自分たちの音を追求し、2020年代の音楽を作る。3人組ロックバンド「pavilion」

様々な時代の音楽を感じるロックサウンドと、真っ直ぐな森夏月(Vo/Gt)の歌声が魅力の「pavilion」

5年間の活動の間に数多くの楽曲を制作しており、2024年9月には3rd EP「Cues」をリリースし、都内ライブハウスを中心に圧倒的なパフォーマンスでインパクトを残している。

今回は11月23日(土)に開催された「四季 -momiji-」のライブ後にインタビューを行い、熱量をそのままに楽曲制作への想いやパフォーマンスを支える機材へのこだわりを聞いた。

大学で出会い、今でも精神安定剤のような存在

左から 山本尚之(Gt) 森夏月(Vo/Gt) 佐藤康平(Ba)

――「pavilion」を結成した経緯は?

森(Vo/Gt):

出会ったのは大学の音楽サークルです。全員1999年生まれで同い年なんですけど、出身はバラバラです。最初はコピーバンドをしていたんですけど、2年生の始めに「自分たちの曲やりたいね」って話をしてオリジナル曲を作り始めた感じです。

山本(Gt):

僕は途中参加ですね。学食で話してスカウトされました(笑)

森(Vo/Gt):

カレー奢ってもらってね(笑)

――普段のメンバーの関係値はどうでしょうか?

森(Vo/Gt):

僕目線なんですけど、山本(Gt)はプライベートで遊びに行くというよりは大学で一緒にギターを弾いているような仲で、その関係値は心地よくて精神的な安定剤という感じです。佐藤(Ba)は大学時代からよく遊びに行く仲で、今でも変わらない関係値で、3人が3人ともなんでも話せるような仲ですね。

2020年代の音楽を作りたい

――「pavilion」のコンセプトはありますか?

佐藤(Ba):

「2020年代の音楽を作りたい」という気持ちで活動しています。

森(Vo/Gt):

学生時代に1990年代や2000年代の音楽をコピーしていたんですが「当時の音楽は当時の環境でしか鳴らせないな」と気付いて、次は2020年代に活動している自分たちが今の時代を代表する1つの音楽になれるように活動していきたいと思っています。

――アー写やMVの世界観が特徴的だなと感じたんですが、アイディアは「pavilion」の皆さんで作られているんでしょうか?

森(Vo/Gt):

映像をやっている友人にお願いしています。音楽の趣味が近いので、お互いに意見を出しあって制作しています。

変わり続ける楽曲の作り方

――作曲のこだわりはありますか?

森(Vo/Gt):

作曲は僕が楽曲のネタを披露して、メンバーも「いいね」となったらスタジオで拡げるというスタイルが軸です。今年の新譜の1曲は新しいやり方に挑戦してみて、山本(Gt)が持ってきたネタをバンド全員で作りました。作曲のやり方はこれからどんどん広げていきたいですね。

佐藤(Ba):

今の楽曲の9割はこのスタイルで、最初から完成している楽曲はないですね。

作詞はパズルのように

――作詞のこだわりはありますか?

森(Vo/Gt):

前提として語感の気持ちよさを大切にしています。メロディを口ずさんで、出てきたワードを並べてパズルみたいに組み合わせていって、ワードを合わせていくうちにメッセージ性も膨らませていく形です。

――面白い作詞方法ですね!

