Interview
京都発のロックバンド、ジャンル「RAINCOVER」を証明する。
2024.08.29
京都発ロックバンド「RAINCOVER」 。
彼らのライブに対する熱量や作曲についてのこだわり、今後のビジョンなどを聞いてみた。
(左から Dr.多響 Vo/Gt.辻出凌吾 Gt.コウタ Ba/Cho.ふじまさ)
出身も年齢も違う4人を京都の大学が繋げた。
ーーRAINCOVERさんの結成した経緯を教えてください
辻出:結成は元々大学が同じサークルでコピーバンドをやってたんですけど僕がオリジナルをやりたいなと。Gt.コウタは、後から加入ですね。前はもっとええギタリストおったんですけど。
コウタ:言わんでええねん。
辻出:(Gt.コウタなら)人生棒に振れそうやなって。前の方がギターはうまかったですね。
コウタ:なんてこと言うねん。まぁいつもこんな感じです(笑)
ーー全員同い年なんでしょうか?
コウタ:全員バラバラですね。Dr.多響とGt.コウタが25歳で、Vo/Gt.辻出が27歳です。
ふじまさ:僕が30歳です。
同じ京都の大学出身という繋がりから、出身地と年齢が異なるメンバーが結成に至ったようだ。
「京都が一番オモロい」と本気で思っているからこそ、京都で活動をしている。
ーーVo/Gt.辻出さんは出身が京都と伺ったのですが、京都で活動しているこだわりはありますか?
辻出:角立つかもしれないんですけど、京都が1番住みやすくて、安全で、面白い人がいて、飯が美味いって本気で思ってて、他府県の人より「オモロこいつ」って思う人が絶対京都のが多いんで、47都道府県総合ランキング1位って勝手に僕が思ってて。だから偉そうにやってます(笑)
ーーめちゃくちゃ行き過ぎてる地元愛みたいな?(笑)
辻出:そうです(笑)やり過ぎた地元愛(笑)
ーーGt.コウタさんも京都と伺ったんですが、やはり過激的な地元愛なんですか?(笑)
コウタ:彼だけです、過激な地元愛は(笑)それ(音楽の話)でいったら京都大作戦が宇治市で行われてるので、京都大作戦に憧れてるってのはありますね。
その他にも「京都の景色が好き」「京都人は少し接しずらい(笑)」などメンバーそれぞれが持っている京都への想いが、RAINCOVERの「京都発ロックバンド」を掲げている理由となっている。
人を救うことはできないけど、何かを踏み出すきっかけになる存在になりたい。
ーーRAINCOVERさんのバンドのコンセプトはありますか?
辻出:ライブですね。ライブに来てもらってセトリ通してRAINCOVERというライブを体感して欲しいし、直接的にその人をどうこうしてあげることはできないんですけど、その人が「明日も仕事頑張ろう」とか「明日は仕事休んじゃおう」とか、踏ん切りつかんかったものが、パッて踏み出せるようなバンドになりたいですね。
ーーライブでしか味わえない熱量を大切にされてるんですね
辻出:そうですね。僕らは色々なルーツがあって、各々好きなバンドも違うんですけど、ライブを見て、音楽を聴いて、「かっこいい」と思う瞬間は全員一緒で、それを踏襲させて「ハードコア」とか「パンク」というジャンルとかではなくて、ジャンル「RAINCOVER」に聴こえるようなライブがしたいですね。
僕が偉いわけでもなく、お客さんも偉い訳でもない関係でありたい
ーーライブに対してのこだわりはありますか?
辻出:僕個人は「よりフェアに行きたい」っていうのがあって。ありがたいことに出演料をいただいたり、お客さんからチケットを買ってもらってるんですけど、僕らも「お客様」と思わないし、お客さんからも「完璧なサービスをしてくれるバンド」と思って欲しくなくて。提供する側と払う側でフェアと思い合いたくて、「僕が偉いわけでもないし、お客さんも偉い訳でもない関係」。
ライブハウスの100人全員に向けてライブを披露するのではなく、その場にいる1人1人に向けてライブを届ける。それを「×100人」という形でパフォーマンスやMCを意識してライブを行っているようだ。ステージから音楽を通じてコミュニケーションをとって、フェアにRAINCOVERの熱量をにぶつけている。
ーー他のメンバーさんはこだわりはありますか?
多響:僕はドラマーなんですけど、ライブにおいてステージに立ってる以上、ただ上手に叩いているだけじゃダメだと思っていて、パフォーマーでもあると思ってるんですよ。なので、どれだけ人を惹きつけられるパフォーマンスができるかを考えながらライブに挑んでますね。
ーーMCはその場の気持ちを伝えてることが多いんでしょうか?
辻出:その方が多いですね。「これ絶対言いたい」みたいのがあれば言いますけど、基本はその場の思いを伝えてますね。
日常で積み重ねた先にある「トリガー」がRAINCOVERに繋がる
ーー作詞作曲はどなたが担当されてますか?
辻出:はい!僕です!
ーー作詞作曲はどのようなタイミングでできるんでしょうか?
辻出:0から1にする作業なんで、大きな出来事があったらより出てきやすいんですけど、失恋したとか、親友が転勤とか転校で地方にいなくなっちゃったとか喪失感やったりとかが大きいと書きやすいですね。外に出ていろんな情報を自分の中にインプットしていくことはあまり作詞作曲に繋がらなくて、それを積み重ねていって、何かのトリガーで作詞作曲をするきっかけになりますね。自分でいつでも爆発できる状態にしておいて勢いで作ってますね。
作曲はロジカルな方法やDTMなどは使用せずに、日常でインプットしたものを蓄積して、トリガーが見つかったその瞬間の爆発力がRAINCOVERの楽曲に込められている。
ーー歌詞は実体験が多いんでしょうか?
辻出:多いですね。具体的すぎるとただの僕の話になるんで、それをいかにみんなが思ってるようにいかに伝えられるかを考えてます。
ーー楽曲のアレンジは4人で集まって行っているんでしょうか?
多響:そうですね。
コウタ:基本的に彼(Vo/Gt.辻出)が「こうゆう曲を作りたい」とか「こうゆう構成持っていきたい」と持ってきてくれるんですけど、各々のフレーズとかはそれぞれで考えて擦り合わせていく感じですね
家族とは言えない特別な関係値
音楽以外の話も聞いてみた。
ーーバンド活動以外で4人で集まったりはしますか?
多響:絶対にしないです(笑)仲悪いわけではないんですけど。
辻出:わざわざ休日に顔合わさなあかんねん。みたいな(笑)
ーー家族みたいな関係なんでしょうか?
辻出:絶対嫌ですね(笑)
ふじまさ:仕事仲間みたいな感覚ですね。
辻出:会社やってるみたいな。そんな感覚ですね。