Interview

ボーダーレスな音楽性でファンの心を掴む「Broken my toybox」

2024.08.28

ギターロックバンド「Broken my toybox」(通称:ブロークン)。

 

バンドサウンドという既存の枠にとらわれないスタイルを貫き、さまざまなジャンルの楽曲でファンを魅了し続けている。

2021年にオリジナル曲『Hello Halo -ReLight-』が、MBSドラマ特区『夢中さ、きみに。』のオープニングテーマに抜擢。
今年2月には彼らの飛躍の足がかりとなる1stミニアルバム『My Fantasia』をリリースし、多くのワンマンライブや対バン企画を成功させた。

 

さらなる活躍が期待される“ブロークン”にとっての「音楽」、そして「ライブ」とはなにか。彼らの自由で幅広い音楽性に迫った。

一度聞くと耳に残るメロディ!Broken my toyboxとは?

メンバーは写真左から、郷間直人(Ba.)、 藤井樹(Vo.&Gt.)、高田健太郎(Gt.)の3人。

 

結成当初はドラム担当も加えた4人編成だったが、2023年よりドラムはサポートのひろぽん(supDr.)が参加する現体制へ移行。

東京のライブハウスを中心に、幅広く音楽活動を展開している。

原点は高校の軽音楽部

ーーバンドを結成した経緯を教えてください。
高田僕と郷間と、当時のドラム担当の3人が同じ高校の軽音楽部所属だったんですが、大学生になる時に『ちゃんとしたバンドを組んでみよう』という話になりまして。友人から藤井を紹介してもらいました。

 

ーーみなさん同い年なのですか?
藤井:僕と高田は同い年で、郷間が1個上ですね。なので年齢の垣根なく活動できていると思います。上下関係の有無については(郷間に)確認は取ってないですけど(笑)
高田:今更、大人になっても垣根ないのやばいよね(笑)

バンドのコンセプトは「Broken」

ーーバンドのコンセプトはなんでしょう?
藤井:バンド名にもある“Broken”をコンセプトとして掲げています。ギターロックバンドの形式にとらわれないで、ロックだけじゃなく、いろんなジャンルの音楽を取り入れていきたいという思いがあるんです。

このギターだから作れる曲を、このベースでしか生み出せないメロディを作っていく。僕らだからこそできる音楽をやっていこうと。自由で型にはまらない“Broken”という、ひとつのジャンルを確立し、そのスタイルを貫いているんです。

アーティスト人生のそれぞれのルーツ

ーーコンセプトのお話を聞いて、よりメンバーそれぞれの音楽的価値観が気になりました。みなさんの音楽のルーツをお聞かせください。
藤井:僕の原点は松任谷由実さんでしたね。日本のアーティストたちが松任谷さんの楽曲をカバーしたアルバムを聴いていて、椎名林檎さんが参加されていたんです。

当時、5歳(!)だった僕は、『なんだこの人は!?』と衝撃を受けて、翌年には彼女の代表曲『歌舞伎町の女王』を歌っているぐらいでした。

 

ーー高田さんの音楽のルーツもぜひ教えてください。
高田:僕が1番影響を受けたのが、伝説のロックンロールバンド『THEE MICHELLE GUN ELEPHANT』のギタリスト・アベフトシさん。

バンドとしてのラストライブで、アベさんは演奏しながらギターの弦を切りまくったんですよ。ただ、弦を切るんだけど、無表情で前だけを見ながら弾いている。その姿が、今に至るまでずっと心に残っていますね。

 

ーー郷間さんはどうでしょう?
郷間:洋楽の『GREEN DAY』、『The Offspring』ですね。邦楽だと『ELLEGARDEN』、『the band apart』、『[Alexandros]』みたいな“テクい”ことをしつつ、英語で歌ってるバンドが好きですね。
高田:大学生の時に、夜行バスで[Alexandros]のライブを観に行ったよね。ふたりとも、ライブが始まる前に疲れて意気消沈した記憶があります(笑)

ライブは音を通じたコミュニケーション

主に東京のライブハウスで活動するBroken my toybox。
そのシーンにおいて、歴代のバンドから脈々と受け継がれる音楽性やマインドが存在する。

今の彼らは、どのようなアプローチで会場に集まったファンに音楽を届けているのだろうか。

「主張」から「提示」へ

ーーライブにはどんなこだわりを持って臨んでいるのですか?
藤井:以前は『俺たちの声、聴いてくれよ』って感じで、お客さんのことを考えずに、僕らの音楽を一方通行で伝えてしまっていました。今は、お客さんが『楽しかったな』『感傷的な気持ちになれたな』『グッときたな』とそれぞれの自由な楽しみ方ができるように心がけています。
郷間:前より音を通してコミュニケーションを取るようになったよね。
藤井:以前は演説みたいだった・・・。
高田:そうだったね。

3人の「楽器への美学」

ーー藤井さんはギターボーカルとしてこだわりはありますか?
藤井:最近、ギターを弾かないピンボーカルで歌う機会が増えてきまして。この前のワンマンで久々にギターを弾きながら歌う曲を披露したら『あれ、こんな難しかったっけ!?』となりました。

弾いていて楽しくなるように工夫をしてはいるんですけど。歌うのと同時に弾くフレーズを作っていない過去の自分を恨んでいます(笑)

 

ーー高田さんのギターへのこだわりは?
高田:ギターイントロですね。BUMP OF CHICKENの『天体観測』の特徴的なイントロがわかりやすいかと思うのですが、ギターイントロは楽曲の中でサビに次ぐ第2の顔だと思うんですよ。

すぐに口ずさめるフレーズだったり、『今の何?』って巻き戻してくれるようなリフレインにしたいなと。イントロにかける想いはかなり強いし、逆に歌と一緒のギターパートでは脇役に徹したい、というのも僕の美学ですね。

 

ーー郷間さんはいかがでしょうか?
郷間:とにかく“支える”ことを意識しています。ライブ中にお客さんに対して、楽曲のリズムを提示することが僕らリズム隊の役目だと思っているので、そこをしっかり心がけながらフレーズや音を出していますね。