森(Vo/Gt):

そうですね。バンドで作詞をしている人は歌詞を先に作っていく人が多いと思うんですけど、自分はそれが苦手な部類なので羨ましいです(笑) ただ、自分たちのスタイル的にはこれがいいかなと思っています。

サウンドにこだわる「pavilion」の機材たち

感覚で選んでいった足元たち

森(Vo/Gt)

ギター:Gibson Les Paul Studio

森(Vo/Gt):

ギブソンのレスポールのStudioです。レスポールの音はそのままで普通のレスポールとは違った音が出せるので気に入っています。

使用機材

① BOSS / TU-3

② EARTHQUAKER DEVICES / Ghost Echo Reverb

③ BOSS / GE-7

④ Death By Audio / FUZZ WAR

⑤ FULLTONE / OBSESSIVE COMPULSIVE DRIVE

⑥ ARION / MTE-1

⑦ XOTIC / EP Booster

森(Vo/Gt):

特に気に入っているのはDeath By AudioのFUZZ WARですね。他のファズに比べると太い音がして気に入っています。OBSESSIVE COMPULSIVE DRIVEはメインの歪みで使用しています。機材は結構感覚派で「なんかいいな」と思って購入して、今はどの機材も板についてきている感じですね。

真似できないギターサウンドの秘密

山本(Gt)

ギター:FenderUSA Stratocaster

山本(Gt):

森から借りているものです。パーツを色々なところからとっていることで、純正のストラトでは出せない音がして気に入っています。

使用機材:

① BOSS / GE-7

② JIM DUNLOP / FFM2 Fuzz Face Mini Germanium

③ JHS Pedals / Emperor

④ CROWTHER AUDIO / Hotcake

⑤ Walrus Audio / Voyager 【WAL-VOY】

⑥ Boot-Leg / JBK-1.0

⑦ BOSS / OCTAVE OC-5

山本(Gt):

Walrus AudioのVoyager というオーバードライブっていうんですけど、プリアンプのような形で使っています。クリーンを作ってマーシャルのアンプと調整して出す独特な中域の音が気に入っています。HotcakeとコーラスのEmperorは好きでずっと使っています。

時代を選べるベースサウンド

佐藤(Ba)

ベース:FenderUSA Precision Bass

佐藤(Ba):

メインをリペアに出して今は初めて買ったプレベです。ボディがFenderJAPAN製でピックアップがFenderUSA製のものです。

使用機材:

① BOSS / GEB-7

② EARTHQUAKER DEVICES / Blumes

③ HAO / BASS LINER

④ Darkglass Electronics / Vintage Microtubes

⑤ FENDER / THE BENDS COMPRESSOR PEDAL

⑥ BOSS / TU3

佐藤(Ba):

DarkglassとHAOのBASS LINERの2つは常にかけていて、自分の音のメインになっています。Darkglassはゴリゴリのイメージがあるんですけど、このVintage Microtubesは真空管のような歪みが作れるようになっています。面白いのが「ERA」というノブで近代的とレトロの歪みを調整できるところが気に入っています。

ライブでの圧倒的パフォーマンス

――取材の前にライブを見させてもらったのですが、ジャンルやサウンドが今のバンドシーンには珍しく感じました。「pavilion」のサウンドはどのように出来上がったのでしょうか?

森(Vo/Gt):

メンバーそれぞれの音楽の趣味は違ったんですけど、活動していく内にメンバーの中で音楽のジャンルが近くなっていった感覚はありますね。最初は僕から聴いてほしい音楽を発信していたんですけど、今はみんなやりたい音楽でやっています。

――山本さんのギターリフやギターソロが特に目にとまりました!

山本(Gt):

ギターソロは特に大事にしてます。まだ自分のルーツの音楽を現代の音楽にアウトプットしている段階なんですけど、ギターソロは自分の個性を出しているイメージはあります。

森(Vo/Gt):

「pavilion」らしさの1つですね。僕も彼のギターが好きなので。

来年の制作期間に向けて

――1ヶ月で出演しているライブ数は多いですよね

森(Vo/Gt):

誘われたら基本出演するようにしています。2025年は制作に入る予定もあるので今は多くの人に自分たちのライブを見てもらえるように活動しています。

――3rdEPがリリースされていますが、来年は新譜リリースの予定はありますか?

森(Vo/Gt):

バンドとして音源をリリースしていくことが大事だと思っているので、感覚的には去年の6月にアルバムをリリースしてから今年までは「pavilion」の1期が終わって来年からは2期に突入するような感覚です。

常に新しくなる「pavilion」

――来年はもっと新しくなった「pavilion」が見れるのでしょうか?

