曲のメロディーを支えるベースにはさまざまな種類のものがあります。
今回は、「ベースの種類を知りたい」「ベースの選び方を知りたい」という方に向け、ベースの種類やベースの主要メーカー、選び方について解説していきます。
ベースにはどんな種類があるの?
ベースにはバンドアンサンブルで一般的なエレキベースをはじめ、さまざまなタイプがあります。
エレキベース
エレキベースは弦の振動を電気信号に変え、ベースアンプより出音するタイプのベースです。
ポップスやロック、ジャズなどさまざまな音楽ジャンルで使われ、バンドアンサンブルには欠かせない存在です。
エレキベースには、弦の振動を拾って電気信号に変換するピックアップや、音量・音質を調整するノブがボディに付いています。
弦が4本のエレキベースが一般的ですが、4本よりも低い音が出せる5本弦や6本弦のベースもあり、5弦ベースを使うベーシストも増えています。
ベースアンプを使用しないと大きな音が出ないので、エレキベース単体なら夜間でも練習が可能です。
アコースティックベース
ボディ内部がホロウ(空洞)になっているのがアコースティックベースです。
アコースティックベースには「フルアコースティックベース」と、「セミアコースティックベース」の2種類があります。
ボディ内部がすべて空洞なのが「フルアコースティックベース」、ボディの一部が空洞なのが「セミアコースティックベース」です。
フルアコースティックベースはボディによって増幅される自然な音が特徴で、アンプを使わずに弾けます。
セミアコースティックベースはエレキベースのように、ベースアンプをつないで音を鳴らします。
セミアコースティックベースの音は、フルアコースティックベースとエレキベースの中間のような音です。
ウッドベース
ウッドベースの別名はコントラバスで、エレキベースよりもボディのサイズが大きく、バイオリンのような形をしています。
ジャズやボサノバで使用されるのがウッドベース、オーケストラで使用されるのがコントラバスと区別されることが多いです。
弦の数はエレキベースと同じく4本ですが、奏法には弦を弓でこすって弾くアルコ奏法や、指で弾くピッチカート奏法があります。
また、エレキベースはネックにフレットが付いてますが、ウッドベースにはフレットがありません。
アクティブとパッシブとは?
エレキベースのタイプには大きく分けて、アクティブとパッシブの2種類があります。
アクティブベース
アクティブベースとは、ピックアップの駆動に電源(電池)を必要とする「アクティブピックアップ」を搭載したベースのことです。
電源を使って力強く音声信号を流せるのでノイズに強く、高出力でメリハリの利いた力強い音が出せます。
コントロールノブは音量や音質調整の他に、高音や低音の音量が変えられるイコライザーノブが付いています。
イコライザーノブにより、ベース本体で音が作れるのもアクティブベースの大きな特徴です。
アクティブベースの高出力を活かし、ベースの存在感を出したい場面で活躍します。
パッシブベース
ピックアップの駆動に電源を必要としない、「パッシブピックアップ」を搭載したベースがパッシブベースです。
パッシブピックアップは弦の振動に味付けすることがないため、自然な音を出せるのが特徴で、ロックやポップス、ボサノバなどさまざまなジャンルに使われています。
コントロールノブが「ボリューム(音量)」と「トーン(音質)」のみのシンプルなパッシブベースも多く、出音調整が簡単にできます。
電源を必要としないので、電池切れによって音が出なくなる心配もなく、初心者の方が最初に手に入れるベースとしても、パッシブベースがおすすめです。
ベースの選び方はどうすればいい?
