<インタビュー>下北沢発“報われない恋に効くバンド”「City Lovers」の物語

2025.06.17

青森から上京したニシタを中心に、2021年10月より現体制での活動を開始した下北沢発ギターロックバンド「City Lovers」

“報われない恋に効くバンド”というキャッチコピーを掲げ、恋愛がうまくいかない時や、気分が落ち込んだ時に寄り添う楽曲が多くのファンの心を掴み、勢いを伸ばしている今注目のバンドだ。

今回DigOut編集部は、3人の結成秘話から楽曲制作のこだわり、プライベートの意外な一面まで深堀し、今後の夢を聞いた。

「City Lovers」の物語

左から ニシタ ユウセイ(Vo/Gt)、阿部 シュン(Ba)、tuti.jp(Dr)

ーー3人はどのように出会いバンド結成に至りましたか?

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

元々違うメンバーでCity Loversというバンドをやっていたんですけど、当時のメンバーが抜けちゃった状態でライブをやることになったんですよね。

そこからメンバーを集めることになった時に、以前から対バン企画にも出演してくれていたドラムのtutiさんに声を掛けたら加入してくれました。

阿部はメンバー募集掲示板を見てたら浅草寺の前でロン毛でベースを担いでる異様な雰囲気を放ったアイコンのやつがいて、面白そうだなと思って誘ったのがきっかけで今の3人になりました(笑)

ーー誘われた時の心境はいかがでしたか?

阿部 シュン(Ba):

ちょうど誘いのメールが来る前にニシタの音源を聴いていて、良い音楽だなと思っていたところだったので、タイミングバッチリじゃんって思いました。

tuti.jp(Dr):

僕も、誘われるちょっと前にやっていたバンドが解散したので、タイミングが良いなという感じではありました。

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

tutiさんは最初はサポートで入ってくれる予定だったんですけど、そのままゆるく正規メンバーになりました。

ーー「City Lovers」というバンド名の由来を教えてください。

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

僕が東京に出てくる前に『札幌 City Lovers』という曲を作っていたんですけど、バンド名を考えている時に響きが良いなと思い、曲名から取って「City Lovers」というバンド名にしました。

ーー以前のバンド活動が今に生かせているなと思うことはありますか?

阿部 シュン(Ba):

僕の前いたバンドのリーダーはとにかく厳しい人で、ブラック企業ならぬブラックバンドだったんですよ(笑)

なので、レコーディングをスムーズに進める準備の仕方とか、日頃の練習への姿勢とかはたくさん学んだし、1年というバンドの活動期間の割にすごく技術も上達したので、生せてますね。今はめっちゃホワイトバンドです(笑)

tuti.jp(Dr):

僕は、前のバンドの曲の系統が今と似ているので、生かせてる部分はたくさんあるかなと思います。

ーーニシタさんは青森から上京しているかと思うのですが、何か東京に来て音楽への向き合い方に変化はありましたか?

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

上京した時は「東京でバンドがやれるんだ!」という充実感で満足しきっていたんですけど、この3人でワンマンやれるようになってからは、届ける人が出来て向き合い方が変わったかなとは思います。

ーー下北沢で活動することにこだわりがあるんですか?

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

そうですね。僕が好きだったバンドが下北沢のレーベルだったので、憧れがずっとありますね。

今は、そこでやれてるんだというのが嬉しいです。

楽曲制作について

ーー楽曲制作をする上で大切にしていることはありますか?

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

僕たちは、“報われない恋に効くバンド”というキャッチコピーでやっているので、リスナーの人も失恋したり、辛いことがあったりしている人が多いと思うんですよ。なので、自分の中の報われなかった思い出を引っ張り出してきて歌詞に落とし込むことを意識しています。実体験のエピソードをいじってることが多いです。

ーー実体験以外には、どういったところからインスパイアを受けていますか?

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

描きたい情景を思い浮かべて自分の好きなバンドの曲聴いたら「こんな世界観があるんだ」という新しい気づきがあるので、自分がその世界に入ったらどう考えるかなという視点で考えることはあります。

ーー切ない楽曲が多いと思いますが、病むことはありますか?

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

めちゃくちゃ病みますね(笑)少なくとも、ここまでEP1枚とミニアルバム3枚分はずっと病み続けてます(笑)

曲が出来あがっちゃえば完成したものになって割り切れるんですけど、歌詞が出来ても曲が出来上がらない時とかは諦めて病んでます。

ーー楽曲制作で苦労したことはありますか?

