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ギタリストに最低限必要なこと!アコギのメンテナンス方法を紹介

2024.11.01

あなたのアコギは定期的にメンテナンスをしていますか?

メンテナンスをしないと正確な音が出ず修理が必要になるため、最低限するべきお手入れ方法をパーツごとに紹介します。

なぜ日々のお手入れが必要?

好きな曲を弾きたくてアコギを始めたものの、お手入れは面倒に感じることもあるでしょう。
しかし、ギターの練習と同時に定期的なメンテナンスも欠かせません。

楽器の寿命やパフォーマンスに与える影響

日々のお手入れは、ギターの寿命を延ばしたり、演奏のパフォーマンスを維持したりするために不可欠です。

木材がメイン材料のギターは、演奏中の汗や油分、保管中のほこりなどが蓄積して劣化を引き起こす原因となります。
特に、弦や指板に付着した汚れは音質に大きく影響するため、無視できません。

ギター演奏のパフォーマンスは、本体の素材やテクニックだけでなく、日常的なケアも関係しているのです。

メンテナンスをしないと、ネックの形が大きく変わったり、重要なパーツの消耗が進んで機能しなくなったりして、修理が必要になります。
せっかく購入したアコギを無駄にしないために、定期的なメンテナンスが非常に重要です。

弦のメンテナンス

それでは、実際にアコギのお手入れ方法を紹介します。
まずは、ギターで音を出すのに欠かせない弦のメンテナンス方法から見ていきましょう。

演奏後の弦のお手入れ方法

ギターを弾いたらそのまま収納せずに、お手入れしてから片付けましょう。
演奏後に弦を適切にケアすることで、クリアなサウンドを保ち、弦の寿命を延ばすことにつながります。

ギターの弦には手の汗や油分が付着するので、演奏後にそのままではサビや劣化が進んでしまいます。
特に湿気の多い環境ではサビやすく、弾いたまま放置しておくと、突然弦が切れてしまうかもしれません。

演奏後は、まず乾いた柔らかいクロスで弦全体を丁寧に拭きましょう。

拭くときには、指板専用クリーナーを使うのがおすすめです。
クロスにクリーナーを吹きかけ、弦と平行方向で優しく拭きます。

弦の寿命を延ばすためのポイント

ギターの弦は音を出すのに欠かせない存在であり、劣化を伴う消耗品です。
それでも、弦交換のコストを抑えるために、なるべく同じ弦を使いたいですよね。

弦の寿命を延ばすためには、サビを防ぐ効果のある指板潤滑剤を使いましょう。

潤滑成分が弦をコーティングして、汗やほこりなどの汚れが弦に直接触れるのを防ぎます。

弦を拭くときには、弦の上からだけでなく、弦とフレットの間にクロスを入れて裏側も丁寧にお手入れしましょう。

ギターの弦はどうしても劣化しますが、定期的なメンテナンスで清潔な状態に保つことで、弦の長持ちにつながります。

弦の交換時期の目安と交換方法

弦のメンテナンスをしていても、劣化したり切れたりして弦を交換するタイミングが訪れます。
演奏頻度や弦の種類などによって異なりますが、弦の交換目安時期は、1~2カ月です。

