Interview

等身大の楽曲と爆発力のあるライブで彩る4ピースバンド「MOCKEN」 

2024.10.02

埼玉県越谷発の「MOCKEN」

どこか哀愁を思わせる等身大の歌詞が、永野元大(Vo/Gt)の歌声で情景を浮かべさせてくれる。

耳に残るギターフレーズを弾く横山竜之介(Gt)と、歪むベースラインでドライブ感を出す杉山涼(Ba)、パワフルに全体を支える宇佐美大二(Dr)のドラムがMOCKENのサウンドを作る。

インタビューをする中で、「バンド好きが好きにならないはずがない。」と感じた。

今回、そんな彼らのバンド活動や楽曲制作、機材のこだわりを聞いた。

左から

杉山涼(Ba)永野元大(Vo/Gt)宇佐美大二(Dr) 横山竜之介(Gt)

永野(Vo/Gt)が軸となって始動した「MOCKEN」

ーー結成した経緯は?

永野:僕が高校を卒業してすぐに軽音楽部以外でバンドをやろうとなった時に、宇佐美(Dr)の働いていたライブハウスにお世話になっていた時期があって、自分のバンドと宇佐美(Gt)と杉山(Ba)の組んでいたバンドの解散のタイミングが被ったんです。

永野:2人のバンドが解散した後、ライブのスケジュールに穴が空いてしまったので、僕のバックバンドのような形でライブを行ったのがMOCKENの始まりです。そこから紆余曲折あり、横山(Gt)が入りました(笑)

横山:後半雑(笑)

ーー永野さんが主体となっているバンドなんですね

永野:そうですね。僕主体でやらせてもらってます。

ーー結成してからどれくらいですか?

永野:今5年目で、今の体制になってからちょうど2年ぐらいですね。

ーー埼玉県越谷発と伺ってるんですが、ライブも基本埼玉なんでしょうか?

永野:ホームはずっと越谷なんですけど、最近は都内が多くて渋谷下北沢が多いです。

自分の楽曲にメンバーが新しいものを取り入れてくれる。

ーーMOCKENさんのバンドのコンセプトはありますか?

永野:ガチガチに決めてるわけじゃないんですけど、曲を書いてるのが僕なので、その時々にやりたいことをそのままやって、それを4人でどうやったらうまくいくかっていうのを突き詰めている感じです。

ーー作曲のこだわりはありますか?

永野:曲に関してはファンタジー気質なものあれば、物語系の曲だったりとか、僕の実体験丸出しの曲とかもあったりします。

永野:サウンドに関しては王道ギターロックの軸をみんなで持ちつつ、僕や竜之介(Gt)が好きな、ギターがカッコいいフレーズを取り入れたり、リズム隊の2人は音楽のルーツが全然違う部分もあるので、培ったものをベースにしながらも新しいものを取り入れてくれてますね。

永野の世界観と作詞作曲をベースにして、各メンバーがMOCKENというバンドのオリジナリティを楽曲に取り入れているようだ。

等身大の彼が作る楽曲は、人生の彩り

ーー各パートから見て永野さんの楽曲の良いところはなんでしょうか?

杉山:等身大の人間性がそのまま表現されているところですね。永野(Vo/Gt)の表現したいものを忠実にできるように気をかけてべースラインを作ってます。

宇佐美:今まで通ってきた道と違うことが多いので、「俺が通ってきた道だったらこういう表現方法」だけど「あ、これ全然真逆なんだ」とかいう機会が多くて。そのたびに考える機会があって勉強になるので、「人生の彩り」になってます。

横山:僕が思ったのは歌詞ですね。前のバンドで僕も半分ぐらい曲を作って歌詞も書いていましたが、前のバンドのボーカルの作ってくる歌詞がちょっとあんまり納得いかない時に「こうしたら?」って言っちゃう性格なんですけど、永野(Vo/Gt)の歌詞に言ったことは1回もないですね。

永野(Vo/Gt)の作る楽曲の世界観はメンバーからも絶大な信頼を得ている。

彼の作詞についてのタイミングや作詞方法など深掘りをしてみた。

子供の頃に分からなかったことが、今は分かるようになってたりする

ーー歌詞はどのようなタイミングでできるのでしょうか?

永野:時間がかかる時と、かからない時の差が結構激しいですね。実体験とかで、恋愛だったら恋愛の中で起きたこととか、バンド続けている中でなにか悔しいことがあったとか、そういう時は早く書き上げられるんですけど、でもそうじゃないことの方が圧倒的に多いです。

永野:物語を作っているようなタイミングは結構難しいんですよね。だいたい行き詰まった時は、映画を見たりして新しい作品に触れることもあるんですけど、子供の頃に見た映画が今になって観てみたら、当時分からなかったことが分かるようになったりとかが結構あったりします。そこからインプットを増やしてみて、メンバーに迷惑かけながらいつも書いてます(笑)

宇佐美:いつもレコーディングの最後の方にようやく出来上がるからね(笑)

永野:本当にごめんね(笑)

行き詰まりながらも妥協をせずに細部までこだわりを持って作詞をしているようだ。等身大の彼が描く物語には、無意識に自分を当てはめてしまう理由が、正直な彼との会話で分かった気がした。 

爆発力のあるライブ

ーーMOCKENのライブはどんな特徴がありますか?

横山:楽曲と比べると結構爆発力があると思います。ドーンって感じで音もデカいんですけど、お客さんや関係者含め、感想を聞くと「スカッとした」とか「なんか拳が上がっちゃう」みたいな。なので結構パンチはある方かなと思います。

横山:でも静かな曲だったり、ミドルテンポの曲も結構多いので、基軸は爆発力で、楽曲によって波があるのが自分たちの特徴だと思っています。たまに全部強い日とかもあるんですけど(笑)