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『UPBEATMUSIC -HIGH VOLTAGE-』@吉祥寺WARP

9月17日(木)、吉祥寺WARPにてライブイベント『UPBEATMUSIC -HIGH VOLTAGE-』が開催された。2024年10月にスタートし、キャリアやシーンを超えた多様なアーティストの共演を実現させてきた『UP BEAT MUSIC』。

今回は助っ人集団☆石井ジャイアンツ、忘れてモーテルズ、Tsukisamu Mutton Networkの3組が集結。三者三様、されどいずれもハイボルテージな楽しませ方で、平日の吉祥寺を熱く盛り上げた。

文:サイトウマサヒロ

助っ人集団☆石井ジャイアンツ

photo by  池田 彩音

定刻を迎えると、フロア後方から野球のユニフォームに身を包んだ5人が勢いよく登場し、メタルサウンドのSEを背負って拳を突き上げる。トップバッターの助っ人集団☆石井ジャイアンツは、一曲目の『減量宣言』から早くも全力疾走だ。イントロでは足上げ、Aメロでは屈伸、サビではメンバー全員で<減量宣言!>のシンガロングと、準備運動どころでは済まないハイカロリーなパフォーマンスで一気に会場を覚醒させていく。

続く『ヤングボーイ・ヤングガール』では、スカの軽やかな裏打ちも交えながら、再びサビで全員が声を合わせる。その響きはまるで球場に響く応援歌のよう。ただし、ここにスタンドとグラウンドの境界線はない。誰もが選手であり同時に応援団であるかのような、まさに文字通りの“全員野球”で、WARP全体を巻き込んでいく。「もっとシンプルにいこうぜ、サビで手を挙げるだけ!」とさらに速度を上げると、キャプテン石井(Vo)が帽子を投げ捨ててフロアの一人一人を指差す。

そんな石井の給水中にも、オールウェイズ今井(Gt)とぐっち(Key)が繰り広げる漫才のようなMCで、ペースはまったく落ちる気配がない。『トキメキ』では、<彼女が欲しい>という切実な思いを、石井のセリフとぐっちの鍵盤による切ない音色で加速させた。『運命なんてない』ではマイクケーブルが外れてしまうトラブルにも即ツッコミを入れて乗り切り、石井は全身で楽しみ方を示してハンドウェーブを扇動する。あっという間にライブはクライマックスだ。

『天国で会いましょう』で場内を一つにして、今井は語る。「こんなふざけたバンドですけど、いい歳こいておじさんになっても、皆さんを笑わせに行きます!」。笑顔でも泣き顔でも、常にノンストップでフルスイング。そんな姿と「終わった時の拍手は肩より上で!」という投げかけに応えるように、オーディエンスから惜しみない拍手が送られた。

忘れてモーテルズ

photo by  池田 彩音

ストライプのスーツと、ステージ前方ギリギリにドラムセットを配置し、3人がほぼ横一列に並ぶ独特のフォーメーション。283(Vo/Dr)が客席を見回し、そっとサングラスをかける。「愛の言葉を交わしましょうよ!アイラブユーだ馬鹿野郎!」。ぶっきらぼうに差し出されたそんな宣言から、忘れてモーテルズのライブは始まった。

『DIRTY OLD DRUNKARDS NIGHT』の性急なビートに乗せて3人の声が重なると、前方のオーディエンスはグラスを片手に拳を掲げ、真正面からそのアンサンブルを受け止めた。

『それがどうした』ではダンサブルなリズムが足取りを軽くし、283は汗を拭う暇もなく全身でビートを刻みながら歌う。「もうすぐ8時。大人の時間になってきたぜ。夜はこれからだぜ!」。そう煽り立てて『ライター』を鳴らすと、3人が身体を左右に揺らし、グルーヴを視覚化。見ていればわかる通り、ここには誰かを引き立てる脇役などいない。マーシャルから小細工なしで放たれるギターリフを筆頭に、全員が主役になろうとするぶつかり合いが、ロックンロールの熱さと激しさを体現していた。

「新宿だろうが吉祥寺だろうが、北海道だろうが沖縄だろうが、やることは何も変わりませんよ。最高の乾杯しようぜ!」と始まった『働け!!ろくでなし』では283がカズーも吹き鳴らし、3人がそれぞれのマイクに齧り付く。曲を終えると、彼らは小指と親指を立て、フロアと“乾杯”を交わした。一方で「次の曲はギターにウェットなリバーブを」と艶やかな音像で哀愁を滲ませる場面もあり、地下室の熱狂だけではなく薄暗い路地まで似合う表現力を見せる。

この日、ここに集まった3組と観客の巡り合いを祝福するように高らかに響いた『出会っちまった』を経て、ラストは『パレードが迎えにきたよ』。ミラーボールへ光が当たると、星が瞬くようなフロアに笑顔が広がっていく。「このスリーマンを見たみなさんが生き証人だって言えるような日をまた作る」。そんな約束を残し、忘れてモーテルズはステージを降りた。

Tsukisamu Mutton Network

photo by  池田 彩音

すっかり温まった吉祥寺WARPにトリとして登場したのは、札幌・月寒からやってきた規格外のエレクトロラウドバンド、Tsukisamu Mutton Networkだ。いきなりアッパーなビートが炸裂し、その空気は別物に塗り替えられていく。火蓋を切ったのは『山田が大きくなるわ』。ダンサブルかつトライバルなリズムの上で、2人のボーカル、青木亞一人(Vo/Key)とTOMOYAH(Vo)が矢継ぎ早にラップを吐き出し、勢いをさらに加速させていく。その後ろでLEDマスクを被りサッポロビールの空き樽を叩き付けるMr.とうりん(Per)の異様な姿も相まって、大所帯のメンバーが所狭しと暴れ回る様はまさしく狂騒。時折ビートの重心をぐっと落としてヘヴィなグルーヴを作り出す、その振れ幅も強烈だ。

『ドストライク系』では分厚い音圧と軽やかなフロウを交差させ、『せぇ〜ので誰ぁれ?』では図太いサブベースを前景化。それでもスラップベースや瞬間的なキメを差し込み、シーケンスだけには回収されない生演奏の快感を刻んでいく。

ブレイクビーツ的なリズムを早口のフロウで追い越す『ミッキーフランキーさん』、きつねダンスのフレーズの引用に誰もが思わず反応した『#lovefighters』(ちなみに、青木はファイターズのユニフォームに身を包んでいた)。そんな楽曲の連打の中で、オーディエンスはヘドバンの波に自ら飛び込んでいった。

The Prodigy『Get Your Fight On』のカバーも交え、終盤も出し惜しみなくフロアを揺らした彼ら。最後に放ったのは、ハイエナジーに再構築されたエレクトロロックバージョンのTM NETWORK『Get Wild』! 世代を超えたアンセムが集まった人々の心を一つに繋ぎ、青木もフロアに降りてその大合唱を全身で浴びた。

アンコールを求める拍手に、TOMOYAHは「我々、ここまでで全部持ってきました!」と返答した。その言葉にも頷ける、札幌から持ち込んだものを一滴残らず吉祥寺へぶちまけるようなステージだった。

CONTACT

UP BEAT MUSIC 製作委員会 

Mail : upbeatmusic2024@gmail.com

X : https://x.com/upbeatmusic2024

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