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

1番最近の曲で『恋愛あるある』という曲を作ってるんですけど、歌詞を書くのに半年くらい掛かりました。

これからCity Loversを見つけてくれる人にも届けたいので、パンチのある言葉をサビの頭に持ってきたかったんですよ。

ネットで色々調べていた時に“1番好きな人とは報われない、2番目の人と幸せになるんだ”というフレーズを見て、これをサビにしようと思って抜け出せました。“私とあなたは結ばれなかったから、私にとって1番好きな人はやっぱりあなたなんだ”という意味合いで曲に落とし込みました。

ーー失恋ソングを書こうと思った理由はなんだったんですか?

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

“報われない恋に効くバンド”というキャッチコピーは『ハッピーエンド』や『曖昧』をリリースした後に大きな反響もいただいたので、改めてどんな人に届けたいかな?と思った時に失恋ソングを押し出すことにしました。

ーー今後、“報われる恋”を作っていく可能性もありますか?

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

ちょっとずつ頑張ろうと思っています。

3枚目のミニアルバムに『奇跡』という曲があるんですけど、唯一片思いの楽曲になっていて、想いを伝えたくて溢れそうなんだ!という楽曲になっています。報われるか報われないか一歩手前の曲なので、今後は報われる曲も書いていきたいなと思います。

ーーご自身が共感する楽曲を教えてください。

tuti.jp(Dr):

僕はメロで曲を愛するタイプなので『カトレア』が好きですね(笑)

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

かっこ良いよね。

阿部 シュン(Ba):

歌詞で共感できるのは『lovers』『fall』『神様、今宵』ですかね。

特に『lovers』の1番の歌詞は共感できるところが多くて思い出深い曲です。

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

僕は、絶対に『ハッピーエンド』ですね。実は、98%くらい実話を元に曲にしているんですよ。

2サビで“海の見える小さな家で暮らそう 他には何も無くていいんだよ”という歌詞があるんですけど、よく考えたら直接言ったじゃんという恥ずかしい思い出含めて共感が出来ます。

プライベートな一面

ーー人生で音楽活動以外に熱中したものはありますか?

tuti.jp(Dr):

他にやることが無くてバンドやっているので、無いです(笑)

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

バンドしかやってない…あ、でもちいかわを集めるのはライフワークになってますね(笑)

阿部 シュン(Ba):

プラモデルを作ることですかね。小学生の頃からずっと好きなんですよ。

でもバンドを始めてからは、あんまり作れてないですね…

ーーオフの日はどのように過ごすことが多いですか?

tuti.jp(Dr):

僕は、めっちゃインドア派なので家に閉じこもってDAZNでサッカー見てます。

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

丸々オフの日は無いんですけど、リフレッシュの為にバッティングセンターに行ったりします。

阿部 シュン(Ba):

僕は、部屋の掃除をしてご飯を作りながらお酒を飲んだりして、高校の友達と麻雀を打ちに行ったりしますね。

ーー下北沢で路上ライブを行うようになった経緯を教えてください。

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

去年、下北沢SHELTERでワンマンライブするってなった時に宣伝も含めて路上ライブを行うようになりました。ライブに来れないお客さんにも届けたいという思いと、自分たちのことを知ってもらいたいという2つの側面があります。結構ちびっこが聴いてくれたり、外国人の方が足を止めてくれたり、偶然友人が通りかかって一緒にやることになったりとかあって面白いです。

ーー路上ライブをしていて嬉しかった出来事と大変だった出来事があれば教えてください。

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

1〜2年ライブに来れてなかったファンの方が路上ライブに来てくれて、お話しできたんですよ。繋がりが切れてないことが再確認出来てすごく嬉しかったですね。

ライブについて

ーー5月11日(日)に初のアコースティックセットでおこなった「拝啓、空っぽの部屋でvol.3」について率直な感想を聞かせてください。

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

めちゃくちゃ緊張しました(笑)普段のバンドセットだとやらないような曲もたくさんセットリストに入れたので「聴きたい曲全部聴けたよ」とファンの皆さんに言ってもらえたので、やって良かったなと本当に思います。

ーー普段のライブルーティングがあれば教えてください。

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

最近は、本番前にラジオ体操をしています。

本気でやると全身をすごく使うので、身体を起こす為にしています。メンバーも巻き込んで皆でやることもありますね(笑)

tuti.jp(Dr):

僕は、ドラマーなのでラジオ体操する時も椅子に座って参加してます。

阿部 シュン(Ba):

僕は、本番直前にタバコを吸うことがルーティンです。緊張がほぐれる気がしてます。

ーーセットリストを決める時のこだわりがあれば教えてください

阿部 シュン(Ba):

セットリストをよく決めるのはtutiさんなんですけど、お客さんがどうゆう曲を聴きたいかを常に考えてくれてますね。

tuti.jp(Dr):

全ライブに通ってくれてるファンの方もいるので、毎回楽しめるようにライブのセットリストは意識して変えてます。あとは、初めて来てくれる人もいるので王道の曲は入れるようにしています。全ライブに来ていただいても毎回セットリストが違うので是非、毎回来て楽しんでください!

