お酒に合うアルバム3選――Yesterday’s Gone/Lahai/Failure to Adapt

お酒に合うアルバム3選――Yesterday’s Gone/Lahai/Failure to Adapt

2025.05.16

1人でしっぽり飲みたい日も、仲間と賑やかに酔いたい日も。

お酒の味を引き立てるのは、決してグラスの中身だけじゃない。

音楽がそこに寄り添えば、その1杯が物語になる。

今回は「お酒に合うアルバム」というテーマで、お酒を飲む時間が豊かに彩られる珠玉のアルバムを3枚ご紹介します。

さて、今日はどんなシチュエーションで、どんなお酒を飲んで締めくくろうか。

 (執筆:高島 よしお)

『Yesterday’s Gone』/ Loyle Carner

『Yesterday’s Gone』は、都心の片隅でふと足を止めたときに感じる、柔らかな静けさのようなアルバムだと筆者は思う。

アスファルトの熱がまだ残る夕暮れ、喧騒が遠ざかるビルの谷間、そんな場所で聴こえてきそうな音。

都会にいながらも、そこからほんの少し距離を取るような感覚を与えてくれる。

ジャズやソウルのエッセンスを纏ったビートは主張しすぎず、ラップは語りかけるように自然で、景色や感情に溶け込む。

通り過ぎる車の音や、カフェのざわめきと重ねても違和感がなく、それでいて確かに自分だけの時間をつくってくれる。

騒がしさに疲れた心が、音楽を通して、呼吸を整えられるような一枚。

都市生活に寄り添いながらも、ほんの少しだけ高いところからその流れを見つめ直すような、静かな余白を持った作品だ。

そんな日のお酒は、心許せる仲間と飲むハイボールに決まってる。

筆者推奨の時間帯は夕方、まだ明るさを保ってくれている時間帯をオススメしたい。

『Lahai』/ Sanpha

まるで空気のように優しく、それでいて確かに心に触れてくる『Lahai』 は、今この瞬間を慈しみ、響いてくるサウンドのように感じる。

サウンドはジャンルを越え、電子音と生の楽器の繊細なバランスで紡がれており、その中を浮遊するようなボーカルは、言葉以上に感情に語りかけてくる。

そして、聴く者の内側をじわりと濡らしていく。

疾走するビートの裏に潜むやわらかな孤独、温もりに満ちた楽曲たち。

夜が深まるほどに、その美しさは輪郭を増していきそうだ。

耳元ではなく、スピーカーからの音に少しだけ身体を揺らしながら夜に溶けてみよう。

1人で身体を揺らしながら飲む、夜のお酒にはピッタリの1枚だろう。

今夜のいく末、舵取りはあなた自身だ。

筆者推奨の時間帯は夜、日を跨ぐギリギリの時間帯。身体を明日に渡したくなくなってしまうだろう。

『Failure to Adapt』/ Joe Daley

昼から飲みたいというあなたの声が聞こえてきた。そんなあなたに届けたいアルバムがここにある。

『Failure to Adapt』は、都市を抜け深呼吸ができるようなアルバムとなっている。

開放感のあるサウンドに、Joe Daleyの爽やかな声色は、日常の喧騒から一歩引いた場所へと誘う。

直線的でいて繊細なビートと突き抜ける爽快なメロディが重なり合い、聴く者に静かな余白と高揚感を提供してくれる。

都会の片隅で感じる孤独を、このアルバムを通し、音楽として丁寧に昇華させられるだろう。

開放感のある山や川。キャンプやBBQなどでは必須な1枚に仕上がっている。

是非、仲間と開放感のあるロケーションで良いお酒を楽しんでいただきたい。

筆者推奨の時間帯は朝からでも、お昼前でも構わない。とりあえず明日の予定を入れずに臨む、格好のいい遊び人ならわかるはず。

まとめ

日中、夕暮れ、夜のシチュエーションを推奨したが、音楽は自由が基本。お酒もそうだと筆者は思っている。

だから聴きたい時に音楽を聴き、飲みたい時に飲むお酒が格別なのは間違いない。

その手引きを少しでもできたなら執筆冥利に尽きる。私の好みに偏ってはいるが、今後も素敵な音楽を共有していく。

本記事は未成年の飲酒を推奨するものではない。

お酒は二十歳になってから、法律とルール、マナーを守って格好良くお酒を飲もう!

DigOut編集部のよしおでした!ではまた!

この記事を書いた人

執筆
高島よしお
1997年生まれ/東京都出身 趣味は「フィクション」と「散歩」 年間通して映画を平均400本観ます 音楽は平均1200時間聴きます