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ギターのメンテナンス方法教えて!必要なグッズと最適な頻度も紹介

2024.09.03

ギターのコンディションを保つには、定期的なメンテナンスが必要です。

今回は、初めてギターを手にした方でもわかりやすく、ギターメンテナンスの仕方やメンテナンスのグッズを紹介していきます。

ギターにメンテナンスはどうして必要なの?

楽器は生きているため、よいコンディションを保つためにメンテナンスが必要です。

木材と金属で構成されているギターは、湿度や気温など環境の影響を受けます。

メンテナンスを怠るとネックが反ってチューニング(調音)に影響がでたり、弦が錆びたりして演奏に支障をきたすことも。

特に弦は汗や湿気などによって劣化しやすく、音にも大きく影響するため、1~3ヶ月を目安に定期的な交換を行いましょう。

ギターを演奏していないときは、ネックへの負担を軽減してくれる「吊り下げ式のギタースタンド」を使用するのがおすすめです。

ギターのメンテナンスに必要なグッズ

ギターのメンテナンスには、以下のグッズがあると便利です。

道具を使うにあたって、ギターの塗装によっては相性がよくないものもあるため、使用前に必ず確認を行ってください。

ポリッシュ

ポリッシュはギターのボディを磨いて光沢を出すアイテムです。

ギターの塗装に合わせてポリッシュにも種類があるため、必ずギターの塗装に対応したポリッシュを選んでください。

ポリッシュを適量ギタークロスに塗布し、ボディやヘッド、ネック裏など汚れの気になる箇所を拭き上げていきます。

ポリッシュをボディに直接つけると塗装を傷めることがあるので、必ず適量をギタークロスなど柔らかい繊維に塗布し、磨くようにしましょう。

オイル

オイルは指板のクリーニングや保湿に使います。

オイルには「指板の保湿をするもの」「指板の汚れを落とすもの」など種類があるため、必要な用途に合わせて準備しましょう。

特に、エボニーなどの塗装していない指板は汗や湿気などの影響を受けやすいですが、オイルも直接木材に作用するので、使いすぎに注意が必要です。

クリーナー

クリーナーは弦の汚れを落としたり、弦を錆から守ったりする保護効果のあるアイテムです。

演奏を終えたらクロスで弦を乾拭きし、汗や汚れをしっかり落とすだけでも弦は長持ちします。

ほかにも、弦の滑りを滑らかにして運指をしやすくする潤滑剤もあるので、弾きやすくしたい場合は使用してみるのもおすすめです。

クロス

クロスはボディや指板の汚れを落としたり、ポリッシュやクリーナーを塗布したりするのに使用します。

ポリッシュやクリーナーごとにクロスを用意し、ポリッシュやクリーナーが混ざらないように別けて使用します。

一度に大量のポリッシュやオイルを使うとボディや指板を傷める原因にもなるため、1、2滴をクロスに塗布して少しずつギターをケアしていきましょう。

チューナー

チューナーは弦が基準の音になるよう、調音を行うためのアイテムです。

弦を張り替えたあとや演奏の前にチューナーを使用して調音を行います。

ギターの弦は演奏や気温・湿度などによって簡単に狂いが生じるため、頻繁にチューナーを使用する必要があります。

ネットでもギターの基準音が聴けますが、より正確な調音をするためにもチューナーは用意しておきましょう。

ギターのメンテナンスの方法は?

