<ライブレポート> Daisycall pre.「スクールビート 爆音祭 渋谷一騎討編」

<ライブレポート> Daisycall pre.「スクールビート 爆音祭 渋谷一騎討編」

2025.05.13

2025年5月6日(火・祝) Shibuya Milkyway にて、Daisycall pre.「スクールビート 爆音祭 渋谷一騎討編」が開催された。

本イベントは、Daisycallが打ち出したフリーイベントシリーズの第3弾となり、大阪、名古屋に続き、東京を巡る、3公演すべてのチケット代が無料という良心的な企画となっている。

「渋谷一騎討編」ではオープニングアクトとして「ENEMY FLECK」、さらに対バン相手には「東京、君がいない街」が出演し会場を盛り上げた。

午前11時30分と早い開場時間にも関わらず、渋谷に熱いロックの火を灯したライブの様子を、本記事ではレポートしていく。

ENEMY FLECKが刻んだ熱情と誇り

photo by (@wakaa_02)

千葉県柏市発、3ピースロックバンドENEMY FLECKがオープニングアクトとしてステージに立ち、川又海斗(Vo/Gt)が「俺たちがオープニングアクトにも関わらず、エネフレも含めてスリーマンだと言ってくれました!そんな大好きな先輩に20分もらって!嫌われるぐらいカッコいいライブをしにきました!」と挨拶と共に宣言をし、1曲目『ヤメ』で盛り上げる。

幕開けから放たれた音は、泥臭くも純粋な衝動のように感じられ、その泥臭さは輝きを見せてくれた。20分という短い持ち時間の中、彼らはその全てを我々に、そして先輩バンドに叩きつけた。

まさに“純粋なロックバンド”という言葉が体現される瞬間を1曲目から目の当たりにすることが出来た。

4曲目に披露した『7月7日』では、不器用ながらも想いを届けるような内容の楽曲となっており、一見すると欠点にも見える文言が、“可能性”として昇華させられているように感じられ、その真っ直ぐな思いは、彼らの武器となっていた。

川又海斗が「正直オープニングアクトって聞いて悔しかった!だから今日、Daisycallも!君街も!カッコ悪いライブしたら、俺許さないっすわ!」といい、最後の曲『恋心』を披露。

彼がライブ中に発した言葉たちは、先輩バンドへの宣誓でもあり、自らに課した約束のようにも感じた。

ENEMY FLECK 公式HP:https://lit.link/enemyfleck

繊細と情熱が混在する東京、君がいない街

下北沢MOSAiC発の3ピースロックバンド東京、君がいない街。オープニングアクトで出演した「ENEMY FLECK」からの宣戦布告を真正面から受け止めた彼らは、1曲目『振り回る』からフルスロットルで応戦した。

曲間では、こまちやあきら(Gt/Vo)が「なぁENEMY FLECK!俺らがダサいライブするわけないっしょ!」と、先輩として堂々とENEMY FLECKにアンサーを返した。

出だしからすでに、観客の心拍数はステージと同期していたように感じられ、透き通るようなこまちやあきらの声と、耳に残るキャッチーなメロディーとは裏腹に、決して繊細さだけでは終わらせない、と我々に伝えてくれているような気がした。

MCでは、こまちやあきらが「3ヶ月くらい前にDaisycallと対バンした時に、俺はライブでお互いがかっこいいと思えたらまた対バンしようと言いました。その約束が今日叶いました。それともう一つ、カッコ悪いライブすんなって後輩のバンドに約束してもらったんで、めちゃくちゃカッコいいライブやって帰ります!」といい『愛しくてたまらない』を披露した。

彼らの音の奥には、静かに燃え上がる情熱が宿っており、磨き抜かれた透明感と、内側から滲み出る熱さ、そのギャップがこのバンドの最大の武器のように感じる。

2025年4月に、彼らは大阪のインディーズレーベル「Orange Owl Records」への所属を果たしたばかりで、これからの飛躍を誓う重要な1日となったのは間違いないだろう。

