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ゼロからわかる!ギター初心者のためのタブ譜の読み方
2024.10.29
ギターは五線譜が読めなくてもタブ譜が読めれば、押さえる位置やリズム、使うテクニックがわかります。
今回はタブ譜の意味や読み方、譜面で使われる記号について解説していきます。
目次
タブ譜(TAB譜)とは?
タブ譜(TAB譜)とは、ギターやベースなど弦楽器の楽譜を、わかりやすく表した譜面のことです。
楽器の演奏方法を数字や記号で表す、「タブラチュア譜」を略してタブ譜と呼ばれており、五線譜が読めなくてもタブ譜が読めればギターの演奏ができます。
タブ譜の基本的な説明(五線譜との違い)
音符で音階や音の長さを表す五線譜に対し、ギターで押さえるポジションやテクニックを記号で表しているのがタブ譜です。
五線譜は楽器演奏者のほとんどが使える譜面ですが、タブ譜はギターやベースなど一部の弦楽器でのみ使えます。
5本の線に音符で出す音が表されているのが五線譜で、弦の数に合わせた線と数字で表記され、ギターなど一部弦楽器奏者にのみ使えるのがタブ譜です。
ギター初心者がタブ譜を使うメリット
五線譜に比べ視覚的にわかりやすく、楽譜に慣れていなくても読める点がタブ譜を使うメリットです。
タブ譜の線がギターの弦、数字がフレットを表しているので、ギター初心者でもすぐに押さえるポジションがわかります。
また、ギターには異弦同音(違う弦で同じ音が出せる)がありますが、タブ譜に従えばどの弦を押さえて音を出せばいいのかもわかります。
押さえる場所がわかり、すぐに音を出せるのがタブ譜を使うメリットです。
タブ譜の基本構造
タブ譜の基本的な表記方法(基本構造)について、解説していきます。
弦と数字の意味
タブ譜の線は上から順に1弦・2弦・3弦・4弦・5弦・6弦と、ギターを上からのぞき込んだときの弦配列になっています。
弦の数だけタブ譜の線もあり、6本の線があれば6弦ギター用、7本は7弦ギター用です。
線の上に記載された数字は押さえるフレットを、0は開放弦を表しており、たとえば一番上の線上に5と数字があれば1弦の5フレットを押さえます。
同じ縦の列に複数の数字がある場合は、1回のピッキング(弦を弾く)で音を同時に鳴らすという意味です。
リズムの読み方
タブ譜は押さえるフレットやテクニックのほかに、音を鳴らす長さ(音符)やタイミング(リズム)も一緒に表記されています。
リズムの読み方や音符は五線譜と同じで、「どれだけの時間音を出し続ければよいのか」を表したものが音符です。
■「二分音符」2拍分
■「四分音符」1拍分
■「八分音符」半拍分
など
タブ譜によってフレット番号の下に線で音符を表したものや、五線譜が一緒に表記されたものがあり、さまざまな音符の表記方法があります。
五線譜と一緒に表記されている場合は、音を出すタイミングや鳴らす長さは、五線譜の音符を見て判断します。
基本的な記号の解説
タブ譜には押さえるポジションのほかに、記号でテクニックの表記もされています。
おもな記号の読み方や使うテクニックについて、解説していきます。
チョーキング
タブ譜でチョーキングは、フレット番号の上に「C」や「cho」と表記されています。
音を鳴らしたあと弦にテンションをかけ、音を高く変化させるギター演奏に必須のテクニックです。
チョーキングには変化させる音の度合いにより、1音チョーキングや半音チョーキング、2音チョーキングなどがあります。
単にチョーキングとだけ表記されている場合は1音チョーキングです。
なお、チョーキングは和製英語で、海外では「ベンド(ベンディング)」と呼ばれるのが一般的です。
ギタリストの個性が出やすいテクニックで、チョーキングしないほかの弦をしっかりミュート(消音)すると綺麗に鳴ります。
スライド
「S」の文字で記載されているテクニックがスライドです。
スライドは弦を押さえてピッキングしたあと、弦を押さえる力を緩めずにフレットを移動させ、滑らかに音を変えるテクニックです。
タブ譜ではスライド開始と移動先のフレットがスラー(⏜)で結ばれ(例:7⏜9、8⏜3など)、上下どちらかに「S」の文字が記載されています。
グリッサンド
タブ譜に「gliss」または、「g」と表記されているのがグリッサンドです。
グリッサンドは、ピッキングをしたあとにフレットを移動させ音に変化をつけますが、開始音かスライド先どちらかの音が明確になっていません。
そのため、ギタリストの感覚で開始位置やスライド移動先のフレットを決めます。
スライドと似たテクニックですが、開始音と移動先の音が明確なスライドに対し、どちらかの音が明確になっていないのがグリッサンドです。
「7⏜ や、⏜5」などと表記され、効果音として使われることが多いテクニックです。
ハンマリング
ハンマリングはスラーの上か下に「H」、または「H.O.」の文字で記載されています。
正式名称は「ハンマリング・オン」で、ピッキングをせずにフレットを叩くようにして押さえ、音を出すテクニックです。
たとえば、「5⏜7」と表記されていたら、5フレットの音をピッキングで鳴らしたあと、ハンマリングで7フレットを押さえます。
このとき、5フレットを押さえる指は力を抜かず、押さえた状態を維持したままハンマリングをしますが、フレット近くを真上から叩くようにするのが上手く鳴らすコツです。
プリング
タブ譜にスラーと一緒に「P」と表記されているのがプリングで、正式名称は「プリング・オフ」です。
プリングは高い音から低い音へつなぐテクニックで、鳴らした音を押さえたまま指で引っかくように離して音を変化させます。
タブ譜では「9⏜7、5⏜4」というように表記され、弾く音と弾いたあとの音を同時に押さえておく必要があります。
1つ前で解説したハンマリングとプリングを素早く交互に繰り返すテクニックが、トリルです。
P.M.(B.M./M)
「P.M.」は右手をブリッジの頂点付近に乗せながらピッキングをする、パームミュートを表しています。
P.M.は海外のタブ譜に多い表記で、日本ではブリッジミュート(B.M.)や、単にミュート(M/mute)と表記されているのが一般的です。
アルファベットではなく、スタッカート記号でのみ表記されていることもあります。
P.M.は音の伸びがなくなり、短く途切れた重みのある音が特徴で、ハードロックやヘヴィメタルなどのジャンルでは必須のテクニックです。
メタル界の大御所と言われるMetallica(メタリカ)の「Master of Puppets」のイントロでは、ダウンピッキングのみの高速P.M.が聴けます。
P.H.
「P.H.」はピッキング・ハーモニクスを表しており、フレット番号の上に表記されます。
ピッキング・ハーモニクスは、押さえているフレットよりも高い金属的な音を出すテクニックです。
ピックと親指の側面を同時に弦に触れるようにダウンピッキングすると、ピッキング・ハーモニクスが鳴ります。
初心者には少し難しいテクニックかも知れませんが、ピックを深めに持ち、親指をこするようにダウンピッキングするのが上手く音を出すコツです。
倍音成分を維持するために、ピッキング・ハーモニクスが鳴ったら、弦に触れた親指をすぐに離しましょう。
まとめ
五線譜が読めなくてもギターが弾ける、タブ譜の読み方について解説してきました。
タブ譜が読めればすぐに曲の練習に入れるので、ぜひマスターしましょう。
なお、五線譜が読めればより音楽の幅も広がりますので、ギターを続けたい人は五線譜も少しずつ読めるようにしていくのがおすすめです。