2026年2月22日(日)、8回目の開催を迎えたmemetoour主催のサーキットイベント「メメタァ・ザ・ワールド・フェスティバル」通称「メメフェス」が、新宿LOFT、新宿LOFT Bar、新宿Marbleの3会場を舞台に今年も鳴り響いた。
2月22日、222のゾロ目という特別な日取りが示すように、この日は最初からただならぬ高揚感に包まれていた。ライブハウスを巡るたびに音が交差し、人と人が繋がり、偶然が必然へと変わっていく。
8回目という積み重ねの重みと、まだ見ぬ景色への期待が同居する祝祭空間。本記事では、そんなメメフェスでの一日を余すことなく記していく。
文:高島よしお
南無阿部陀仏
東京練馬発の無所属ロックバンド「南無阿部陀仏」
LOFT BarにてQueenの『We Will Rock You』のSEで堂々と登場。前田錬(Vo)、佐々木颯也(Gt)、工藤音輝(Ba)、アントニー大輝(Dr)の4人がステージに姿を現した瞬間、空気の密度が一段階上がる。
始まる直前、アントニー大輝が「メメフェス!みなさん楽しめますかー!」とフロアに問いかけ、割れんばかりの歓声を浴びてライブは幕を開けた。
1曲目『青春』からスタートした南無阿部陀仏は、前田のハーモニカで、人の心の底に沈んだパンク心を乱暴なくらいに掻き立てる。「声上げろ!」の合図で大合唱が巻き起こり、無数の拳が突き上がった。
曲を終え、前田がいたずらっぽく「この後怒られると思うんだけど言っていい?どこでもやったことない新曲やらない?」と、メンバーに投げかける。メンバーの表情が一瞬戸惑いを見せる中、未発表曲を強行披露。前田を除くメンバーの顔にはハッキリと「やってやろうじゃねぇか!」と、正面突破で道を切り開くかのようにサウンドを鳴らす。
続く『ONE LIFE』では、前田がステージからダイブ。その姿を追うように観客も思いのまま暴れ、フロアは巨大な渦と化す。これが音楽であり、これが南無阿部陀仏の真髄だと誰もが体感した瞬間となった。
5曲目の『烏兎匆匆』ではフロアが真っ二つに割れ、観客同士がぶつかり合う歓喜の渦。
曲が終わり、前田が「memetoourほんとありがとう!」と叫び『オーロラロック』を披露。4人は最後まで全速力で走り抜け本編を締めくくった。
メンバーがステージを降りようとすると「まだ3分あるぞー!!」と観客からのアンコール。前田は驚きつつも「よっしゃ!すげーやりずらい雰囲気作ってDaisy Callに渡そうぜ!」と、無邪気な笑顔でアンコールに応え、再度『ONE LIFE』を投下。
するとDaisycallのボーカルしゅんしー。がステージに乱入し躊躇なくダイブ。受け止めてくれる仲間と観客がいるからこそ飛び込めるその光景は、メメフェスの温度と絆を象徴するアットホームで熱いフィナーレとなった。
EVE OF THE LAIN
2020年1月に大阪で結成された4人組ロックバンド「EVE OF THE LAIN」
新宿Marbleにて、彼らのライブは少しの焦燥と希望が交錯するようなSEが流れ、ステージに4人が現れる。張り詰めた空気は、期待という名の追い風に変わった。
1曲目に『マジックベル』を披露。疾走感と開放感が同時に押し寄せるサウンドに、観客は迷いなく腕を上げる。走り出すような齋藤大河(Dr)のビート、空を切り裂く岩根大旗(Gt)のギター。安心して身を委ねられる強度がそこにある。
2曲目『エンジェルビート』は軽快でありながら確かな重みを持つ一曲。齋藤の力強いドラムが土台を築き、その上でメンバーが前に出る。「一緒にいる30分笑って笑おう」と惣田航平(Vo/Gt)が呼びかけ、サビではフロア全体が一つの声に。岩根とまっきい(Ba)が前に出てテクニックを披露し、音の熱量をさらに引き上げる。
MCでは2年連続出演への感謝を語り、再びメメフェスに立っている意味を噛み締めるような言葉に、観客も温かい拍手で応える。
MCが明けると『ワンダーランド』を披露。揃った手拍子が大きなひとつの音塊となり、会場を包み込む。音と歌のはめかたが絶妙だからこそ、観客は自然と体を揺らせる。惣田と岩根が前に出てギターを掻き鳴らし、視線と音でフロアを引っ張る。
4曲目『ビターハニー』では「ジャンプしてMarble揺らそうぜ!」の一声で全員が跳ぶ。床が揺れ、笑顔が弾ける。メンバーも終始笑顔で、ステージとフロアの境界線はほとんど消えていた。
