2025.04.07
音楽シーンにおいてSNSは、今や欠かせない存在となりました。アーティストとファンをリアルタイムにつなぐ手段として、多くのバンドがユニークな活用方法を展開し、距離を縮める工夫を凝らしています。
本記事では、新進気鋭バンドたちがSNSを活用して、ファンとどのようにコミュニケーションを取りながら注目を集めているのかを紹介します。
画像引用元:https://penthouse-tokyo.com/
シティソウルバンドPenthouseは、東京大学のバンドサークル出身の6人で結成された実力派グループ。洋楽をルーツに、日本語と英語を自在に操るソングライティング、ハスキーボイスの男女ツインヴォーカル、圧倒的な演奏力を武器に、都会的で洗練されたサウンドを展開しています。
2024年には、パシフィコ横浜での最大規模ワンマンライブ「Laundry」を開催したPenthouse。
このライブで彼らが取り入れたのが、Apple MusicやSpotify Premium会員向けの“セットリスト同時視聴”サービスです。
ライブ開催中に、観客と同時にセットリストを聴きながら、チャットでリアルタイムに盛り上がれるというもの。
遠方に住んでいたり、チケットが取れなかったりしたファンにとっても、まるでライブ会場にいるかのような一体感を味わえる新しい取り組みとして多くの音楽ファンの注目を集めました。
画像引用元:https://x.com/ppp_people1
PEOPLE 1は、YouTubeを起点に注目を集めたスリーピース・ポップバンド。結成当初はメンバーの姿やプロフィールを明かさず「謎のバンド」として話題になりましたが、現在はライブやMVにも積極的に登場。音楽的には、ロックからエレクトロニカまで幅広い影響を感じさせる先鋭的なスタイルが特徴です。
そんなPEOPLE 1のバンドメンバーであるDeuさんが公開したのが、活動開始の2019年から現在までの“バンド年表”。
この年表はグッズ制作の一環として作成されたそうで、これがファンの間で大反響を呼びました。
また、2024年の大晦日にSNSでシェアされたこともあり「大晦日にPEOPLE 1を振り返れて幸せ」といった反響もありました。
画像引用元:https://www.yangskinny.com/
2020年に結成された新進気鋭の4人組ロックバンドであるヤングスキニーは、TikTokを中心に一気にバズを巻き起こした注目株。そんな彼らが取り組んだのが、YouTubeチャンネルでの動画配信と連動したSNSキャンペーンです。
メンバーが開設したパチンコ・パチスロ企画動画に合わせて、「#バンドマンパチスロ部」のハッシュタグとともに感想やスクショを投稿すると、抽選でサイングッズが当たるという仕組み。
ファン参加型のこうした仕掛けは、ただ観る・聴くだけでなく「一緒に盛り上がる」体験へと昇華されており、SNS上での拡散力も高まりました。
画像引用元:https://odol.jp/biography/
2014年結成のodolは、ポストロックやオルタナティブの系譜を感じさせる洗練された音楽性と、企業・広告案件での楽曲提供でも知られるバンドです。
そんなodolがファンとの絆を深めているのが、公式Xでの「◯年前の今日は…」投稿シリーズ。
過去のリリースやライブの記念日を定期的に振り返ることで、長年のファンにとっては「この日からもう⚪︎年か」と感慨を持てる粋な演出になっています。
新曲リリースやライブの告知の中で、こうした“ファンと歴史を共有する”SNS活用法が見えるのも、優しさをテーマにした楽曲も多いodolらしいアプローチといえますね。
画像引用元:https://mrfantastic.jp/
2018年に結成された3人組ロックバンド・Mr.FanTastiC(通称ミスファン)は、歌い手として名高いメガテラ・ゼロを筆頭にした、圧倒的なライブパフォーマンスで注目を集めています。
ファンとの距離を縮める取り組みのひとつとして行われたのが、「ライブフォーメーションの事前告知」。
新規ファンが増えたタイミングにあわせ、公式Xにてメンバーの立ち位置を図解で投稿。これにより、推しメンバーの前方を狙って位置取りができるなど、ライブ体験の満足度を向上させています。
SNSやデジタル技術の発展により、バンドとファンの関係性はこれまで以上に多様で身近なものになっています。
ライブに行けない人でも一緒に音楽を楽しめる仕組みや、ちょっとした投稿にファンが喜びを感じられるような工夫など、細やかな気配りが“ファンとの距離感”を大きく変えています。
これからのバンドシーンは、音楽だけでなくファンに対して「どう届けるか」や「どうつながるか」がますます重要になっていきそうですね。