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今さら聞けないギターのネックはどこ?メンテナンスのポイントも解説

2024.04.17

ギターにはさまざまなパーツがありますが、それぞれの名前をご存知でしょうか。

今回は、ギターネックに焦点を当てて理解を深めます。
正しいメンテナンスも知って、ギターを大切にしていきましょう。

ギターネックの役割

ギター本体を大きく分けると、ヘッド・ネック・ボディです。
ヘッドは先端部分で、チューニングに関わります。
ボディはギターを支えるような部分で、指やピックで弦を弾くところです。
そして今回注目するのは、弦が張られているネックの部分です。

ギターネックとは

ギターネックは、簡単にいうとギターを弾くときに左手で持つ部分。
構成する要素は、主に指板・フレット・ポジションマークです。

ネックには、ギター本体に弦の振動を伝える役割があります。
ギターで音を出すためには弦を弾くことから始まるため、振動を伝えるネックは大切な存在といえるでしょう。

一見、ネックに違いはないように見えるかもしれませんが、形状や材質などギターによって特徴があります。
ギターを持ったときや弦を押さえるときの感覚も異なります。

ギターネックの種類

ギターネックは形状やジョイント、材質などによって種類が分けられます。
ネックだけでも、奥が深いのがギターの魅力です。

形状による違い

ネックの断面の形状で種類分けすると、以下のようになります。

■Cシェイプ
最も多く採用されている形状で、全般的な演奏で活躍します。
楕円形のCシェイプは、握ったときに弾きやすく感じるでしょう。

■Vシェイプ
昔からよく使われており、丸みがかった「ソフトV」と、鋭いタイプの「ハードV」の2つがあります。

■Uシェイプ
ネックが大きく盛り上がったような形状です。
手が大きくて、親指をネックの横に添えたりや後ろに置いたりして弾くスタイルに適しています。

ジョイントによる違い

ギターネックのジョイントは、ネックとボディをつなぐ部分です。

■ボルトオン
ネックとボディを別々に加工・塗装して、ネジで固定する方法。
ジョイント部分の長さや面積が大きく影響し、アタック感や乾いた感じの音色が特徴といえるでしょう。

製造過程に高い技術は必要なく、低コストで生産されるジョイントです。

■セットネック
ネックとボディをそれぞれ作り、接着してから塗装する方法。
ギターネックのジョイント部分が出っ張らないため、演奏に大きな影響を与えません。

太めの音色で、振動のロスが少ない構造です。

■スルーネック
ネックとボディの中央部分を、一本の長い材料から削り出して作る方法。
ネックとボディが一体構造であるため、頑丈なのが特徴といえます。

音の輪郭がはっきりとした音色のスルーネックは、高級モデルのギターに多く見られるでしょう。

木材による違い

ギターネックは、使われている木材が非常に重要。
よく使われている木材を紹介します。

■メイプル
ネックやボディによく使用される木材。
弦を張ったときのテンションに耐え続ける必要があるネックには、強度の高いハードメイプルが一般的といえるでしょう。

白っぽい見た目から、経年劣化によって茶色へと変化していくのが特徴です。
アコースティックギターの場合には、メイプルの魅力をより感じられるかもしれませんね。

■マホガニー
中音域のサウンドを奏で、見た目は茶褐色です。
色が変わる前のメイプルとは対照的なため、違いに気がつけるでしょう。

マホガニーはメイプルに比べると、強度が下がります。
ギターを倒して折らないように、取り扱いに注意してくださいね。

ギターネックのねじれと反り

ギターネックのねじれや反りについて、聞いたことはありますでしょうか。

本来、まっすぐのギターネックが反った状態です。
ギターを握って自分側に膨らんでいる場合を「順反り」と呼び、外側に膨らんでいる場合を「逆反り」といいます。

ギターネックが反る原因やメンテナンス方法を解説します。

反りやねじれの原因と影響

ギターネックが反るのには、いくつかの原因があります。

■湿度
ギターの大部分は木材であるため、湿度によってネックが反る場合があります。
湿度が高いと水分を吸って膨張し、乾燥しているとネックが反ってしまう恐れがあります。
湿度の目安は30%から50%。
加湿器や、ギターケースに入れて吸湿材を使うなどの対策をしましょう。

■温度
ギターにとって適した温度は20度から25度。
近年は全国的に、夏に35度を超えたり冬に0度を下回ったりする日が少なくありませんよね。
ギターに直射日光を当てないように、ギターケースを使いましょう。

■弦の張力
ネックには弦の張力が常に働いているため、反りやすい性質があります。
ギターを弾かないときは弦のテンションを緩めることで、ネックへの負荷を緩和できるでしょう。
外部からの衝撃でギターネックが反る可能性もあるため、保管方法に注意してください。

ギターネックのメンテナンスと修理

ギターを大切に保管していても、ネックが反ってしまうこともあるでしょう。

楽器店などで修理メニューを展開していますが、決して安い金額ではありませんし、できれば自分で対応したいですよね。
反りが軽度であれば、ネックに仕込まれた金属の棒「トラスロッド」の調整で対応できることも多いです。

調整するときは弦を緩めてから、ドライバーなどでトラスロッドを回します。
順反りの場合は時計回りに締め、逆反りの場合は反時計回りに緩めます。

自分でメンテナンスが難しいときには、やはりお店に相談した方がいいですね。

ギターネックのスケール

スケールと聞くと音階を考えるかもしれませんが、今回は別のものです。

スケールは弦長のことで、ギターのナット(ネックの先端)からブリッジ(ボディで弦の固定部分)までの長さです。

スケールの種類

スケールは主に3種類。
数字で見ると小さな差かもしれませんが、自分が弾きやすいと感じるスケールのギターを見つけるのも楽しそうですね。

■ロングスケール
長さが約648mmで、アメリカのフェンダー社が販売しているギターに多いスケール。
弦のテンションが強く、弦を弾いたときの反応が早いと感じるでしょう。

■ミディアムスケール
長さ約628mmで、ロングスケールとは約28mmの違いで気がつきにくいかもしれませんね。
実際にギターを握るとロングスケールよりも弾きやすさを感じます。

■ショートスケール
長さ約610mmで、近年増えている「ジャリッ」とした音が特徴。
弦が短いため、弦のテンションが3種類のなかで1番緩いスケールです。

スケールの長さと演奏への影響

スケールには長さによって種類がありますが、実際に演奏にどんな影響があるのでしょうか。

■弾き心地
ロングスケールの場合は弦の張力が強く、ショートスケールは弦の張力が弱いのが特徴です。
張力が強いと、ギターを弾くときに強く押さえなくてはいけません。
そのため、スケールが長いギターよりも、ショートスケールの方が弾きやすいといわれています。

■チューニングの安定感
弦の張力に違いがあると、チューニングの安定感も変わります。
ショートスケールは弦のテンションが緩いため弾きやすい分、チューニングが不安定な傾向であることを覚えてください。

■ギターの音色
弦の張り具合はギターの音色にも影響します。
スケールの違いで変わるのは、サスティーン(音の伸び)。
ロングスケールは音の伸びがよく、ハリのある音色といわれています。
一方のショートスケールは丸みがあり、柔らかいサウンドが特徴です。

演奏するジャンルや雰囲気にあったスケールを使うと、曲の完成度が上がるでしょう。

まとめ

今回は、ギターネックについて解説しました。

ギターそれぞれのパーツを理解しておくと、演奏スタイルの幅が広がります。
しっかりメンテナンスをして、ギターを長く楽しみましょう。

(画像はイメージです)