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UNFAIR RULE『ひびのかけらtour』追加公演@渋谷Spotify O-WEST

岡山発の3ピースロックバンド・UNFAIR RULEが、2026年2月8日(日)に『ひびのかけらtour』の追加公演を開催した。2025年11月にリリースしたEP『ひびのかけら』を携え、2026年1月に東京・渋谷CLUB QUATTROにて一度ゴールテープを切った本ツアー。

その延長戦の舞台は、『ずるい約束 -ONEMAN LIVE-』で悠瑞奈(Ba)の加入を発表した東京・渋谷Spotify O-WESTだ。およそ9ヶ月ぶりにこのステージへ凱旋を果たした3人は、ひと回りもふた回りも大きくなった背中を示してくれた。

文=横堀つばさ

撮影=イワモトアリム

『ひびのかけらtour』@渋谷Spotify O-WEST

冒頭のMCで「ありがたいことにEPリリース発表前にクアトロがソールドしたので、『ひびのかけら』で私たちのことを知ってくれた人にも来てもらえるように、O-WESTで追加をきらせてもらいました」と語った通り、この日の基盤にセットされていたのは『ひびのかけら』を中心とする楽曲たち。

七色に染められた会場が山本珠羽(Gt/Vo)の歌い出しで一筋のスポットライトへ収斂していったオープニングナンバー『誰かの彼女になっても』から、「O-WEST、調子はどう?」と『馬鹿みたい』『ポニーテール』を乱れ打ちする幕開けは、先日のクアトロ公演と同様であり、全10公演に及んだこの旅路を1曲1曲噛み締めていくよう。

もちろん「始めよう!」とゆっくりと手を掲げた山本の仕草は十分な自信の表れであり、「好きな人の好きな人になれますように」と投下した『ポニーテール』で杉田崇(Dr)が刻む軽妙なオープンハイハットやのしのしと進軍していくベースラインはこれまで以上に開けた門を構えるようになった3人の変化を裏付けているわけで、ツアーで獲得したスキルを自在に使いこなせるレベルまで引き上げてきた彼らの努力が読み取れる。

では、UNFAIR RULEが『ひびのかけらtour』で体得したものとは何だったのか。

「私は、自分を救うためにUNFAIR RULEを始めたんですけど、みんなのために歌いたいといつしか思えるようになりました。爆音で好きなバンドのうるさい音楽を聴くと、それ以外何も考えなくて良くなる気がして。みんながムシャクシャした時、悲しい時にUNFAIR RULEで耳を塞いでくれたらなと思います。いつでも私たちに頼ってください」

こんな台詞を添えて、数秒の静寂から捧げた『耳鳴り』は、このクエスチョンに対する回答だった。血飛沫を想像させるような照明の深い赤の中、歪んだベースと寝転びながらかき鳴らすギターに乗せて〈どいつもこいつも同じ顔をしてる〉〈今だけ私を睨んでいて ディストーション〉とフラストレーションがまき散らかされていく。

ただしここで吐き捨てられる激情は「救いにきた!」「そばにいる!」と叫んだ通り、そして、先刻のMCでも明確に表現されていた通り、とことんあなたが傷つかないようにするためのものだ。

と、ここで忘れてはならないのは『耳鳴り』に突入する前の2曲が「思っていることを言えなくて悲しい気持ちが溜まっていくと、それが歌になります」と演奏した『ふたりのうた』と、もう振り向いてくれやしないアイツに語りかけるみたいに「こっち見て!」と届けた『口癖』だったことではないか。

山本が元来歌の源泉にしてきた、物分かりの良い理解者であろうとするあまりに押し殺した不満や寂しさを流しこんだ2曲から『耳鳴り』へ。

つまり、このブロックは極めて内省的な詩世界を身上としてきたUNFAIR RULEが、他者を救い、プロテクトするロックバンドへ成長していると教えてくれたのである。

オーディエンスの支えとなることに3人が自覚的になったことを踏まえれば、「今からここを2025年5月11日のO-WESTにしよう。どんなUNFAIR RULEになった?見せにきた!」と『ずるい約束』『言葉に恋する君が』で新体制を発表したあの日の自分たちを蘇えらせたのち、プレイした『ひとりぐらし』の意味も変わっていく。

