2024.07.02
ギターシールドは、エレキギターとアンプやエフェクターをつなぐ必需品で、数多くの種類が販売されています。
今回は、「どんなギターシールドを選べばいいのか分からない」という方に向け、ギターシールドの選び方について解説していきます。
また、おすすめのメーカーも紹介していますので、ギターシールドを選ぶときの参考にしてみてください。
ギターシールドによって音質や耐久性が変わるので、演奏の質にも影響します。
ギターのピックアップを通して出てくる電気信号を、エフェクターやアンプに伝えるのがギターシールドの役割です。
構造や使われている素材、長さや劣化具合などにより音質に変化が生まれ、ギターシールドによって耐久性も異なるため、演奏の質に深く関わっています。
ギターシールドによって伝えやすい音の周波数が異なるため、別のものに変えると高音が強くなったと感じたり、低音が強調されたように感じたりします。
楽器店には数多くのギターシールドが置いてあるので「どんなケーブルがいいのか分からない」「どれがいいのか迷う」という方も多いのでは。
ギターシールドを選ぶ際に、最も重要なポイントが長さです。
長さ以外にも選ぶ際のポイントがいくつかあるので、順番に見ていきましょう。
ギターシールドを選ぶ上で重要なポイントが長さで、短すぎても長すぎても、演奏に支障が出ます。
短いとアンプやエフェクターからの距離が限られ、長すぎるとノイズ(雑音)が入り込むこともあります。
スタジオやステージなどで演奏する場合は、5mから7m程度、自宅などでの演奏がメインの場合は、3mが定番の長さです。
また、エフェクター同士を接続する場合は、パッチケーブルと呼ばれる10cmから20cm程度の短いものを選びましょう。
ギターシールドのプラグ形状は、ストレート型(S型)とL字型の2種類です。
ギターシールドの両端にプラグがついていますが、両方がストレート型やL字型のものもあれば、片方がストレート型、もう片方はL字型になっているタイプがあります。
ギターのジャック(ギターシールドの差し込み口)がついている位置によって、ストレート型かL字型を選ぶのがおすすめです。
レスポールなど、ジャックがボディの縁についているギターはL字型でもストレート型でも使えますが、L字型のほうがかさばりません。
また、ストラトキャスターなどボディ表面に斜めにジャックがあるギターでは、L字型の場合ギターシールドが浮いたような状態となります。
ギターシールドが演奏の邪魔になったり、取り回しにくくなったりするので、ストレート型がおすすめです。
予算が決まっている方は、価格帯でギターシールドを選ぶのがよいでしょう。
同じギターシールドでも、長さが長くなると価格も高くなります。
安いものは1,000円程度から買えますが、「とりあえずギターシールドがあればいい」という方向けの価格帯です。
定番の人気があるギターシールドが欲しいなら3,000円台~、より音質や耐久性にこだわりたいなら6,000円台~のものを選ぶのがおすすめです。
ギターシールドは使用を続けていくと劣化していく消耗品ですが、少しでも長く使っていきたい方は、耐久性が高い製品を選ぶのがおすすめです。
ギターシールドが柔らかいものは取り回しやすい反面、必要以上に曲がって断線しやすい傾向にあるので、耐久性を求めるなら硬い素材を使ったものを選びましょう。
ギターシールドの素材によって音のキャラクターも変わります。
素材だけを見てもどんな音が出るのかイメージがつかないので、購入店で試奏が可能なら試させてもらうか、店員にアドバイスをもらうとよいでしょう。
アドバイスをもらうときは、「高音を強調させたい」「低音までバランスよく出る音が欲しい」など、具体的に伝えると的確なアドバイスをもらいやすくなります。
ギターシールドなど、音楽関連でよく使用されているおすすめのケーブルメーカーを10社紹介していきます。
ギターシールド選びに迷ったら、今回紹介するメーカーの中から気になったものを選んでみてください。
CANARE(カナレ)は、神奈川県に本社を置くカナレ電気株式会社のブランドです。
カナレ電気株式会社は、音響機器や放送用のケーブル、コネクタで高いシェアをほこります。
価格の割に品質や耐久性が高く、音のバランスの取れた「PROFESSIONAL CABLE G03」は、プロ・アマチュアともに人気の高い定番のギターシールドです。
CUSTOM AUDIO JAPAN(CAJ)は、ギターサウンドシステムの構築を行い、世界的なミュージシャンからも信頼の厚いブランドです。
U2やAerosmithなど世界的なアーティストの機器製作を行ってきた、CUSTOM AUDIO ELECTRONICSの創始者、ボブ・ブラッドショー氏監修のもと、1998年に設立されました。
CAJの定番はプロ品質の「Legacy Cable」で、ギターケーブルをまとめてフックにかけられるケーブルマネージャーや、プラグの汚れを防ぐプラグキャップも付属しています。
