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ギターのピック弾きをマスターする!正しい持ち方を写真付きで徹底解説
2024.08.23
ギター演奏では弦を押さえる手に意識が向きがちですが、ピックの使い方も非常に重要です。
「持ち方を変えたら弾けなかったフレーズが弾けるようになった」「持ち方ひとつで、音にハリが生まれて抜けがよくなった」など、ピックの持ち方はギタープレイにも影響が出ます。
ピックを正しく持てていないと、速いフレーズが弾けなかったりリズムキープが難しかったりするので、正しい持ち方を身に付けましょう。
この記事では、基本の持ち方からコツまでを写真付きで丁寧に解説します。
ギターを始めたばかりの方でも簡単にマスターできる内容になっていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
基本的な持ち方
ギターのピック弾きで最も重要なのは、できるだけ力を抜いて持つこと。
ギターの練習課題にピッキングが取り上げられることも多くありますが、まずは正しいピックの持ち方を習得していることが肝心です。
安定して弦を弾けるよう、基本の持ち方を3ステップでまとめました。
1.人差し指を軽く曲げる
2.人差し指の第一関節より先のほうにピックを乗せる
3.ピックの先端が親指の角度に対して直角になるように調整
親指と人差し指でつまんだり強く握ったりするのではなく、人差し指に乗せて親指を軽く添える感覚でピックを持ちましょう。
握る強さは「ぐらぐら」が目安
ピックは力を入れて握ると柔軟なピッキングが難しくなり、速いフレーズを弾くのが困難になります。
ピッキング時にピックを弾き飛ばさない程度に、ほどよく脱力してピックを握りましょう。
ピックを握った状態で先端を左右に動かして、抵抗なく動く程度が握る強さの目安です。
また、ピックを握る強さによって音が変わり、力を入れないほど柔らかな音、逆に力を入れれば入れるほど硬く荒い音になります。
人差し指・親指以外の扱い
ピックを握る人差し指と親指以外の指の形は、主に2通りあります。
自分のプレイスタイルや好みによって、好きな形を選びましょう。
クローズ(軽く握る)
クローズは中指・薬指・小指を軽く握る形で、アタック感の強い音を出しやすいのがメリットです。
手がピッキングと連動するためスピードを出しやすく、手の重さを利用して振り下ろしやすいので、コードストロークやカッティングに向いています。
オープン(自然に伸ばす)
オープンは中指・薬指・小指を自然に伸ばした形です。
小指や薬指がギターのボディに触れ、手全体を安定させやすいメリットがあります。
小指や薬指を常にボディに固定させるギタリストもいますが、手の動かせる幅が限られるため、やや上級者向けの形です。
単音やパワーコードを弾くときはオープン、スピードが求められるカッティングはクローズと、ピックの握る形を使い分けるのもいいかもしれませんね。
持つ部分による音の違い
ギターを弾くときに、ピックの持つ部分によって音は変わります。
ピックをマスターするためには、どこを持つかも意識してみましょう。
上のほうを持つ
ピックの上を持つとピックの面積が広く、ピックの動く幅が大きいのが特徴です。
弦への抵抗が小さいため、柔らかいサウンドを出しやすくなります。
一回のストロークで複数の弦を弾きやすく、コードストロークやカッティングなどの手首を大きく動かすピッキングに有効です。
下のほうを持つ
ピックの下のほうを持てばピックの動く幅が狭くなり、ピッキングの力がよりダイレクトに弦へ伝わります。
ピックの動く幅が狭くなると弦に力を吸収されにくくなるため、速弾きなどの速いフレーズが弾きやすくなります。
ピッキングを細かくコントロールしたい演奏に適していますが、ピックの下のほうを持つ分、指が弦に当たらないように注意しましょう。
速いフレーズが弾きづらいなと感じたら、ピックの持ち方や持つ位置などの弾き方を見直してみてください。
ピックの形状や厚さ・素材ごとの違い
ここからは「ピック」そのものについてですが、さまざまな種類があります。
いろいろなタイプに触れて、自分に合うピックを探してみるのがおすすめです。
形状の違い
ピックの形状は、大きく4種類に分けられます。
涙のしずくのような形をした、最もポピュラーなピックです。
トライアングル型よりも小さなサイズで小回りが利くので、単音弾きに向いています。
軽い力で弦に引っかかりにくく、初心者も安心してピッキングできるでしょう。
■トライアングル型
通称おにぎり形とも呼ばれ、正三角形に近い形をしたピックです。
ティアドロップ型よりも大きなサイズのものが多く、コード弾きやカッティングなどストローク弾きに適しています。
トライアングル型は3つの角、どこを使っても同じ感覚で弾けて、寿命が長いのも嬉しいポイント。
