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エレキギターにエフェクターはマスト!初心者でもわかる基礎知識
2024.03.25
エレキギターに興味を持っている方や、始めたばかりの方は「エフェクターって何?」「エレキギターに必要?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、エフェクターの基礎知識や、エフェクターの種類を解説していきます。
エフェクターとエレキギターの関係
そもそもエフェクターとはどういう機材で、エレキギターを演奏する上でどんな役割を果たしているのでしょうか。
そもそもエフェクターとは?
エフェクターは、エレキギターとアンプの間につなぎ、音色に効果(エフェクト)を与える機材です。
エフェクターにはスイッチが付いており、演奏中はエフェクターを足元に置き、場面に合わせて足でON・OFFの切り替えを行うのが基本です。
エフェクターはエレキギターにどうして必要なの?
音を出すだけならエレキギターとアンプでできますが、エフェクターには以下のようなメリットがあります。
■ 音色の使い分けができる
エフェクターには様々な種類があります。ロックなら歪みの強いエフェクター、バラードなら歪みが少なく自然な音に近いエフェクターなど、曲に合わせた使い分けができます。
■ スイッチによって切り替えができる
スイッチ操作によって瞬時に音色の切り替えができるのもエフェクターの特徴です。
例えば、曲のイントロ部分はエフェクターをOFFに、サビの部分ではエフェクターをONにするなど、場面に応じて出す音に変化が付けられます。
エフェクターの種類とそれぞれのメリット
エフェクターには大きく分けて、2つのタイプがあります。
コンパクトエフェクター
1つのエフェクターに1つの効果が収められたエフェクターです。
メリットは以下のようになっています。
■ メリット1 サイズが小さくて軽い
コンパクトエフェクターという名前の通り、何と言ってもサイズが小さくて軽く持ち運びがしやすいのが特徴です。
例えば、長く愛されているブランドであるBOSS製のコンパクトエフェクターを見てみると、縦が約13cm、横幅が約7cmで、重さも400g前後。片手でラクラク持てます。
■ メリット2 ツマミを回すだけで簡単に音色が変化する
スイッチをONにしてツマミを回すだけで、簡単に音色の変化が楽しめます。
ギターの音を出しながら手軽に音作りが出来るのが、コンパクトエフェクターのメリットです。
■ メリット3 自分好みのエフェクターを選べる
コンパクトエフェクターは1つのエフェクターに対して1つの効果が搭載されています。
好みのエフェクターを選べるだけでなく、効果の違うエフェクターを増やしていけるので、1つ1つのエフェクターにこだわることができ、自分好みの音が作りやすいと言えるでしょう。
マルチエフェクター
1台の中に効果の異なるさまざまなエフェクターが詰め込まれたタイプです。
メリットは以下のようになっています。
■ メリット1 1台でいろいろなエフェクターが使える
コンパクトエフェクターで音作りをする場合、欲しい効果ごとにエフェクターを追加していく必要がありますが、マルチエフェクターなら1台でさまざまな音が作れます。
そのため、どんなエフェクターを購入すればいいのか悩む必要がありません。
■ メリット2 作った音を簡単に保存でき、呼び出せる
マルチエフェクターで作った音は、本体に簡単に保存できます。
作った音の呼び出しも簡単に行えるので、ギターとアンプに接続すれば、保存した音を呼び出すだけで速やかに演奏に入れます。
■ メリット3 練習用途に合っている
AUXやヘッドフォンなどの端子が付いているマルチエフェクターも多く販売されています。
ヘッドフォンを使い、音楽を再生しながら出音できるので、夜中や大きな音の出しにくい環境でもエレキギターの練習ができます。
エレキギターの音色はエフェクターの効果で変わる!