Providence「プロビデンス」は、ギターケーブルのほか、ギターやエフェクターなども製造しているブランドです。
独自の構造や太めのプラグを採用し、演奏中に抜けるのを防ぐなど、独創的なアイデアを形にしています。
プロビデンスのギターケーブルは、さまざまな音楽ジャンルや演奏環境に合わせ、幅広いラインナップです。
Ex-pro(イーエクス・プロ)は、プロの使用を想定したギターケーブルの製造を行う日本のブランドです。
プロの使用にも耐えられるEx-proブランドのほか、ラインの見直しなど製造効率を図り、安価な製品の提供を行うOPREXブランドの2つがあります。
直径8mmの太いケーブルで、限りなく音の劣化を防ぐ「FA SERIES」が、プロ・アマチュア問わず高い評価を受けているEx-proの定番ギターケーブルです。
ZAOLLA(ザオラ)は、アメリカに拠点を構える、世界最高品質のケーブルの設計・製造を行っているメーカーです。
ZAOLLA Silverlineギターケーブルは、可能な限り原音の伝達を実現させるため、純銀導体が使用されています。
外部ノイズから保護するポリエチレンを絶縁体に採用、プロの使用でも十分に対応できるよう、コネクタには高耐久な日本のOyaide製のものが使われています。
Fender(フェンダー)は、ストラトキャスターやテレキャスターなど、ギターの定番を数多く生み出した、アメリカのメーカーです。
ギターケーブルの種類が豊富で、中には模様が施されたものもあり、音質にこだわる人や見た目のデザインにこだわる人など、さまざまな要望を満たしてくれます。
中でも、ノイズの発生をおさえる高品位なケーブルや、24K金メッキを採用したコネクタの「Deluxe Tweed Cable」は、音にこだわる人におすすめです。
VOX(ヴォックス)はギターやベース、アンプなどの製造を行うイギリスのメーカーです。
ビートルズをはじめ、数多くの世界的なアーティストがVOX製品を使用してきました。
オーディオマニア向けの素材を使い、ノイズをおさえる二重構造のシールドや、原音に忠実でクリアな音がVOX製ギターケーブルの特徴です。
東京に本社を置くヒビノ(ヒビノ株式会社)は、業務用音響機器や医療用映像システム、LEDディスプレイシステムなどの提供を行うメーカーです。
ヒビノのギターケーブルは、高い品質とお求めやすさを両立させた、コストパフォーマンスに優れています。
代表的な「FT-CABLE」は輪郭のはっきりしたクリアな音で、ギターケーブルには珍しい1年間の動作保証がついています。
CLASSIC PRO(クラシック・プロ)は、楽器や音楽関連機材、アクセサリーの販売を行うサウンドハウスが取り扱うブランドです。
CLASSIC PROのギターケーブルは、5mで1,000円程度と安価ながら、クセのない音が特徴で、プラグ先端には高級感のあるゴールドチップが採用されています。
少しでも安価にギターケーブルを手に入れたい方におすすめです。
BELDEN(ベルデン)は、高品質な機材や機器に対応するケーブルやコネクタ、光ファイバーなどの製造を行う、アメリカのグローバル企業です。
放送や音楽シーンなどプロ現場の愛用者も多く、プロからアマチュアまで世界的に高い評価を受けています。
BELDENのギターケーブルで人気があるのが、ノイズに強く力強い音が特徴の「8412」、高音域が伸びる「9778」です。
ギターシールドは、使用を続けていると酸化などの影響により、中の導線が劣化していく消耗品です。
そのため定期的に交換する必要がありますが、耐久性や保管方法を意識すると、より長く使えます。
なお、「ノイズが出るようになった」「音が薄くなったように感じる」ときは、交換時期になっている可能性があります。
音が出続ける限り、ギターケーブルを使い続けることは可能ですが、古くなってくるとノイズが乗りやすくなったり、突然音が出なくなったりすることがあります。
ギターシールドは中に細かな導線が入っており、抜き差しや曲げをくり返していると、導線が断線しノイズの原因となることも。
ギターケーブルの使用頻度や保存方法によっても寿命が変わってきますが、3年から5年を目処に交換するのがおすすめです。
特に、ライブなどで使用する場合は、演奏中のトラブルを避けるためにも、消耗品と割り切って定期的に交換をしましょう。
ギターシールドに負担をかけにくく、解きやすい巻き方に「8の字巻き」があります。
YouTubeなどでもギターシールドの8の字巻きについて解説している動画があるので、参考にしてみてください。
また、直射日光と高温多湿を避けて保管しましょう。
梅雨時期は多湿になりやすいので、乾燥剤とともにギターケーブルをギターケースに入れ、気温や湿度変化が少ないよう保管するのもおすすめです。
ギターケーブルはギターの音質にも影響するため、別のものを使用すると音質の変化が楽しめます。
また、ノイズが大きくなってきたら交換時期の可能性があるので、新しいギターケーブルへの交換を検討してみてください。