「CHRISTMAS DigOut THE LIVE」

2024年12月21日(土)に渋谷GARRET udagawaにて「CHRISTMAS DigOut THE LIVE」が開催された。

音楽関連メディアサイト『DigOut』が主催する初のライブイベントで、2024年に取材を通して出会った注目のバンド達が渋谷GARRET udagawaに揃った。

急遽「Tokyo idiot」の出演が決定!

出演を予定していた「アルライト」がメンバーの喉の不調により当日の出演が難しくなり「Tokyo idiot」が代わりに快く出演を引き受けてくれた。

ライブイベント当日には「アルライト」のメンバーも応援に駆けつけ、ライブを違う形でサポートしてくれた。

トップバッターは唯一無二の歌声を持つ「ヨルノピクニック」

photo by 若奈(@wakaa_02)

メンバー全員が20歳という若さで数々のライブやイベントに出演している今期待のバンド「ヨルノピクニック」がオープニングアクトとして登場。

1曲目は10月2日に配信リリースした『帰り道』でステージを彩った。心地よいリズムとミユえもん(Vo/Gt)の唯一無二の歌声がフロアに響き渡る。

MCでは「最高のイベントに呼んでいただきありがとうございます」と笑顔を見せた。

2曲目の『おひるね』ではベースとドラムのグルーヴがフロアを包み「ヨルノピクニック」らしいローミドルな横揺れを起こしてくれる楽曲を披露した。

ドアを開けて、ピクニックしよう。

photo by 若奈(@wakaa_02)

3曲目には『一期一会』を歌い上げ、今回のイベントのはじまりに相応しい「ヨルノピクニック」らしさ全開の素晴らしいライブだった。

1度聞いたら忘れることのないミユえもん(Vo/Gt)の歌声と、メンバー全員で作り出す温かい世界観がフロアに心地の良い余韻を残した。

圧倒的な歌唱力とスキルを持つバンド「wapiti」

photo by 若奈(@wakaa_02)

2組目には多彩なバックグラウンドを持つ4人組のバンド「wapiti」が登場。

まずステージを見て最初に目が行くのはバイオリンのハーマン・チャン(Vn)の存在だろう。日頃のライブハウスではバイオリンをステージで見ることは珍しいはずだ。

クリスマスイベントらしいオープニング

photo by 若奈(@wakaa_02)

吉村瑠莉(Key)とハーマン・チャン(Vn)の2人から「戦場のメリークリスマス」が披露される。

美しいピアノとバイオリンの音色は土曜日の昼間の渋谷にいることを忘れさせてくれた。

「wapiti」の音楽の真髄が味わえるパフォーマンス

photo by 若奈(@wakaa_02)

1曲目には『オードパルファン』が披露され、出だしから織田龍紀(Vo.Gt)の圧倒的な歌声が客席を包み込む。

ロックバンドを見ているものとはまた違ったインパクトが各メンバーのスキルの高さと相まって音として流れ込んでくる。

「かっこいい」という印象はもちろんだが、「魅了された」という言葉が合っている。

工藤健介(Dr)のタイトで抜けのいいドラムと吉村瑠莉(Key)とハーマン・チャン(Vn)の奏でるハーモニーが「wapiti」というバンドの特徴の1つだ。

2曲目は『OREO』が披露され、アダルティックな雰囲気の楽曲にミュージカルを見ているような圧巻のライブだった。

MCでは「久々に昼公演なんでフレッシュですね。今日は皆と一緒にライブを作りたいので、前へ来てください。ステージはダメだけど(笑)」と織田龍紀(Vo.Gt)と客席で笑い合うようなシーンも見られた。

3曲目の『空風』と4曲目の『鬼さんこちら』を続けて披露した。各メンバーの音がしっかりと耳に残り、どのパートを切り取っても心地よさと高揚感が味わえる。

今回はギターとベースが同期だったが、フルバンドのライブを体験したいと思えるような1曲だった。

まだ見たことない景色を、みんなで一緒に見るために。

少しの静寂の後、5曲目は『僕は愛を知らない』が披露される。

著者自身が「wapiti」の曲の中で特に好きな楽曲で、情景がすっと頭に浮かぶような完成度の高いバラード楽曲となっている。

織田龍紀(Vo.Gt)の歌声と、楽器隊のスキルの高さ、全体的な音のバランスが絶妙で、楽曲よりもライブで聴いた方が何倍も感動を覚えた。

「Tokyo idiot」のライブは、音楽好きが求めていた物が詰まっていた。

photo by 若奈(@wakaa_02)

