ギターの弦を押さえづらく感じたり、思うように弾けなかったりすることはないですか?
ギターの弾きにくさを解決する一つの方法が、弦高調整です。
今回は、弦高調整のやり方をステップごとに解説します。
目次
弦高調整とは?
弦高調整のやり方を覚える前に、まずは必要性を把握しましょう。
弦高調整の基本的な説明
弦高調整とは、フレットと弦の間の距離を調整する作業です。
距離が離れていることを「弦高が高い」と呼びます。
弦高が高いと弦を押さえるのに力が必要となり、演奏していて疲れを感じやすくなるかもしれません。
一方、フレットと弦の距離が狭いときは「弦高が低い」状態で、軽い力で弦を押さえられるのが特徴です。
弦高には、3つの要素が関係します。
■ブリッジサドルの高さ
■ネックの反り
弦高はギターの12フレット上で測り、1弦は1.2~1.5mmで6弦は1.8~2.0mmが標準とされています。
なぜ弦高調整が必要なのか
弦高はギターで奏でるサウンドや演奏性などに影響を与えるため、自分のスタイルに合わせて調整が必要です。
弦高が高いメリット
■弾かない弦のミュートがやりやすい
弦高が高いデメリット
■弦を押さえるのに力が必要
弦高が低いメリット
■速弾きやタッピングなどに向いている
弦高が低いデメリット
■ミュートがやりにくい
弾きたい曲やプレイスタイルに合わない弦高では、満足する音を出せませんよね。
演奏力向上のために、ミリ単位での弦高調整を目指してみましょう!
弦高調整の4step
フレットと弦の間を調整し、弾きやすくする弦高調整。
4つのステップでやり方をまとめました。
1. 弦高を測る際に必要な道具
自分の好きな弦高に調整する前に、まず現状の弦高を確認しましょう。
ギターの弦高を測ったり調整したりするときは、主に3つの道具が必要です。
■ドライバー
■六角レンチ
スケールはフレットに当て計測するため、0mmの前に余白のない「端が0mmで始まるもの」を選んでください。
ミリ単位で適切な弦高に調整できるように、0.5mm刻みのスケールを使うのがおすすめです。
ドライバーは、大きさや形が違うものを数種類用意しましょう。
弦高調整に必要な道具がまとめられているツールセットもあるので、楽器店で探してみてくださいね。
2. 正しい弦高の目安と測定方法
弦高は、ギターの12フレット頂点から弦下部までの間を測ります。
スケールの端をフレットの上に当てて、弦下部までの距離を真横から見て計測していきます。
弦高を測るときは、先にチューニングで各弦の音程を合わせてください。
実際に演奏する状態での計測が必要です。
また、調整する前に計測した弦高の数値をメモに残しておくと、迷ったときに元に戻せるので安心ですね。
1弦(細い弦)が1.2~1.5mm、6弦(太い弦)は1.8~2.0mmを目安ですが、明確な決まりはありません。
次のステップで行うネックとブリッジの調整により、自分の弾きやすい弦高にセットしましょう。
3. ネックの調整
弦高調整では、ネックの反り具合の確認も必要です。
ネックの反り具合は、1フレットと12フレットで弦を押さえて、真ん中あたりの7~8フレットで弦との開き具合を確認しましょう。
フレットと弦の間に、はがきが1枚以上入りそうな場合は順反りで、弦高が高い状態です。
逆にフレットが弦に近づくように反っている状態は逆反りで、弦高が低くなっています。
ネックの反りを確認したら、ネック内に埋め込まれているトラスロッドを回して調整します。
ヘッドにあるトラスロッドカバーを外し、順反りはネック側から見て時計回り、逆反りは反時計回りに六角レンチで調整してください。
トラスロッドを回しすぎるとネックの形が大きく変わるため、回す範囲は45度くらいまでがおすすめです。
4. ブリッジの調整
ネックを調整したら、次はボディで弦を支えているブリッジの調整です。
ギターのブリッジは、弦ごとにサドルが分かれているタイプと、一つにまとまっているタイプがあります。
まず、1本ずつ分かれているタイプについて。
六角レンチでサドルのネジを締めると弦高が高くなり、緩めると弦高が下がります。
各サドルに2本ずつピンがあるため、平行になるように調整してください。
一方、一つにまとまっているブリッジは、全体を固定しているネジをドライバーで回すため、弦ごとの調整はできません。
両端のネジを反時計回りだと弦高が高くなり、時計回りは弦高が下がります。
ブリッジでの調整まで終わったら、弦高を測定してメモしておくと、次回以降の弦高調整が楽になるでしょう。
弦高調整の注意点
弦高調整は、ギターの演奏性や音質に大きな影響を与える重要な作業です。
低めの弦高は弦からギター本体までの距離が短くて弾きやすいメリットがありますが、下げすぎてはいけません。
ここでは、特に弦高を下げすぎた場合のリスクについて詳しく説明します。
弦高を下げすぎるリスク
初心者には弦高を低く調整するのがおすすめですが、下げすぎには注意です。
まず、一番の問題はビビリと呼ばれる、弾いた弦がフレットに当たることで発生するノイズ。
弦高が低すぎると弦がフレットに触れやすいため、強く弾いたときや低音弦を弾いたときに耳障りな音を感じるでしょう。
ライブ演奏やレコーディングなど、失敗したくない場面ではクリアなサウンドを奏でたいですよね。
また、弦高を下げすぎると、音が薄くなったり正確なミュートが難しくなったりするデメリットもあります。
弾きやすいものの、演奏性に影響が出るリスクも理解しましょう。
少しずつ弦高を調整して、自分のプレイスタイルに合わせたバランスを見つけることが重要です。
まとめ
■ネックとブリッジで弦高を調整する
■低い弦高は弾きやすいが、演奏の質を下げる可能性もある
自分の演奏レベルやクセなどに適した弦高に調整して、心地よいサウンドを奏でましょう。