〈冷蔵庫の中身はいつも空っぽだから 生活に隙間はないみたいです〉〈1人でも頑張らなきゃって料理をしてみた やっぱり何かが違って涙が出た〉と親元を離れた不安や注がれてきた愛情に対する感謝をパッケージングしたこの曲は、弾き語りの作品集である『20』に収録されていることからも明白なように個人的なナンバーのはず。

にもかかわらず、山本はゆっくりと叩かれるビートと柔らかなコーラスワークによって、3人の作品として再誕させる道を選んだのである。そして、その決心の背景には「新生活には慣れたかな」「前のツアーの時、新生活が不安ですって言ってくれた子のことを思うと、私は歌い続けなきゃと思うんです」と語った通り、リスナーの存在があったのだ。

この日の随所から読み取れたように、山本の赤裸々な、しかし誰もが抱える心情の吐露を武器としてきたUNFAIR RULEは、あなたのために音楽を鳴らすようになった。「終わりなんて来なければ良い」と祈るほどの幸福を記したラストナンバー『後悔する前に』の直前、彼女は「1番大切な人を思い浮かべて聞いてください。そして、自分も1番大切にしてください」と口にした。

何の気なしに溢れたこの言葉は、UNFAIR RULEが自分自身にセルフハグをすると同時に、他者を労り、愛しむようになった何よりもの証左だろう。「そんな奴やめなよ」と言われたって辞められないほどの恋を、独り壁打ちするしかないようなドロドロの感情を歌ってきた3人は、数ヶ月前の自分たちや『ひびのかけら』を超えて、盾になる怒りも、泣けるほどの幸福も綴っていくのだ。

<セットリスト>

1.誰かの彼女になっても

2.馬鹿みたい

3.ポニーテール 

4.思い出になっても

5.ラストソング 

6.次の日のこと

7.わからないままで

8.ふたりのうた

9.口癖

10.耳鳴り

11.ずるい約束

12.言葉に恋する君が

13.ひとりぐらし

14.内緒

15.バーカ!

16.君にさよならを言わない

17.後悔する前に 

<アンコール>

1.こんな日には 

<Wアンコール>

1.非行少女

告知

「UNFAIR RULE “Forgive me for being me” tour 」

〈日程〉

4月29日(水・祝)神奈川・F.A.D YOKOHAMA  ※ONEMAN

5月16日(土)福島・郡山hip shot Japan  ※対バンあり

6月5日(金)青森・八戸ROXX  ※ONEMAN

6月7日(日)北海道・札幌BESSIE HALL   ※ONEMAN

6月19日(金)愛知・名古屋THE BOTTOM LINE   ※ONEMAN

6月26日(金)兵庫・music zoo KOBE 太陽と虎  ※ONEMAN

7月11日(土)岡山・CRAZYMAMA 2ndRoom  ※対バンあり

7月12日(日)岡山・CRAZYMAMA 2ndRoom  ※ONEMAN 

7月17日(金)沖縄・沖縄 Output  ※対バンあり

7月19日(日)鹿児島・鹿児島SR HALL  ※対バンあり

7月20日(月・祝)長崎・長崎 STUDIO DO!  ※対バンあり

8月1日(土)長野・松本ALECX  ※対バンあり

8月2日(日)岐阜・柳ヶ瀬ants  ※対バンあり

8月9日(日)奈良・奈良NEVERLAND  ※対バンあり

9月6日(日)福岡・BEAT STATION  ※ONEMAN

9月11日(金)高松・高松 DIME  ※ONEMAN

9月12日(土)愛媛・愛媛 Double-u Studio  ※ONEMAN

9月19日(土)石川・金沢 vanvanV4  ※ONEMAN

9月26日(土)広島・広島 CAVE-BE  ※ONEMAN

10月9日(金)仙台・仙台MACANA  ※ONEMAN

11月22日(日)大阪・心斎橋BIGCAT  ※ONEMAN

11月25日(水)東京・Spotify O-EAST  ※ONEMAN

🎫https://eplus.jp/unfairrule/

各種リンク

公式HP:

https://unfairrule.fanpla.jp

X:

https://twitter.com/UNFAIR_RULE

Instagram:

https://www.instagram.com/unfair_rule

TikTok:

https://www.tiktok.com/@unfairrule_official

YouTube:

https://www.youtube.com/@UNFAIR_RULE

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