3組目のバンドは「Tokyo idiot」

2024年3月25日に音楽専門学校の「東京スクールオブミュージック専門学校渋谷」とコラボしたライブイベント『DigOut the Live:TSM Shibuya』にてトリを務めたバンドだ。現在は卒業しており、都内を中心にライブ活動を行っている。

開口一番、彼らの音で圧倒された

1曲目は『Ambivalence』を披露した。

ギターリフが特徴的な疾走感のある楽曲だ。洗練されたパフォーマンスに1曲目から圧倒された。

バンド好きなら誰でも身体を揺らしてしまうようなライブで、岩田琉久(Vo.Gt)の歌声が迫力のあるバンドサウンドの中からすっと抜けてくる。

2曲目に『Chase you』を披露し、イントロのアルペジオと岩田琉久(Vo.Gt)の歌声、迫力のあるサビから間奏へ続く心地よさ、後半の追い込みなど全て心地よく、3曲目の『21世紀少年』では「歪み」を全面に押し出した楽曲となっていて、イントロは石原隆太郎(Ba)の歪んだベースソロから始まり、田島智也(Gt)の多彩な音色が楽曲を彩る。

岩田琉久(Vo.Gt)もラジオボイスを駆使するなど「Tokyo idiot」の音色へのこだわりを感じた楽曲となっている。

MCでは「急遽ライブの出演が決まったのは昨日なんですけど、このイベントのためにメンバーでなんとか時間を空けて来ることができました。その分の俺らのパワーも感じ取って欲しいなと思います。まだまだいけますか」と岩田琉久(Vo.Gt)が今回のイベントへの出演した経緯を語った。

ライブで鳴らす音楽以外でも彼らの人柄を感じることができた時間だった。

バンド好きであればテンションが上がらないわけがない

photo by 若奈(@wakaa_02)

4曲目は『刹那』

まず耳に響いたのは岩田琉久(Vo.Gt)の歌声だ。

サビに向かうにつれてバンド全体でボリュームが上がっていく心地よいコード進行とメロディラインが客席を包んでいく。

特に突出する点は田島智也(Gt)のギターだ。楽曲中のギターのアプローチやワウを上手く使ったソロなど、引き出しの多さが際立った楽曲となっていった。

5曲目には『雨曝し』を披露した。

イントロのトレモロとドラムの佐藤圭介(Dr)の独特で特徴的なフレーズがライブハウスの空気をガラッと空気を変えていく。

曲中には「超楽しいです。ラスト1曲ですが、お互いに楽しんでいきましょう」と岩田琉久(Vo.Gt)が笑いながら語っていた光景が印象的だった。

最後の曲は『Diver』 

まさに「バンドサウンド」といったような楽曲となっており、セクションごとに雰囲気が変わり、観客を楽しませてくれる。

各パートの多彩な引き出しと音色を一気に出し切ってくれて、1曲の中に「Tokyo idiot」を詰め込んだような何曲でもリピートして体感したい楽曲となっていた。『Diver』が終わると拍手が起こり、「Tokyo idiot」ステージを降りた後も鳴り止むことはなかった。

最終列車を待って、貴方の元へ。

再び「Tokyo idiot」がステージに上がると、「最後に大事にしている曲を披露したいと思います。自由に楽しんでいきましょう」とアンコールで『LOVE U ALL』を披露し、再びスポットライトを浴びた。

明るい印象の楽曲で、客席全体に目を映すと笑顔でサビを合唱する姿が見られ、まさにイベント最後の曲に相応しい楽曲だった。

「CHRISTMAS DigOut THE LIVE」を終えて

photo by 若奈(@wakaa_02)

確実にステージの規模が大きくなっていくであろうアーティスト達の音楽を近くで体感することができ、音楽の可能性を再認識したイベントとなった。

アーティストのジャンルや活動拠点を超えての交友も見られ、今後他のイベントでは見れない垣根を超えたアーティスト達のライブを見ることが出来るかもしれない。

インタビュー取材やアーティストの密着を経て、初の主催ライブを開催した『DigOut』が今後独自のアイディアで企画を展開していくところに注目いただきたい。

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