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<ライブレポート>SHINJUKU LOFT 50th CIRCUIT 2026 #2

1976年のオープン以来、数多くのアーティストと音楽を見つめ続けてきた新宿LOFTの50周年を記念したサーキットイベント「SHINJUKU LOFT 50th CIRCUIT 2026」が10月3日(土)に開催された。

新宿の街に点在するライブハウスを舞台に、世代もジャンルも異なるアーティストが集結。会場ごとに異なる熱気が生まれ、フロアではそれぞれの音楽を求めて足を運んだオーディエンスが、思い思いにライブを楽しんだ。

50年という長い歴史を積み重ねてきた新宿LOFTが、これからの音楽シーンへとバトンをつなぐような一日。現在進行形の音楽と、ライブハウスならではの熱量が交差した、そんな一日を振り返る。

文:Kubo Yuya

ツチヤカレン

LOFT/PLUS ONEでのトップバッターを飾ったのは、シンガーソングライターのツチヤカレン。短く自己紹介を済ませ、『ライフ』を歌い始めた。ノスタルジックな雰囲気の会場に、少し物悲しい歌詞が広がる。

2曲目は『ユメノツヅキ』。ややセンシティブなテーマや、人々が口に出しにくいやるせなさ、無意識に抱える違和感。そういった感情を歌として発露する。ツチヤの声は力強く、自分たちが気付かなかった意識に気付かせてくれる。

ロフトの樋口氏への感謝を述べ、3曲目に披露されたのは先月9月23日にリリースされたばかりの曲、『秋の知らせ』。最近ようやく涼しくなってきた、季節的にもぴったりの曲だ。

何気ない風景の美しさを詞に、言葉にできない感情を歌にする。自分が感じ取ったものを、感じ取ったまま曲に閉じ込める。そんなシンガーソングライターの声が耳に届き、心に残る。

その後は『残響ラプソディ』、『今日は少しだけ』を歌い上げる。

MCでロフト、そしてLOFT/PLUS ONEへの感謝を伝え、最後の曲に移る。ツチヤの実体験を元にした『自慢のお父さん』。母の離婚と再婚により、3人の父がいると語ったツチヤ。そんなツチヤが一番好きな“お父さん”をテーマにした曲だ。

歌詞には描かれていない本人の思い出もあるだろう。大好きな父への思いを優しく歌い上げて、ツチヤはステージをあとにした。

少年キッズボウイ

(photo by 麗)

新宿SAMURAI 『下北沢にて』コラボのシモニテステージ3番手は少年キッズボウイ。

今年のシモニテにも出演予定でもあり、縁のあるバンドだ。

おなじみの学園天国とともにステージに上がり、オープニングナンバーに選ばれたのは『Kids in the Park』。夏の終わりとは言え、まだまだ日中は暑い日もある季節にぴったりの曲だ。

続く2曲目は『最終兵器ディスコ』。心なしか、いつもよりも軽やかに聞こえる。

MCでは山岸(Gt)が「土曜日最高!」という社会人バンドならではの喜びを口にした。

『だってTAKE it EASY』と『ムーンライト・レビュー』を続けて歌い上げたあとに披露されたのは、まさかの新曲『東京定時流』。社会人の何気ない日常を明るく描いた曲だ。“電車”というワードがやたらと耳に残っている。リリースが楽しみだ。

6曲目はファンにおなじみの名曲『スラムドッグ・サリー』。独特の世界観と遊び心、面白い曲展開が個人的にかなり好きな1曲だ。7曲目は『ダイムバッグ・ヒーロー』。もともとは今まさに多方面で活躍中のユニット「ダウ90000」の単独公演に提供された1曲で、こちらもおなじみの定番曲だ。

ラストは少年キッズボウイ最大の代表曲の1つ『ぼくらのラプソディー』を歌い上げ、フロアを盛り上げたままステージを去った。

HASHIRIBI

新宿ACB HALLの4番手は東京・八王子発のロックバンド・HASHIRIBI。2025年から本格的に楽曲リリースをしている、比較的若いバンドだ。

筆者自身、当日ACBで演奏を初めて見てから、彼らのことが気になって仕方がない。

キャッチーな曲調に、少し青臭く感じる歌詞、まっすぐなボーカルに、素直だが主張のあるギターと、それらを支えるベース。90年代のJ-ROCKやミクスチャー・ロックの系譜を感じる。近年は音楽の多様性も広がり、“王道”や“オルタナ”のようなくくりで語ることもナンセンスかもしれないが、それでも筆者世代における“ロックバンド”を感じた。