ギターのメンテナンス方法について、部位ごとに解説していきます。

ボディのメンテナンス

ギターのボディ塗装によって使えるポリッシュやメンテナンス方法が異なります。

■ポリウレタンやポリエステル

ポリウレタンは最も多くのギターに採用されている塗装で、ポリエステルはおもに廉価な量産モデルに多く採用されている塗装です。

どちらも表面にツルツルした触覚と艶があるのが特徴で、たいていの市販ポリッシュが使えます。

ボディの汚れをクロスなどで落としたあと、クロスに適量ポリッシュを塗布し、ボディを磨いていきましょう。

ポリウレタンやポリエステルは塗装面に厚みがありますが、塗装面に細かな傷ができないようできるだけ優しく磨いていきます。

■ラッカー

高級なギターに採用されている塗装で、ラッカーやニトロセルロースラッカーという名称で表記されています。

独特の艶がありますが、塗装面が薄いため手入れには最善の注意が必要です。

ラッカーに対応していないポリッシュを使用すると塗装面を傷めたり、塗装を落としたりするので、必ずラッカーに対応したポリッシュを選びましょう。

ラッカー塗装は、石油系のポリッシュや材質のものに反応して塗装に変化が起きます。

ポリッシュに限らず、普段ギターを立てかけるスタンドもラッカー対応のものを選びましょう。

■オイルフィニッシュ

木材にオイルを染み込ませて乾燥させたタイプで独特の質感がありますが、塗装面がとても薄く摩擦に弱い特徴があります。

オイルフィニッシュはオイルワックスを塗り、塗装面を摩擦から保護していきます。

オイルフィニッシュの性質上、塗装面の摩耗は避けられませんが、オイルワックスで摩耗の進行を緩やかにするイメージです。

指板のメンテナンス

指板のメンテナンスは、弦交換の際に忘れずに行いましょう。

まずはクロスに指板用クリーナーを塗布し、汚れを浮かす程度の力で優しく指板を磨いていきます。

汚れが落ちたら、乾いたクロスでクリーナーを落とし、風通しのよい場所で乾燥させましょう。

塗装されていないローズウッドやエボニーの指板は、クリーナーで汚れを落としたあとクロスに指板用オイルを塗布し、薄く指板に塗って乾燥させます。

指板が塗装されているメイプルはオイル工程は不要です。

オイルが乾燥したら弦を張り、チューナーで音のチューニングを行って指板のメンテナンス作業は完了です。

フレットのメンテナンス

フレットのメンテナンスは手軽にフレットの汚れが落とせる、「フレットバター」を使うのがおすすめです。

弦を外した状態でフレットバターをフレットに塗り、クロスなど乾いた布で拭き取るだけで作業が終わります。

フレットバターだけでもフレットに艶が戻りますが、よりフレットをピカピカにしたい場合は、フレット用の研磨剤を使い磨き込みましょう。

フレットを研磨剤で磨く場合は、指板をマスキングし研磨剤が指板につかないようにします。

フレットを磨き終わったらクロスなどで研磨剤や汚れを拭き取り、マスキングテープをはがし、弦を張ってチューニングを行いましょう。

古いギターは指板の塗装も一緒にはがれることがあるため、慎重にマスキングテープをはがしていきましょう。

弦のメンテナンス方法

弦のメンテナンスは、まずは乾いたクロスで弦を乾拭きし、おおまかに汚れを落とします。

クロスを軽く弦に当てながら、弦の方向にそって水平にクロスを動かして汚れを落としましょう。

ナット部(弦の端)を拭く際は、ナットを欠けさせないよう優しく拭き上げてください。

弦の表面だけでなく裏面も乾拭きが終わったら、弦用のクリーナーをクロスに塗布し、弦を軽く磨いていきます。

クリーナーには汚れや汗を落とす効果があるほか、弦の滑りもよくなります。

クリーナーで汚れを落としたら弦を乾燥させ、チューニングを行いましょう。

ギターのメンテナンスの頻度は?

ギターのメンテナンスの頻度は部位によって異なります。

頻度は部位によって異なる

■ボディ

ボディの手が触れた部分に指紋やくすみが発生するため、演奏するたびに拭き上げてピカピカにしておくのがおすすめです。

特に気温の高い日は汗がギターに付着し、塗装に影響を及ぼすこともあるので、演奏が終わったら汗や汚れを落としましょう。

スタンドに立てかけてある場合は、ギターを弾かなくても埃が自然と付着します。

ピックアップやブリッジに埃が付着すると掃除が大変になるため、週に数回程度しかギターを弾かない場合は、ハードケースなどの密閉したケースで保管するのがおすすめです。

■弦

弦は演奏し終わったらクロスで乾拭きを行い、週に1回程度はクリーナーで弦の汚れを落とし保護をします。

弦の張り替えは演奏の頻度によって異なりますが、週に2、3日程度演奏している方は、2ヶ月ごとに交換しましょう。

毎日数時間演奏をしている場合は、1ヶ月程度のサイクルでの交換がおすすめです。

交換の時期にならなくても、弾いていて音に違和感を覚えた場合や、錆が発生している場合はその都度交換を行いましょう。

■指板

指板は1~3ヶ月に1度くらいの頻度で、専用オイルを使ってメンテナンスを行います。

弦の張り替えと同時に指板のメンテナンスを行うのが楽です。

指板が乾燥するとひび割れの原因になるので、オイルを薄く満遍なく指板に塗り、指板をしっかり保湿しましょう。

まとめ

ギターの部位ごとのメンテナンス方法や頻度について解説してきました。

ギターは汗や湿度の影響を受けやすいので、定期的にギターのメンテナンスを行い、コンディションを保ちましょう。