2025.10.07
DigOut連載とはー?
数多くの若手アーティストをサポートしてきたDigOutが、今知ってほしいと思う若手アーティストやイベントなどを、全国各地から見つけて紹介していきます!
vol.2は「冷たい夜に、ひとりぼっちの部屋に、寄りそうミュージック」をテーマに、懐かしくも新しい、ジャンルに縛られない自由な音楽を鳴らす。2023年結成、三軒茶屋発のアナタに寄りそう4ピースバンド・night roomersです。2年連続でTOKYO CALLINGにも出演している要注目のバンドです。
Curated by 遊津場
(Eggs公式キュレーター、AWA公式ユーザー、音楽ライター。若手邦ロックの分野に強く、RADIO CRAZYのANTENNA STAGE、閃光ライオット、十代白書などの公式レポを担当)
TOKYO CALLINGに2年連続出演と書きましたが、どれだけの方がこのバンドのことを知っているでしょうか。関東以外でのライブもまだやってないはずですし。今後このDigOutの連載に向けて、掲載アーティストの選定もしたりしているのですが、そのリストの中では群を抜いて”まだ売れていないバンド”かもしれません。ただ、まだ売れてないってことは、売れると思ってるので、2回目の掲載に持ってきました。
新人アーティストを漁っている2023年9月に私は出会ったのですが、その出会いとなった『夢側とアパート』が与えてくれた感動はいまだに聴くたびにあります。序盤から中盤にかけては、瞼にも気持ちにも何か重いものを抱えながら進んでいく歌が、ラスサビでは開眼し、大きな感情の開放感を持って届けられます。でもそれはただ声が大きくなったとか、衝動的になったとかではない、浮遊感の進化系のようなサウンド体験が味わえます。それが高揚感ってやつなのかな。
そこからしっかりサウンド面など進化を続け、少しずつ公式プレイリストインや、メディアでも扱われる機会も増えてきました。Lucky Fes出演をかけたオーディションでは最終選考まで残ったりもしました。あと地味にマネージャーのTikTokも人気。ハムスターが公式アンバサダーになったの?
独自の寄り添う夢遊感はそのままに、開けたポップチューンの『ビタープリン』や、疾走感のある『休日少年団』といった様々なタイプの曲もリリース。私が唯一見たライブはTOKYO CALLING2024での30分尺でしたが、45〜50分、ワンマンで見ても飽きないライブになっていると感じています。もちろんその見たライブも良かったです。
そして先月に新曲『Peace-祝福-』をリリース。野崎(Gt)が幼少期に暮らしていたアメリカでの経験が元になっており、そこには教会での日々もあるとのこと。それがこの曲の持つ神聖さや、誰かの幸せをひたすらに祈る愛に溢れたサウンドに繋がっています。表現力の高さに驚きますが、これまで出してきた楽曲を思えば通じているものも感じて、まさに彼らにしか出せない楽曲だと思います。
10月30日には下北沢近松にて自主企画も開催。そして12月には下北沢にて’25にも出演が決定しました。本当に”まだ売れていない”だけの彼らを追うのは今しかないです。