Columnエフェクターボード

初心者必読!失敗しないエフェクターボード「組み方&つなぎ順」を解説

2024.03.14

エレキギターを楽しむために欠かせない「エフェクター」。

自分の好みに合わせてコレクションする楽しみも増えていくでしょう。

エフェクターの数が増えると、持ち運びやセッティングが大変になってしまうため、エフェクターボードの利用がおすすめです。

この記事では、初心者でも安心してエフェクターボードを組めるように、機材の選び方や組み方を解説します。

ボードを構成するマストアイテムまとめ

エフェクターボードを組むために、構成する要素から理解していきましょう。

まずは、エフェクターボードに欠かせないアイテムとそれぞれの役割を解説します。

エフェクターボード

エフェクターボードは、土台となる板であり専用のケースにもなる優れもの。

ボードは、複数のエフェクターを保管したり持ち運んだりするのに活躍します。

大きさはもちろん、材質にもさまざまな種類があるため、選ぶときのポイントは主に2つです。

■ 機材追加を考慮して少し大きめにする
■ 耐久性と持ち運びのバランスを考える

頑丈に作られている安心のハードケース、持ち運びやすさをふまえたソフトケースから、普段の使用環境を考えてエフェクターボードを選びましょう。

パッチケーブル

パッチケーブルは、複数のエフェクターをつなぐアイテムです。

先端の形状が、ストレートタイプとL字タイプがあります。

組み合わせるエフェクターの差し込み口やボードの大きさなどに合わせて、適切な先端のパッチケーブルを選んでください。

パッチケーブルは、ギターとアンプをつなぐシールドと同じブランドにするのがおすすめです。

また、ケーブルが短いほど、音の劣化を防げることを覚えておいてください。

パワーサプライ

パワーサプライはエフェクターボードを組むうえで、心臓とも言える存在です。

複数のエフェクターを使うときに、コンセント一つで電源を供給できます。

パワーサプライで確認すべきポイントの一つは、電源容量です。

電源容量はA(アンペア)やmA(ミリアンペア)で、エフェクターへの電源供給量を表しています。

組み合わせるエフェクターの合計電源消費量が、パワーサプライの容量を超えると、安定して電源を供給できません。

パワーサプライは、使うエフェクターの合計電源消費量よりも余裕のあるものを選んでください。

DCケーブル

DCケーブルは、パワーサプライの電源供給をエフェクターに届けます。

パワーサプライの出力とエフェクターの入力端子につないで使います。

基本的には、DCケーブルはパワーサプライに付属しているため安心してください。

マジックテープ

マジックテープは、エフェクターをボードに固定するアイテムです。

大切な機材が、エフェクターボードの持ち運び中や演奏中などに動いて傷つくのを防ぎます。

マジックテープの硬い面(オス)をエフェクターの底面に、柔らかい面(メス)をボードに貼りつけて固定しましょう。

クッション材で有名なウレタンフォームを使ってボード内でエフェクターを固定する方法もありますが、何度でも楽に並べ替えができるマジックテープがおすすめです。

エフェクター おすすめのつなぎ順

エフェクターと言っても、空間系や歪み系などのさまざまな種類がありますね。

複数のエフェクターを使って音の可能性を一層楽しめるよう、おすすめのつなぎ順を紹介します。

つなぎ順の基本

エフェクターボードを組むとき、ギターの近い側から、以下のつなぎ順がおすすめです。

(1)バッファー
(2)ダイナミクス系
(3)歪み系
(4)モジュレーション系
(5)空間系

エフェクター接続の基本は、ギターに近いものほど効果が強く出ること。
それぞれのエフェクターが持つ特徴をふまえたものが、おすすめのつなぎ順です。

今まで順番を気にせず複数のエフェクターをつないでいた方は、基本を意識することで、より魅力あるサウンドを奏でられるでしょう。

また、電池駆動のエフェクターは、スイッチがオフでもケーブルにつないでいると電池を消耗します。

電池の液漏れによる機材の故障を防ぐため、弾き終わったらエフェクターからケーブルを抜きましょう。

エフェクターのつなぎ順に正解はない!

エフェクターを組むのにおすすめのつなぎ順を紹介しましたが、正解はありません。

自分が出したい音に合わせてエフェクターを並べ替えて、ギターのサウンド作りを楽しめるのがエフェクターボードの魅力です。

自分のなかでテーマや軸を決めたつなぎ順で、エレキギターとエフェクターの可能性を楽しみましょう。

エフェクターボードQ&A

エフェクターボードを使うか悩んでいる初心者でも、安心して組めるようになりたいですよね。

ここでは、多くの方が気になる、エフェクターボードに関する疑問をまとめました。

Q1,エフェクターボードを用意するメリットは?

「まだ初心者だしエフェクターボードなんて必要ない」と考える方もいるかもしれません。

複数のエフェクターを扱うのであれば、エフェクターボードはおすすめです。

エフェクターボードがあると、どんなメリットがあるのでしょうか?

