和人(Gt):
僕は、タバコ吸ってるくらいで特にルーティンは無いですね。セッティングに向けて早めに準備しとこって思ってます。
岩浅 圭哲(Ba):
僕もあまり無いですね…
サポートドラムの子と和人の3人で曲の繋ぎだったり意識するポイントを共有したりするようにはしています。
髙浪 凌(Vo/Gt):
そっちを皆に任せて、僕はルーティンがあるタイプですね。歴代の仮面ライダーの中で僕が好きなシリーズのOPとEDを集めたプレイリストがあって、この世で1番強い奴になった気持ちで本番に臨むようにしています。
ーーセトリを決めるときに意識していることがあれば教えてください。
髙浪 凌(Vo/Gt):
基本的には僕が土台を作ってメンバーの意見も聞きつつ決めてます。最近は、「サーキットでこれは重くないか?」とか擦り合わせが出来ることが多くなってるのかな、と思います。
ただ、その場に立ってみないと分からないことも多いので本番中に急にセトリを変えることもありますね(笑)
ーーこれまでで一番印象に残っているライブを教えてください。
髙浪 凌(Vo/Gt):
昔、ライブで悔しくてステージから飛び降りたら骨が折れたことがあります。
自分は不死身だという謎の自信があるので、リミッターが無くてなんでもやっちゃうんですよね。骨折った日も、そのままライブ終わりに足引きずりながら先輩と朝まで呑みに行ってました(笑)
伊藤 和人(Gt):
今年の3月にあったSpotify O-Crestでのライブは、ここまでやってきたバンド活動の集大成を1つ見せることが出来たと思っています。普段のライブは、気づいたら終わっていることもあるんですけど、その時のライブはセクション毎に噛み締めながらパフォーマンス出来たので成長を感じられた印象深いライブです。
岩浅 圭哲(Ba):
今年の3月にTHE FOREVER YOUNGの企画で行われた「FOREVER YOUTH SPECIAL〜合戦〜」というイベントがあって、普段中々やらないような強めのバンドの高いパフォーマンスを観た時に悔しく感じて「このバンドに勝つために、もっと頑張らないと」とギアが入る契機になったライブになりました。
もう1つあって、僕たち企画で「海賊TOUR」という行ったことのない場所を回るツアーをしてたんですけど、ファイナルでボーカルの声が出なくなっちゃったことがあって、僕と和人で全曲歌うというトリッキーなライブをやったのが、120%を出し切ったすごく思い入れ深いライブです。
ーー音楽から離れている時間はどんなふうに過ごしていますか?
髙浪 凌(Vo/Gt):
僕は音楽のこと以外だと本当に何もしてないですね(笑)
呑んでても音楽の話しちゃいますし、家にいてもバンド活動のSNS更新しちゃうので離れてる時間は無いです。
岩浅 圭哲(Ba):
僕もよく呑みに行くんですけど、呑んでる時は音楽の話はしたくないタイプなので予定の前に作業を終わらせてから行くようにしています。でも、呑みに行くことでバンド活動にもプラスになる繋がりが増えたら良いなとは思っています。
伊藤 和人(Gt):
バンド活動してないときは働いてることが多くて、呑みにもあまり行かないので家に居ることが多いです。自分の好きなジャンルの音楽を聴いたり、漫画を見たり、映画鑑賞をたまにするくらいです。
ーーメンバーそれぞれの尊敬しているところを教えてください。
髙浪 凌(Vo/Gt):
メンバー全員カッコ良いのは分かってるので、言葉にしなくても伝わってると思います。
伊藤 和人(Gt):
僕は言いたいことあるよー(笑)
メンバー全員:
(笑)
ーー今の自分を形成しているものを教えてください。
髙浪 凌(Vo/Gt):
“社会”かなと思います。社会に対しての不満やフラストレーションみたいな負の部分が自分を形成してるのかな、と思います。
岩浅 圭哲(Ba):
“兄”の存在は大きかったなと思います。末っ子だったので部活も音楽も兄の真似をしてきて、上京したのも潜在意識的には兄の影響を受けて「やってやるぞ」という気持ちだったかもしれないです。あとは“家族”ですね。お母さんのご飯にも支えられてきました。
伊藤 和人(Gt):
20代前半の僕を支えてくれたのは“大人のお店”ですね…(笑)池袋の南の島には大変お世話になりました(笑)!!
ーーこれから挑戦してみたいステージや場所があれば教えてください。
髙浪 凌(Vo/Gt):
「僕が伝えたいことを理解してくれる人ってどれくらいいるのだろう」と思ってバンドを始めたので、同じように思ってくれている仲間がもっと増えていって欲しいという思いを込めてキャパシティを大きくしたいというのはあります。ただ、このステージに立ちたいとかあのフェスに出たいとかはあまりないです。
岩浅 圭哲(Ba):
全国色々回ってみたいな、とは思います。
伊藤 和人(Gt):
北海道釧路市とか札幌ではライブしたことあるんですけど、僕の出身でもある岩手県ではまだできてないので凱旋ライブをやりたいですね。東北でライブやれる頃にはもっとカッコ良くなってるんだろうな、と思います。
ーー長期的に見た「ジュウ」の目標や将来像を教えてください。
髙浪 凌(Vo/Gt):
僕らは色んな社会からドロップアウトしてきた奴らなので、逆に言うと色んな社会を知ってるんですよね。だからこそ、社会的に意味を残せたら良いなと思います。ロックバンドに憧れているというよりは、こういう人たちが音楽をやってるんだ、自分も音楽やって良いんだ、と思ってもらって将来的に面白いバンドが増えたら良いと思います。
僕たちのバックグランドを伝えることで、誰かに選択肢を与えるきっかけにもなると思うし、社会にちゃんと何か貢献できるバンドになりたいと思います。
ーー音楽のことでもプライベートなことでも良いのですが、個人の目標を教えてください。
髙浪 凌(Vo/Gt):
カッコ良いボーカルになりたいです。
伊藤 和人(Gt):
実家がもうボロボロなので、新築を買ってあげたいです。あとは、周りから見ても「かっけーじゃん!」と思ってもらえるガンダムみたいなギタリストになりたいです!
岩浅 圭哲(Ba):
ベーシストの枠組みだけじゃなくて岩浅 圭哲としてもカッコ良いアイコンになっていけたら良いなと思います。
ーー最後にファンの方に一言メッセージをお願いします。
髙浪 凌(Vo/Gt):
ライブでもいつも伝えてるけど、ありがとう!
これからもずっとジュウを信じてくれて良いよ。
岩浅 圭哲(Ba):
心配かけたり失敗することもあるけど僕らを信じてついてきてください!
伊藤 和人(Gt):
楽しんで生きてこうぜ!
11/7(金) 下北沢BASEMENT BAR
“自由声 -I’ll be back-“
ジュウのホーム下北沢BASEMENT BARにて
明日8/30(土) 10:00よりチケット発売開始
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