5曲目『閃光』では、エモーショナルな旋律が胸を締めつける。まっきいのベースがうねり、齋藤のドラムが加速し、惣田の歌声がまっすぐに伸びる。岩根のギターソロが会場を切り裂き、歓声が幾重にも重なった。
6曲目『BANG!BANG!BANG! 』では、この日一番の盛り上がり。乱れ打ちのように体を揺らす観客の姿が印象的だった。<memetoourにもっと愛されたい>と歌詞を変え、コールアンドレスポンスでは「memetoourがライブできなくなるぐらいの声を出して撃ち抜こう!」と煽り「バンバンバンバン!」と観客総出でmemetoourを撃ち抜く。
最後に「これからもロックバンドとして歌い続けます。また会いましょう!」と力強く宣言し、EVE OF THE LAINのステージは熱い余韻を残して幕を閉じた。
THE BOYS&GIRLS
続いてステージに現れたのは、2011年3月結成、北海道出身・札幌在住のロックバンド「THE BOYS&GIRLS」
ワタナベシンゴ(Vo)を中心に、サポートメンバーのヨシダカズマ(Gt)、ミカドリク(Ba)、ポルノ大岡(Dr)が脇を固める。
ワタナベは”なんの問題もないよ”と書かれたシャツを身にまとい、堂々と登場。1曲目に『愛の海』を披露。初っ端から全速力でロックを鳴らす。ポルノ大岡のドラムが疾走し、ミカドのベースが地を這う。サビでは大合唱が巻き起こり、フロアは一瞬でシンガロングの海へと変わった。
続く『陽炎』では、ワタナベが迷いなくダイブ。全身でロックを表現する姿に触発され、観客も思い思いに飛び込む。受け止める腕と腕が重なり信頼が形となる。
『ロックンロール』では、THE BOYS&GIRLSらしい、飾らない魂が身体にずしりと響く。シンプルだからこそ強い。ヨシダのギターが鋭く切り込み、歓声が上がる。
『よーいドン』では「あの日のままじゃmemetoourに会えない!」と叫び「踊ろう!」の一声でフロアが揺れる。ギターをかきむしるワタナベの姿が、迷いを振り払うように映った。
MCでは「みんながみんな同じ曲をやってるわけじゃないから、そのバンドにしかない感情にみんなが出会ってくれたら良いなって心から思います。あと562曲やるんですけどどうか最後までよろしくお願いします」と軽快なトークを展開。会場の距離がぐっと縮まる。
MC明けの『声にならねえな』では、ワタナベのハーモニカが鳴り響き、熱量は最高潮へ。声なき者に声を与えるような歌が、胸の奥に突き刺さる。
続く『ボーイ』では「やっちまえ!」の合図で観客がダイブ。ひとしきり飛び交った後「もうダイブとかいらないよ!心で行こう!」と叫ぶワタナベ。その言葉に、拳が高く掲げられる。
7曲目『フロム・ア・ナローボックス』。掲げられた拳が揺れ、ライブハウスという場所への愛が充満する。
ラストは『最初で最後のアデュー』を披露。歪んだミカドのベースが効果的に鳴り、曲の途中「ディスコビートで踊りたい!」と言い、突如踊り出すワタナベにサウンドも気前よく転回。
徐々に幕が降りてくる中、ワタナベが「ちょ、え!?ディスコビートやらないから!」と訴えるが、幕は無情にも完全に降下。幕が降り切ったステージで「memetoourの曲やっちゃダメなの…?」と、最後まで自由奔放。信頼と遊び心に満ちたなんとも彼らしい幕の閉じかたとなった。
ロックの熱ととびきりの笑顔を置き土産に、THE BOYS&GIRLSはステージを後にした。
memetoour
「メメフェス2026」の大トリを務めたのは主催でもある「memetoour」
場内が暗転し、ラッツ&スターの『め組のひと』の軽快なグルーヴに手拍子が起こり、期待が膨らみきったその瞬間メンバーが登場。
曲を始める前、西沢 成悟(Vo/Gt)がフロアに向かって「毎年やってるから今年もやったとかそういうことじゃなくて、ちゃんと前に進むためにやりました!メメフェスありがとう!」と語ると同時に放ったシャウトを合図に祝祭の最終章が幕を開けた。
1曲目を飾ったのは『デイドリーマー』。笑顔を携えたまま鳴らされるロックに、観客は拳を掲げ応える。スタートから迷いはない。今日という一日を肯定するような音が、会場を包み込む。
2曲目『光の向こうに』では、サンライズ太陽(Dr/Cho)が「どんどん行こうぜメメフェス!」と叫び、さらに加速。リズムが背中を押し、光の先へと突き進む。フロアの熱量は一段と上昇する。
