4月25日、大阪の4ピースロックバンド・EVE OF THE LAINによる2年半ぶりの全国ツアー「Shout Your LOVE TOUR 2026」が地元大阪・心斎橋ANIMAにて千秋楽を迎えた。
2020年の結成以降、全国各地でライブを重ね、3月も10本以上のライブを行った生粋のライブバンド、イブオブ。現場で作り上げてきた強固な絆を感じ、大きな愛を叫びまくった1日をレポートする。
文=遊津場
撮影=マスダユウタ
定刻になると、いつものオリジナルSEが流れ、<CLAP>の声を合図にフロア全体が手を叩いてメンバーを迎える。そこからまず岩根大旗(Gt)、まっきい(Ba)、齋藤大河(Dr)が登場。早速岩根はお立ち台でフロアを煽っていた。
そして遅れて惣田航平(Vo/Gt)が登場し、SEが止まって岩根がギターを弾き出すと「さぁさぁ大阪、楽しむ準備はできてますかー!」と惣田が叫んで『BURNING』からスタート。スタジアムが見えるような雄大なサウンドに惣田の力強い歌声が加わると、既に王者の行進のような重みを1つ1つの音から感じる。
そしてサビでは目の前のステージに立つ4人の若き王に向けて、忠誠を誓うように拳を掲げるフロア。2番に入ると、惣田もスタンドマイクからハンドマイクに変わって、お立ち台に上り、より動きをつけて会場を盛り上げていく。クライマックスは全員でのシンガロング。初っ端から命を燃やし、この世の中に反撃の狼煙が上がったように見えた。
そのまま「いけるか大阪ー!Shout Your LOVE TOURファイナル、心斎橋ANIMAへようこそ!EVE OF THE LAINです。よろしくー!」と惣田が叫んで『フラッシュバック・ラブ』へ。彼ら流のディスコギターロックは、会場のミラーボールとの相性も抜群で、フロアもクラップしながら飛び跳ねる。サビでは一体となって手をワイパーして、振るたびに楽しさは増幅する。この心地よく脳汁が出るリズムはパワーや勢いだけでなく、絶妙なタイミングで音を細かく切ったり、言うならば音の“トメ・ハネ・ハライ”がしっかりできている演奏力の高さから生まれるもの。この曲にある哀愁もそこから生まれていた。
続く『フラストレーション』では惣田もギターを持ち、焦燥感のあるサウンドを放つ。やはりこの高速ビートの中にもメリハリがあるし、岩根とまっきいの動きをシンクロさせる部分もあって、見どころ聴きどころが沢山。サビではキャッチーな歌詞に合わせて手をぐるぐる回す人もいた。勢いを止めず始めた『Take Your Hands』では齋藤も「オイ!オイ!」と煽り、岩根も回転しながらギターを弾いて絶好調。その中でのまっきいのクールなコーラスも映えていた。10年代のフェスロックの系譜をしっかり受け継いだサウンドは曲名通り、そして「お前らと一緒にどこまでも行くんだー!」という惣田の叫び通り、その場にいる全員を引き上げてライブを作っていた。
「もっといける⁉︎もっともっといける⁉︎余裕でしょうねー。かかってこいやー!」と、ここで代表曲の1つ『BANG!BANG!BANG!』も止まらず発射。レスポンスの声も一段階大きくなった。メンバーにピンスポットを当てるタイミングが抜群なのも、ANIMAとの信頼関係を感じさせた。お馴染みの間奏でのレクチャーも「大阪は1発で行けるよな!」と短くまとめたが、全く問題なし。フロアが生むクラップの波と<BANG!BANG!BANG!BANG!BANG!>の合唱に4人も笑顔。「マジで愛してるよ」と惣田もマジトーンで伝え、最後は「最高だー!」と解放感のあるアウトロに合わせて叫んでいた。
MCに入り「ただいまー!」と叫ぶと「おかえりー!」がフロアから返ってきて、思わず「ありがとー!」と返す惣田。「迎えてくれることは簡単じゃないから」とも。「みんなも楽しむ気持ちと思いやる気持ちを持って、自分の中の最高潮までいけるように楽しんでください!」と伝え、最新EPから『イタイヨ』を演奏。グルーヴィなサウンドで報われない恋愛を歌い、夜のバーにも似合う大人の色気を見せた。そこからの『NIGHT DANCER』も、その失恋した夜のまだ落ち着かない気持ちを引き継いでいるよう。優しく切なく、タバコの匂いまで感じるようなリズム隊のビートとミラーボールの煌めきによって、愛した人へのキスしたい衝動の代わりに体を踊らさせざるをえなかった。
そしてその疲れた体に残った純なセンチメンタルハートに響かせるように届けた『愛し』。受け入れ難い孤独と傷の記憶がありながらも、懸命に歌い鳴らす4人の姿に、自分も重ねたのか涙するファンもいた。この3曲の流れはしっかり哀しい物語になっていたが、それを吹き飛ばすように続けたのは『HEART BEAT』。それでも心を燃やして生きなきゃいけない!という気持ちを引き出して、より大きなシンガロングが起こっていた。加えて何度も逆境を超えてきたバンドのストーリーも重なっていて、沢山の勇気をフロアに与え、フロアもそれを突き上げる拳に変えていた。
「本当に楽しい。みんなのおかげです!」と感謝し、メンバー1人1人がツアーの印象に残ったことを話す。
楽しく振り返った後「2年半前のツアーはまっきいと齋藤は入ったばかりで「楽しむというより」という感じだった。今回ちゃんと4人で回れたのが嬉しかったし、俺らのライブは自分達だけでは成り立たないので、1ヶ所でも来てくれた人にとても感謝したいです!」と伝えた。