準備にかける時間を短縮できる

エレキギターの演奏や練習をする前には、多くの準備が必要です。

・ギターとケーブルをつなぐ
・エフェクター同士を並べてつなぐ
・ケーブルをアンプにつなぐ

演奏後の片付けも考えれば、時間を要することは想像できますね。

あらかじめエフェクターボードにエフェクターをセッティングしておけば、エフェクター同士を並べてつなぐというステップがなくなります。

忘れ物や紛失の心配を減らすことにもつながります。

自分の音をいつでも再現できる

エフェクターを個別に扱っていると、何かの拍子につまみが動くなどして音のセッティングが変わってしまうことがあります。

エフェクターボードを使えば、つまみの設定やエフェクターの接続の順番も変わらないため、いつでも自分の音を再現できるでしょう。

演奏やリハーサルのときに自分の理想の音が出せなかった・・・という心配が少なくなります。

演奏するときの操作に慣れやすい

自宅やスタジオなど、どこで演奏するにしても、エフェクターやケーブルなどの配置や距離感を全く同じように再現するのは難しいものです。

楽器の演奏というのは体に覚えさせていくものですから、エフェクターがエフェクターボードに固定されていれば、足を踏む感覚や見え方などに慣れるのが早くなるでしょう。

Q2,エフェクターボードのサイズは小型がいい?

エフェクターボードを使いたい!
どんなことに気をつけて選べばいいのでしょうか?

エフェクターボードのサイズ

まず考えたいのが、エフェクターボードのサイズ感です。

エフェクターがすでに手元にある場合、並べてみて寸法を測ると必要なエフェクターボードのサイズが分かってきます。

おすすめしたいのが、少し余裕を持たせることです。

理由としては、

・エフェクターの配線の隙間を考える
・将来エフェクターを買い足したいときにスペースが必要

などが挙げられます。
「大きすぎず、小さすぎず」を目指すといいでしょう。

使うシーンを考える

エフェクターボードには、ハードケースとソフトケースがあります。

■ 頑丈さならハードケース

ハードケースのメリットは、とにかく頑丈で衝撃に強いことです。

プロの現場でも多く使われているのがこちらのタイプで、ふたを開けて足元に置くだけでセッティングが完了するという手軽さもあります。

ただし頑丈な分だけ、重量があります。
車で移動することの多い方は、ハードケースに向いているでしょう。

■ 持ち運びやすさならソフトケース

ソフトケースのメリットは、なんと言っても軽くて持ち運びがしやすいことです。

電車やバスといった公共交通機関での移動にも負担が少ないことは、大きな魅力です。

中にエフェクターを固定するボードが入っていて取り出して使えるので、セッティング時間の短縮という意味ではハードケースに劣らないでしょう。

すのこ型のエフェクターボードも

画像出典元:STRICH
エフェクターボードのすのことは、エフェクターを乗せてシールドなどを裏側に収納できるようにする仕切りのことです。

すのこがあればエフェクターボードがシールドでごちゃごちゃすることがなく、すっきりさせられます。

すのこ自体は別売りされていたり自作もできたりしますが、あらかじめついているものを選べば、その手間も省けるでしょう。

Q3,エフェクターボードの組み方や気をつけたいポイントは?

エフェクターボードを手に入れたら、いよいよ組み立てていきます。
気をつけたいポイントを紹介します。

エフェクターボードの配置やつなぐ順番

エレキギターの音色は、エフェクターをつなぐ順番によって変わります。

例えば、音に広がりを持たせるエフェクターと音を歪ませるエフェクターがあったとします。
広がりを持たせてから歪ませるのか、歪ませてから広がりを持たせるのかはエフェクターをつなぐ順番によって変わってくるのです。

基本的には、1)ダイナミクス系 2)補正系 3)歪み系 4)モジュレーション系 5)空間系とつないでいくのがセオリーと言われています。

ただし、音楽の世界に正解はありません。
自分の理想を求めてセッティングするのがベストであり、エフェクターの楽しみです。

エフェクターボードの配線はきれいにする

配線をきれいにすると、ライブなどの人目につくようなシーンでも見た目をすっきりさせられます。

また、配線を整理することでケーブル同士の接触を減らせるメリットもあります。

エフェクターを詰め込みすぎると、端子やスイッチ同士が干渉してしまい、演奏のクオリティに影響が出る可能性があるからです。

エフェクターの数が多くなってしまう場合は、すのこを利用したり柔らかいケーブルを選んだりして、配線がきれいになるように工夫しましょう。

エフェクターをボードにしっかり固定する

せっかくエフェクターボードを組んでも、移動中にエフェクターが動いてしまえば、つまみが動いたりケーブルにダメージを与えたりする可能性があります。

そのため、エフェクターはボードにしっかり固定するのがおすすめです。

なかでもポピュラーな固定方法は、マジックテープ(面ファスナー)です。

エフェクターボード側にあらかじめマジックテープの片側が貼りつけられているものも多く、エフェクターの裏面にマジックテープを貼るだけで固定できます。

エフェクターのつけ外しが簡単にできるのが、マジックテープのメリットと言えるでしょう。

まとめ

■ エフェクターボードを組むのに、パワーサプライやパッチケーブルなどが必要
■ エフェクターはギターに近いものほど効果が強い
■ エフェクターボードを組めば、準備が楽になる

自分の理想に合わせてエフェクターを組み、お気に入りの一台を作り上げていきましょう。