ギターボーカルやアコースティックギターにもおすすめのピックです。
■ジャズ型
ティアドロップ型よりも先端をさらに細くし、サイズを小型化したもの。
ティアドロップよりもスムーズなピッキングができるため、ジャズのほかにもハードロックやヘヴィメタルのギタリストにも使用されています。
速弾きや難易度の高いテクニックをこなす、テクニカル系ギタリストの愛用者も多いピックです。
■サムピック型
サム(親指)にはめて使用するピックで、フィンガーピッキングで低音を出すために利用します。
音がはっきりと出るので指で弾くよりも音量が大きく、エッジの効いた低音を出せます。
エレキギターで使用することもありますが、サムピック型は主にアコギ用と覚えましょう。
厚さの違い
ピックの厚さによって、ピッキング時のレスポンス(音の立ち上がりの速さ)が変わります。
アコギの演奏では、ピックの厚さがサウンドに大きく影響します。
Thin(シン)は厚みが0.5mm前後のピックで、メーカーによってはSoft(ソフト)です。
高音が出しやすく軽い印象の音で、単音弾きよりもストローク弾きに適しています。
ピックが薄くよくしなるため、ピッキング時のレスポンスは遅めで、アタック感も弱めな特徴です。
■Medium(約0.7mm)
Medium(ミディアム)は0.7mm程度の厚みで、アコースティックギターで最もよく使われています。
Thinよりも中音やアタック感が出やすく扱いやすいので、初心者にもおすすめですよ。
ほどよくしなるため、コードストロークやカッティング、単音弾きなど幅広いピッキングに対応したバランスのよい厚みです。
■Heavy(約1mm)
厚さ1mm程度のHeavy(ヘヴィ)は力を入れないとしならない硬さのため、速いフレーズを弾くのに向いています。
ThinやMediumに比べて中・低音を出しやすく、ロックやヘヴィメタルなどで活躍しています。
弾き語りやハードストロークの演奏に使ってみましょう。
また、アコースティックギターでパーカッシブなカッティングをする場合もHeavyが使われ、エレキギター以上にピックの厚みが音に反映されるのが特徴です。
■Extra Heavy(約1.15mm~)
Extra Heavy(エクストラ・ヘヴィ)は、1.15mm以上の厚みがあるピックで、全くしならないほどの硬さがあります。
アタック感の強さと低音がほどよく出る、力強いサウンドが特徴です。
ピッキングのレスポンスに優れているため、速いフレーズの演奏に適しています。
ピッキングの強弱がそのまま音に表れるので、上級者向けの厚さかもしれません。
素材の違い
最後は、ギターピックの素材について。
見た目では素材の違いがわかりにくいため、いろいろな素材を試してみると自分に合うピックを見つけられるでしょう。
最も多くのギタリストに使われている定番のピックで、柔軟性があり使いやすい素材です。
しなりやすい素材のため、ピッキングの際に弦が自然な振動となり、まろやかな音色になります。
どのようなジャンルの演奏にも活躍するため、セルロイドを基準にほかの素材のピックを試してみましょう。
セルロイドは摩擦に弱く、削れやすいことには注意してください。
■ナイロン
柔らかめの素材で適度にしなるので、アタック感も弱めです。
ナイロンのピックは、セルロイドよりもマイルドな音に感じるでしょう。
水分で硬さが多少変化するので、湿度や手汗などによってサウンドの変化を楽しめるかもしれません。
■デルリン
デルリンは摩擦に強く、長期間の使用でも削れにくい耐久性があります。
滑らかなピッキングができ、輪郭のはっきりしたサウンドが特徴の素材です。
軽量で丈夫、熱に対しても強い素材で、気温や湿度など外部環境の影響を受けにくいため、ナイロンよりも品質が安定しています。
■ポリアセタール
音の性質はナイロンに似ていますが、ナイロンよりも環境の影響を受けにくい安定した素材です。
セルロイドと比べるとアタック感を表現しやすく、ハイ(高音)がきれいな明るい音を奏でます。
また、滑りにくい素材のため、安心して演奏に集中できるでしょう。
■メタル
メタルは金属製のピックで、材質にはアルミニウムやステンレス、ブラスなどのさまざまな種類があります。
金属からイメージが湧くように、アタック感のある硬めのサウンドです。
歪み系エフェクターに合いますが、樹脂製ピックに比べると重量があるため、速弾きには向いていません。
まとめ
■ピックは先端を左右に動かして、抵抗なく動く程度の強さで握る
■人差し指・親指以外は、軽く握るか自然に伸ばす
■ピックの上を持つとソフトな音、下を持てば硬いサウンドが出る
■ピックは形状や厚さなどの違いによって、サウンドが大きく変わる
弾きたいジャンルに適したピックを選び、自分に合ったピックの持ち方でギター演奏を楽しみましょう。