2024.06.03
エフェクターに電源を供給する「パワーサプライ」は、エフェクターの使用になくてはならない機材です。
しかし、乾電池でも駆動するエフェクターもあるため、パワーサプライを使うメリットがわからなかったり、選び方に迷ったりする方も多いのではないでしょうか。
この記事では、パワーサプライの種類や特徴、選ぶ際のポイントについて詳しく解説していきます。
ほかにも、種類ごとにおすすめのパワーサプライを紹介しているので、購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
パワーサプライとは、複数のエフェクターに電源(パワー)を供給(サプライ)する機材のことです。
複数のエフェクターを使用する場合でも、使うコンセントの数が1つで済む便利な機材です。
似た機材にディストリビューターがありますが、ディストリビューターは接続するエフェクターの数や接続順によって、供給できる電力が変化します。
対してパワーサプライはエフェクターごとに電気を供給できるため、複数のエフェクターを接続しても電力が変化しません。
エフェクターごとに電気を安定供給できるパワーサプライですが、タイプによって以下の3種類があります。
通常型とは、1つの電源供給回路(レギュレーター)を使って電気を分配し、複数のエフェクターに電気を供給するタイプのパワーサプライのことです。
使用上の注意点として、デジタルとアナログ両方のエフェクターを接続するとノイズ(雑音)が発生します。
デジタルとアナログ両方のエフェクターを使う場合は、後述のアイソレート型がおすすめです。
または、デジタルのエフェクターだけ電源を別にすると、ノイズの発生をおさえられます。
分岐型は、電源アダプターの電気をケーブルで分配するタイプです。
電気の分配をケーブルで行うので、狭い場所での使用や、スペースが確保できないエフェクトボードでも使用できます。
使用上の注意点として、ほかのタイプのようにレギュレーター(電圧を安定させるパーツ)がないので、電圧を一定に保つのが難しく、音質が安定しにくい面があります。
ケーブルで分配する単純構造なので、3つのタイプの中でも最も安価で、600円~1,000円程度で入手が可能です。
アイソレート型(独立型)は、分岐先ごとにレギュレーターが備わった、3タイプの中で最も安定した電気を供給できるパワーサプライです。
電気の供給口が独立しているため、デジタルとアナログのエフェクターを同時に使用しても、通常型のようにノイズが発生しません。
さらに、ノイズをおさえるフィルターや、電圧の変化をおさえる機能を備えたモデルも多く、より安定した電気を供給してくれます。
購入の前に確認したいポイントを紹介していきます。
よりご自身の環境に合ったパワーサプライが選べるよう、購入の前にチェックしてみてください。
多くのエフェクターは9Vで駆動しますが、中には12Vや18Vなど、9V以上の電圧でも駆動できるエフェクターがあります。
9V以外の電圧で電気を供給できるのが、変圧に対応したパワーサプライです。
パワーサプライによっては、電気の供給口ごとに電圧を調整できるモデルもあります。
なお、エフェクターにはそれぞれ使える電圧が決まっており、規定以上の電圧で駆動させると故障の原因になりますので、必ず指定された電圧で駆動させましょう。
パワーサプライには、バッテリーが内蔵したタイプと、内蔵していないタイプがあります。
バッテリー内蔵型は、数時間であればコンセントから電源を取らなくても使用でき、近くにコンセントがない場合や屋外でも使用が可能です。
使用のたびにコンセントに接続しなくていいので手軽に使えますが、経年によって内蔵バッテリーが劣化していきます。
屋外での使用を考えていないなら、経年劣化の影響が少ない、バッテリーが内蔵されていないモデルがおすすめです。
パワーサプライを選ぶ際には、供給できる電流容量を確認しましょう。
電流容量は「mA」で表され、使用するエフェクターの電流合計が範囲内に収まっている必要があります。
