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空間系エフェクターのリバーブ・ディレイ・エコーを徹底解説!
2024.08.20
ギターを弾きはじめると次は「奥行きのある音を出したい」「音に臨場感を増やしたい」と、向上心が湧いてくるものです。
そこで、おすすめの空間系エフェクターについて、基本や使い方の応用などを解説します。
目次
まずは空間系エフェクターを理解しよう
空間系エフェクターを使いこなすために、まずは基本を理解しましょう。
空間系エフェクターの役割
空間系エフェクターは、音に響きや奥行き感を加えるために使う機材です。
リバーブやエコー、ディレイの3種類があり、サウンドに空間的な広がりを持たせるのが大きな特徴です。
ギターで奏でる音の余韻や反響を作り出すことで、簡単に臨場感のある演奏を実現できます。
ギターを弾くときに空間系エフェクターを使う場合は、深くかけ過ぎないのがポイント。
薄くかけて、トンネル内で音を出したときのような響きや、山に向かって叫んだときの反復のようなサウンドを演出します。
空間系エフェクターを効果的に使うことで、曲に独自の雰囲気や魅力を加えられ、ギターの音作りが一層楽しくなるでしょう。
リバーブ・ディレイ・エコーの違い
空間系エフェクターには、リバーブ・エコー・ディレイがあるとお伝えしました。
それぞれの魅力を詳しく解説します。
リバーブ
リバーブは、音が反響する様子を再現するエフェクトです。
例えば、お風呂場で歌うと音が反響して普段よりも少し上手く聞こえますよね。
これに似た作用をもたらすリバーブは、音が周囲の物体や空間に反射し、複数回反響して生じる音響効果です。
リバーブには、金属板の振動を利用してリバーブ効果を作り出すプレートリバーブや、ばねを使ったアナログ感のあるスプリングリバーブなど、さまざまなタイプがあります。
ボーカルにリバーブを使ってより豊かな響きにしたり、ドラムに使ってライブ感を強めたり、曲全体にダイナミックな広がりを持たせられます。
ディレイ
ディレイは、音を一定時間遅らせて音の反復を作り出します。
山や谷で声や音が遅れて反響する「やまびこ」効果をイメージするとわかりやすいかもしれません。
空間系エフェクターのディレイ効果によって、音を遅らせることで音が重なり合って聞こえるため、メロディラインを多層的なサウンドに変えられます。
ディレイでは、以下2種類のツマミが重要です。
■TIME
返ってくる音のタイミングを調整
■FEED BACK
音を繰り返す回数を調整
返ってくる音の音量を調整するツマミがあるエフェクターもあり、より臨場感のある残響効果のサウンド作りを楽しめます。
エコー
エコーは、ディレイに分類される音の広がりです。
音源から出た音が壁や物体に反射し、反射音が原音とは明らかに区別できる状態で耳に届きます。
エコーを使用すると、音に空間の広がりや深みが加わるため、カラオケボックスでよく使われています。
曲の重要な部分にエコーと他のエフェクターを組み合わせて、強調させることが可能です。
エコーとリバーブを比べると、エコーの方が音の繰り返しが多いため、「長めのディレイ」のように表現される場合もあります。
ギターの演奏にエコーを利用して、曲のリズムやメロディに変化を与えられます。
空間系エフェクターは併用できる?