1カ月以上経っていない弦であっても、変色やサビが確認できたり、音に伸びが感じられなくなったりしたら交換が必要でしょう。

ギターの弦を交換するときは、ペグを回して弦を緩めてからニッパーで切って取り外します。
新しい弦の丸くなっている端をブリッジピンに通し、ペグで巻きつけます。

弦の交換にはニッパーやペグを回すストリングワインダーなどを用意して、1本ずつ丁寧に取り替えましょう。

ボディのメンテナンス

続いて、ボディのメンテナンスについてです。
アコギは気温や湿気などの影響を受けやすいため、エレキよりも日々のメンテナンスが重要です。

ボディの拭き方とポリッシュの使い方

アコギのボディは、見た目の美しさだけでなく、音質や耐久性にも影響を与える重要な部分です。

ボディのお手入れは、弦と同じように演奏後のクロス拭きが基本です。
演奏中に付着する汗やほこりなどは、放置しておくと塗装の劣化や木材の変色を引き起こします。

ボディのメンテナンスには、ポリッシュと呼ばれるクリーニング剤を使って拭くと、ピカピカに磨けるでしょう。

ポリッシュを使うことで、木材に適度な保護膜を作り、長期的にサウンドを安定させる効果も期待できます。

メンテナンス用のクロスは素材の違いでさまざまな種類がありますが、目の粗いマイクロファイバークロスがおすすめです。

大切なアコギが長持ちするように、ギターの裏側も丁寧にお手入れしましょう。

マットフィニッシュとグロスフィニッシュの違い

ギターのボディには、マットフィニッシュ(サテンフィニッシュ)とグロスフィニッシュによる2つの仕上げ方法があります。

■マットフィニッシュ
サラサラとしたツヤのない塗装
■グロスフィニッシュ
ツヤツヤとした光沢のある塗装

両者の大きな違いはツヤがあるかないかです。
手触りによってギターの弾き心地は変わり、それぞれの特性にふさわしいメンテナンスが求められます。

マットフィニッシュは、ツヤが抑えられた落ち着いた質感が特徴。
磨きすぎると光沢が出て、本来の魅力を損ねるため注意が必要です。

一方、グロスフィニッシュは見た目が美しく高級感がありますが、指紋や汚れが目立ちやすいため、ポリッシュを使って頻繁に拭きましょう。

指板の清掃と保湿のやり方

ギターの指板は、演奏中に最も多く触れる部分であり、特に汚れが蓄積しやすい場所です。
汚れを取るだけでなく、乾燥から守るために適切な保湿も欠かせません。

指板が割れてフレットを打ち直しする修理とならないよう、こまめに清掃しましょう。

指板のメンテナンスは、専用のレモンオイルやオレンジオイルなどで指板に潤いを与えます。
柑橘系の香りが苦手な方には、無香料の指板オイルがおすすめです。

指板は、弦を交換するタイミングで入念にお手入れしましょう。

指板の見た目が薄く感じられるときは、乾燥している合図です。
クロスにオイルを2~3滴染みこませて拭くと、溜まった汚れを落としつつ、ひび割れを防げます。

ネックとフレットのケア

そして、大切なアコギを長持ちさせるため、ギターのネックとフレットのケアも忘れてはいけません。
パーツごとのメンテナンスを覚えましょう。

ネックの状態確認とトラスロッドの調整

ネックも、気温や湿度などからの影響を受けるため目が離せません。
定期的にネックの状態を確認し、適切な調整を行うことが必要です。

ネックは、1フレットと12フレットを押さえて中間あたりにあるフレット頂点と弦の下部との隙間があるかで状態を確認します。

■順反り
フレットと弦の間に隙間できている
■逆反り
フレットと弦の間が狭い

ネックの反りを修正するためには、ネックに埋めこまれているトラスロッドを調整します。
ヘッド側から見て、順反りの場合は時計回り、逆反りのときは反時計回りに回しましょう。

トラスロッドを回しすぎると状態が悪化する場合もあるため、90度ずつくらいで調整してください。

フレットの磨き方と酸化を防ぐ方法

ギターのフレットは、正確な音程や演奏の滑らかさに直結する部分です。

特にフレットは金属製のため、長期間の使用によって酸化や摩耗が進行します。
傷んだフレットでは、ノイズを発生させるだけでなく、弦が引っかかってスムーズに弾けません。

フレットのメンテナンスには研磨剤を使いますが、研磨剤で指板を傷つけないように、必ずマスキングテープで保護してください。

力を入れすぎず、それぞれのフレットを均等に磨くことで、汚れや小さな傷を取れます。

研磨剤で落とせない大きな傷は、楽器専門店に相談しましょう。

フレットの酸化を防ぐためには、湿気の多い環境を避け、演奏後にフレットやネックのお手入れが重要です。

まとめ

■ギターのお手入れをしないと大きな修理につながる可能性がある
■演奏後には、クロスや専用クリーナーで弦の汚れを取ってから収納する
■ボディの塗装方法に合ったメンテナンスが必要
■フレットを磨くときは、マスキングテープで指板を保護する

面倒でも毎日お手入れすることで、アコギを良好な状態で保ち、クリアなサウンドを奏でられますよ。