<コラム>あなたのコーヒーブレイクを上質にさせる5曲

<コラム>あなたのコーヒーブレイクを上質にさせる5曲

2025.03.19

本コラムでは『あなたのコーヒーブレイクを上質にさせる曲』をテーマにDigOut編集部が選んだ、淡く切ないメランコリックなコード感や、メロディーセンス、衝撃や即効性とはまた違う、味わい深さを感じさせるジャズのエッセンスを纏った5曲をピックアップした。

思わず首を揺らしたくなるリズムと、ゆっくりと浸透していくような心地よいグルーヴを味わい深くしっとり堪能できる楽曲がラインナップされている。

コーヒーを片手に読んでいただければ幸いである。

Lights Out feat. Jeremy Quartus / Nulbarich

「Nulbarich」といえば、都会的なR&Bとソウルテイストをベースにした、スタイリッシュなサウンドが特徴だが、この曲には更に、ジャズのエッセンスが溶け込んでいるように感じられ、一口目にはピッタリだろう。

都会の夕暮れを思わせるコード感や、ゆるやかなビートがメランコリックな雰囲気を演出。浮遊感たっぷりのメロディーに、滑らかに入り込んでくる英詞のフレーズが絶妙なスパイスになっている。

キリッとした渋さと、心地よさが同居する不思議な味わい深さが魅力的だ。

派手に訴えかけることはしないが、心地よい塩梅で主張してくれる、この楽曲は、まさに一口目にピッタリではないだろうか。

 #vaporwave / 新東京

タイトルにvaporwave(直訳:蒸気波)を冠しているだけあって、掴みどころのない浮遊感のあるシンセ音や、ローファイなムードが特徴的だが、根底にはジャジーなコードワークがしっかりと存在しているのが面白い。

ボーカルの淡い歌声と、ほんのり香るエレクトロなビートが絡み合い、儚さとクールさが同居する不思議な世界へ誘い、幻想的な空間を彷徨うようなイメージを味わえる楽曲に仕上がっている。

衝撃的な展開こそ少ないが、このメランコリックな味わい深さは、何度でもリピートをさせる魅力を放っている。

個人的には、この楽曲の終盤にビターチョコレートを口に含み、このアンニュイな雰囲気にどっぷりと浸かりたい。

Juden / Kroi

グルーヴ感やコード感には強いジャズの血が流れているように感じるこの楽曲は、クセになるメロディーラインと、跳ねるようなリズムセクションには、ファンクやソウルの要素も組み合わさり、新感覚和製クロスオーバーというべきかもしれない。

タイトルどおり“通電”を連想させるようなエレクトリックなサウンドアプローチが印象的だ。

更に、メロディの奥底に、どこかユーモアのあるコード進行を忍ばせており、それがリスナーを引き寄せる要素になっているように思える。

驚きの即効性というよりもクセになる、そんな楽曲だ。

暗めのステージで、淡いスポットライトを浴びながら演奏する、このミステリアスな雰囲気を感じさせるMVは、裏路地でひっそりと営業している深夜のミュージックバーにいるかのような感覚を味わえるかもしれない。そんな店内で、酔い覚ましのブラックコーヒーを啜るのも悪くないだろう。

 “Clock Hands” / Billyrrom

この楽曲はエッジの立ったロック色を持ちながらも、スモーキーなジャズ感を漂わせるグルーヴが特徴だ。

刻々と流れる時間を感じさせるリズミカルなハイハットの刻みに乗せ、淡いメロディーが広がり、ゆるやかに感じられるが、隠し味のように挿入される転調や、テンションコードが聴き手の耳をくすぐる。

ギターサウンドはアンビエント寄りな質感で、ボーカルが重ねる歌声に、ほんの少しのビターなテイストが滲み出ており、キャッチーなメロディーとトークボックスの音色に引き込まれてしまう。

それこそがこの楽曲の魅力だろう。衝撃の強さではなく、何度でも反芻したくなる味わい深さがここにあるといえる。

  影 feat. さらさ / Ovall

Ovallといえば、日本のネオソウルやジャズシーンを牽引する存在としても知られているが、ここに「さらさ」の浮遊感あふれるヴォーカルが加わり、またひとつ新たな彩りが生まれてくる。

この楽曲では、どこか夕暮れに溶け込むようなメロウなコードが心地よく、さらさの声が柔らかく寄り添うように響いてくる。

ジャジーなアプローチをベースにしつつ、リスナーに寄り添うような優しさが感じられるのも特徴だろう。


決して大きく主張しないバンドサウンドと、儚げなボーカルラインが絶妙に絡み合い、聴けば聴くほど「この曲、なんだかクセになる…」という感情がわき上がってくる。

まさにコーヒーブレイクを上質にさせる至極のアンサンブルと言える。

まとめ

今回ご紹介した5曲は、それぞれが独特のジャズテイストを活かしながらも、おしゃれや難解にとどまらない、奥深い音世界を作り上げているのが魅力的だ。

衝撃的なサウンドで一気にのめり込ませるというよりも、ふとした時に思い出して何度でも聴き返したくなる、そんな不思議な引力を持っている楽曲だと思う。

淡く切ないコード感やメランコリックなメロディーをじっくり味わいながら、ひとときのコーヒーブレイクのBGMに取り入れてみてはいかがだろうか。

夕暮れ時か、休日のゆったりとした時間帯に聴くと、その“味わい深さ”がいっそう際立つだろう。

ぜひ一度、じっくりと耳を傾けてみてほしい。

今日からあなたのコーヒーブレイクが上質な時間になりますように。

この記事を書いた人

執筆
高島よしお
1997年生まれ/東京都出身 趣味は「フィクション」と「散歩」 年間通して平均400本映画を観ます 音楽は平均1200時間聴きます X:https://x.com/kanan_ty instagram:https://www.instagram.com/kanan_ty/