バンド名のもつセンチメンタルな印象を与えさせない、彼らの激情と覚悟を知れたライブとなった。

東京、君がいない街 公式HP:https://tokyokimimati.ryzm.jp

Daisycallが鳴らした漢気と爆音

phot by (@nemi_msk)

本イベントを企画したDaisycallは、京都発の4人組ロックバンドだ。

そんな彼らは登場と同時に「最高だった人ー!じゃあ早速、最高を塗り替えます!」と宣言し、1曲目『タイムマシン』を披露した。

4人の息は完璧に一致し、一体感の波がフロアを飲み込んだ。ベースとドラムが緻密に絡み合い、ギターが空間を切り裂く。ステージとフロアの境界線はすでに曖昧となり、まるでDaisycallの4人と観客が一つの生命体になったかのようだった。

しゅんしー。(Vo)は、ただ歌うだけでなく、全身で情熱を我々に叩きつける。その情景は、音楽というよりも “生き様”を観ているようだった。

4曲目『シャリラ』が終わり、MCでは「1人で来ても1人じゃないのがライブハウスだし、友達と来ても1人になれるのがライブハウスだと思ってます。自分の思うように音楽を浴びて帰ってください!」といい、寂しさを抱える人でも楽しめ、友人と来ても1人で楽しめる場所であることを教えてくれ、5曲目『アカネイロ』に続いた。

6曲目を披露する前に「東京で1番対バンしてるのが東京、君がいない街、ライブでハッとさせられたバンドがENEMY FLECK。忘れたものを思い出させてくれる2組のバンドに、愛を込めて!」といい、東京、君がいない街の『ガラガララララ』と、ENEMY FLECKの『好きにさせられた』を披露した。

愛と敬意を込めたDaisycallの音楽

phot by (@nemi_msk)

MCでしゅんしー。が「歌は心だと先輩に教わりました。コードはセンスだと友達に教わりました。言葉は生き様だと俺は思います。しっかり伝えます!」と話し、9曲目『さよならレイディ』を披露。

毎曲、すべてを出し尽くすかのような演奏と歌声が、観客の胸を深く突き刺し、音が止まった瞬間、残されたのは言葉にできない余韻と、Daisycallのライブでしか得られないエネルギーだった。

最後のMCでは「今日のライブの成功は、次にMilkywayに来た時、俺たちが君にまた会える時だと思います。俺たちと、君街と、エネフレと、Milkywayで、正々堂々戦って、そこに君が来てくれて、Sold Outする。それを俺たちの約束にしよう!まじで愛してます!」と告げ、11曲目『愛すべき』を披露した。

音楽と観客への揺るぎない敬意。その姿勢がこの無料イベントの根幹にあると認識した。

漢気と情熱に満ちた夜。彼らの音楽は単なる娯楽ではなく、戦いであり、誓いであり、人生そのものであり、そのすべてが音に、言葉に、姿勢に滲んでいた。

セットリスト

1.タイムマシン

2.アフタースクール

3.泣いて笑って進んでいけ

4.シャリラ

5.アカネイロ

6.ガラガララララ(東京、君がいない街カバー)

7.好きにさせられた(ENEMY FLECKカバー)

8.ありのまま

9.さよならレイディ

10.ホワイトリリー

11.愛すべき

12.オーバーブルー

Daisycall ライブ情報

1st digital single “nona” 2マンツアー「灼熱一騎討巡行」

チケット:https://linkmix.co/37879589

Daisycall 各種SNS

公式SITE:https://daisycall-official.com

公式X:https://x.com/Daisycall_jp

公式Instagram:https://www.instagram.com/daisycall.jp

この記事を書いた人

執筆
高島よしお
1997年生まれ/東京都出身 趣味は「フィクション」と「散歩」 年間通して映画を平均400本観ます 音楽は平均1200時間聴きます