ベースを購入するにあたって、選ぶ基準に次のものがあります。
値段
■2万円以下
音への期待はできませんが、最も安い価格帯のベースです。
新品でも1万円前後から買えるベースもあります。
Ibanezやbacchusなどのメーカーから販売されているエントリーモデルもこの価格帯です。
■5万円以下
品質も耐久性もそこそこ良く、ライブなどでも使用できるベースが増えてくる価格帯です。
種類も豊富にあるので、お気に入りのベースが見つけやすいでしょう。
「長くベースを続けたい」と思う初心者の方が最初に選ぶのも、この価格帯がおすすめです。
■7万円以下
安定した品質に加え、イコライザーサーキットなどさまざまな機能が搭載されているベースが増えてきます。
人と違うベースが欲しい方や、コストパフォーマンスの良いベースが欲しい方におすすめの価格帯です。
■10万円以下
品質・機能や性能ともに十分な価格帯です。
レコーディングやライブなどでも使え、木目を活かした美しい見た目のベースも選べます。
本格的にベースを続けていきたい方、メーカーこだわりのベースが欲しい方は、この価格帯のベースを選びましょう。
音色
好きなベースの音色や、演奏するジャンルによって選ぶベースが変わってきます。
ベースには「プレシジョンベース系」と「ジャズベース系」の2種類があり、プレシジョンベース系はパワフルで太い音が特徴です。
ジャズベース系はピックアップの組み合わせが選択でき、プレシジョンベース系よりもさまざまな音が作れます。
ボディやネックの材質によって音に変化が出ますが、より大きく音に影響するのがピックアップです。
全く同じ形・同じ素材でできたベースでも、ピックアップの種類や設置されている場所によって音に変化が出ます。
演奏したい音楽ジャンルでよく使われているベースを参考にしたり、好きなベーシストを参考にしたりして選びましょう。
デザイン
ベースは音が重要ですが、同じくらい重要な要素が見た目です。
見た目が気に入ったベースや、美しいベースを選べばより愛着もわいて、ステージ映えもします。
メイプルの木目が際立つデザインのベースもありますが、見た目に美しいベースは高額になる傾向にあります。
以前は4弦のベースが主流でしたが、近年ではより低い音が出せる5弦ベースを使用するアーティストも増えてきました。
5弦ベースで4弦ベースの曲はすべて弾けますが、逆に4弦ベースでは弾けないフレーズも出てきます。
好きなアーティストが5弦を使っている場合や、幅広い曲の演奏をしたい方は5弦ベースを選んでおくのもおすすめです。
ベースの主要なメーカーは?
ベースを選ぶ際、主要なメーカー製のものを選ぶという選択肢もあります。
Fender(フェンダー)
Fender社はアメリカの楽器メーカーで、ギターやベース、アンプなどの生産・販売を行っています。
代表的なベースは「プレシジョンベース」「ジャズベース」です。
中でもプレジョンベースはベースにフレットを付けたモデルで、現在のエレキベースの基本を作りました。
プレシジョンベースの発売以前はフレットのないベースが主流でしたが、フレットを付けたことにより、ベースを誰もが演奏しやすい楽器にしました。
ベース、ギターともに、数え切れないほどの世界トップミュージシャンが愛用するメーカーです。
(画像引用元:フェンダーミュージック株式会社)
Gibson(ギブソン)
Gibsonはアメリカの楽器メーカーで、Fenderに並んでギターやベースの歴史を作ってきたメーカーです。
ギターで代表的なのがレスポールやSGですが、SGのボディデザインで作られたベースが、EBベースの愛称を持つ「SG Standard Bass」です。
30.5インチのショートスケールに、小柄で軽量なボディにより取り回しやすいのが特徴ですが、軽量の影響で演奏中にネックが下がりやすい傾向にあります。
SG Standard Bassにはサイズの異なるピックアップが2個搭載されており、図太く重低音の効いた音です。
(画像引用元:Gibson Brands, Inc.)
Rickenbacker(リッケンバッカー)
Rickenbackerはギターやベースを生産・販売するアメリカのメーカーで、ビートルズが使ったことで一躍有名になりました。
世界発のエレキギター「フライングパン」やエレキベースを最初に発売するなど、革新的な挑戦をしてきたメーカーです。
代表的なベースが1961年から1986年まで販売された「4001モデル」で、ボディとヘッドが一目でRickenbackerと分かる特徴あるデザインです。
4001モデルの後継機が「4003モデル」として販売されています。
(画像引用元:Rickenbacker)
MUSIC MAN(ミュージックマン)
1972年創業のMUSIC MAN(ミュージックマン)は、Fenderの創業者レオ・フェンダー氏がFender社を退職後、アメリカで創業しました。
代表的なベースは、楕円形のピックガードと大きなハムバッカー・ピックアップが特徴の「StingRay(スティングレイ)」です。
EQ回路搭載で音作りの幅が広く、輪郭のハッキリしたサウンドが特徴で、世界中に愛用者の多いベースです。
(画像引用元:Ernie Ball Music Man)
まとめ
ベースの種類や選び方、世界の主要メーカーについて解説してきました。
まだベースをお持ちでない方は自分好みのベースを見つけ、ベーシストの一歩を踏み出してみてください。