エフェクターの台数が3台を超える場合や、消費電流の多いエフェクターを使う場合は、1,000mA以上の電流容量のあるパワーサプライがおすすめです。
また、電流容量ギリギリの場合、エフェクターを入れ替えたときに容量が足りなくなることもあるので、余裕を持たせるようにしましょう。
最も一般的な通常型のパワーサプライです。
初心者でも扱いやすいモデルを3つ紹介していきます。
MAXON「PD01 パワーディストリビューター」は、同時に最大7台のエフェクターに安定した電源の供給ができます。
コンセントからの電源に入り込むノイズをおさえる設計で、合計で2,000mAまでの電流を供給可能です。
常に安定した電圧が供給されるので、電圧の変化によって起こる音質の変化がありません。
9V電源のエフェクターを最大で8台まで接続可能な、コンパクトサイズのパワーサプライです。
アナログ・デジタルの両方のエフェクターで使用できます。
電源から生じるノイズの発生をおさえ、クリーンな電源を供給するリニア方式を採用。
供給電圧が常に確認できる、デジタルボルテージメーターも搭載しています。
リチウムイオン電池を内蔵した、屋外でも使用できる通常型のパワーサプライです。
約3時間の充電で最大10時間の駆動ができるので、屋外ステージなど電源がない場所でも使用できます。(9V 100mAを5台使用時)
9V:2,000mA×8口、12V:1,000mAx1口、18と24V切り替えが可能な450mAx1口と、合計で10系統の接続口があり、さまざまなエフェクターに対応しています。
ケーブルで分配する分岐型のパワーサプライは、3タイプの中で最も安価です。
「PCS-20A」は、BOSS製エフェクターのTU-2やLS-2、NS-2を使用している人におすすめのパワーサプライです。
別売りのBOSS製アダプター「PSA-100」と、上記のエフェクターを接続すれば、最大で7台のエフェクターに電源供給できます。
ケーブルの全長は1mです。
同極性のエフェクターを最大で8台まで接続できる、分岐型のパワーサプライです。
ケーブルが柔らかめで長さにゆとりがあるので、エフェクトボードで使用する場合も取り回しに苦労しません。
より安価な分岐型パワーサプライを探している人におすすめなのが、MOOER「PDC-8A」です。
1,000円を切る価格(2024年12月現在)で販売されており、最大で8台のエフェクターに電源供給が可能です。
少しでも費用をおさえたい人、分岐型パワーサプライを試してみたい人は使用してみてください。
エフェクターごとに安定した電源が供給できる、アイソレート型のパワーサプライで、おすすめを3モデル紹介していきます。
デジタルとアナログのエフェクターを同時に使用する人や、ノイズをおさえたい人におすすめです。
9V~18Vまで3種類の異なる電源を供給できる、アイソレート型のパワーサプライです。
9Vで最大500mAの接続口が6つ、最大800mAで9V・12V・18Vに対応した接続口が2つ備わっています。
総電流容量は2,000mAとかなりゆとりがあり、高機能なデジタルエフェクターも使用可能です。
アイソレート型で、多くの接続口があるパワーサプライが欲しい人におすすめなのが、「Minimal Series Distro MKII Isolated」です。
500mAが4つ、250mAが2つ、80mAが4つと合計10もの接続口を備えています。
250mAのうち1つは電圧調整のノブが付いており、9~18Vの範囲で電圧が上げられます。
(18V使用時は最大125mA)
「Pedal Power X4」は、コンパクトサイズのアイソレート型パワーサプライを探している人におすすめです。
幅86mm×奥行き70mmと手のひらサイズで、重量も110gと軽量です。
最大500mAまで対応可能な9Vの接続口が4つ(同時使用は1Aまで)、最大400mAで12Vの接続口が1つ備わっています。
パワーサプライは、複数のエフェクターを使用する場合にあると便利な機材です。
パワーサプライには3種類があるので、使用エフェクターや演奏環境に合わせて選びましょう。