森(Vo/Gt):

演奏している人間は同じですけど、僕らの中でもっと「自分らしさ」を出していきたいですね。

山本(Gt):

現在進行形で新しい音源をスタジオに持ってきているので、今まで積み上げてきたものはしっかり残して、新しい「pavilion」を形にしていきたいです。

自然体でお客さんとぶつかるライブ

――ライブのこだわりはありますか?

森(Vo/Gt):

最初は余裕のあるライブ姿を見せたいという気持ちがあったんですけど、活動している内に一生懸命口を開いて叫んでいるスタイルが自分自身楽しいし、自然体でお客さんとぶつかる方がいいなと思って、最近はライブに挑んでいますね。

山本(Gt):

僕は普段内向的なので、ライブでは日頃溜まっているものを出しています。普段溜めているものを表現している姿がインパクトのあるライブに繋がっているのかもしれません。

佐藤(Ba):

どんな環境でも自分たちの思う気持ちいい音を出せるように準備をしています。

これからも自分たちの音楽を洗練させていく

――「pavilion」の今後のビジョンはありますか?

森(Vo/Gt):

僕ら今は「絶対売れるぞ!」っていうバンドではないんですよ。その反対にあるのは自分たちの納得のいく音楽を作ったり、生活の一部として長く続けたり、そういう気持ちが今は強いです。なので、自分たちの納得のいく曲をもっともっと作って、洗練した形で音源を残していきたいです。

メンバーにとって「pavilion」とは

――自分たちにとって「pavilion」を一言でお願いします。

森(Vo/Gt):

「鏡」です。生きていて自分のことを見直すタイミングって誰にでもあると思うんですけど、僕の場合はライブで自分の本能を晒してそれを記録に残したり、自分の言葉や感情を形にして。それを自分でも見直して「俺ってこの時こんなこと考えていたんだな」って振り返ることが、自分の生活の中でとても大切な時間になっているので、これからも振り返って活動していこうと思っています。

山本(Gt):

「迷路」ですね。楽しくもあり、辛くもあるというか。ゴールは見えないけど、やりがいもあるという。でも、迷路って入っている時は楽しいじゃないですか。「どうなるんだろう」という不安が一生続いていくとは思うんですけど、一瞬一瞬心の底から「楽しい」という気持ちを持ってこれからも進んでいきたいと思います。

佐藤(Ba):

「公園」です。普段は社会人をやっているんですけど、何をやっても許されるというか、遊んでいるような感覚に近いんです。熱い気持ちがない訳ではなくて「みんなで面白いことしたいね」という感覚で活動をしているので、僕の中では人生の遊び場なのかなと思ってます。

「pavilion」ライブ情報

2025年1月23日(木)
chie presents
CMB
OPEN19:00/START19:30
ADV¥2,500-(+1Drink ¥600-)
【 ご予約 】
①LivePocket
https://t.livepocket.jp/e/kta60
②取り置き
chie.tokyoband@gmail.com
※お名前(フリガナ)と枚数を記載の上メールください。

チケットはこちらから >>

2025.2.15(Sat)
at. 心斎橋Pangea/ANIMA

“Hyper Luv Pop 2025”

🆕 Easycome
🆕 Qoodow
and more…

先行チケットはこちらから >>

” SYNCHRONICITY’25 ”
2025.4.12 – 4.13

[出演日]2025.4.12(土)
[公式HP]https://synchronicity.tv/festival/

pavilion

pavilion(読み:パビリオン)は、様々な時代の音楽を感じるロックサウンドと、真っ直ぐな森夏月(Vo/Gt)の歌声が魅力のロックバンド。デビュー以来、圧倒的なパフォーマンス力で注目を集めており、その音楽性の幅広さと感受性の豊かさで支持を広げている。
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