流れるように『ディスコビート』が始まると「踊っちゃいますよ!踊っちゃいますよメメフェス!」と西沢が楽しそうに叫ぶ。すると会場に吊ってあるミラーボールが回り始め、光の粒が無数に散る。カワギシタカユキ(Ba/Cho)のソロが炸裂し、工藤 快斗(Gt/Cho)のギターが鋭く切り込む。全身でディスコを表現する姿は妖しくも華やかで、どこか危険な香りすらも上品に燻らせる。
MCでは西沢が「前回のメメフェスから5本くらいしかライブがなくて、今回ちゃんとメメフェスになるかなって不安だったんですけど、ちゃんとメメフェスになりましたね!ありがとうございます!」と、これまでの感謝と、8回目を迎えた誇りを語る。
続けて「それぞれのバンドがmemetoourに向けて、今日に向けて、今日集まってる人に向けて、このイベントに臨んでくれてるんだろうなってすごく伝わりました。辞めるのは簡単だけど、続けたい事を続けられる内は続けようかなと思ってます」と、メメフェスを作っているのは自分たちだけではないと観客に伝え、4曲目『結果が出なきゃ辞めればいいのさ』を披露。しっとりと立ち上がる照明がステージを照らす。サビではメンバーと観客が一緒に歌い、優しさと覚悟が重なる。
『ハイライト』では、西沢の「歌ってくれ!」の合図で大合唱が起きる。声が重なり、この日の景色を焼き付けるように会場中を見渡す西沢。
ここで再びMCを挟み「去年はライブを休んでいる期間があって、その時に、成悟のやりたい事とか、memetoourをやってたら出来なかった事をやったらいいんじゃないかって言われて、やりたい事とか考えたりしたんですけど結果的にはそんな物なくて、やっぱり俺はmemetoourをやりたいんですよ。もっと言えば、ここにいる君とこの4人でやりたいんですよ。それで初めてmemetoourだから。いろんな選択肢があって、いろんな可能性がありましたけど去年のメメフェスから今日までの日々、後悔した時間は一秒もありません!選択が間違っていると思ったことは一秒もありません!今日それをまた強く確信しました!メメフェス今年もありがとうございました!」と、仲間、そして何より来てくれた人への感謝を述べた。
MC明けの『ブルースドライバー』では工藤のギターが全面に出てうねり、観客の拳が自然と上がる。memetoourのロックは熱くストレートで激しい。それでもどこか優しい余韻を残す。
『ロスタイム』では、この日一番のシンガロングが起こった。声が天井にぶつかり跳ね返り『インスタントソング』でもその勢いは止まることを知らない。再び大合唱が巻き起こり、本編は大団円へ。
本編終了後アンコールで再登場すると西沢が「来年出来るかどうかはその時の俺に聞いてくれって感じで(笑)でも、これだけいろんな人が気持ちを寄せてくれたイベントなので、また出来るように俺らもバンド頑張ろうと思えたので、これからもよろしくお願いします!」といい、始まったのは『I wanna be』
曲間でサンライズ太陽が「2026年もmemetoourを、出てくれたバンドマンよろしくお願いいたしまーす!」と高らかに挨拶をする。
主催として、ロックバンドとして、memetoourはすべてを鳴らし切った。メメフェスの夜は、確かな熱を新宿に残し素晴らしい一日に幕を下ろした。
<セットリスト>
1.デイドリーマー
2.光の向こうに
3.ディスコビート
4.結果が出なきゃ辞めればいいのさ
5.ハイライト
6.ブルースドライバー
7.ロスタイム
8.インスタントソング
<アンコール>
1.I wanna be
告知(memetoour)
2026.03.05(木) “STANDARD LANGUAGE TOUR -初日-“
【会場】新宿Marble
【時間】OPEN 19:00 / START 19:20
【チケット】前売り¥3000(D別) / 当日¥3500(D別) / UNDER-20 ¥0(D別)
【出演】西沢成悟(memetoour) / ユタ州 / AIRTONIC
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2026.03.13(金) “最高の夜”
【会場】新高円寺フォーキーズ酒場
【時間】OPEN 19:00 / START 19:20
【チケット】前売 ¥2500 (各別途1drink)
【出演】西沢成悟(memetoour) / 但野正和
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