空間系エフェクターで3種類を解説しました。
それぞれの強みを活かして併用できるのか、気になるところです。
リバーブとディレイの併用は相性がいい
空間系エフェクターのなかで、リバーブとディレイの併用は効果的な組み合わせです。
それぞれが持つ特性を補完し合い、より立体的なサウンドを作り出せるでしょう。
リバーブとディレイを併用するときは、つなげる順番によってサウンドの雰囲気が変わります。
■リバーブを前に置く
■リバーブを後ろに置く
ディレイの音を少し濁らせられる
残響効果を強く表現できる
リバーブとディレイの併用は、さまざまなジャンルに対応しています。
そして、同じリバーブのエフェクターにもそれぞれの特徴があるため、使うエフェクターによってあなた独自のサウンドを奏でられます。
おすすめのリバーブ・ディレイの組み合わせ
空間系エフェクターのリバーブとディレイで、おすすめの組み合わせを2セット紹介します。
RV-6/BOSS(リバーブ)と
RE-202/BOSS(ディレイ)
■RV-6/BOSS(リバーブ)
音の響きや透明感が特徴で、エクスプレッション・ペダル(別売りのEV-30/BOSS)の接続によって、足元で残響をコントロールできます。
8種類のディレイモードで多彩なリバーブが搭載されているなか、ディレイと組み合わせた「+DELAYモード」が魅力です。E.LEVEL・TONE・TIMEのツマミで、簡単に音作りを楽しめます。
■RE-202/BOSS(ディレイ)
1974年に誕生した「RE-201/BOSS Space Echo」をオリジナルとして特性を再現しつつ、現代の音楽に必要な機能が備えられています。
構造による音色の変化やプリアンプ回路などの細部までこだわり、豊かな表現力が魅力です。オリジナルに搭載されているSPRING REVERBを継承しているため、リバーブエフェクターとの相性も問題ありません。
RV-500/BOSS(リバーブ)と
DD-500/BOSS(ディレイ)
■RV-500/BOSS(リバーブ)
エフェクターやアンプなどで有名なBOSSが自信をもっておすすめしている、最もパワフルかつハイクオリティなリバーブエフェクターです。
12モード・21タイプのリバーブで幅広い空間系効果を表現し、大型のグラフィックLCDで演奏性にも優れています。リバーブと同時使用できるディレイが独立内蔵されているため、ディレイエフェクターとの併用で相乗効果が生まれるでしょう。
■DD-500/BOSS(ディレイ)
高音質の実現と12種類のディレイによる表現力が魅力です。
バリエーション豊かな音作りを楽しみつつ、各ディレイタイプの配置や帯域の自由変更で、独自性のあるサウンドを奏でられます。
TAPEモードで、温もりのあるテープエコーの音も再現できます。
エフェクターを選ぶときのコツ
ここからは、実際に空間系エフェクターを選ぶときのコツを3つ紹介します。
好きなアーティストを参考にする
エフェクターを選ぶときは、好きなアーティストが使っている機材を参考にするのがおすすめです。
好きなアーティストを参考にしたエフェクターを使うと、より楽しく演奏できるでしょう。
アーティストが使っている機材を知るには、YouTubeや音楽雑誌などで機材紹介をチェックするのがおすすめの方法です。
プロと同じエフェクターは高額なこともあるため、似ている機材を探して購入します。
エフェクター選びでは、自分のなかで理想のサウンドを持っておく必要があります。
好きなアーティストの演奏を一つの軸にすると、演奏スタイルをイメージしやすくなるかもしれません。
また、好きなアーティストを参考にした機材は、ギターの練習でモチベーションの維持につながるでしょう。
自分の機材を持っていく
新しいエフェクターを試すときは、自分のギターやアンプなど、普段使用している機材を持参することが大切です。
実際の環境でどのように音が変わるかを把握できるため、購入後に後悔することがありません。
例えば、店内の試奏用アンプが普段使用しているアンプとは違う場合、エフェクターの音色も違うものに聞こえることがあります。
購入してから「自分の機材とは合わなかった」という失敗をしないために、機材を持ち込んで正確な音の確認をするのが大事です。
また、試奏のときには普段演奏する曲やフレーズを弾いてみることもおすすめです。
どのようなエフェクターが、自分の演奏スタイルに合っているかを見極められます。
店員や周囲のアドバイスを聞く
エフェクター選びで迷うときは、店員や周囲のアドバイスを聞いてみましょう。
楽器店の店員はエフェクターについての知識を持っており、プロフェッショナルな視点からのアドバイスを提供してくれます。
店員があなたのギタースタイルに合わせて、最適なエフェクターや組み合わせを提案してくれるため、安心して購入できるのが魅力です。
経験豊富な店員からアドバイスをもらうためにも、自分が奏でたい音のイメージを持つことが非常に重要です。
また、同じような機材を使っている先輩やバンドメンバーの意見も参考にして選びましょう。
周囲の意見を聞くと、自分では気が付かなかった視点や新しいアイデアを得られますね。
まとめ
今回は、空間系エフェクターの基本から応用まで解説しました。
ギターの音色に奥行きを持たせて、臨場感のあるサウンドを楽しみましょう。