ーーこの曲を覚えてくれたら、絶対ライブ楽しめるよ!という曲はありますか?

tuti.jp(Dr):

『ハッピーエンド』ですかね。

阿部 シュン(Ba):

『奇跡』かな。この曲は報われるか報われないか一歩手前みたいな曲なので、曲調も明るくてアップテンポなので覚えて来てくれるとライブで楽しめると思います。

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

新曲の『恋愛あるある』をお見せする機会がたくさんあると思います。報われない恋をしている人全員に刺さる歌詞になっているので覚えて来てくれると嬉しいです。

ーーライブを通してファンの方に1番伝えたい想いを教えてください。

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

初めてのワンマンライブをした2023年頃からMCでもずっと言ってることなんですけど、”聴いてくれる人の居場所を作れるバンドでありたい”とは思っています。

見てくれている人が「City Loversに頼りたいかも」と思った時にライブハウスに来ていただけるバンドであり続けたいです。

ーー今後対バンしたいバンドはいますか?

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

去年僕らは、2マンライブの企画をしたんですけど、その時に出てくれた浪漫派マシュマロとはまたやりたいです。その時はもっと大きな箱でやれるように追いつきたいなと思っています。

tuti.jp(Dr):

今年から「lovers×lovers」という2マンライブの企画を始めたんですけど、その企画を通して色んなバンドと対バンしていきたいです。初対面のバンドとやるんじゃなくて、仲良くしているバンドや音楽の感性が合うバンドと一緒にやりたいという思いはあります。

今後の目標

ーー2025年のうちに成し遂げたい目標を教えてください。

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

僕ら、11月22日(土)にShibuya eggmanでワンマンライブをするので絶対大成功で終わらせたいです!

ーー長期的なCity Loversとしての目標を教えてください。

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

僕は失恋ソングを聴きたい時は真っ先にback numberの曲を聴いてきたんですけど、将来的にはCity Loversもそんな存在になりたいと思っています。

ーーファンの方に一言お願いします!

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

悲しくなった時や寂しくなった時にいつでも寄りかかれるようなバンドであり続けたいので、これからも応援よろしくお願いいたします!

阿部 シュン(Ba):

今まで出会ってくれた私たちを応援してくれる人も、仲間たちも、皆まとめて手を繋いで上にいきたいと思いますのでこれからもよろしくお願いいたします!

tuti.jp(Dr):

今後ともよろしくお願いいたします!

ニシタ ユウセイ(Vo/Gt):

tutiさんが東京に住めるように応援お願いします!(笑)

活動告知

4th mini Album「この恋の結末へ」Release LIVE

東京編 9/27(土) 下北沢MOSAiC 

https://tiget.net/events/405235

大阪編 10/25(土) 堺Tick-Tuck

https://tiget.net/events/405241

FINAL ONE-MAN 11/22(土) 渋谷eggman

https://tiget.net/events/405242

各種リンク

公式HP:

https://citylovers.net
X:

https://twitter.com/City_Lovers_

Iinstagram:

https://www.instagram.com/citylovers.official

YouTube:

https://www.youtube.com/@city_lovers

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この記事を書いた人

インタビュー
えみ
1993年生まれ/神奈川県出身 お酒と音楽と愛犬が大好きです! DigOutでは主にインタビュー、記事構成を担当しています。 音楽好きな皆さんの読みたい!知りたい!を形にできるように頑張ります。
執筆
okada
福岡県糸島市生まれ/ DigOut初期メンバー/ 音楽はジャンルレスで色々聴きます/ 趣味→Spotify/ アーティスト様に寄り添ったメディアでありたい、という気持ちで情報を発信していきます!
カメラ
高島よしお
1997年生まれ/東京都出身 趣味は「フィクション」と「散歩」 年間通して映画を平均400本観ます 音楽は平均1200時間聴きます