1曲目『春風』から疾走感のある演奏が始まる。無駄のない綺麗な繋ぎで2曲目の『0.1秒先』へ。ハキハキと口を回すボーカルの声が心地よい。続く『Dream』まで間を置かずにノンストップで走り切る。

短くギターで繋いで披露された4曲目『次の街』は一転してミディアムテンポなバラードロック。“間”の使い方がうまく、長めのギターソロも楽しめる。近年は短い楽曲で、ギターソロもない曲が増えているのを少しさみしく感じていた筆者の耳を満たしてくれる。何より、これも最近では珍しいが、5分を超えるボリュームの曲にもかかわらず、飽きずに聴ける。

“そうそう、バラードロックって5分とか6分とかいくよな。大体、1曲の長さなんて長けりゃ長いほどたくさん音が聞けてお得なんだよ”なんて気持ちを思い出させてくれる。

ラストは『太陽』で、これまたまっすぐなロックサウンドを響かせてステージをあとにした。

爛漫天国

(photo by Кöchirou)

新宿Marble、スペースシャワー列伝コラボステージの5番手は福岡発の4ピースバンド・爛漫天国。今年7月に上京したばかりながら、すでに都内を中心に数多くのライブに出演をし、11月29日(日)には東京初のワンマンライブが下北沢近道で予定されている。今まさに注目度が急上昇中のバンドだ。

フォークやブルース、歌謡曲など多様なルーツを持ち、唯一無二の曲を作り上げる。

そんな彼らがステージに上がり、最初に選んだ曲は『春』。どこか懐かしいような、それでいてどこでも聞いたことがないような、そんな独特の楽曲に丁寧なボーカルが際立つ。

2曲目は『月の話』。うってかわって、ブルージーな色が強くなる。

MCではロフト50周年への祝辞と、サーキットライブのこの時間に爛漫天国を選んで足を運んでくれたフロアの人たちへの感謝を述べた。

みんなの中で輝けるように、爛漫天国を心に残して帰ってもらえるように、未発表曲『ストロベリーフィールズ』が披露される。まっすぐでかっこいい、それでいて少し可愛らしいような歌詞とコーラス。聞いていて楽しい曲だ。

『ワルツ』の後、短いMCを挟んで『憎たらしいくらいのこの日々に』を披露。この曲は、今年2月にリリースされたアルバム『日々、折り返すごとに』にCD限定で収録されているボーナストラックだ。

あまりにもかっこよく、ロックな曲だったので、筆者も帰宅してからCDを購入した。

当日聴いて爛漫天国が気になっている人や、爛漫天国を知らないけどこれを読んでいる人にはぜひ購入を勧めたい。

最後はまっすぐにかっこいいロックナンバー『天使』を全力で演り切って、爛漫天国のステージは幕を下ろした。

おとなりにぎんが計画

(photo by いか)

新宿SAMURAI 『下北沢にて』コラボのシモニテステージ7組目は名古屋発バンド・おとなりにぎんが計画。年末に予定されている、東名阪を巡る初のワンマンツアーは先日全公演でソールドアウト。今まさに話題沸騰中のバンドだ。

拍手に迎えられてステージに上がる。最初の曲は『ピアスを外して』。独特の世界観に、初音の唯一無二の歌声がマッチする。2曲目は『着こなせ!』。ありのままの自分を受け入れ、ありのままの自分を着こなす。そんな願いを自分に込めた1曲だ。跳び回るようなギターとキーボードが非常に特徴的で耳に残る。

続く曲は『300えん』。1曲の中での緩急が激しく、まるでいくつかの違う曲を聴いているような錯覚を覚える。初音と嘉壱が遊ぶように、踊るように動きながら演奏している姿が印象的だった。