自分の出したい音色に近づけるためには、エフェクターを含めた音作りが重要になります。
エフェクターは大きく分けて「プリエフェクト」と「ポストエフェクト」に分けられます。
プリエフェクト
プリエフェクトは、音の方向性や性格を決めるエフェクターです。ロックみたいな音を作りたい、ブルースっぽい音にしたいなど、土台を作る役割があります。
■ 歪み系
歪み(ひずみ)系は、もともと真空管アンプを大音量で鳴らしたときに生まれた歪みを再現したエフェクターで、「オーバードライブ」や「ディストーション」、「ファズ」などがあります。
■ コンプレッサー
コンプレッサーは、ギターの音の粒(大きさ)を揃えるエフェクターです。
小さな音は大きく、大きな音は小さくして平均的にそろえてくれる効果があります。音が埋もれにくくなるので、バンドなど他の楽器と一緒に音を出す場合は重宝します。
しかし、エレキギターはピッキングの強弱によっても音色を作る面があるので、初心者にはハードルが高いかもしれません。
■ イコライザー
イコライザーには音の周波数を変化させて整える役割があります。
例えば「もう少し低音がほしい」「中音を強くさせたい」というときにイコライザーを使えば音の補正が可能です。
アンプだけでは納得いく音ができないと思ったら、イコライザーの導入を考えてみても良いでしょう。
■ フィルター系
フィルター系は一定の周波数をカットする役割で、代表的なエフェクターがワウです。
ワウにはONにしたら自動で効果が出るオートワウと、ペダルを踏んだときにだけ効果が出るワウペダルがあります。
ワウペダルは踏み込めば高音が強調され、ペダルを上げれば中・低音が強調された音になります。
ポストエフェクト
ポストエフェクトは、ギターの音に彩りを与えたり、味を加えたりして音に豊かさを与えるエフェクトです。
■ モジュレーション系
モジュレーション系は、音を揺らすタイプの効果を発生させるエフェクトです。エフェクターでは「コーラス」や「フランジャー」、「トレモロ」などが該当します。
■ ピッチ系
ピッチ系は音程(ピッチ)に効果のあるエフェクトで、「オクターバー」や「ピッチシフター」などがあります。
■ 残響系(空間系)
残響系は空間系と呼ばれることもあり、代表的なエフェクターに「ディレイ」や「リバーブ」があります。
エレキギターとエフェクターをつなごう
いよいよエフェクターをつなぎましょう。複数のエフェクターがある場合は、正しい順番で接続する必要があります。
なお、ケーブルは長くなればなるほど音質の劣化やノイズを拾いやすくなるため、エフェクター同士の接続には、15〜20センチ程度のパッチケーブルがおすすめです。
エフェクターのつなぐ位置に気をつけよう
エフェクターにはインプットとアウトプットがあり、インプットをギター側、アウトプットをアンプ側につなぎます。ギターから出た音がエフェクターの中に入り、エフェクターの中からアンプに向って音が流れていくイメージです。
エフェクターをつないでも音が出ない場合は、接続順番が間違っていないか、ギターとアンプの音量が上がっているかを確認してみてください。
アンプに近いエフェクターの効果が強く出る
入ってきた電気信号がエフェクターの中で加工され、次の接続先へと出ていくのがエフェクターの仕組みです。
歪み系の後に残響系が接続されていると、歪みの音に残響系が加えられ、逆に残響系の後に歪み系が接続していたら、残響音に歪みが加えられます。
ギターから見て接続順番が後になればなるほど、前に接続されたエフェクターの効果が増えていくため、アンプに近い方がよりエフェクターの効果が強く出るのです。
おすすめの接続順
エフェクターの順番に必ずこうしなければいけないという決まりはありませんが、おすすめの接続順は存在します。
ギターに近い方から順番に、
フィルター系(ワウなど)
ダイナミクス系(コンプレッサーなど)
歪み系(オーバードライブなど)
モジュレーション系(コーラス、リバーブなど)
空間系(ディレイ、フランジャーなど)
となっています。
例外として、ゲルマニウムトランジスタを使用したゲルマニウムファズ(歪み系)は、効果を最大限に発揮させるため、ギターの直後につなぎましょう。
まとめ
エレキギターの音色を変えてくれるエフェクターがあれば、曲に合わせた音を作ったり憧れのプロのような音を作ったりと、音作りの幅が生まれます。
エフェクターの知識に触れ、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
(画像はイメージです)