そして惣田は「まぁやはり大阪は特別ですから、新曲なんかやっちゃおうかなと思います!…タオル回したいよな?」と伝え『FREEDOM』を初披露。「ここくらいは君の1番の笑顔で楽しんでほしい!」という言葉通りの彼ららしいブチ上げギターロックで、サビでは全員タオルを回して楽しんでいた。突然の転調からのスーパージャンプタイムもあったが、それも見事ついてきて「完璧でした!」と伝えていた。
束の間の静寂の後、楽しい空気を変える怪しげな鐘の音のBGMが流れ出す。その音に続いて始まったのは齋藤のドラムソロ。そこにダークさと重みのあるギターの音も重なっていくと、突然BPMが早くなり攻撃的なイントロに変わって『NOISE』がスタート。基本闇夜の中でもがき苦しんでいる曲だが、だからこそ惣田が喉を掻っ切るように歌う<それでも何度も何度も手を伸ばして>というサビ後半の歌詞や、<いっそ壊してしまえよ こんな絶望>という叫びが際立つし、フロアの伸ばす手から生まれるエネルギーが尋常じゃないものに感じた。
そして闇夜から抜けたようにフロアが両手をハンズアップしてから始まったのは『エンジェルビート』。危険なセクシーさもあるナンバーに、岩根もノリノリで腰を振りながらギターを弾く。ANIMAの照明も黄色と白の輪っかを照明で作って天使を表現していた。そんな天使の悪戯かベースが鳴らず、最初からやり直す場面もあったが「ラッキーだなー!もう1回遊べるぞー!」と、よりテンション上げてメロメロにさせるところにライブバンドの実力を感じた。そのまま熱狂の『ワンダーランド』に連れて行き、笑顔のフィーバータイムを起こしていた。
ここで最後のMCへ。改めて「このツアーは君のおかげで最高だった」と惣田はフロアに感謝し、「普段は物静かかもしれないけど、君は俺らにとって大切な大切な光です。君がいるからバンド頑張れるよ!このツアー“Shout Your LOVE”、沢山「愛を伝えろ」と言ってきました。俺らも普段はなかなか恥ずかしくて発信できないけど、ステージの上なら、音楽があるから言えます。やっぱりライブハウスに来てくれるというのは、すごくすごく体力がいることで、パワーやエネルギーがいること。時間もお金もかかるし。それでもここに来てくれたこと、いつまでもずっと忘れません!愛は1人じゃ成り立たないと思う。俺らがいて、あなたがいるから愛は成り立つと思う。これからも俺らは沢山の愛をあなたにぶつけるので、私の一言なんて小さいなんて思わずに、沢山の言葉を俺らに投げかけてください。俺らも信じたものを貫くので、これからも君は君の信じるものを信じ、遊んで、俺たちと一緒に歩き続けましょう!」と言い、約束のテーマ『朝焼け』を届ける。「ライブハウスがあって、君がいたからできた曲」と言うこの曲。曲が進むたびに惣田が1人歩いているところに、次々とメンバーやファン、スタッフが加わっていって、大きなEVE OF THE LAINという集合体ができて、共に駆けていく様が見えてきて感動的だった。
そして「さぁラスト2曲楽しめるかー!笑って帰りましょうねー!」と、まず『ビターハニー』を届ける。一緒に飛び跳ねて楽しんでいる姿からは、もう昔のような孤独な夜に戻りはしないし、させないという4人の決意とフロアとの強固な絆を感じる。そしてこの幸せな音が全国のまだ求めている人の耳に響くことを願う『マジックベル』を届けて、ライブは終了した。
すぐさま起こったアンコールに応えて、まずは齋藤が登場。ミュージカル風(?)物販紹介とツアーポスターが当たる抽選で盛り上がった。
そして3人もステージに戻り、8月23日に自主企画「マブタチロックンロールフェス2026」を行うことを発表。そして「最後の最後まで楽しんで帰ってねー!」と叫んで『ピースサイン』を演奏。とにかく楽しさとエネルギッシュさとピースサインにANIMAは溢れた。最後のコールアンドレスポンスも大音量で<EVE OF THE LAIN、愛してるー!>と叫んで、熱狂のままアンコールも終了。掲げられた大量のピースサインを前に惣田は「また絶対会おうなー!」と約束した。
少年漫画のようなストレートな熱いロックが持ち味の彼ら。サーキットフェスなどの30分という尺でも十分勇気をもらってきたが、ワンマンとなるとやはりその物語にさらに深みが出ていた。
劇的ではなく、時に傷つきながら、それでも1歩ずつ歩んできたバンドストーリーの登場人物に、あなたもなってほしい。
<セットリスト>
1.BURNING
2.フラッシュバック・ラブ
3.フラストレーション
4.Take Your Hands
5.BANG !BANG !BANG!
6.イタイヨ
7.NIGHT DANCER
8.愛し
9.HEART BEAT
10.FREEDOM(新曲)
11.NOISE
12.エンジェルビート
13.ワンダーランド
14.朝焼け
15.ビターハニー
16.マジックベル
En.ピースサイン
告知
EVE OF THE LAIN 夏の自主企画
「マブダチロックンロールフェス2026」
2026年8月23日(日) 会場:大阪 BANANA HALL
開場15:15/開演16:00
■チケット料金
¥5,000
入場時別途1ドリンク代600円必要
一次先行 5月9日(日)23:59締切
各種SNS
X:https://x.com/EVE_OF_THE_LAIN
Instagram:https://www.instagram.com/eve_of_the_lain
TikTok:https://www.tiktok.com/@eveofthelain