MCでは、ロフト50周年を祝う言葉と合わせて、このライブの翌日に初音が25周年(25歳)を迎えることも語られた。「今日は24歳の中で一番でっかい声で歌って帰る」と意気込み、未発表曲を披露。

5曲目は『おーきなあたし』。初音の幼少期の実体験からくる、反骨心のもとになったとも言えるテーマの曲だ。大きくなって見返すぞという気持ちが、絵本のように描かれる、おとなりにぎんが計画らしい楽曲に仕上がっている。

「ずっと好きでいてくださいね、音楽」とフロアに語り、最後の曲『面白人』が始まる。

24歳の中で一番でっかい声を出すように、全力のロングトーンから始まった曲を最後まで楽しく全力で歌い上げてステージを去った。

メレンゲ

(photo by 内藤まみ)

新宿LOFT会場、トリ前となる8組目はメレンゲが務めた。

かつてはメジャーレーベルで日本の音楽シーンを長きにわたり盛り上げた、ベテランバンドだ。(現在は自主レーベル)

スタート時間前から多くのファンがフロアを埋め尽くす。本番さながらの盛り上がりを見せた、幕をおろしたままのリハーサルでは本セトリに含まれない『アルカディア』でサービス。聴衆を大いに喜ばせた。

いよいよステージの幕が上がり、軽快なSEと共にメレンゲが姿を現す。最初の曲は『シンメトリア』。疾走感のあるサウンドに、どこかメルヘンな歌詞が不思議とマッチする往年の名曲に、フロアのテンションが一気に上がる。

そのまま続いた2曲目は『輝く蛍の輪』。ポップ・ロックの軽快さに、ノスタルジックな音作りと、切なさを感じる世界観を詰め込んだメレンゲらしい珠玉の1曲だ。

短いMCを挟み、集まってくれたギャラリーへの感謝を伝える。これまでのポップ・ロックなサウンドから一転、テクノ調のイントロから始まったのは『僕らについて』。色は違いつつも、しっかりとメレンゲらしいサウンドがフロアを包む。

続く4曲目は『アクアカイト』。まだライブでしか聴くことのできない未配信楽曲だ。

最後の曲は『クレーター』。50周年を迎えたロフト。まもなく25周年を迎えるメレンゲ。そんな彼らのこれまでを描き、これからを願うような曲を、最後までメレンゲらしさたっぷりの疾走感で歌い上げてステージをあとにした。

memetoour

(photo by いか)

新宿SAMURAI、シモニテステージのトリを務めたのは東京を中心に活動する4人組バンド・memetoour。光も影もストレートに表現する楽曲が人々の心を打つ、青春ギターロックバンドだ。

オープニングは『インスタントソング』。これまでの自分を力強く誇る、新宿LOFT50周年イベントのトリにふさわしい1曲でステージが始まる。

続く2曲目『光の向こうに』では、楽曲に沿ってロフト、そしてブッカーとして有名な樋口氏との思い出を交えるというライブならではのアレンジでフロアを熱くさせる。『ディスコビート』は曲名通りのダンサブルナンバーで、聴いていると自然と身体が動いてくる。

MCでは自分たちがロフトのステージに立つ前の思い出や、ステージに立ってからの想いを丁寧に語る。50年という長きにわたり多くのアーティストを見出し、支えてきた新宿LOFTの凄さを感じる。

その後は『その他』と『ブルースドライバー』を続けて披露。ダサくてかっこいい等身大の自分たちを、泥臭く、力強く歌い上げる。

ラストの『ロスタイム』では、まさかの1曲をやる時間が残っていないというトラブルが発生。“魂の落ちサビ”から最後まで通してステージを去った。

……のだが、memetoourがステージを去ったあともフロアの観客は声援を上げ続ける。

申し訳なさそうにステージに戻ってきた西沢に、SAMURAIのスタッフからOKサインが出された。サーキットライブではあまり見ることのないアンコール。せっかくだから1曲やろうということで、『ロスタイム』が再演される。音楽でも人間味でもフロアをおおいに沸かせたmemetoourは、充足した表情で再びステージを去っていった。

各種リンク

⁠SHINJUKU LOFT 50th CIRCUIT 2026 特設サイト:https://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft/50th

公式X:https://x.com/loft_50th

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